【兵庫県】大阪から2時間半で行ける瀬戸内離島 家島まで折り畳み自転車でポタリングしてきた話【ブロンプトン】
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大阪からたったの2時間半。

兵庫県は姫路市、家島まで輪行とフェリーを組み合わせて、折り畳み自転車で旅してきました。
Q.家島ってどこ?
A.ここ
Q.もうちょっと詳しく教えて
A.兵庫県姫路市。島にいると姫路に思えないけど、姫路。
Q.フェリーってどんなの
A.揚力次第では離陸できそうな高速船(GARMIN計測で50km/h出てた)で、片道30分くらい。1,000円。自転車は輪行がおすすめっぽい(ロードバイクで行く島じゃないから折り畳み自転車くらいがちょうど良い)(袋に入れなくても折り畳んだ状態であればOKっていうガバガバスタイルだった)
Q.姫路港ってどこ?
A.姫路駅から南に6km。30分くらいあれば切符買う時間を含めても余裕で到着。島にコンビニなんてものはないから現金は事前に用意していくこと。
Q.家島内ってどれくらいの距離なの
A.適当チンタラ走って10kmちょっと。隅々まで回ると15kmくらい行くかも。地図いらないレベル。電動アシストのないママチャリは厳しいけれど、電動アシストのあるママチャリでもちょうどいいくらい。ブロンプトンには最適解って感じ。
Q.ご飯はどする
A.補給食なんていらないけれど、ご飯食べるなら昼食時間に注意。ほとんどのお店が14時くらいには閉まる。
Q.他に何か気をつけることは
A.気合い入れていく場所じゃない。文化的サイクリング。
輪行で1時間+6km=姫路港。
というわけで大阪から姫路まで、お得意の新快速電車で一気にワープ。

姫路駅でTwitterの古参フォロワーであるところのもつなべと合流して、一緒にチンタラ姫路港へ移動。
手持ちの現金が520円しかなかったから、途中コンビニで現金を下ろす。もつなべは何故か携帯用のテトリスをヨドバシで買ってきたらしく、しかもそれが電池式ではなくまさかの充電式だったから、コンビニでわざわざUSBケーブルを買っていた。意味がわからない。
姫路港。
ここに来るのはロードバイクで小豆島に走りに行った時以来。
当時の記事はこちら
さて、家島行きの嬉しいところは、アクセスの良さもあるけれど、フェリーの本数の多さにもある。
2つの船舶会社が互い違いにダイヤを設定していて、1時間に1本以上、便がある。
離島行きのフェリーとしては驚きの本数で、時刻表を狙って来たらまぁ間違いはないけれど、「次の便に乗る」くらいのノリでふらっと訪れても大丈夫。これは帰りも同じで、計画性があるようでない私にとってはとても有難い。いつかの島旅のように帰りの船を逃して島に一泊するような失敗を避けられる。
券売機で1,000円片道切符を買っていざ乗船。
自転車の扱いがよくわかんなかったので聞いてみると
「折り畳んだらお金かからないよ!」
「というか乗せる場所あまりないし折り畳んだ方がいいよ!」
ということで折り畳んで船内へ。
袋はなくてもいいらしい。適当か。
そして出航。
湾内なのにフルスロットルで加速し出して笑う。
一気に時速50km/h。
アトラクションか!?
姫路港でゲットした紙媒体の島情報に目を通して、ここで初めて家島のことをちゃんと知る。
実はアクセスのことしか調べてなくって、肝心の島のことは大まかな島内の距離しか調べてなかった。何があって、何が見られて、何を食べられるか、なんてことは二の次だった。けれど、まぁ大抵はこういうふうに現地に行けば何かしらの情報には触れることができる。むしろWEBで調べるよりずっとリアルで現実的な情報が得られることが多かったりする。あと、旅をするのにあまり事前に情報を入れすぎるのも良くない。旅がただの確認作業になってしまうのは勿体無い。
テトリスをしたりルービックキューブをしたりしてたら、あっという間に到着した。小学生か。
家島旅の始まり
到着即この景色。
この日は3月上旬で、今年(2022年)(あえて表記するのは数年後に見返した時のリマインダー)(コロナとロシアウクライナ問題でわちゃわちゃしてるよ)は冬がしっかりと冷え込む年だったけれど、驚くほど暖かい1日でとても穏やかだった。離島だけれど風もなく、真面目に漕いだら半袖でも走ることができるくらいだった。
家島観光マップで今日走るルートの作戦会議。
って言っても右回りか左回りくらいしか悩むところがない。サイコンもGoogleマップも不要。
さて、家島。
とても小さな離島だけれど港周りは結構活気があって、思ってた以上には人が多かった。
と言っても観光客がいるという意味ではなく、地元の人たちがたくさん行き交っていて、それを眺めているとここの生活を垣間見られるような気がして、なんだか新鮮だった。観光客の少ない日間賀島、とでも言ったらいいだろうか。篠島とかに似ているかも。
バイク、バイク、バイクのオンパレード。
「台湾か!?」ってくらいバイクの往来が激しくて笑ってしまった。
時折、軽トラックが通るけれど、それでもバイクの数とは比べ物にならない。
歩いている人もほとんどいない。誰もがすべからずバイクに乗っている。
バイク乗っていない人は、船に乗っていた。
そんな島だった。
ぼーっと港を眺めていると郵便局の船が入港してきた。
そのまま桟橋に付けて、目の前の郵便局に荷物が運び込まれているのを見ると、なんだか感動してしまった。ここでは当たり前なんだろうけれど、水運が完璧に生活に溶け込んでいて、陸と海のシームレスな関係性が、離島ならではだなと思った。
こういう景色が好きすぎる。
住宅地の作りも、家の向きも、間取りも、明らかに水運とのつながりを感じる。
漁業関係者や、造船関係者がとても多いのだとか。
実際に家島、島の規模からは想像できないくらい、大きな造船所がいくつも並んでいて、驚いた。
ここでちょうど12時の時報が鳴り響いた。
「そういえばお昼ご飯、どうしよう」
「このまま行ったらまずいべ?」
「多分お店ないだろうし、一周してから食べようと思っても閉まってそう」
ということで港に戻って(2km)目の前にあった喫茶カフェ「スコット」さんにお邪魔することに。フェリーの中で見ていた観光マップにも記載されていたお店で、唯一と言って良い観光客でも入りやすい雰囲気のお店だった。
港が目の前。
こんなのサイクリング関係なしに訪れても絶対気持ち良いやつ。
「今日は海鮮丼もまだありますよ〜」
と、私ともつなべが席をつくなり、店員さんが教えてくれた。caravanのアウトドア系のシューズを履いていて、同じく私はkeenのアウトドア系シューズを履いていて、ちょっと話が盛り上がる。
「じゃあ、それ2つで!」
そして出てきた海鮮丼が予想外のもので、その予想外は完全に上振れ方向のものだった。
朝獲れの新鮮なお刺身を使った海鮮丼(セルフ)
見た目だけでも・・・絶対美味しいやつや・・・食べなくてもわかってしまう・・・
近海で獲れた魚。ネタが分厚い・・・
感動する美味しさでした。食感がすごい。弾力がすごい。甘い。旨味凝縮。
お店の立地も、雰囲気も、お値段も、全てにおいて大満足でした。
ご馳走様でした。
海がみえるカフェ スコット
大満足したところで、サイクリング再開。
と言っても気合いを入れるものでもなく、またここに戻ってくることだけが予定にあって、あとはぐるっと景色を楽しみながら一周するのみ。
真浦港周辺が一番生活感があって建物も多かった。外周部が瀬戸内海の離島であればまぁありそうな、言ってしまえば贅沢なありきたりな景色とするならば、港周辺はある意味で最も「家島らしい雰囲気」を味わうことができる場所だと思う。具体的にどんなの?というのは是非現地に足を運んで感じてみてほしい。
掲示物の一つ一つからここが姫路であることを思い出す。全然そんな気がしない。
島内にはたくさんの猫がいて、この日だけで10匹以上は見た気がする。
猫飼いとしてはいちいちチェックせずにはいられない。
にゃーん
で、この青ですよ。
見事な瀬戸内海ブルー。
本当にここ姫路?
大阪→姫路で1時間20分。
姫路→姫路港で20分。
姫路港→家島真浦港で30分。
旅って身近にあるんだなと再認識した。
もつなべルノーとつむりブロンプトン。
ホイールベースの違いがすごい。
島の北東部にある家島神社にやってきた。ここで初めて家島という名前の由来を勉強。なるほど、何か揶揄しているのかと思ったけれど、そのまんまの意味での「家」だった。家、と聞くと、いちいちアイヌ語の「チセ」を思い出すくらいには最終兵器彼女が好きだったりするのはここだけの話。小樽にまた行きたい。
家島神社はとても高い場所にあって、参道からの景色がこれまた素晴らしかった。自転車でアクセスするなら海側からアプローチして、神社の前に自転車を停めて、階段で登るのがおすすめ。あと鳥居の前の道を海沿いに進むとなぜか砲台モニュメントもあるからB級スポット的に興味がある人はぜひ。
突如現れる砲台。かつてのお台場だったらしい。歴史を遡れば江戸時代。さらには四国艦隊下関砲撃事件の時代。諸説あり、とのことだったけれど。
家島神社からは南下をして島の外周部へ。
向かいの島の採石場のスケール感がものすごくてRPG感がすごかった。
もつなべとゆったりマイペースで、それこそ20km/hを超えることはない、まさにサイクリングペースで島時間を堪能した。
真浦港に帰ってきて、往路と同じように「次に来るフェリーに乗ればいい」精神で。
15:45まで時間があったから、私はカメラ片手にもう少し港の中を散策。
もつなべは待合室でテトリスをして、それぞれの時間を楽しんだ。
とても充実した1日だった。
姫路駅に10時に待ち合わせて、姫路駅に帰ったのが17時くらいで、
自宅に着いてもまだ空はうっすら明るかった。
決して大仰な遠征でなくても、日常の先に旅が待っている。
地図を開いて探せばまだまだ魅力的な場所がたくさんある。
そんなことに気付かされた1日でもあった。
また機会があれば訪れてみようと思う。