【セルフRapha PRESTIGE】グラベルバイクで若狭幹線林道を辿る旅路
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今年のRaphaPrestigeは中止との連絡が来た。
近江高島駅までは輪行でワープ。
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まぁ、仕方ないな、半分。ほっとした気持ちが半分。
せっかく準備もしていたし、一人でセルフでチャレンジしてきたレポート。
舞台は福井県にある関西屈指の絶景林道の一つである
広域基幹林道「若狭幹線林道」
若狭幹線林道はダート好き、グラベル好き、オフロード好きの人なら知っている人も多いと思う。
公式的に走ることができるオープンな林道で、特にオフロードバイク乗りの間では有名。
場所は福井県の小浜〜三方まで伸びていて、距離はおおよそ22km。
実際に走った感じだと全部がグラベルと言うわけではなくて、一部区間は舗装されていたし、グラベルと言ってもガレ場もなく、グラベルバイクだと乗車率100%。過去には28Cのロードバイクでも走ったことがあるけれど、その時も乗車率100%だったから、難易度は低めと言う印象です。普段ハードコアなグラベルを走ってる人なら楽勝でしょうし、グラベル初めて、と言う人にはちょうどいいかも。アップダウンがあって走っていて飽きることがないルート。(逆に言うと平坦がほとんどないので、それなりに体力は使う)
道中には看板もあって迷うことはないから安心。
ただでさえ人が少ない路線だけれど、さらに密を避けるために始発で向かったら本当に誰もいなくて笑ってしまった。湖西線はいつだって旅をしている気分を盛り上げてくれるから好き。なんだかんだほとんどの駅で乗降したことがあるくらいにはよく利用する路線の一つ。
今回は新機材のテストも兼ねての旅路。
と言うことでトラブルや撤退も見越して余裕を持ったスケジューリングで挑むことに。
この準備、心持ち、キャパシティが自転車旅では何より大切。無理しない。サボる。
福井県ってあまり注目されていないイメージだけれど(少なくとも私の観測範囲内)実際走ってみると確かにまぁ何もないけれど、これが自転車乗りの目線で言うといわゆる「走りやすい環境」が整っていて、ゆったりサイクリングするにはとても良い場所だと思う。日本の原風景的な田園が広がっていたり、ジブリ作品に出てくるような山と神社の組み合わせが見られたり・・・。
多くの場所で国道や主要道と並行するように畦道や田んぼ道があるから、そこを走れば安全でもある。というわけで、今回の旅路は全体を通してとても走り易かった。ついつい寄り道をしたり途中に見つけた景色の良い場所で足を休めたりと、毎度の如く牛歩ペース。マイペースな走りがここ最近の私にはとても合っている。
途中、宿場町の一つである熊川宿に立ち寄った。正式には「若狭鯖街道熊川宿」というもので、若狭は若狭湾に面した地方の名前を指し、熊川はこの土地の名前を指している。鯖街道は私のブログにも何度も登場している街道の一つ。「鯖(サバ)」という名前が特徴的だけれど、その由来そのもの。若狭地方に伝わるとある古い言葉に「生鯖塩して荷い、京へ行き任る」がある。これは若狭湾で獲れた鯖が京都に着く頃にはちょうど食べごろになっているという意味で、つまりそれくらい若狭〜京都の物資の行き来は盛んだったということ。実際には海産物以外にも様々な物資や文化が交錯していたのだとか。実際に今でも京都河原町から程近い場所にある「錦市場」では福井県産の海産物が店頭に並んでいる。
また若狭地方では最大の街である敦賀は、ヨーロッパを横断する長大な鉄道と海を挟んでいるもののつながっていて、西洋文化の入り口の一つでもあった。鯖街道を利用して京都や大阪に西洋文化が流入してきた経路の一つでもある。
熊川宿はかつての商人や役人、軍人や旅人が足跡を残したとされる歴史ある宿場町の一つ。主に天正17年以降に発展を続けて、豊臣時代から幕政末期頃に最も栄えたのだとか。かつては奉行所や番所、お蔵屋敷が立ち並び、生活を豊かにする昔ながらの用水路は今でもその面影を残している。
熊川宿を抜けてものどかな景色が続く。
走っているだけで気持ちが良い。
歴史ある街並みと自然豊かなセクションを抜けるといよいよメインディッシュである若狭幹線林道の入り口がある福井県小浜市阿納尻に到着。坂道とグラベルのご褒美がやってきた。ちなみに出口は福井県若狭町塩坂越に至る全延長22.0km、幅員5.0mの林道、というのは公式情報。
最初はしばらく激坂の舗装路が続く。舗装路と言っても木の枝や小石、岩などが落ちているから、綺麗という意味ではない。やわなタイヤだと変な踏み方をするとサイドカットしかねないから要注意。この日はグラベルキングの43Cだったから、無敵状態。頭の中ではマリオのスター音楽が流れているくらい。
地図上で見ると(ちなみに林道としてしっかり登録されていて、GARMINコネクトのルート作成時にはちゃんと道に辿ってルートを引くことができる)日本海に沿ってグラベルがあるように見えるけれど、実際には結構山側にあるのか、海を見ることができるスポットは限られている。これがずっと海を横目に走ることができたなら、きっと今の10倍以上の人気が出ていたと思う。けれどちゃんと一カ所だけ海を眺めることができる展望台があって、これのおかげで「海に面した」グラベルと名乗ることができると思う。
むしろここしか眺望ひらけているところがないから、余計にありがたく感じるのかも。そう、絶景とはずっと見せられると、飽きてしまう。焦らして焦らして焦らしてようやく辿りつくからこそ感じることができるありがたみというのが間違いなくある。ここはそういうタイプの絶景。
さて、この日のアセンブル紹介。
Ribble Gravel ALをGRX組で。
足回りはStans NoTubes GRAIL CB7 PROフックレスリムにPanaracer GRAVEL KING SS 43C
パッキング系ではRaphaのハンドルバーバッグ、オルトリーブのサドルバッグL、フロントフォーク横にブラックバーンのアウトポストカーゴケージを使ってスタッフバッグで固定。
フルフェンダーとして、SKSのスピードロッカーを採用。
脱着が容易なのと、完全なフルカバー、そして軽量。
当然だけどフルフェンダーのおかげ沢近くのグラベルを走っても一切泥がハネなくて感動した。
ハンドル周りをスッキリさせるためにライトは左フォークのダボ穴を利用して固定。
新しいグラベルバイクのテストという意味も込めてのラファプレステージチャレンジ。正直なところ今までのグラベルバイクとの違いに驚いた。シンプルにタイヤのエアボリュームのおかげであるところも当然あるけれど、やっぱり最新のジオメトリ、最新の設計はすごい。GT GRADEのカーボンシックな乗り心地も良かったけれど、アルミのダイレクト感の方がグラベルを走るには合っているかも、と今回体感した。
砂利道を転がる感覚。確かな機材で安全マージンを確保しながらも、スリルを感じる時間。自然と一体化するような空気。五感をフルで研ぎ澄ますような感覚。新バイクでのグラベルをたっぷり楽しんだ!
出口がある若狭町塩坂越を通過すると迎えてくれるのは三方五湖。
ここも個人的にとても気に入っている場所で、ダイナミックな地形はただ適当に走っているだけで面白い。かつての火山活動の隆起によって出来た山のてっぺんだけが露出して島を形成している。山と山の間の谷にあたる部分が全て沈んで多島海の様相を形成している。地殻変動によって出来た副産物としてツーリングやドライブの人気スポットになっている。
思えば日本各地、旅してきて思い出深い場所というのはほとんどがこうした歴史や成り立ちがある。ただ綺麗だね、と楽しむのもそれはそれで良いけれど、こうしたバックボーン、歴史を知ることで、より楽しみ方の幅と深さが出てくる。なんてことを一つ何かを知るたびに実感する。
福井県は実はこう言ったスポットが数多く存在する。
だからこそ訪れるたびに好きになってしまう。
最後は輪行で新快速電車でさくっと大阪まで帰宅。
そう、実はこの鉄道網があるからこそ、私が足繁くこっち方面に旅する理由の一つ。
敦賀〜姫路(播州赤穂)を走る新快速。
関西輪行旅を語る上では外すことができないワープ手段。
帰りの電車から琵琶湖を眺めながら、次の旅先を思う。
終わり。
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