【夏の瀬戸内海旅】広島の歴史と海景色をなぞる旅【竹原〜呉〜江田島〜広島】
島旅, 山陽, 聖地巡礼, 輪行, ロングライド, 写真, 自転車,知らない天井だ。
遮光カーテンじゃないから朝早くから光が差し込む民宿あるある。
早起きできるからちょうどいい。
7時頃に起床して8時ごろにスタートした。

洗濯物も完璧に乾いてた!
洗濯ができるのはとても大切。
下手なホテルだと洗濯機がないけれど、民宿で洗濯できなかったことはほぼない。
民宿大好きだ。
さて、竹原。
たまゆら好きにはたまらない場所。
しかも朝目覚めたら竹原だなんて・・・。
きっとこんな空気の中通学していたんだろう、なんて妄想しながら街並みを散策。

もちろん抑えずにはいられないこのカット。
「おかえりなさい」この言葉に竹原の全てがぎゅっと凝縮されている。
作り直されて色味を取り戻したたまゆパネル。
また来ます。
さて、向かうは西へ。
さらに西へ。
斜め後ろからの朝日を浴びながら、青く染まる空と海を横目に見ながら、前に進む。
きーもち良いー!
しまなみ海道みたいな分かりやすい海沿いの道も良いけれど、こういう街並みの横にあって生活感あふれる海沿いの道が大好きだったりする。
なんというか日常の中にある風景。海景色。当たり前に海が寄り添っている風景がとても好きだ。
瀬戸内海を旅していて、いつもたまらなく心に来るものがある。
それは望郷だろうか、原風景なんだろうか。
けど車や鉄道にはない感じるものがあるあたり、やっぱり自転車で風やにおいや音を感じながら走るからこその世界、なのかもしれない。
暑くなりきらない午前中に距離を稼ぎたいところ。
呉に到着するまではコンビニ休憩一回だけ済ませて、あとは愚直走り。
地図もいらない。青看板とブルーラインだけ見ておけば瀬戸内海は旅ができるのも良いところ。
呉名物(?)休山トンネル。
車道と歩道が完全に分離していて、とても走りやすい。
トンネル内で歩行者や自転車と車が接触する事故は全国各地で起きてるけれど、考えたら当たり前に起こる話。いくら気をつけてても起こる時は起こる。自転車旅人はいつも祈りながらトンネルを通過していることと思う。なるべくなら避けたいけれど避けられない場所もたくさんある。こう言うふうに安全策が取られているトンネルばかりだったら良いのだけれど・・・。
トンネルを抜けると、そこは呉。
呉〜呉〜。
いろんな作品の舞台でもある。
呉を舞台にした作品の中で、私が最も印象深いと思ったのが、「この世界の片隅に」
作品の良さについては私よりもっと考察っぽい考察をしている人がいるのでそちらをご覧いただければ幸い。
個人的な印象としては「あたたかい」「内面の強さ」「生活の尊さ」といったコトバが、エンドスクロールを眺めているときに浮かんで来た。おそらく、というか間違いなく時代考察から当時の建造物、人々の服装と言葉使いまで徹底して検証、取材をしたうえで、本作が作られている。故にオタク的な観点から本作を紐解いていくのも十分な娯楽になるけれど、単純に主人公である「すずさん」を見ているだけでも胸にくるものがある。ふだんは飄々としているけれど、実は内面に、それも普段は使わない引き出しの奥のような位置に強い意志をちゃんともっていて、終戦放送をラジオで聞いた直後のあの衝動、その強く生きようとする意志の強さにはぐっとくるものがあった。個人的にはまな板と包丁をバイオリンに見立てているシーンが大好き。
夏のこの時期に、8月7日に呉を訪れると言うのはとても意味のあることだとも感じた。
あの夏、この日、この場所は一体どれだけの混沌があったんだろうか。
今こうして街が生きていること、それって本当にすごいことなんだなぁと改めて思う。
さて、お昼ご飯は絶対に海軍カレーを食べたいと思っていた。
呉に到着したのが10時ちょっと。
流石にランチにはまだ早いけれど、この辺りで最も早い時間から提供してくれるお店が一軒だけあった。
そのお店がある場所は「JMSDF CAFE (海上自衛隊呉史料館)」
つまり海上自衛隊が提供する海軍カレー。公式にも程があるって!
と言うことで向かうはてつのくじら館。
いつ見ても、とんでもない。
街中に突如現れる本物の潜水艦。
異物感がすごい。
というかこんなに大きいのか・・・!
と初めて見た時はびっくりした。
実際に運用されていた潜水艦「あきしお」
入場料は無料で、史料館内では主に掃海艇の活躍を中心にさまざまな展示物を見ることができる。
冷房がよく効いていて、夏のツーリングの合間に立ち寄るのは最高だと思った。
30分だけでも資料を眺めながら過ごしたら完全にクールダウンしてリセットできる。
それに展示がめちゃくちゃ見応えがあるから、ハマる人には平気で1時間過ぎると思う。
さらに国内で唯一、潜水艦の内部を見ることができる。
先ほど外から見えていた潜水艦。
ハリボテではなく本物で、さらにその中を無料で見ることができるなんて最高かーーー!
機密保持と安全のため館内は撮影禁止。
中は見応えしかなかった。
とても狭く潜水艦独特の圧迫感のようなものを感じつつ、狭い空間にあらゆる機能を持たせるための工夫や収納術、衣食住を快適にするための設備、そして戦うための機能が渾然一体となって詰め込まれていて、まさに叡智の結晶。
あと下からは気づかなかったけれど潜望鏡があって、実際に覗くことができたのは感動だった。
想像以上の倍率と解像度にびっくりした。
そして史料館と潜水艦を楽しんだあとはお昼!
海上自衛隊運営のレストランで海軍カレー!
と思ったけれどこの日は提供時間が11時からと言うことでまだ20分ほど時間があった。
先に席を確保して、腹ごしらえに・・・
アメリ艦ドッグをいただくなど。
そしてお楽しみのカレー解禁!
実際にあきしおで提供されていたレシピそのままのあきしおカレー。
甘さと辛さ、どちらも感じられる深い味わい。最初は甘いかな?と思った後に奥に控えているスパイシーな辛さ。辛いだけじゃなくて風味豊かで、めっちゃ美味しい!
他の海軍カレーもいくつか食べたことあるけれど(利根、そうりゅう、さみだれ、くろしお等)どこも共通しているのは「ガチで美味しい」と言うこと。
普通にお店できるレベル。いや実際こうして出てるんだけど。
分かるマン。
加賀さんのイラストに癒されつつ、そして午前中で熱った身体も完全にクールダウンが出来たところでこの度最後のセクション、倉橋島〜江田島へ。
呉から広島市内へ向かう道は普通に走ると国道沿いを走ることになるけれど
それじゃあつまらない!
と言うことでちょっと遠回り、迂回になるけれど、いつもこっちの江田島経由が好き。
何よりこっちのルートは風光明媚。
かつての戦艦大和が作られた工場を見ることができる歩道橋もあったりして・・・・
あったりして・・・
あれは・・・・!
かが!
まさかの改修入渠中の「かが」を見ることができてテンションめっちゃ上がってしまった。
この様子だとまだまだかかりそうである。
それにしてもさっきの潜水艦もそうだけれど、とにかく大きい。
よくこんなの作ったなぁ・・・と思わざるを得ない。
そしてこの辺りは艦艇を眺めるには最高の場所。
タイミングによるけれど、この日は過去最高と言っていいくらいにたくさんの艦艇が集まっていて見応えたっぷりだった。
ここから江田島方面へ。
残念なことに、島へ渡るかつての渡船「音戸渡船」はつい昨年に廃業したと言うことで・・・
長年、ありがとうございました。
音戸の瀬戸を代表する風景の一つでした。
広島に拠点があった頃は何回も何回も乗った思い出。
自転車乗り的にはとても便利で親しみのある航路だった。
元々収益は取れてなかった中、船頭さんの体調不良と台風による船舶損傷が決め手だった模様。
旅をしているといろんな場所で思い出ができるけれど、同時にいろんなことやものが失われていくのもたくさん見てきた。
やりたいことはやれるうちに。行きたいところは行きたいうちに。
音戸渡船が登場する過去の旅記事はこちら
と言うわけで橋を利用して渡ることに。
ここの2回転半ダウンヒル、これはこれで楽しいんだけれどね!
(本気で目が回る)
江田島内は快走快走。
海を間近に見ながら走ることができるし、呉の街並みも対岸に見えるのもポイント高い。
江田島〜呉。
今はこうして平和だけれど、かつての第二次世界大戦時には、いくつもの激戦が繰り広げられた場所。
8月7日と言うことで、お盆間近。
広島といえばこの送り盆の盆灯籠。
コンビニの店頭に並ぶくらいに広島では定番の景色。
これを見ると夏も折り返しだなぁと毎年思う。
江田島はフェリーがとても便利。
広島市内までダイレクトに帰ることができる。
切串港〜宇治港までおおよそ30分の船旅。
360度、島を見渡しながらの船旅で、景色を見ていたらあっという間。
旅の終わりという意味では、物思いに耽ったり、後やっぱり30分だけでもしっかりと船内でクールダウンできるのはとてもありがたい。
ちなみに料金は船内にいると係の人が現金で回収しにくるスタイルで、これ知らなかったら普通に混乱すると思う。
何度も何度もお世話になってる、大好きなフェリーの一つ。
広島市内まで30分の船旅。
広島市内に到着して後は広島駅から新幹線で帰るだけだったけれど、最後にはやっぱり寄っておかないといけない。
原爆ドーム。
2022.08.07の様子。
ここもいつまでも残っているとは限らない。現にリアルタイムで崩れていっている箇所もあるのだとか。
あの夏にこの場所は焼け野が原だったなんて、想像もつかない。
絵に描いたような眩しい夏の瀬戸内海旅。
平和に自由にこうして旅を楽しむことができる環境のありがたさを改めて噛み締めながら、広島駅にてゴール!
帰りはサクサクっと新幹線にさえ乗って仕舞えばたったの1時間半で大阪に帰宅。
大阪からフェリーで愛媛県東予港に渡り、
しまなみ海道を縦断して、
竹原で宿泊し、
呉で観光をして、
倉橋島〜江田島と島旅を楽しんで、
最後は広島市内から輪行で帰宅。
何度目か分からない瀬戸内海旅だったけれど、
何度訪れても新しい発見があり思い出に残る旅となりました。
またいつか。
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