【岐阜〜富山旅】ちょっと自転車で春の岐阜を堪能してきた【岐阜羽島〜犬山〜高山】

神楽坂つむり

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すっかり春麗な日々。

春が来た。ツーリングの季節だ。

出かけないわけにはいかない天気予報が二日後にあった。

迷わず準備をして当日。
いつもよりもずっと早起きをして身支度を済ませて自転車に乗って・・・
新幹線輪行をして降り立ったのはここ、ここ岐阜羽島駅。

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今回の旅はここから始まる。
今日の旅路。
木曽川から北上を続けて山間部を走り高山へ至るコース。
今回の一番の目的は・・・実は日本海側にあったのだけれど、ただ単純に日本海までサンダーバードで輪行するだけじゃ面白くない・・・
せっかくならいろんなところを巡って、いろんな過程を経て辿り着いた方が面白い・・・!
と言うことでこのようなルートに。

思うにやっぱり旅って目的地はあくまで目印に過ぎなくって、電車や飛行機のチケットを取ったり、朝早く起きたり、知らない土地の自販機の前で休憩したり、ちょっと道に迷ったり・・・そういう過程があってこそだと思う。と言うより過程そのものが目的と言ってもいいと最近は思う。


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岐阜羽島駅にしたのは名古屋駅まで行くと微妙に南下して距離が伸びてしまうことと、スタートから街中を走らないといけなくなるから。岐阜羽島駅は隣にすぐ木曽川が流れていて、川沿いを走ることでスムーズに北上することができる。たった一駅の違いだけれど、この違いは旅をする上ではとてつもなく大きい・・・!

と言うわけで今回の選択は大正解だった。岐阜羽島駅から10分ちょっとで木曽川の河川敷に出ることができた。普段よく見る大阪の淀川とは・・・似ているようで似ていない。
川幅は相当広い。それこそ淀川と同じくらいかちょっと広いくらい。

路面も綺麗し歩行者も少ないし何よりサイクリングロードとしてきっちり整備されていて・・・
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とにかく走りやすい!

それに桜の季節。
走っているだけで次から次へと桜が現れてお花見サイクリングをしているような気持ちに。
春の陽気。
半袖だと少し涼しすぎるから長袖でちょうどいいくらい。
いい季節だ。
ロードバイクで走るにはとても気持ちの良い季節。

最初の目的地は犬山としていたけれど、そこまでの30km弱、ずっとこんな調子。
ただ走るだけなら退屈と言えば退屈だけれど、知らない土地、知らない場所へ向かっているという付加価値があるとどんな道でも楽しく感じてしまうのだから単純だと思う。

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道中、突然現れた謎の建造物。
工具のプーラーみたい。
Twitterでその旨を呟くと、どうやらこれは「138タワー」と言うらしい。
そう言われてもさっぱりだったけれど、読み方はこれで「いちのみや」と読むのだとか。
なるほど一宮市、だからか。

さらにフォロワーさん情報によると夜はライトアップされるのだけれど、その色が翌日の天気を表現しているのだとか。それはそれで是非見てみていけれど、このまま夜を待つわけにもいかないから、先へ先へ。ひたすら川沿いを走ること1時間少し。

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犬山が近づくにつれて桜の花が溢れ出した。

右も左も桜だ。

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今の季節だけの景色。
天気も良く、まさにツーリング日和だった。

さて、そうこうしているうちに犬山の城下町に到着。

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さて、そうこうしているうちに犬山の城下町に到着。
「城下町」と言う名前がまさにぴったりのこの情景。
実は昔、旅行で天守閣に登ったことがある。

国宝にも定められている犬山城、天守閣は日本でも貴重な「現存天守閣」の一つで、日本最古と言ってもいいくらい。
1,537年に建てられて修復されつつまだ残ってるのだから当日の職人技術には頭が上がらない。
土地そのものが少し小高い丘の上にあって、しかも隣には木曽川、そして崖のような地形もありで、城としてはなかなか堅強。
そして何より天守閣からの景色は見事としか言いようがない・・・と感じたのが当時の印象だった。

犬山城-1

城下町。
平日にも関わらず結構賑わっていた。
風光明媚な建物が立ち並び、飲食店やお土産屋さんがたくさん並んでいた。
「食べ歩き」としても有名な場所と聞いていたけれど、確かにテイクアウトできるグルメが盛り沢山。
せっかくだからみたらし団子とソフトクリームを食べて補給食とすることに。
美味しくいただきました。


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観光時間もそこそこに再び木曽川沿いに北上することに。
と、思いきやいつの間にか川が分かれていたようで、飛騨川沿いに変わっていた。国道で言うと41号線を走ることになるけれど、街を抜けるまでは交通量がやや多い。自転車で走るにはそんなに楽しくなかったから試しに飛騨川沿いに出てみたら短いながらもサイクリングロードがあったから少しだけ川沿いサイクリング。できればこれがずっと高山まで続いていたら最高なんだけれど、そう言うわけにもいかない。

ここからはひたすらにじわじわとゆるーい登り。
決して足に来るタイプではないけれど、1〜4km/h程度、巡航速度が落ちるくらい。
マイペースでひたすらにペダルを回し続ける。
回し過ぎると汗をかきそうだったと言うのもあって、抑え気味のマイペース。
自転車旅的にはこれくらいがちょうどいい。景色も楽しめるし、ちょっとした寄り道をしようと言う気持ちにもなって・・・

気になった駅があったから立ち寄り。
中川辺駅。多分もう二度と来ない。そう言う駅が全国にたくさんあるけれど、ここは駅前の桜と駅そのものの雰囲気がたまらなく穏やかで平和で居心地が良かった。
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自転車停めてしばし小休憩することに。
飛騨地方の駅舎って好きだなぁ・・・。

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無人駅。結構立派だけれど誰もいない。
少し覗いてみると誰もいないホームに桜の花びらだけが行き交っていた。
穏やかな空気で満たされたその情景にしばし目を奪われてしまった。

閑話休題。
旅の小休憩。
入り口横にあったベンチに腰掛けて、しばらくただひたすらにぼーっと佇んでしまった。
こう言う時間、人生に必要だったな、と思い出す。


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さて、再出発。
我ながらバーテープがボロボロ過ぎる。いい加減交換しないと・・・。

「この旅が終わったら交換しよう」といつも思うのに、家に帰ると「まぁ次の旅が終わってからでもいいか・・・」となるからいけない。

小腹が空いてきたところで、「次、良さそうなお店があったらそこにしよう」と思いながら10分ほど走っていると現れたのがこちらのお店。
下麻生あたりにあった「七福庵」さん。お蕎麦屋さんだ。佇まいからして美味しそうだ、と思った。
ランチセットがあったから注文してみる。

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これが大当たりだった。

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蕎麦は温と冷やを選べて、季節の野菜と魚の天ぷらに、ホタルイカや菜の花、茶碗蒸しにデザートまで付いて1,000円ちょっとだった。こじんまりとしたお店だったけれど、窓から差し込む光が柔らかくって雰囲気に癒されてしまった。

飛騨の旅、今のところ順調でしかない。

のだけれど、ここで予定を変更して輪行することにした。
予定、と言うほどのものでもなく、単純に高山まで行けばいいか、くらいで考えていたのだけれど、この先の景色と立ち寄りスポットを考慮すると別に自走にこだわる必要ないな、と思ったので。

iPhoneで調べてみるとちょうど15分後に上麻生駅から高山本線、高山駅の普通列車が来ることが分かったから少し急ぎ足で駅まで向かってサクッと輪行することに。
こう言う時に輪行作業が5分以内にできる、と言うのは結構なメリットだったりする。
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めっちゃローカルな感じの電車が来た。
ちなみに乗車時間は2時間半くらい。
車内では音楽を聴いたり、車窓からの景色を楽しんだり、少し眠ったり。
そんなことをしていると2時間半なんてあっという間だ。
昔、大阪から青森まで電車で行った時のことを考えたら、短いのなんの(あの時は虚無感がすごかった)

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と言うわけで到着高山駅。
リニューアルされてから来るのは・・・2回目?だったかしら。
昔の駅舎がもはや懐かしい。
思えば全国のいろんな駅が、再訪するとリニューアルされているってことが増えてきた。
備忘録としての写真はこう言う時に思い出になるのだなぁ・・・としみじみ実感してしまった。


さて、自走でも来れたのに輪行した理由は単純に高山の街をゆっくりと巡りたかったから。
何せここは私の大好きな作品「氷菓」の舞台であり・・・
ってまぁ実際に氷菓の聖地巡礼自体は過去に何度かしたことがある。
けれど、この桜の時期に訪れるのは初めてだったり、久しぶりの来訪ということもあって、少し時間をとって回りたかった。

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それに久しぶりに訪れたかったお店が・・・

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こちらのバグパイプさん。

何を隠そう氷菓第二話で奉太郎とえるが待ち合わせをしたあの喫茶店。


さすがの京都アニメーションクオリティで、作画力が高すぎて訪れる、見る、訪れる、見るを何度繰り返してもその再現度に驚かされる。ただただリアルに描くだけじゃなくて、その場の音というか光等か、一言で言うと「雰囲気」までも感じさせるのだからすごいと思う。

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ここで1時間ばかりゆっくりと水出しコーヒーとケーキのセットをいただきました。
うーん、このために輪行したまである。

あとはゆっくりと高山の街を散策。
思ったよりも気温が低い。
というか明らかに犬山にいた時と違う。なんというか具体的にいうと10度くらい気温が違う。
犬山にいた時には半袖だったのに、今はジャケットを着込んでも少し寒い。
指先なんかは指切りグローブだと冷た過ぎるくらい。

・・・さすが標高500mは越えている土地だ。
それにアルプスに挟まれている。
日向を探して暖かさを感じながら、ゆっくりと巡ることに。

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人が、いない。
昔は外国人観光客で溢れかえっていたのに。
あの頃はまさか世界がこんな状況になるなんて想像もできなかった。


さて、いい加減寒さの限界が来たのでお宿に向かうことに。



今回お世話になったのは旅館むら山さん。
高山駅から自転車だと5分くらいの場所にあって、飛騨の里のすぐ近くということで、高台にあって景色が良い。観光客も少なくってとても静かな場所。古民家を移築した建物でレトロな雰囲気ながらも綺麗に整えられていて、ああ、これは良い宿だな、と入ってすぐに実感した。

ゲストハウス的な雰囲気も少しあって、お宿の人もフランクで、ただ立ち入りすぎずな距離感で居心地が良かった。

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それに何より・・・
料理が最高に美味しかった。

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私が行った時は一泊2食付きでなんと8千円ちょっとだった。温泉付きだ。

思いがけず最初から最初までなんだか文化的で平和で穏やかな1日だったな・・・と温泉に浸かりながら振り返った。
飛騨地方の旅は思えばいつも結構無茶な距離を走って・・・うん、それはそれで楽しいんだけれどね。
たまにはこうして美味しいところだけをつまみ食いするような日があってもいいと思う。

「それに明日は結構ハードかもしれない」

だからこうしてゆっくりと過ごしてもバチは当たらないだろう、と思った。

実際、翌日はこれまた思いがけず、苦しむことになる。

この時の私はそんなことは当然思いもせず、部屋に帰って布団に入った瞬間に、眠りについた。

続く。



    
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