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【北海道】羊をめぐる冒険島【焼尻島自転車旅】

知らない天井だ。

カーテン越しに明かりが差し込んできた。

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民宿あるある、遮光カーテンじゃないカーテン。
強制的に早くに目が覚めるから旅をしている身としてはちょうど良かったりする。






さすが北海道。まだ夏だと言うのにとても涼しい朝だった。窓から顔を出すとひんやりとした空気すら感じられた。窓辺に干していたウエアは全部綺麗さっぱり乾いていた。これで今日もフレッシュな気分で走ることができる。ウエアのコンディションを保つことは身体のコンディションを整えることと同じくらい大切。

昨日に引き続きおひつご飯で出てくる朝食をたっぷりと平らげて準備を済ませる。
この日は昨日急遽決まった予定、ここ羽幌の町からフェリーで焼尻島へ渡る。調べたところてっきり一つの島と思っていた場所は実は2つの島だったようで、焼尻島と天売島が並んでいるらしい。利尻島と礼文島のようなイメージで、どちらも日本海に浮かんでいるし、なんならお互いに目視で確認することができる。

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民宿の玄関内に自転車を停めさせてもらった。

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出てくる地名を見ているだけでテンションが上がってしまう。

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フェリーターミナルで時刻表と睨めっこして行程を確認。

羽幌のフェリーターミナルからは高速船とフェリーが運行していて、電話で問い合わせた時に聞いていると、どうやらどちらも自転車を積載することができるらしい。しかも輪行せずにそのまま積載することができる。もちろん輪行袋に入れたら手荷物として載せられるし、その場合は自転車料金がかからないから節約になる。

けれど今回は二つの島をどっちも巡りたかった。時刻表と睨めっこをして、ちょうどどちらの島を巡りながらも今日中に羽幌に帰ってくることができそうだった。

羽幌港→焼尻島
焼尻島→天売島
天売島→羽幌島

と言う具合で3回乗船するのに3回輪行するのは面倒だったから、自転車料金を払ってそのまま乗せてもらうことにした。ちなみに島の滞在時間は2〜3時間程度で、一周10km程度の小さな島だったから、ゆっくり巡るのには十分すぎるくらいだった。ちなみに時刻表的には先に天売島から回ることも可能。

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こちらがフェリー。

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こちらは高速船。

羽幌フェリーターミナルからはまずはフェリーで焼尻島へ。幸いにもこの日は快晴で、この船旅がとても気持ち良かった。北海道に来てまで船旅をすることになるとは思わなかった。旅はこうして進めながら行動を決めていくのがとても面白い。そしてそれが上手くハマるとこの上なく嬉しいし楽しい。

後で聞いた話だけれど、
「そらちグルメフォンドまでにちゃんと帰ってこられるのか心配だった」
とSNSで見られていた模様'`,、('∀`) '`,、
なんでもこの航路は就航率がそこまで高いわけでもなく、風が強いと平気で欠航したりするらしい。
なるほどそれは考えてなかった。瀬戸内海の島旅に慣れすぎていた。
そんな発想に至らないくらいの平穏でラッキー!

(けど確かにイベント参加の前乗りの一環で行く場所ではないかもしれない)


焼尻島まではフェリーでおおよそ1時間ほどの船旅。
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この日は風も弱く穏やかで離れていく北海道本土や近づいてくる島を眺めているだけで楽しかった。


ちなみに遠くには利尻島がはっきりと見えていた。

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ちょうど二ヶ月前にあの島に訪れてしかもあの見えている利尻山のてっぺんまで登山をしたばかりだったから、なんだか感無量だった。これだけ離れていてもあんなに大きく高く聳えている山の頂上に自分がいたんだと思うと不思議な気持ちになった。



そしていよいよ焼尻島に上陸。
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外から見ていてもコンパクトな島であることが分かった。地図なんて意味がなさそうだ。実際に地図を開くことは一度もなかった。この感覚は瀬戸内海の豊島や宮古島の伊良部に近いものがあった。小さな離島だけが有するモラトリアム感や穏やかさ。フェリーから降りて一歩踏み出した瞬間に「ああ、良い島だ」と思える空気感が漂っていた。

それに北海道らしいカラッとした空気も気持ちが良かった。瀬戸内海だともう少しジメッとしている。爽やかな空気に早くも秋を感じたり。

そう言うわけでとりあえず一周することにした。島だから何も考えずに反時計回りで走れば良い景色に巡り合うはず。そもそも道の選択肢がそれしかなかった。補給場所なんて絶対ないだろうから港の自販機で飲み物だけはしっかりと確保して。

走り始めるも何も、ただただゆっくりと景色を見て、写真を撮って、島時間を堪能するばかり。走ると言うほどのことはしていないと思う。「これならブロンプトンくらいがちょうどいいかな」と離島を訪れるといつも思うけれど、同時に「アップダウンがあるから地味に辛そう」とも思う。他の島の例に漏れずそこそこアップダウンがあって、港でシティサイクルをレンタルしている観光客は漕ぐのが大変そうだった。もちろん歩くよりはずっと効率的で楽しいはずだけれど。

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気持ちの良い景色の連続!


羊の島としても有名らしい。
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サフォーク種が放牧されている牧場があって、それらを眺めることもできた。

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サフォーク種は羊の中でも食肉用の羊で、北海道といえばジンギスカンが有名だけれど、そのほとんどが実は外国産の羊肉を使っている中、ここ焼尻島では純度100%北海道産の羊肉を手に入れることができる。羊毛やミルクのための羊と異なり、顔が真っ黒で尻尾のモフり具合がふわふわなのが特徴。島内の中心部の牧場エリアでその姿をたくさん見ることができた。


それにしてもこの島、本当に眺望が良い!
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程良いアップダウンがあって、島の中心が丘陵地帯になっているから、その間を抜ける道路を辿るだけで絶景が見られる。

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小さな島であり周りが全部海に囲まれているから常に海を見下ろして走ることができる。それに人工物が極めて少なく、特に島の西側は民家もほとんどなくってただひたすらに気持ちの良い道が広がるばかり。だから何かあるかと言われれば特に何もなく、いわゆる観光地的な要素はあまりない。ただ自然風景、穏やかな空気感が広がるばかり。

「どこが良かった?」
「〇〇」
「何があるの?」
「特に何もない」

と言う会話はしばしばある。そもそも良いの定義が違うのかもしれないし、旅の目的も違うのかもしれない。ただ実際に「どこが良かった?」と聞かれた時に思い浮かべる場所の多くがランドマーク的な名所があるわけでもなく、価値のある建物があるわけでもなく、そこに至るプロセスや空気感と言った言語化しにくいもので満たされた「良い場所」だったりする。少なくとも私にとって魅力ある場所は。

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焼尻島はまさにそう言う島だった。

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何もないけれど、とても印象に残る。

走っているだけで楽しい嬉しい。
きっとこれだけ晴れていたからこそと言うのもあると思う。
眺望が良いから多少曇っていてもきっと良い景色なんだろうけれど、この晴天の中走ってしまうとやっぱり晴れの価値は唯一無二だ。

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まずは半周走ってから少し戻ったり一筆書きでは行けないところに行ったり、細かい動きをしながら島を一周した。羊と眺望を抜きにしたら本当にただ一周するだけで終わってしまう島だ。人によってはなんとつまらない島なんだろう、と言われそうだ。

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港に戻ってもまだ次の島へ行くフェリーまでには時間的に余裕があった。
良い響きだ。「次の島」だとか「時間的に余裕」だとか。
なんだか北海道にいることを忘れてしまいそうになる。
フェリーの待合所でただただボケーっと港を眺めたり、島の人と話をしたりして時間を潰した。

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定刻通りに天売島へ行く高速船がやって来た。
いざ、次の島へ。

続く。



 

  
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