【タイヤ】AGILEST アジリスト 30C TLRでロングライドしたりヒルクライムした感想【パナレーサー】
機材紹介, 写真, 自転車,パナレーサーの新しいロードバイクタイヤ、AGILEST(アジリスト)を試してみた感想をつらつらと。

名前がいい。アジリスト。
詳しいスペックやらラインナップはホームページとかプレスリリースとか各メディアに詳しく正確に書かれているから割愛。
アジリストのための動画もYouTubeに上がっているのを見つけた。
用意周到さが感じられる。
導入してから500km程度、いろんなシチュエーションで使ってみて、このタイヤの特性や向き不向きが見えてきたから、インプレしてみようと思う。
今回インプレするのはAGILESTの中で一番注目していたTLRモデル。
太さは30Cとボリューミー!
重量は270g。
メーカー発表では以下の通り。
圧倒的な転がりの軽さを保持しながら、高い耐パンク性能とグリップ力、しなやかさをも同時に実現する究極のバランス『Panaracer Ratio』を体現する「AGILEST」のTLR(チューブレスレディ)モデル。
ホイールトレンドに合わせたサイズ設計を進めることで、装着性やマウント性、フックレスリム(※フックレスリムについては各ホイールメーカーの適合表などをご覧ください。)に対応するなど取扱いのしやすさも実現している。
サイズ(重量)
700×25C (220g)
700×28C (250g)
700×30C (270g)
税抜参考価格
6,700円
ホイールトレンドに合わせたサイズ設計を進めることで、装着性やマウント性、フックレスリム(※フックレスリムについては各ホイールメーカーの適合表などをご覧ください。)に対応するなど取扱いのしやすさも実現している。
サイズ(重量)
700×25C (220g)
700×28C (250g)
700×30C (270g)
税抜参考価格
6,700円
当然、チューブレス運用。
あとフックレスリムにも対応しているということだったから、タイヤ性能を最大限発揮するためにホイールもフックレスに新調した。

COLNAGO C64に装着。写真の状態で7,100gくらい。
これでフルカーボンラグドフレーム+ケーブルフル内装+油圧ディスクブレーキ+電動無線変速+フロントシングル+フックレスカーボンホイール+TLRタイヤという、究極欲張りドリームバイクに仕上がってしまった'`,、('∀`) '`,、
30Cをチョイスした理由は、圧倒的な乗り心地の良さが期待できたから。
フックレスリムの恩恵はグラベルバイクで思う存分受けていて、クリンチャーからチューブレスに初めて移行した時は感動したものだけれど、ただのチューブレスからフックレスに移行した時は、もっと感動した。それくらい個人的にはフックレスリムは魅力的だと思ってる。
関連記事:
【ホイール】フックレスホイールを使ってみての感想 メリットとか思うところ【Stans GRAIL CB7 PRO】
で、実際に500km、内訳としては
1 平坦オンロード200km
2 アップダウン多めのオンロード80km
3 ヒルクライム三昧100km
4 その他街乗りやグラベル60kmずつ
ライダー情報は身長173cm、体重55kg。
レースとは無縁のただのロングライド、自転車旅好き。
セッティングはアジリストTLRの30Cで空気圧は前3.0bar、後3.2bar。
空気圧低すぎると思われるかもしれないけれど、フックレスリムにチューブレスタイヤで30Cだとこれくらいが適正。エアボリュームは十分。コシもちゃんとある。
ちなみにタイヤをインストールするのは、めちゃくちゃ簡単だった。タイヤを嵌めるのも素手で行けて、空気を入れてビードを上げるのも、普通のフロアポンプであっさり完了。ビードが完全に上げるのに石鹸水も使わずに、あとはいつも通りシーラントを注入して、縦横方向にぶんぶん回せばすぐに馴染んでエア漏れもしなくなった。ストレスゼロとはまさにこのこと。
圧倒的な乗り心地の良さ
これについてしか書かなくても良いんじゃないかな、ってくらいには凄かった。
路面の凹凸、無くなったんだが??
ホイールとタイヤロゴの親和性の高さ。
綺麗なラウンド形状のタイヤ。
これまでパナレーサーのタイヤは色々と使ってきたけれど、アジリストは随分と性格が変わったな、と思った。マイルドさが増した。角が取れた。これは私にとっては福音で、ロングライドや自転車旅をする時にはとても良い傾向。コンパウンドの進化とタイヤ形状の改良が大きく影響していると思う。念のためにRACEシリーズを履いたホイールセットも残していて乗り比べたけれど、明らかにフィーリングが違っていて改めて驚いた。
これはシステムというか規格によるところ(フックレスリムにチューブレスタイヤで30C)もあるのでは?と思ったけれど、他のアジリストでも同じような感覚だったからシリーズ共通の味付けだと思う。他のアジリストにインプレについてはもう少し乗り込んでからまとめるつもり。まだ200kmしか走っていない、ので。
個人的にこのシンプルさ、とても好き。
一方でアジリスト側ロゴの配色は結構チャレンジングだな〜と感じてる。
クラシックバイクとかにはちょっと合わせにくいのでは……なんて思ったり。
いや、コーディネート次第ではまとまるのかもしれないけれど、足回りに色が2色入っているというのは、なかなかどうしてバランスを取るのが難しい。
遠目に見てもちょっと目立つ。
転がり抵抗は、セッティングの問題か、太さの問題か、そこまで軽い!とは思わなかった。30Cともなるとタイヤ重量が270gだから、当たり前と言えば当たり前かもしれない。それでもチューブが不要であることを考えるとシーラントを抜きにしても決して重くはない、けれど、私はロングライドや自転車旅がメインだからシーラントをちょっと多めの60CC程度入れているから、そのせいかも。
その代わりグリップ性能がものすごく上がっていて、コーナー、特に下りの安定感はピカイチ。どこまでも倒していける、というよりは、常に安全マージンを確保しながら余裕を持って下ることができるという意味でのグリップの良さ。吸い付く、という表現がまさにピッタリ。ロングライドをしていると色んな場面(下りも登りもコーナーも砂利道もアスファルトもコンクリートも)に遭遇して、いちいち気にするのも結構なストレスなので、純粋にこのグリップ力は手放しで歓迎することができる。
もしかするとこれのせいで転がり抵抗というか、軽快さみたいなのがスポイルされているのかもしれないな、とも思った。ロスにはなってなくても、感覚的にそう感じる。って実はこれ、太めのチューブレスタイヤではよくある話で、実際は全然重くないんだけど、7barクリンチャーと比べた時の野暮ったさが残ってしまうあの現象に近いな、と思った。
なんにせよ、実際に走行している時に、数値的には全然ロスにはならない。むしろ30Cという太さ=外周部の長さのおかげで、速度維持、高速巡航が明らかに楽ちん。乗り心地の良さと軽快さのおかげで路面振動による疲れはすっかり軽減されて、具体的にいつも走る道路の路肩が「舗装綺麗になった??」と勘違いするくらいには、走ること自体が楽になった。
とある日のライドの様子。30Cアジリストを履いたロードバイクはもはやオールロード。まさかCOLNAGO C64が舗装路から未舗装路まで、どこでも走ることができる万能マシンになるとは思わなかった'`,、('∀`) '`,、
今回のアジリストはどのラインナップも共通して耐パンク性能が向上しているのも見逃せないポイント。最も軽いモデルは25Cで170gという驚きの軽さだけれど、それでもただ軽いだけではなくちゃんと通常使用に耐えられる設計なのだとか。サイクルモードでメーカー担当者に聞いた話では「やろうと思えばまだ軽くできるけど、一応ここまでで抑えました」とのこと。ぱねぇ。
機材、規格との兼ね合いで、ロードタイヤは総合力が要求される時代になってきたけれど、アジリストはそういう意味では上手く適合してきたと思う。軽さとか転がり抵抗とかグリップ力とか、色んな面をきっちりと総合的にクオリティアップさせて覇権を取りにきた、という印象。RACEシリーズに比べても良い意味で癖がなくなって扱いやすくなったことに加えて、ラインナップ共有して国内定価が6千円〜7千円程度というのも良心的。
「スピード、グリップ、重量、耐久性などユーザーのタイヤに求める要望は多岐にわたる。
そして用途も多様化を見せている。そんなユーザーの要望に対応するために、2010年から12年に渡りフラグシップモデルとして冠していた『RACE』からコンセプトを変え、新たなモデル名を付けることにした。
それが『アジリスト』、
俊敏や素早さなどを表すアジャイルの最上級を意味する言葉だ。
『アジリスト』は開発に際し、新しい時代に合わせたコンセプトが与えられた。」
今回のアジリストに、パナレーサーの本気を見た。
レース分野については分からないけれど、少なくとも私みたいな出力も速度も大したことがないエンジョイ勢、ロングライド好き、自転車旅を嗜む人にとっては、とても良い方向に前作から進化してくれた。個人的にはタイヤ形状の改善とグリップ性能の向上、そして価格とタイヤ脱着のしやすさ。この辺りが高評価ポイントで、長く使っていきたいと思う理由になりそう。
他のラインナップについては、もっとちゃんと乗り込んでから、改めて書いてみようと思う。
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