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【宮崎〜鹿児島】ちょっと自転車で神話の里を走り回ってきた【宮崎空港〜青島〜日南】

神楽坂つむり

九州, 輪行, 自転車, 機材紹介, 写真,
毎年恒例になりつつ年末年始の南国旅。

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選ばれたのは宮崎県でした。
旅の行程

宮崎ルート
1日目 伊丹空港→宮崎空港→宮崎市内散策→青島→鵜戸神宮→日南市 宿泊
2日目 日南→飫肥城下町→都城→霧島神宮→霧島温泉郷 宿泊
3日目 霧島温泉郷→安楽温泉→鹿児島空港→伊丹空港 帰宅

最近の私の旅スタイルは「その土地を知る」を重視しているから、走行距離は100km/日前後が目安になってきた。走りに集中すれば距離を伸ばすこともできるけれど…目的が変わったということ。昔は走ること自体が、遠くへ行く行為そのものに魅力を感じていて、取り憑かれたようにロングライドをしていたけれど、今は変化した。その分、今まで見逃していた景色や文化や生活や歴史に触れる時間が増えて密度も濃くなって、旅先の解像度が間違いなく上がった。どちらが良いと言う訳ではなく、興味の対象がより旅そのものにフォーカスされて来たと言うこと。

と言うこともあって、例えば8時スタートの自転車旅で宿到着を18時と考えた際には、持ち時間は10時間。移動速度が28km/h前後として、そこに向かい風や坂、街中通過と言った走行環境に関すること、観光や立ち寄りと言った体験に関すること、そしてご飯や休憩と言った身体コンディションに関することを加味して、10~15km/h程度で計算するようになってきた。走りに集中すればグロスで20km/hと考えるとざっくり半分くらいの進行度合いになる。けどこれでいい。時間に追われることなく、気になるところがあれば、じっくりを腰を据えることができる。旅において最も勿体無いのは時間に追われて本来の目的を果たせなくなることだと思う。だからこそ無理はしない行程作りが大事で、特に自転車旅においては無理に計画すると無理をしないといけなくなる。結局それを決めるのは自分であって、自業自得と言う文字を頭の中に思う浮かべる場面は過去に何度もあった。(四国の山中で日没を迎えた時等)

最近はそう言うことが自分でも分かりきっているから、旅の行程を考える時から余裕たっぷりにしている。どうせあれこれ現地でしたくなるに決まってる。そう言うわけで今回は1日目70km、2日目100km、3日目30kmとした。それでも2日目は結構タフなライドになった訳だけれど、それはまた後述。


往復14,000円

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今や飛行機は上手く活用すれば鉄道より安価で便利なものになった。今回はANAが年末に実施していた
「ANA創立70周年記念企画  国内線どこでも片道7,000円!  11/29-12/1「ANAにキュン!」」
を利用!したおかげで本当に往復14,000円で旅することが出来た。しかも往復縛りじゃなくて片道ずつ選べたから旅の自由度もグッと上がって有り難かった。

定期的にこの類のセールは、特にANAは毎月29日にセールをしているから、チェックしていて損はないと思う。JAL派の私だったけれど、最近は特に拘らずに両社を利用することが増えた。

そう言う訳であとはふらっと伊丹空港まで走って、鉄道と同じ要領で輪行作業をして、飛行機輪行の準備も完了。

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いつも通り、オーストリッチの両輪外し・縦置きタイプ・ソフトタイプの輪行袋を使用。こう言う時、クロモリロードバイクは気を遣う部分が少ないから本当に楽。ものの10分程度で作業が完了した。あとは普通に手荷物として預けるだけ。ちなみに最近は手荷物カウンターで「特殊な手荷物」として別カウンターに案内されるのだけれど、タイミングが上手くいけば普通のカウンターよりお客が少ないからスピーディだったりしてちょっと得した気分になる。

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休日利用だったのに前後左右ともに誰も乗っていなかった。まだコロナ禍の影響は大きいみたい。空気を運ぶよりは片道7,000円でも乗客がいた方が良い、と言うことだろうか。その分、快適な空の旅。

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大阪から宮崎。鉄道やフェリーでアクセスするとかなり時間を要する区間だけれど、飛行機なら1時間ちょっと。過去に移動した場所、旅路を俯瞰することが出来るから、飛行機に乗ってる時は延々と眼下の景色を眺めてしまう。これが7,000円。ありがたし。


宮崎旅の始まり

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沖縄、鹿児島に続いて南国のイメージが強い宮崎県。それをPRするように宮崎ブーゲンビリア空港も南国の雰囲気たっぷりの景色で迎えてくれた。このまま日南まで南下しても良かったけれど、せっかくだから宮崎市内を見ておこうと思って逆方向に走り出すことにした。時刻は10時半。宮崎市内でラーメンでも食べたいな、とも考えていた。

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宮崎を走るのは久しぶりだけれど、改めて思うのは道路が綺麗。道が広い。というか場所に寄るけれど、道の境界線が曖昧で車線も見慣れない形のものが多かったように思える。見たら理解できるけれど、なんだか自由度が高い、そんな感じ。自転車レーンがきっちり区分けされているところも多くって、全体的に走り易かった。

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H1ロケットのレプリカが公園展示されていたり。能登半島でコスモアイル羽咋に行ってから、宇宙開発にも興味が湧いてしまう今日この頃。10kmほどウォーミングアップのつもりでゆっくり走って宮崎市内に到着。ここでちょうどお腹が空いていたから、地元の人情報で仕入れていたとあるラーメン屋さんに立ち寄り!


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栄養軒と言う、なんとも味わい深い名前のラーメン屋さんに来た。名前も外装も内装もお客さんも何もかも味わい深かった。

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The宮崎ラーメン。さすが老舗かつ地元の人に愛されるということもあって、これ以上でもこれ以下でもない宮崎ラーメンが出てきた。中太麺のあっさりとんこつラーメンで、麺もスープも美味だった。なるほどこれが老舗の味。もうすでにまた食べたくなってる。

さて、腹ごしらえをした後は…南下するだけじゃ勿体無いから宮崎神宮へお参りすることに。
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神宮、つまりは皇室とゆかりがある神社のことを示す。

全国を旅していると神社について嫌でも詳しくなってくる。けれど分からないこともあったから、本を買って勉強したこともあった。それ以来、神社を訪れるのが楽しい'`,、('∀`) '`,、神社と神宮の違いや、大社、宮、八幡宮の意味などなど。祭られている神様の違いによって異なるさまざまなこと。訪れ際に予備知識として知っておくと俄然楽しみが増すから興味がある人はぜひ勉強してみてほしい。1時間もあればそれなりの知識が身に付くはず。

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時刻はお昼過ぎ。ここから60km程度走ればゴールである日南市に着くはず。これくらいの余裕があってこそゆっくり観光したり寄り道したりできると言うもの。途中までは国道10号線を使って日南へ。青看板には鹿児島まで129kmと表示されていて、結構近いな、と思ったけれど隣県なんだから当たり前か。けど街の雰囲気も見られる景色も全然違うなぁと思う。九州は本当に面白い。エリアによって気候も景色も文化もグルメも何もかも違う。

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海沿いの道。The宮崎。1月と言うことでさすがに暖かいとまでは行かなかったけれど、それでもグローブなしで走ることができる時間帯もあったりした。

そして辿り着いたのは青島神社がある青島。あたり一体は観光地として整備されていて、リゾート地のような雰囲気が感じられた。お正月シーズンと言うこともあって初詣観光客が結構いるらしく、宮崎神宮同様にそれなりの人がいて活気があった。こう言う場所はある程度観光客がいた方が旅人としてもちょっと嬉しかったりする。誰一人いないシチュエーションも悪くないのだけれど、ちょっと侘しい。

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青島はぜひ一度訪れてみて欲しい、と思える場所だった。いろんな観点でおすすめできる。純粋に観光地としても面白い要素がたくさんあるし、地質学や歴史的に見ても全国的に見てユニークな場所だと思った。上の写真のように島は貝殻で成り立っていて、別名「真砂島」とも呼ばれているくらいに真っ白んビーチが広がっているけれど、その実は砂ではない。遠目では砂に見えたけれど近づいて掌で掬って見て驚いた。裸足で歩いたら痛いんだろうか。さすがに真冬にわざわざ靴と靴下を脱いでまで試す勇気は出なかった。

もう一つ、全国的にもここ日南海岸で数多く見られる「鬼の洗濯岩」をここまで間近で見ることができる、と言う点でも魅力的な場所。なんなら実際にその上を歩くことができる。これは貴重な体験。堆積した地層が長年の浸食によって風化し削られて柔らかい部分と硬い部分の差で凸凹に成形されていった様を間近で見ることができる。

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そんな真砂と洗濯岩を横目に歩くと見えてくるのが青島神社。
島の成り立ちからロケーション、周りの風景、全部ひっくるめてかなりスパシャルであることは伝わっただろうか。そんな場所にある青島神社。

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おおよそ神社とは思えない鬱蒼とした木々の正体はビロー樹と言うものだった。少なくとも私が見てきた中ではこのような植物が生えてる神社を見るのは初めてだった。境内を歩いていても通常の神社で感じるような厳かな雰囲気と言うよりは、生命力に満ち満ちた空間で社殿がまるで古代遺跡のようにぽっつりと佇んでいるのが印象的だった。このような立地だ、それこそいつ消失してもおなしくない。せっかくだから旅の安全を祈願してから、青島を後にした。

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日南海岸は総じて走りやすく、快適だった。アップダウンも他地域の海岸に比べて随分楽だったと思う。紀伊半島と言うよりは房総半島に近い。それに道路も綺麗で、交通量も知れていた。南下していると延々と左手に海を見ることになり、その景色は満たされはするものの飽きることもなく、走っていてずっと気持ちが良かった。ああ、宮崎まで来て良かったな、とこの時、強く思ったのを覚えている。


その後はフォロワーさんに教えていただいた鵜戸神宮へ向かうことに。


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この鵜戸神宮も見応えがありすぎて予定していた時間を大幅に超えて滞在してしまった。何せこんな大きな岩窟の中にこんな立派な神社があるなんて、これもまた青島神社に続いて見たことがなかった。さすが神話の里、宮崎県。天岩戸伝説をはじめとして、数々の神話が息づく場所。その理由を垣間見た気がした。ちなみにこの鵜戸神宮、近くまで来た際には是非訪れて欲しいけれど、メインの道路から外れて短いながらも結構な坂道を登らされることになるから、重装備ツーリストの人なんかはそれなりに時間を確保して行くことをおすすめしたい。

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鵜戸神宮を後にしてからは日南市内まで愚直走りをした。夕暮れの時間が迫っていたし、少し雲行きが怪しかったと言うのもある。幸いにも雨が降ったり真っ暗闇の中走るなんてことにはならず、最後には少しだけだけど夕焼けを見ることも出来た。もちろん水平線に沈む絵なんか見られるはずもなく、山向こうの空が明るくなる様子だったけれど。

走行距離は75km程度。ゆっくりマイペースで走ってきたおかげで疲れもなく、気力体力共にバッチリな状態で知らない街に辿り着いた。慣れないうちは…自転車旅でよく気力も体力も使い果たすことがあった。ボロボロな状態で街に流れ着いて本能の赴くままにご飯にありついて…そこでようやく思考回路が復活して…。そんなことをふと思い出した。知らない街はそこまでじゃなくても近しい状態でたどり着くことが多かったから、こうして余裕を持って到着しても当時の記憶が色々と蘇ることがあった。

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どこか居酒屋にでも行って鶏料理を食べてもいいけれど、なんだかこの日はそう言う気分にも慣れずに、地元の人に教えてもらった美味しいと評判のお弁当屋さんでテイクアウトをすることにした。鳥の唐揚げ、鳥の天ぷら、チキン南蛮が全部入ったお弁当を食べることができて、結果としては大正解だった。お弁当ができるまでの間、地元の人と話をする機会があって、宮崎の文化や方言、ローカル情報などを仕入れることができてこれまたラッキーだった。やはり地元の人情報ほど確かなものはない。

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宿について天気予報を見ていると、明日はなかなか厳しいことが分かった。風向きがかなり悪い。丸一日、ずっと向かい風であることが分かった。起きる時間を予定より1時間はやめることにして、時間を余分に確保することにした。それにしても降灰予想がすごい。明日は下手をしたら灰まみれで走ることになるんじゃないだろうか。。いつかの桜島ツーリングを思い出す。兎にも角にも明日に備えて早く寝ることにした。

続く。

   
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