【岡山〜香川】ちょっと自転車で港町と美術と島巡りして来た【豊島〜小豆島】
島旅, 山陽, 四国, 自転車, 写真, ロングライド, 1day, TADA車,さて、続いては海沿いの道から一旦離れて島の中心にそびえる檀山を登ることに。
「グーグルマップ上は」道があるし、東西方向に通り抜けもできるみたいだから、島の外周部とセットで走ったら豊島コンプリートできるな!と思って軽い気持ちで登ってみたら・・・
まあ良くある話といえば良くある話。
Googleマップだからね。仕方ないね。

実際に旅してたらこんなことはしょっちゅうあるわけで・・・
特に瀬戸内海の離島を走っていると日常茶飯事。
手付かずの自然とか朽ち果てた林道とかそもそも整備される予定なんて一切ない畦道とか・・・
だから驚くことでもないけれど、豊島のポテンシャルを感じた瞬間でもあった。
外周部は瀬戸内海らしい穏やかな海沿いの道、って感じだけれど
島の中心部に向かえばこうして本格的な林道ツーリングを楽しむことができる。
グラベルロードを持ち込んでひたすら島の中心部を回るのも楽しそうだなって思った。
あとヒルクライムという意味でもなかなかタフなセクションで
4.7kmで300mほど駆け上がった。斜度10%超えのところもたくさんあった。
そのためのツーリング仕様のTADA車だから、特に問題はない。
フロントは50-34T、リアは11-28T。

標高330mから見下ろす豊島情景。
そのままポストカードにできそうな完成された瀬戸内海の眺望がそこにあった。
海は穏やかでこれだけの面積見えているのに白波が一つも立っていない。
たくさんの島がぽつぽつと海に浮かんでいる。水平線なんて見えっこない。
港があって、家があって、町があって、島で生活している人がいて。
こうしてたまにお邪魔してはその情景の中を走るだけで楽しいんだから瀬戸内海ってばやっぱり魅力的。
壇山をダウンヒルしたあとはしばし再び島の外周部を走る。
フェリーから降りた時は北側を走ったから、次は南側を走ることにした。
これで島をぐるっと一周することになるけれど、
南側はなんというか本当に何もなかった。
景色に違いがあるとすれば、海の向こう側に見える島が本州から四国に変わったことくらいだろうか。
この辺りの離島はだいたいこの図式になる。
北側に本州。南側に四国。
あとはオリーブ。これも定番。
だいたい、オリーブかみかんかレモンが植えられている。
目隠しをして連れてこられてもこの辺りの情景があればすぐに瀬戸内海の島ってことが分かるくらいには、定番。
たまーに
牛もいる。
さて、このあとはずっと訪れたいと思っていた豊島美術館を訪れた。
コロナ対策ということもあって、事前予約制だった。
出発する前日にWEBで予約をしたけれど、30分1枠定員20名だったけれど、空きが19もあった。
つまり同じ時間帯に予約している人はその時点で1名だけ。
これは貸切状態だな、と期待して行ってみると、まさにその通りで、ゆっくりと作品を堪能することができた。
ちなみに豊島美術館は他の美術館とは大きく異なる。
他の、というとつまり絵画や彫刻が部屋の中に展示されているような一般的な美術館なことだけれど
ここはそういうった展示は一切ない。
実際私も訪れるまではどんなものか知らなかったのだけれど、空間全体が作品になっていた。
説明しても伝えることは難しいから、気になる人は是非訪れてみてほしい。個人的には訪れて良かったと本当に思う。
作品(と言うと語弊があるかもしれない。空間そのものといった方が正しい)を堪能したあとは併設されたカフェでコーヒータイム。
さて、ちなみにこの豊島美術館のすぐ横の道路。
ここが豊島ツーリングにおいてはハイライトになるポイントだと思う。
景色がね・・・・とにかくね・・・・目の前に現れた瞬間にテンションめちゃくちゃ上がるやつです。
これこれ、こう言うのが見たかったんだ!!
と私が叫びそうになったのがこちら。
最高です。
海へ向かって降っていく道。
パノラマビューと相まってこれはこれで作品じゃないか?と思えるほどの情景。
画角いっぱいに広がる海。
緩やかにカーブしながら降っていく道路。
標高差は30mほどだろうか。
道路の先は見えないけれど方角的にはこのまま港まで降っていくはず。
道路越しに見える海には瀬戸内海を行き交う船のウェーキが。
風は穏やかで雲ひとつなく暖かな空間を思いっきり堪能することができた。
遠景。
ちなみに最近では自転車旅をするときに持っていくカメラレンズはもっぱら望遠ズームレンズ。
タムロン製の28-300mm望遠ズームレンズがお気に入り。
予備でシグマ製のレンズも持っているけれど、天気が晴れか曇りかで使い分けるくらいで、正直なところどちらでも仕事はしてくれるからどっちでもいい。
単純な描写力だけ見たらCANONのLレンズシリーズが間違いないのだけれど、こんなにダイナミックな景色を目の当たりにしていると、優先すべきは画角の選択肢の広さだと思う私。
ちなみに上の写真と同じ場所から撮った画角違いの写真がこちら。
300mm側で撮影。
この2枚を同じレンズで撮影できるんだからやっぱり望遠ズームレンズ強い!
この辺りの景色が良すぎて1時間近く滞在してしまった。
かといって写真を撮る以外は特にすることもなくって、自転車を停めてその辺りの壁に立てかけて、道路脇の畑横の石垣に腰掛けて、高台から瀬戸内海と島の景色を眺めるだけの時間を過ごした。
余裕のある島旅は見える景色もゆとりが出る。
とかゆっくりしているうちに、次のフェリーまでの時間が15分しかないことに気づいて少し慌てた。
今日中に大阪の自宅まで帰ろうと思っていたから、ルートとしてはまず小豆島に渡る必要があった。
豊島→フェリー→小豆島→自走→フェリー→列車
とフェリーと自転車と列車を駆使して移動する計画。
そしてこの最初のフェリーに乗り遅れたらもうここに一泊するしか無くなってしまう。
別に良いのだけれど、今回は日帰り旅にしたいという思いが強かったから、急いで港へ行くことに。
と言いつつ先程の気持ちの良い道をダウンヒルしたら5分くらいで到着してしまった。
来る時とは違う豊島にあるもう一つの港、唐櫃港に到着。
フェリーてしま。
香川県の小豆島とここ豊島、そして岡山の宇野を結んでくれるフェリー。
今回初めて利用したけれど改めてこの便利さがわかった。
瀬戸内海のフェリーは乗れば乗るほど旅の自由度、選択肢の高さを実感する。
やろうと思えば神戸港を起点にしてひたすらフェリーと自転車を駆使して広島市内まで島旅をすることができる。
それこそ20近い島を巡ることができるだろうか。
2泊3日程度でも十分。
うーん、今度またやってみようかな。
さて、小豆島へ向かうフェリー。
時間はもう17時ごろ。
陽が傾いてすっかり帰路を思わせる情景になってきた。
この時間に小豆島にいるってことは自宅に着くのは日付が変わるくらいだろうか。
それもまたよし・・・。
たまにこうして時間の限りを目一杯使うような遊びがしたくなる。最近ではついつい余裕のあるプランばかり組んでしまうから。旅に慣れてやり方が分かってきたって言うのがあるけれど、旅慣れてない頃のあの体力と時間で行程をカバーするあの強行軍。あれはあれでいいものだ・・・。
土庄港に到着。
ここで起こった嬉しい事件が「からかい上手の高木さんラッピングフェリー遭遇事件」
だけれどこれについては詳しくは別記事にしているからそちらを見ていただければ幸い。
さて、高木さん欲が急に増してしまったから、ひとつ聖地巡礼をしておこうと思い立った私は富丘八幡神社へ。
ここからは神社の参道からまっすぐに海を眺めることができるとんでもない絶景神社。
なぜかマイナーだけれど、、個人的にはエンジェルロードに匹敵するくらいのコンテンツ力があると思ってたり。
ここで開催されるお祭りに一度でいいから参加してみたい・・・。
大部港から日生港に帰る予定だったけれど時間的にだいぶ余裕があったからここでも30分くらいボーーーーっとして過ごした。
もはや旅黄昏モード。
時刻は18時ごろ。
そろそろ帰りのフェリーに合わせて移動することに。
今いるのは小豆島の南側。時計で言うと8時くらい。
山を越えて島の北側。2時くらいの場所まで。
夕闇サイクリング。
とても静かだった。
夕闇の海を眺めながらの島旅というのもいいものだな、と思った。
これもこういう行程ならではの景色と思うと、悪くない。
大部港に着く頃にはすっかり暗くなっていた。
ここで私は気づいた。
「晩御飯どうしよう」
何も考えていなかったけれど、確実にお腹が空いていた。
かと言っても当然コンビニなんてないし、少なくとも10km以上飲食店を見ていない。
ポケットに忍ばせている補給食で誤魔化そうか・・・と思って港に到着した私はそれを見て大歓喜した。
こんなところに食事処が・・・!!!
外見からは美味しいとも美味しくないとも判断がつかない雰囲気だったけれど
とりあえず入ってみよう精神でお邪魔することに。
店内は言うなればアットホームな少し昔のレストラン。
入り口の横には本棚があって漫画がずらりと並んでいた。
テーブル席ばかりで全部で6卓くらいあっただろうか。
窓越しに港が見えたけれど、真っ暗だったから外灯とそれを反射した水面が揺れているのが少し観察できるくらい。
愛想の良いお母さんが注文を聞きにきてくれた。
メニューに目と通すとハンバーグからパスタから定食から焼きそばまでなんでもござれだった。
なんとなく目についた「イタリアンスパゲティ」なるものを注文してみた。
多分ナポリタンだろう。
正直そこまで期待していなかったけれど、やってきたそれは値段からは想像もできない美味しさだった。
どこか懐かしい雰囲気が漂うナポリタン。
木のプレートと鉄板スキレットに乗せられて熱々。
味は間違いなかった。
具材もソースも最高に好みのやつだった。
まさかこんなところでこんな美味しいグルメに出会えるとは。
満腹になってほくほく気分であとはフェリーを待つだけ。
星空がすごかった。
最後は兵庫県の日生港までフェリーで渡る。
乗船客は私だけだった。
休日とはいえ最終便だしね。
真っ暗な夜の海を私だけ乗せて行くフェリーとはなんとも無駄で贅沢。
このあとは日生駅から新大阪駅まで帰るのだけれど、電車が遅延に遅延を繰り返して最終的に家に帰ったのは日付を超えた1時半だった。
移動時間はそれはそれで嫌いじゃない私。
それも含めて旅だから、帰りの列車内では仮眠したり物思いに耽ったりしてたらあっと言う間だったようにも思える。
こうして突発的ながらもたくさんの景色に出会えた旅が終わった。
このルートは今後も応用次第でいろんな旅ができそう。
季節を変えてまた同じ場所を走るのも良いと思えた。
終わり。
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