【新潟自転車旅】いざ、佐渡島へ。【新潟市内〜両津港〜津神神社】

神楽坂つむり

自転車, ロングライド, 輪行, 東北, 島旅,
念願の佐渡島へ行ってきました。

最初に「行きたい」と思ったのは2015年。愛読していた小説の舞台として登場した佐渡島の情景、どこか懐かしく牧歌的で、穏やかな空気が流れる自然豊かな離島として描かれていた。頭の中では夏休みにぴったりの場所だな、と感じていた。この目で確かめたい。

それから6年越し。

これでようやく日本地図の佐渡島に赤を塗ることができた。

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これまで自転車がで走ったことがある場所。
さて、今回は3泊4日で遠征することに。
2泊でも行けたけれど、ちょっとゆとりを持って、無駄な時間を用意したかったから少し長めに時間をとった。

1日目 移動日。大阪伊丹空港〜新潟空港 新潟市内宿泊
2日目 走行日。新潟港〜佐渡島両津港 佐渡島半周 佐渡島宿泊
3日目 走行日。佐渡島半周 佐渡島両津港〜新潟港 新潟市内宿泊
4日目 移動日。新潟市内散策 新潟空港〜大阪伊丹空港

これが大まかな流れ。

大阪から新潟へのアプローチは飛行機一択になると思う。
試しに鉄道も調べたけれど、とてもじゃないけれど利用しようという気持ちにはなれなかった。
費用対効果があらゆる面で飛行機に勝つことができなかった。


飛行機を使えば1時間少しで新潟へワープすることができた。
今回の飛行機輪行の様子はこちらの記事を見ていただければよくわかると思う。


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最近は飛行機を使って旅をすることが珍しく無くなってきたけれど、それでもやっぱり空港に来たらテンションが上がってしまうもので、写真撮影が捗って仕方がなかった。駐機場を走り回る何かしらの機能性に特化したよくわからない車両を眺めているだけで楽しい!

搭乗時間はほんのわずか。1時間程度。

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私は飛行機乗っている時間はほぼずっと窓の外の景色を眺めている。この高さの空を飛んでいるという事実だけで楽しいし、教科書で見たようないろんな形の雲が目の前に広がっているだけで、ワクワクしてしまう。全国を旅してきたおかげで上空から見る景色、地形、山、街が全部手に取るように分かってしまうのも面白い。

「あ、あそこ走ったことがある」という景色がひたすら眼下に広がるというのは、どこか感慨深いものがあって、今回のように高度がそこまで高くなく、まるでGoogle マップの写真モードで俯瞰しているような景色が広がる時には寝てる暇なんてない。

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あまりに景色と写真撮影に夢中になっていたからか、客室乗務員の人から非売品のポストカードまでもらってしまう始末'`,、('∀`) '`,、


最低限の荷物しか持ち歩かない私は、これを旅に同行させると間違いなくグチャグチャにしてしまうから、空港についてすぐに自宅へ郵送した。

あっという間に新潟空港に到着。

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ここからいよいよ旅の始まり、だけれど佐渡島へ渡るのは明日の早朝便だったから、今日は新潟市内に宿泊するだけ。新潟空港は市内からのアクセス手段こそ車しかなくて不便だけれど距離的には10kmもないから自走〜輪行する分には便利な空港だと思う。バスも発着しているからやりようはあると思うけれど、鉄道が接続していないことだけは要注意。


さて、時間的にはもう16時。だけれど日の入りまでまだ3時間くらいある。それに市内までは20分もあれば移動できる。というわけでこの中途半端な時間を使って周辺を少し散策することに。

着陸する時に窓の外に見えた海岸線が気になったからとりあえず海に出ることに。新潟空港も新潟市も日本海に面していて、海を見るために1曲流す時間も必要ないくらいすぐにたどり着くことができる。

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日本海!

このまま海沿いに進むと出てくるのがこちら「新潟みなとトンネル」

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これ、ずっと通りたかったトンネル!何がすごいって地味にこれ海底トンネルで、あの関門トンネルと同じような構造で自転車と歩行者も海の底を通過することができる。メインは自動車だけれど、両サイドに遊歩道が整備されていて、自動車と完全に区切られているから、安全安心。距離も1km以上あるということで、ここでジョギングやランニングをする人も多いのだとか。確かにトンネルに入ってみると、ひやっとした空気が気持ち良かった。

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ただ海底トンネルということで、なんだか少し不気味な雰囲気も。海水なのか地面から染み出した水なのか、所々しとしとと水滴が垂れていて、溜まった水に当たった音が静かにトンネル内に反響していた。長い通路を通行する人を飽きさせないようにか、それともちょっとした観光地として人を呼び込むつもりだったのか(私が訪れたときは誰もいなかった)一定の間隔に設けられた「日本海の魚紹介」やトンネルの案内板が物寂しげだったのが印象的。外に出ると相変わらずの夏空が広がっていて、異空間とのギャップに目を細めずにはいられないやつ。

トンネルを抜けた後は、気持ちの良い景色の連続!
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日本海が広がっていた。
夏の日本海だ。
学生時代に自転車にテントを積んで、計画らしい計画もなくひたすら海沿いを北上していたことを思い出した。
太平洋側とは明らかに違う情景。
何が違うかというと上手く言えないけれど、それは鉄道の有無だったりお店の数だったり人の多さだったり。何より地形。岩や断崖のあり方が全然違う。

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あちこちに飛び砂注意の看板があったけれど、実際にこの通り。
油断すると落車するやつ。


あまり知らなかったのだけれど、新潟市内にも結構歴史的な建物や街並みが残っているらしい。
と、いうことが散策していて分かった。
思えば新潟についてあまりよく知らない。
一応、旅行として訪れたこともあるし、旅をしていて通過したこともあるけれど、こうしてゆっくりと巡るのは初めてだった。

「どっぺり坂」「砂丘館」「旧斎藤家邸宅」など明治〜大正を思わせるレトロなスポットをぐるぐると。

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ちょっと新潟の印象が変わったかも。これまでは自然豊かな場所ばかり行っていたから。ずいぶんとコンパクトに集まっていたから、それでもまだ空は明るいままだった。


・・・海でも眺めるか。


ということで、再び海沿いへ。

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まだ太陽は見えたけれど、ずいぶんと低い場所まで下がってきていた。
宿に行けば明日に備えて寝るだけだし、このまま陽が沈むのを眺めよう、ということで海岸に降りて自転車を止めて30分ほど空を眺めるだけの時間。
旅先のこういう何もしない時間が大好きだ。
モラトリアム感に包まれながら、夕焼けを撮影。

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その間にもいろんな人が車で来てはカメラを構えて撮影して去っていく、というのがひたすら繰り返されていた。ナンバーを見ると新潟ナンバーだったから観光客というわけでもなく、地元の人っぽい。町から近いしいつでもこの景色が見られるというのは素直に羨ましい。けどもしかすると都会住みの私より有り難みは薄いのかもしれない。「住めば都」と言うわけれど「隣の芝は青い」もきっとどこに行っても付き纏ってくるんだと、旅をしているとよく思う。

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すっかり暗くなってしまった。
新潟駅方面に向かって今日の宿にチェックイン。
地方都市によくある何の特徴もないことが特徴、とくらいしか言えないホテル。
一泊3千円だった。
チェックインした後に近所の適当なお店に入ってお寿司の盛り合わせをいただいて、前夜祭気分。
明日はいよいよ佐渡島と思うと、気分が盛り上がってきた。
明日は早い。
宿に戻って早々に布団に入る。



翌朝。
5時に目が覚めた。
新潟港から佐渡島へ向かうカーフェリーは始発が6時。
2時間半で到着するから8時半には佐渡島へたどり着くことができる。早くて助かる!

全国いろんなフェリーに乗ってきたけれど、佐渡島へ向かうフェリーについては、自転車も輪行するのが良いと思う。みんなそうしていた。本当はそのまま車両甲板に乗り入れたい。楽だし、あの車両甲板へ出入りするときのワクワク感は唯一無二だから。

けれど、佐渡汽船に限って言えば、軽車両料金が高すぎる。輪行状態で船内に持ち込んでも手荷物料金はかかってしまうけれど、それでも差額が1千円以上もある。往復だと2千円強と、決して安くない。それにどうやら順番待ちも相当あるらしい。客室に上がる頃にはもうみんな席を確保してご飯を食べだす頃になっているかも、と思うと旅客として乗船するのが良さそうだった。

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そう言うわけでフェリー乗り場には少し早めの5時半に到着した。
そこから輪行して、ネットで予約していた切符を受け取るのと同時に手荷物切符を購入。

列を見てギョッとした。
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めちゃくちゃ並んでる。
聞くところによると始発便はもう予約でいっぱいになってしまったのだとか。
良かった・・・いつものノリで「行けばなんとかなるだろ!」理論で来てたら1便後に乗らされるところだった。コロナの影響でなんでも事前確認や事前予約をするようになった恩恵があった。


さて、初めてのフェリーはもう寝てる暇なんてない!
船内を隈なく散策するのが趣味みたいなもので、この佐渡汽船も例外ではなかった。
の、前に朝ごはんを食べていなかったから、食堂で朝ごはんをいただくことに。

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佐渡島を模したカレー。
ちゃんと美味しかった。

後はいつも通り、甲板に出て外の景色を堪能する。
新潟市内は曇りだったけれど、船の先には青空が広がっていた。

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佐渡島はまだ見えなかったけれど、この先にあるのだと思うと嬉しくなる。
ずっと訪れてみたかった島に向かっている。
この事実だけで、血圧が上がるのを感じた。

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定刻通りに佐渡島へ到着。
船内アナウンスが流れて下船の準備を促された。
自転車の場所へ戻る。
ちなみに佐渡汽船は輪行自転車を置くスペースが決まっているようで、係員の人に誘導されるがままに自転車を置くスタイル。揺れに備えてスロープへの固定もしてもらえる。ずいぶん手厚い。

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そこで自分の自転車のもとに戻ると、同じように佐渡島を走るのだろう、たくさんの輪行袋が並んでいた。そしてその近くにいたサイクリストに声をかけられた。

「もしかして・・・・・つむりさんですか??」

!!

まさかの!

このタイミングで!

自転車に乗っている時はよくあるけれど、まさかこの素の状態で声をかけられるなんて。
びっくりした。
二人組の男女で、お話を聞くと新潟市内にお住まいなのだとか。
佐渡島には何度か来ていて、今回は金山ヒルクライムをする模様。せっかくなので情報収集も兼ねて色々とお話を聞いてるだけで、佐渡島への期待が高まる答えが返ってくる。

「早く走りたい!!」
と思わずにはいられなかった。

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お声がけありがとうございました。


下船していよいよスタート!!

さて、佐渡島。
地図で見れば分かりやすい。

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瓢箪型の島で、上半分と下半分に分割して計画する人がほとんどだろう。
北半分を大佐渡、南半分を小佐渡と言うらしい。大きさはほぼ同じだけれど、何故か大小で表現されていた。
船が到着する両津港がちょうど南北方向では中心部分で、東西方向では東側の港にあたる。
佐渡島一周を自転車で走るとおおよそ210km。獲得標高は1,800m程度らしい。
頑張れば1日で一周できるけれど、今回はゆっくりとした旅をしたかったから、2日に分けて楽しむことにした。

1日目は両津港から右回り、海沿いに南半分を半周して民宿で一泊。
2日目はもう北半分を半周して両津港をゴールに。
寄り道含めて110kmずつ走る計算。夏の暑さや風向きの変化も考慮して余裕を持たせることが今回の旅の満足度向上に繋がっていたと思う。


いきなり海沿いを走らずに、あえて焦らすように向かったのは加茂湖。


佐渡一周をするだけなら立ち寄らないけれど、両津からすぐのこの湖をなぞってみたい。それは冒頭で説明した小説の中で描写されていたと言うのもあるし、流石に一日中海沿いは飽きそうだったから、変化球という意味でも。

ここが大正解だった。
自転車的に走りやすい、のはもちろんだけど、まるで「ぼくの夏休み」のような優しい日本の原風景が広がっていて、思わず笑顔になってしまった。

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水辺と田園景色のバランスがとても良い。
道は細いけれど、自転車にはちょうどいい。車やバイクが走らない分むしろ快適。
ほとんどのサイクリストがここに気付かずに海沿いを走ってると思うともったいないな、と思ってしまうほどだった。距離的には余計だしスタート直後に寄り道するってことで選択肢に入りにくいと思うけれど、是非走ってみてほしい。

佐渡一周線、新潟県道45号線に合流していよいよサドイチのスタート。
210kmの旅が始まった。

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走り始めてすぐ、いきなり気持ち良い。
ああ・・・これが続くんだ。
なるほど走りやすい。路面が綺麗だし路肩も広い。
何より景色が最高に良い。
ただし補給所はない。
自販機はある。

佐渡島は総括するとそんなところだった。

車はほぼ皆無で、風も穏やか。
夏空が広がっていて、海が青かった。
本州では酷暑だけれど、佐渡島はずいぶんと過ごしやすかった。
お昼に訪れた定食屋の人が話をしていたけれど「新潟市内は暑くても佐渡島は涼しい」のがここの常識らしい。同じ県内でも確かにこれだけ距離が離れている上に離島なのだから、いろいろ違うんだろう。

お目当ての津神神社が見えてきた。



小さな港町の海辺に突き出したなんとも可愛らしい神社だ。
何がお目当てかと言うと、「灯台」だ。
私のブログではもうすでに何度も登場している灯台ハントシリーズ。今回の佐渡島も例外ではない。
と言うかこれ幸いにと、このチャンスを逃すまいと、灯台めぐり旅的な要素も含んでいるのが今回の旅。

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神社としては佐渡島らしく、航海安全、商売繁盛。
江戸時代から廻船業が盛んだった佐渡島。立地的にも重要よね。
で、その神社に現存しているのが、当時の人たちがお金を投じて造った私設灯台。

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一階には宝殿が、二階に「石油五分心舷燈」と呼ばれる灯りが灯されて、当時の船乗りにとって大変ありがたい印になったのだとか。建設費用は漁師や廻船業者たちが出資したものだそうで、そうしたいろんな人の想いが詰まった建物を、令和時代にこうして目の前で見ることができると言うのは、なんともロマンを感じる。

港町の入り口で買ったコーラを飲みながら、この灯台からの景色を堪能した。
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ちなみにこんなところでも平気で30分費やすから、1日100km計算でちょうど良かったりする。
真面目に走ればその倍は走ることができるけれど、それはそれ。これはこれ。
旅するつむりは、さぼりがち。

とはいえまだまだ見所がある。
先に進まないと。
海沿いの気持ちの良い道を、再び走り始める。

続く。


    
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