【岡山県】ちょっと自転車で牛窓サイクリングを堪能してきた〜岡山〜牛窓〜西片上【唐琴の瀬戸】
山陽, 1day, 輪行, ロングライド, 写真, 自転車,天気の良い休日。
こんな日には瀬戸内海に行きたくなる。
ということで行ってきました。岡山県、牛窓。

確かな癒しがそこにはありました。
いつも通り。
そう、いつも通りに新大阪駅から岡山駅へ。
新幹線に乗ればあっという間で、60分もかからない。
JR西日本、e5489限定サービスの「直前割」で片道驚きの¥2,900くらい。
安過ぎます。

あっという間に岡山駅に到着。
さて、時刻は10時。岡山お邪魔しまーす! pic.twitter.com/vvGPldZAXw
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) November 19, 2021
程よい時間で着くのも好きなところです。
これがお昼過ぎについちゃうとかだとずいぶん行動に制限が出ちゃう。
午前中に到着するか否かって輪行旅をする上ではかなり大事。
さくっと輪行を解除してさくっと市内を駆け抜けます。
今回は早いうちに牛窓にたどり着いておきたいので。
西日本地方都市あるあるの岡山。
松山、広島、鹿児島、熊本に通じる
「ターミナル駅から路面電車がメインストリートに向かって走っていてアーケードが連なる」
感じを堪能しながら南東方面へ。
ちょっとインパクトあり過ぎませんかね・・・。
さて、岡山。
大都会岡山と言われるだけあって、周りは自然です。
大都会岡山の謂れは知らないのだけれど、個人的に何度か岡山に訪れて感じたのは、自然が豊か。
市内でも山、海、川を感じることができるし、関東大平野ではなかなかあり得ない雰囲気を味わうことができる。
で、この「周りの自然と比較」した時に岡山駅周辺は「相対的にかなり開発が進んでいる」から「大都会」なんじゃないだろうか・・・と勝手に思ってたりします。そう、大阪や東京、名古屋と比べた話じゃなくて、あくまで岡山県内での内輪的な・・・。(書いてて誰かから怒られそう)
早速岡山を感じる。好き。 pic.twitter.com/wU8C9NpUPQ
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) November 19, 2021
さて、兎にも角にも自転車乗り的にはありがたい話なのは間違いないわけで
後楽園をするっと抜けて百間川へ。
ここがサイクリングロードが綺麗に整備されててバイパス的に使うのにとても便利でした。
続いて越えるは吉井川。
岡山駅から東方向へ走ると旭川、百間川、吉井川と3つの大きな川を越えることになります。
道中の道はどこを選んでも似たような感じという印象。すごく走りやすい道はないけれど、すごく走りにくい道も特にない、なんとも評価し難い感じ。いまだにベストルートがよくわかっていないけれど、特に不満もないから問題なし。
30分も走ればこの通り
うーん、穏やか。
瀬戸内市に入る頃には早くも牛窓の看板が。
いきなり山の中にこの看板が出てくるものだから、なんか違和感すごい。
日本のエーゲ海。牛窓。もうすぐ目の前。
その前に立ち寄っておきたいところがこちら。牛窓近くの海辺に突如として現れる水上廃墟。
牛窓、廃墟で調べるとすぐに出てくるここは「グリーンファーム跡」と呼ばれる、かつての高度経済成長期に開発されたリゾート地の成れの果て。昔はここでゴルフや観光、海水浴、BBQなどを楽しむ人がたくさんいたのだとか。お客さんが来なくなり管理もされなくなり、排水ポンプが故障したところでついにこの水没廃墟となったらしい。さて、いつまでこれが残るんだろうか。排水されたら底からはどんなものが出てくるんだろうか。かつて賑わっていたペンション群と乗り捨てられた誰かの車、そしてそんな事情は何も知らずに悠々と過ごす鳥達が妙にマッチしていて「良い絵だな」と思ってしまった。
日本のエーゲ海の裏側を堪能した後は、本当の日本のエーゲ海、牛窓にいよいよ到着。
看板が強すぎる。平和記念式典に飾っておきたい。
さて、牛窓です。
瀬戸内海の中でも、神戸や赤穂、呉や竹原、周防大島や上関といった場所とはまた似ているようで全然違う風景が見られる、私お気に入りの場所です。
というか、うん、これらの場所、全部似ているところもほんのちょっとあるけれど、どれも全然違う。みんな違ってみんな良い。
「瀬戸内海のお気に入りの街展」があったら私はそこで一日中過ごすことができる自信があるし、その作品一つ一つの前で何時間でも語ることができると思う。
牛窓は、静かで、優しい街。穏やかな街。
他の瀬戸内海沿いの街と決定的に違うのが鉄道が面していないことにあると思う。
これはある意味ではかなり不便だし、電車で来る観光客がゼロということで、自ずと訪れる人の層が限られてくる(大人数や学生がワッと来ることはほぼない)それに駅があれば発展する場所もあろうけれど、それがないという点では、全体的にとてもこじんまりとしていて、それがなんだかミニマムサイズで機能しているから、一人旅をする私にとってはとても心地が良かったり。バックパックひとつでお気に入りの靴を履いてカメラ片手にゆっくり歩きたいような街。(だけどそれをするなら鉄道で来たいところだけどそれが叶わないからこそこの静かな雰囲気が保たれているんだと思う)
基本的にはみんな車で来る。
いや、厳密には車で来る人も、知る人ぞ知るって感じなので、穴場的スポットであるのは間違い無いと思う。
ここから前島という島へ渡って離島巡りをすることも可能。
今回は島はパスした牛窓界隈を堪能することに。
お昼ご飯をまずは食べようと思って、ふらふらしていると気になる看板を発見。
てれやカフェというらしい。
・車じゃ進入できない
・路地の雰囲気が良い
・フォントがいい
もうこれだけで行くしか無いと予感した私は迷わずGO。
一度路地裏に入ると雰囲気が一気に変わってまるで沖縄や宮古島のような風景に。
そんな石垣の先にそのお店がありました。
車はダメでも自転車は問題なし。
一軒家を改装、改築したようなリゾート感と隠れ家感のバランスが素晴らしく調和された建物がそこにはありました。
間違いなく「当たり」でした。
ふらっと見つけた路地裏高台にある「てれやカフェ」でランチ。お店ごとテイクアウトしたくなる、何もかも素敵すぎる。 pic.twitter.com/miNEDipYOJ
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) November 19, 2021
こういったお気に入りのお店、旅先でふとした時に出会うことがあって、全部リスト化しているのだけれど、再訪する頃にはなくなってることも多いのが寂しい限り。家の近くにあればいいのに・・・ってこういうお店に出会うたびに思う。そういう意味では人だけじゃない、風景や建物、お店も一期一会。それでもやっぱりまた来たい。またいつか。
ランチもいただいたところで、牛窓ポタリング。
ゆるっと散策。
地図もいらない。ただただ自転車でゆっくり流しているだけで、十分。
このイラスト地図だけでたまんない。
リノベ系のお店や古民家を改装したカフェなんかも点在していて、ただただ古いだけの街ではなかったり。
食べ歩きなんかも楽しい街です。
今回はパスしたけれど、丘の上にはオリーブ園があります。
初回の人は絶対に訪れるべき絶景が待ってます。ソフトクリーム、ジェラートも美味しいよ!
この日は海沿いをひたすら走る予定だったし、後半にはグラベルが控えていたから、体力と時間を温存するためにもスルーしました。
徐々に東に移動しながら牛窓の中心地からは離脱。
ほど近い場所にある「唐琴の瀬戸」
個人的にはこの場所を見つけることができたのが今回の最大の収穫かもしれません。
決して広くもないし、ただこの場所だけの話なんだけれど、雰囲気が抜群に私好みでした。
地図で言うとこの辺り。
五香宮という神社を目指せば辿り着くことができます。
晴れた日にここを訪れると「釣り人」「神社」「海」「猫」の組み合わせを心ゆくまで堪能することができます。
もうこの絵だけで平和。
一句読みたくなるのも納得の風景。
神社に登ったタイミングでちょうどフェリーがやってきました。
常夜灯とこうしてセットで見られる場所なんて日本全国探してもそう多くはありません。

猫です。
この神社は猫の集会所になっているようで、私が訪れた時も五匹くらいいました。
みんな桜猫で、誰かがちゃんと管理しているようです。
地域猫の集まりですが、人馴れしていました。
穏やかな瀬戸内海の雰囲気と猫。ワインとチーズ、日本酒とさきイカ、ビールと焼き鳥ばりの相性の良さです。
猫の根城なので邪魔しないように楽しみましょう。
この階段からの景色がめちゃくちゃ良いので是非その目で確かめてみてください。
階段を降りたらそこにも猫がいました。寝てました。
唐琴の瀬戸。晴れた日に是非訪れてみてください。
きっと早朝や夕方も素晴らしい情景だと思います。
唐琴の瀬戸、筆舌に難い穏やかさでいつまでも動けずにいる。 pic.twitter.com/nVe6fDrooE
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) November 19, 2021
前島に設置された灯台を向こう側に見ることができます。
さて、唐琴の瀬戸を堪能した後はいよいよグラベル区間に突入するために東へ、東へ。
途中、牛窓の海水浴場があったので立ち寄りついでに海×愛車撮影。
かっこいい(自画自賛)
瀬戸内海らしい波の音ってあります。
日本海や太平洋、有明海などとはやっぱり違う波音です。
広い内海ならではのリズムを耳で感じるだけでもなんだか贅沢だなぁと思えるのだから、安上がりな人間だなぁって思います。
地図上には何の情報もなかったけれど、錦海湾沿いの直線道路がものすごい直線道路でした。
この表記、ややこしいからもう少しはっきり書いてほしい(´・_・`)
さて、ここから虫明けまではちょっと難易度の高い(迷うという意味ではなく、路面と勾配的に)感じの県道を突き進みます。岡山県道225号線を選択しました。すぐ北側には県道224号線があり、どちらを選んでも同じように虫明に辿り着くことができます。225号線を選んだのはせっかくだから海に近い方を走りたかったからです。
グラベルバイクなら間違いなく問題ないレベルでした。自家用車では絶対通りたくないタイプの道で、ロードバイクならぎりぎり大丈夫、という道です。路面もところどころ壊滅的な凹みがありますが、注意すれば問題無い程度。斜度も許せる範囲だったので総じてマイナー感を感じながら時折海も眺めることができる良い県道でした。
虫明から先はいよいよ林道、グラベル区間です。
その手前にはユニークな郵便局が突然現れて思わず写真を撮ってしまいました。
さて、肝心のグラベル区間については別で記事を書いたのでそちらを是非ご覧ください。
ちょっと待ってなにこの極上グラベル。
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) November 19, 2021
まさか瀬戸内海にここまでパーフェクトなオフロードがあるとは思わなかった。 pic.twitter.com/Mkpg03WWDW
グラベルをクリアーする頃にはすっかり夕暮れ時でした。
赤く染まる瀬戸内海を眺めながら、帰路へ。
といってもまだ先はあって、今回は西片上駅をゴールとしていました。
新幹線停車駅があればいいのですが、ちょうどこのエリアが岡山駅〜相生駅間の新幹線停車駅空白地帯な上に、在来線はめちゃくちゃローカルな赤穂線ということで、選択肢が極端に少ないのがネックです。相生駅まで自走する気概があればいいのですが、そんなものは牛窓のあの平和な空気に触れた瞬間に消失しています。
ブルーラインを横目に走ります。
この一帯を走っているブルーラインは実質高速道路で、自転車は走行不可です。
ここを走ることができればかなりルートの自由度が増すのですが、仕方ありません。
粛々とローカルな道を走り続けます。
日が暮れて月が上がる頃に妙な光景を目の当たりにしました。
そういえば今日は皆既日食だった、とこの時思い出しました。
タイミングバッチリで肉眼でもはっきり見ることができてラッキー。
もうすっかり暗くなりましたが、輪行する前に晩御飯を食べておきたいところです。
本記事ではスムーズにここまできていますが、実際には間にグラベル区間を挟んでいて、そこでカロリーを盛大に消費していて腹ペコです。
次の電車まで1時間あるということで、コンビニじゃなくて、温かいご飯を食べよう!
で、探して見つけたいい感じのお店がこちら。
お食事処 味の店 拾銭食堂さんです。
もう名前からして味があります。「拾銭食堂」っていうテキストだけでもう気になって仕方ないです。
正直なところ1分くらい「ここで大丈夫か・・・?」と悩みましたが直感を信じて勇気を出して入店することにしました。店の入り口ドアがドアノブを持って回して開けるタイプで「裏口か!?」と思いましたが立派な表口だったので安心しました。
もう最高でした。
昔ながらの大衆食堂です。
こちらのカツ丼が定番らしく¥680とは思えない絶品でした。
お肉は柔らかくて簡単に噛み切ることができるジューシーな柔らかさです。
甘い肉汁を感じることができるタイプのカツです。お汁と沢庵、カツ丼でこの価格は衝撃です。
注文と会計と「美味しかったです、ごちそうさまでした」しか言葉を発しませんでしたが、旅の締めくくりとしてはこれ以上望むことはない素晴らしいものでした。
西片上駅から輪行帰宅です。
無人駅です。
が、目の前に学校があって、部活終わりの学生がちらほらと乗車して帰路についていました。
私はここから赤穂線で播州赤穂まで行きそこで新快速電車に乗り換えて大阪まで。おおよそ2時間30分程度の電車旅です。
こうして今回の旅も無事に終了。
日帰り旅とは思えない濃厚な1日となりました。
岡山駅、牛窓、瀬戸内海、虫明林道。
またいつか違う季節にも訪れてみようと思います。
終わり。