【若狭路】ちょっと自転車で敦賀から大阪まで走ってみた【敦賀〜小浜〜舞鶴〜綾部〜大阪】

神楽坂つむり

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行ってきました若狭の路。

終わってみれば225kmの旅。
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日本海の荒波と言うけれど
静かで穏やかでひたすら蒼い世界が広がる一日でした。
今回走ったルート

タイトル通りです。敦賀から舞鶴経由で大阪市内まで走り抜きました。
本当は舞鶴あるいは城崎温泉から輪行で帰る予定だったのが、舞鶴市内の青看板に「京都」の文字が見えた瞬間に、「自走で帰ってみよう」という気持ちになったので自走で帰りました青看板が示す文字には不思議な力があるなぁと感じることがたまにありますが、今回はまさにそうでした。

ちなみに敦賀から素直に滋賀県経由で真っ直ぐ帰ると120km程度と、実は大阪〜敦賀はそんなに遠くないことが分かります。実際に何度か大阪から自走で敦賀まで走ったり、そこから勢いをつけて金沢まで走ったりしていますが、毎回快適です。

大阪から見ると北陸の玄関口である敦賀。
近い将来には北陸新幹線が延伸して敦賀まで伸びるわけですから、より北陸が身近になるということで、楽しみ。一方でサンダーバードがどうなることやら……敦賀止まりのサンダーバードなんてそれもうただの新快速や……。


サンダーバードで敦賀へ

今回は日本海沿いを堪能する時間を多く取りたかったから一気に敦賀までワープ。
旅情気分を味わいたかったのと、天気の良い休日ということで、朝の混雑時間帯に若干被りそうだったからサンダーバードで向かいます。料金的には正直、新快速との価格差が大きい割に、所要時間には大きな差がないから、新快速の方が圧倒的にコスパが良い……。
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毎度お馴染みpekoさんの輪行袋。もう150回以上使っているのにまだ使えてるのが凄い。


電車内で窓越しの景色を眺めたり、うとうとしているうちに、あっという間に敦賀に到着。
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この駅舎からの景色も数年後には変わる。一体どういう場所に変わるんだろう。楽しみ。


旅の始まり

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時刻は9:30頃。いざ、スタート!

まずはひたすら西へ。海沿いに。地図もいらないくらいのシンプルな道だけれど、最初の選択肢でいつも迷うのが国道27号線をそのまま進んで長いトンネルを越えるか、関峠を越えるか。いつも後者、峠越えを選択していたから、今回はあえて国道27号線を進むことに。

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定番観光スポットであるところの日本海さかな市。
流石にこの時間は空いていなかった。観光地価格感は否めないけれど、味はそこそこ。

さて、国道27号線を進むと現れるのが旗護山トンネル。
距離にして1.8kmと結構長めで交通量もものすごいけれど、歩道がそこそこ広く、かつガードレールがあるから、自転車でも安心して走ることができる。敦賀側から進むとずっと登り坂。急いでも仕方ないのでゆっくりと進む。むしろこんな道で飛ばすのも危ないから、小浜側からアプローチするときは要注意かも。

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実質高速道路横みたいな感じで、車が通るたびに風圧を感じる。確かにこれはガードレールがなかったらかなり怖いかも。ちなみにトンネル周辺はやたらと看板が充実していて、迷わないように、そして謝って自転車が車道に入らないように誘導されていた。
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トンネルを抜けて小浜方面…ではなく海沿いの佐田方面へ。

ここからひたすら海沿いロード。
日本海を満喫しながら西へ進むことに。

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今日はこんな景色、道路+海+水平線を飽きるほど見ることになる。
この時点ではまだ慣れてなく、心の中でテンションが上がりっぱなし。
天気も良いし、暖かい。春らしい陽気に包まれながら、自転車と身ひとつで気持ちの良い道を走る気持ち良さと言ったらない。

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そしてこの日は日本海とは思えないくらいの穏やかな海だった。
沖合では白波ひとつ立っていない。静かで綺麗な海がひたすら広がっていた。

急ぐ旅でもないから、ひたすら自分の楽な、得意なペースでペダルを漕ぎ続ける。
具体的にはこの日は28km/h〜35km/h前後。結局家に帰る220kmまでずっと同じペースで漕ぎ続けることができた。

海沿いの道だから当然アップダウンがあるけれど、この道は比較的楽な方。
某半島一周ルートに比べたら可愛いもの。ひどいところでは50km走って獲得標高1,000mとかの場所もあるけれど、ここはそんなことない、10kmで100m程度の標準的な海沿いの道。

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海も山も見通しが良くて、抜けの良い景色が続くのが若狭地方の魅力。まぁ要するに建物が少なくて田舎。田舎なんだけれど、お店は少なくないし、補給できる場所もそんなに困らない。国道に出れば交通量が多くて、賑わっている雰囲気もあったりする。それでいてやっぱり基本にあるのは豊かな自然で、特に三方五湖の辺りまで来ると、そこはもうツーリングパラダイス。
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今回はスルーしたけれど、三方五湖はただそれだけのためにこの地を訪れる価値のある、美しい景色が広がる場所。地理的にとても面白い場所。そもそも名前からワクワクするよね。三方五湖。その名の通り湖が5つあって、それぞれが湖底で繋がっている。さらにその一部は日本海とつながっている。この奇妙な湖は、昔、隆起したこの土地のかつての山間部。つまり今こうして走っている場所は山の頂上付近だったということ。

そんな三方五湖を満喫した旅を昔したことがあるので興味がある人はご覧ください。

三方五湖をスルーした後は、国道ではなく再び海沿いの道へ脱出。多少なりとも距離は伸びるけれど、見られる景色を考えたら、絶対に海沿いが良いこの若狭エリア。「矢代、阿納尻」方面と示す看板に従ってトンネルを越えて海へ。

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ここからの道がもうひたすら気持ち良くて、往復リピートしたいくらいの景色。ただ景色が良いだけではなく、道幅は広くて見通しが良く、車の交通量も少なくて走りやすい。路面もそこそこ綺麗で、ツーリングには持ってこいの場所。集落もたまにあってそれがまた良い味を出してくれていた。もう少し高低差があるともっとダイナミックな景色になっていたと思うけれど、そうなると自転車で走るのは大変だからこれくらいがちょうどいいかもしれない。

驚いたのが、海の青さ。北陸の日本海ってこんなに青かったっけ!?と驚く。
けれど考えたら、過去の能登半島も佐渡島も佐渡島もめちゃくちゃ綺麗だったことを思い出した。
なんというかイメージとして日本海ってどうしても荒れた海。実はそんな荒れた日本海を見たことがほとんどない'`,、('∀`) '`,、
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この青さ!

そして性癖にめちゃくちゃ刺さった景色がここ。
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好きすぎる〜〜〜〜〜!
海の青さはもちろんだけれど、集落の規模だったり、海と街のバランスだったり、遠くに見える灯台だったり……まるで創作絵にありそうな美しい景色にしばらく見惚れてしまった。小浜市の田烏という場所。アクセスがあまり良くないからか、穴場な雰囲気が漂っていた。

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エメラルドグリーンとはまさにこのこと。

すっかり海に癒されてしまった私。
こういう景色をじっくり見ている間に体力が回復してまた走って良い景色見て止まって写真撮って……なんてことをテンポ良くしているとこれが疲れずに長距離を楽に走ることができる理由の一つかなと思う。がむしゃらにひたすらペダルを踏み続けるのも良いけれど、やっぱり私はこうして気になる景色があれば迷わず止まって堪能する旅が好きなんだと改めて認識した。

さて、敦賀から西へ進んで最初の大きな街、小浜に到着。
小浜はあまり知られていないけれど歴史的に価値のある建物がたくさん集まる地区があり、重要伝統的建造物群保存地区に指定されていたりする。
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ここがまぁ風光明媚で、先ほどまでのダイナミックな自然景色とは対照的な、箱庭的な町並みを楽しむことができる。ロードバイクよりは小径車や折り畳み自転車が似合うような場所。とても静かで人も少なく(これについては観光地という意味では少し寂しい)見える範囲に誰もいない独り占め空間だった。いくつかの建造物をまじまじと眺める。各地の古い町を訪れると、その建物に土地の特徴を見ることができて面白い。例えば風雨災害に備えるための建物の造りの違いだったり、物流に対応するための建物の向きや玄関の造りの違いだったり、あるいは軍事的な理由による街全体の設計思想の違いだったり。現代の街並みと建物は、そのような背景はない。ただただ無機質に効率的に作られていく。どちらが良いとか悪いじゃないけれど、今はもうない要素を垣間見られることに、喜びを感じてしまう。

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小浜を後にして再び西へ西へ。
いくつも町を超えて、気づいたら舞鶴まで来ていた。

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舞鶴と言えば赤れんがパーク!

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舞鶴と言えばかつての鎮守府。現海上自衛隊拠点。
たくさんの自衛艦を見ることができた。広島にいた頃は毎週のように呉に通っていたことを思い出した。

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今は世界情勢がものすごく不安定な世の中。何もないことを祈るばかり。
色んなことを見ていると、こうして呑気に自転車で旅ができていることって、幸せなことなんだなぁと思う。ましてやそれがライフワークレベルでできている環境に感謝するばかり。

さて、ここから冒頭に書いた通り、大阪まで自走で帰ることに。
時間は14:00くらい。
自宅までは130km程度。
30km/hを維持できれば1時間25km程度のペースで進むとして、5時間ちょっと。
だけれどここから「いつもの」写真撮影とか休憩を抜けば1時間弱の短縮ができるから、20:00くらいには自宅に帰られる計算……。

青看板が示す「京都」を見ると行ける気がしてくる。
ものすごく単純だなぁと我ながら思うけれど、青看板に書かれた白文字を見ていると、なんだか行けそうな気がしてくる。まだ走られる気力が湧いてくる。輪行で帰るつもりだったけれど、愚直走りで一気に130kmを走り抜けた。

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山に沈んでいく夕陽を眺めながら次はどこ行こうかなぁ……と。
もう次の旅を考えてしまう良い季節。

川西の呉服橋が見えたあたりで「帰ってきた〜〜〜!」感がすごかったけれど、ここから大阪市内ま地味に20km程度。流石に猪名川沿いでは陽が完全に沈んで夜を迎えたけれど、無事に帰宅。
実走距離:225km
走行時間:8時間42分
総所要時間:10時間12分

前半は景色を、後半は走りを堪能した1日でした。
次の旅も、良い旅でありますように。




   
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