【北海道】絶海の孤島と羽幌大返し【天売島自転車旅】

神楽坂つむり

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天売島に到着!
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船から降りてしばらく走ると地図看板があった。
どうやらこれがこの島の全貌らしい。一周10km。コンパクトすぎる。

前回の記事はこちら


と言うわけで焼尻島に続く二つ目の島、天売島にやってきた私。
正直、焼尻島だけでかなり満足してしまっていたけれど、知らない島に上陸する瞬間のワクワク感はやっぱりたまらない。日本に残された離島を少しずつ食い潰している。

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自転車乗りにとっては楽園のような環境。
信号がひとつもなかった。車とは一台しかすれ違わなかった。
そして飲食店が港にしかないことは明らかだった。
その飲食店にしたって選べるほどないのだから、「そこにあるお店」に入るしかない。

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と言うわけで目についたお店、「海友丸」さんにお邪魔していただくのは・・・


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メジマグロ丼!
とても濃厚で旨味がすごい。
食感も「THE新鮮」って感じでコリコリ。
思いかけず島グルメを堪能することができて大満足だった。

腹ごしらえをした後は島を一周。
地図に記載のあった通り、反時計回りの一方通行。
それに従って一周する。
ちなみに焼尻島と同じように滞在時間はフェリーの時刻表の兼ね合いもあって3時間ほど。
一周10kmと考えると寄り道をし尽くしても時間が余るくらいの計算だった。
ので、全く急ぐことなく、心拍数も上げることなく、ゆっくりと走った。

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天売高等学校。生徒数は一体何人ほどなんだろうか。

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あっという間に港と反対側までやってきた。
天売島は野鳥の楽園とも言われているらしく、ものすごい数の野鳥が生息していると言うことでNHKにありそうな光景が見られると思いきや、昼間は餌を取りに行っているとのこと。
夕方以降には大量の野鳥が帰ってくる様子を見られるのだとか。残念ながらこの日はこの島に泊まるわけにはいかない。

明日には札幌で開催される「裏そらちグルメフォンド」に参加するのだから。

(こんな離島にいてて大丈夫なのか!?と自問自答するも、この時にはなんとかなる算段)


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と言うわけで本来はここにものすごい数の野鳥が押し寄せている予定。
ちなみに奥に見える島は利尻島。

近くの岩場を見ると鳥の巣と思われる穴がたくさんあった。
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なるほどちゃんと生息しているっぽい。

天売島は信号もないし車もほとんど走っていない。
確かに走りやすいとは思う。
ただ10kmと言う距離に対してアップダウンがものすごく多い。
ロードバイクですら思わず足をつきそうになるくらいの斜度が続く区間もある。
それと同じくらい思いっきり降る道もあったりして、なかなかにダイナミック。

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その分眺望は素晴らしい。
ただこの写真にあるようにレンタサイクルで天売島を走ろうと思っている人は相当気合いを入れる必要があることだけは伝えておく。
もちろん距離的にはそこまで、なのでゆっくりマイペースで決して頑張らずに走れば大丈夫だと思う。
観光で来られた際には、可能なら電動アシスト付き自転車をレンタルすべし。
体力的な余裕もあれば景色もゆっくり楽しむことができると思う。

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利尻島や礼文島と同じように花もたくさん咲いていた。


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道中、他のサイクリストと交流する機会があった。
オーストラリア出身という彼は、話を聞くと札幌に在住していて、今は長期休暇で北海道をぐるっと一周している最中なのだとか。
思わず旅の話で盛り上がる。
かつて北海道を旅していた私としてはついつい色々と話をしてしまいそうだったけれど、ネタバレになってもいけないし、ぐっと我慢して逆にオーストラリアのことやこれまでの旅の話をした。
ただこの日の寝床は決まっておらず明日雨も降ることからテントは避けたい、と言うことだったので私が昨日宿泊した宿だけ紹介しておいた。


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平気で斜度10%を超えてくる。周防大島の嵩山に至る道を思い出した。
あの時と同じくらいの激坂が続いてちょっとびっくりした。
ここをママチャリで登るのも嫌だし降るのもちょっと怖そう。

あっという間に港に戻ってきた。
港とはつまりこの島においては町の中心部、かと思ったらちょっと違うっぽい。
少なくとも一周している時にはある区画に先ほどの高校や郵便局が固まっていたから、島の中心はそっちなんだろうか。
けれどやっぱり港が一番活気があった。

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道道!

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漁船の単縦陣。
かっこいい。

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なんだかんだ寄り道したり話をしていたもののやっぱりフェリーの時間までは30分以上あったから。
ので、港の端っこで20分ほど昼寝をして時間を潰した。
現代人に必要なのは全て自分で決めることができる自由時間とモラトリアム。
旅をしていると何もかもを自分で選ぶ取ることができる。
こういう自由を感じる時間、旅人冥利に尽きる。

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帰りはフェリーで。羽幌港までおおよそ1時間の船旅。

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そして帰りのフェリーで先ほどの旅人と再会した。
羽幌港までの1時間をたっぷり旅の話をして過ごした。
とても有意義だった。
お互い異国の地で生まれ育ってこうしてマイナーな航路を行くフェリーの中で話をするなんて、何たる偶然。
これまで訪れた国内外の場所、旅の苦労話、面白い話、家族の話。いろんな話をした。
お互いに良い旅を。

さて、時刻は17時過ぎ。
そろそろお腹が空いてきたということで、これまたフェリーの中で羽幌に住むという女性の人におすすめしてもらったお店へ行くことに。

食事の店いずみさん。

ここでいただくのは・・・
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海老塩ラーメン!
これがものっっっっっっすごい美味しくてびっくりした。
海老の旨味がすごい。とにかく出汁がすごい。
店主曰く、出汁には相当拘っているとのことで、「世界に一つだけ」とまで言われて大袈裟に聞こえるけれど実際にそうだとも思った。
トッピングの海老もパリパリ。
羽幌を訪れた際にはぜひ訪れて見てほしい。


さて、ここから明日に備えて札幌まで戻らないといけない。
北海道に来るなり勢いに任せて離島まで行ってしまったけれど、本来の目的は「そらちグルメフォンド」であって、これはあくまで前哨戦。
羽幌から札幌まではおおよそ200km。
時間は18時。
この場所に鉄道なんてない。
選択肢は・・・

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羽幌バスターミナルから・・・


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沿岸バスでバス輪行ワープ!(普通の路線バスだけど北海道ならではで長距離移動可能)


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留萌駅に降り立ち・・・



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先日のニュースで廃線が決定してしまった留萌線で輪行をして・・・


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深川駅まで戻ってそこからさらに・・・


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例のSきっぷを利用して特急列車で札幌まで戻り・・・


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23時前に札幌に到着からのけーすけさんによる車拉致からの自宅軟禁完了!

と言うことで自転車⇨フェリー⇨路線バス⇨在来線⇨特急列車⇨車とあらゆる交通手段を用いて無事にその日中に札幌に戻ってくることができた。



翌日は裏そらちグルメフォンドだ!やったー!
と思いきや待ち受けていたのはとんでもない仕打ちグラベル。
こちらについては先に記事にしていたのでこちらをどうぞ。

そんなこんなでそらちグルメフォンドまでの時間を目一杯楽しむことが出来た。
やっぱりせっかくその土地を訪れるなら、ただ単に目的地を目的にするだけでなく、色々と巡ってその土地を最大限満喫するのが良いなぁと改めて実感。

そう言う前置きがあることで、そらちグルメフォンドもより楽しめると言うもの。
本番が楽しみで仕方がなかった。



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