【広島県】ちょっと自転車でしまなみ〜ゆめしま海道を満喫してきた【向島〜因島〜弓削島〜佐島〜生名島】

神楽坂つむり

島旅, 山陽, 輪行, ロングライド, 自転車, 写真,
知らない天井だ。

ぐっすりと眠れた実感があった。良い目覚め。頭も身体も快調そのものだった。

ベッドから降りてカーテンを開ける。いきなり、この景色だった。

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今日はゆめしま海道へ。
さて、今日の旅のルートはこちら。


向島→因島→フェリーで弓削島→佐島→生名島→フェリーで因島→向島→尾道。

いわゆる「ゆめしま海道」を自転車で走るための一日。
しまなみ海道はもう何度も走っているし、その裏も面も知ってるけれど、実はこっちのゆめしま海道をちゃんと走るのは初めて。(飛び飛びで走ったことはあるけれど)

前日の記事はこちら

弓削島、佐島、生名島で構成されるこのエリアは因島からフェリーでアクセスすることができる。フェリーは二箇所設定されていて、今回は東側の家老渡港から入って、西側の土生港から出ていくルートにした。前者は本数が少なく30分に1本程度、後者は随時運行しているタイプ。行きだけはダイヤを狙って帰りは適当に来たやつに乗るスタイルが旅の効率が良い、ので。

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先日の記事でも紹介した通り、宿泊した「尾道やすらぎの宿しーそー」さんでいただく朝食。


とにかく景色が美しすぎる。
尾道水道のパノラマビューを目の前で楽しみながらの朝食タイム。なんて贅沢なひと時。

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着替えて準備を済ませてチェックアウト前に撮った一枚。部屋の窓からの景色がこれ。
気持ち良すぎる・・・!

さて、本当にお世話になりました。
たくさんの自転車の話、旅の話、地元の話、楽しかったです。
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また必ず訪れることをお約束して、2日目スタート!



さて、今日は家老渡フェリーと福山からの新幹線の時間だけ気にしていれば、あとは自由。毎度の如く特に具体的なルートは決めていないから、目に入ったところ、気になったところ、ゆっくりしたいところ、そういうところを直感で感じながら進む旅。

早速目に飛び込んできたのがこちらのお店。
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黒背景に白文字のシンプルながらも存在感のある看板。

場所はこちら。住田製パン所
港から自転車だったら1〜2分で着いてしまう。
まさに入り口だけれど、尾道駅側のフェリーを使っているとなかなかこっちまで来ないと思う。

どこか懐かしい雰囲気が漂うパン屋さん。

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「ねじパン」が定番らしく、これが昔からずっとずっと作られ愛されてきていたらしい。もちろん迷わずに入店していただいたけれど、確かにこれは飽きない味。最初はてっきりフワフワ系かな?と思いきや結構歯応えがしっかりしているタイプ。噛みちぎるってほどじゃないけれど、最近のゆるふわなベーカリーとは違う昔ながらのタイプ。程よい甘さがツーリング中の補給にもちょうどいいと思った。これを3つ買い込んでサコッシュに忍ばせて、結局この日の補給食となった。


ちなみに店主?と思わしきおばあちゃんと少し長めに話をしたのだけれど、これがまた面白かった。そうだ、こうして島と島に橋がかかって本州から四国まで移動できるようになったのもそんなに昔の話じゃない。それ以前の貴重な話や、建設当時のいざこざ話、裏話なんかをたっぷり聞くことができた。こういう体験があるから旅はやめられない。


お店を出て時計を見てギョッとした。
フェリーの時間に間に合うかどうか、結構ギリギリ。
具体的にはフェリーの時間までちょうど1時間で残り距離が23kmだった。

というわけで朝からいきなりの愚直ダッシュをする羽目に。
(あるある)
大体いつだってそうなんだ・・・ついつい寄り道をしたり何かしらの理由で長居をしてしまって、最後は脚力でカバーする。走力でカバーだ!!

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と、言いつつ走りながら頭の中で計算すると、多分5分前には乗り場に着くと分かったから、余裕はあった。実際こんな道だしね。信号もなければ渋滞もない、ので。あるとすれば景色が良くて前に進まない現象だけれど、今だけはスルー。今日も後半でいくらでも時間があるし、まずはそのために頑張らないと。

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で、結局写真を撮ってしまうわけ。

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だって朝からこんな景色が広がっているのだから。

島で宿泊するメリットの一つが、朝の空気感をたっぷり味わえるところ。
これがここでは日常なんだと思うと、人々の生活のあるべき姿について、色々と考えさせられる。
都会の人にお疲れ様とだけ伝えておこう・・・。


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なんだかんだ予定通り5分前には到着した。(滝汗)

30分に1本程度は出ているから、特に無計画にきてもまぁ大丈夫だとは思うけれどね!

これは後で聞いた話だけれど、これから向かう弓削島は実は「愛媛県」
今いる因島が広島県だから、フェリーに乗っているうちに県を跨ぐというわけ。
で、愛媛県民である弓削の人たちだけれど、フェリーが因島方面にしか出ていないこともあって、島を出る=広島県に行くということで、実際には広島県民みたいなものなのだとか。

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自転車や徒歩の人は皆無だったけれど、車は何台か降りてそして乗って行った。
そういうところなのだ。

無事にフェリーに乗り込んで出港。
方向転換のためにバックするのだけれど、造船所の船にぶつかりそうなくらいギリギリまで下がってちょっど驚いた。目の前にグングン迫る船体の迫力、最高でした。
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わずか10分ちょっとの船旅。
だけれど十分に気持ちが良く、離島にいる実感が湧いてきた。

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あっと言う間に到着。
さて、ここから走るのだけれど、このゆめしま海道、最短ルートで立石港まで向かうと9kmしかない。

つまり真面目に走ると30分くらいで終わってしまう。一方で島の外周部やUターンブルーラインもちゃんと回収していくと2倍〜3倍程度になる。少し迷ったけれど、今回は昨日からの旅ということでもう海成分は過剰摂取と言っていいくらい摂取したから、もうゆっくり適当に行こうと言うことで最短ルートを選択。

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離島の空気感がそこら中に漂っていた。

こんなの真面目に走っても仕方ない。

ゆっくりでいいよ!!!

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ゆっくりしています。

さて、ここでポケットの中に何か入っていることに気づく私。
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/^o^\ヤッテシマッタ

すぐにお宿に連絡。

「すみません、鍵を持ってきてしまってました」
「あー!忘れてました」
「帰りに尾道向かう途中に立ち寄ります」
「はーい、楽しんで〜〜」

ゆるい。

県道172号線とやら、らしい。愛媛県であることをこの時実感する。
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離島時間で溢れている。
急ぐ気持ちが完全になくなってしまった。
福山の新幹線の時間から逆算して、ゆっくりできるだけゆっくりしようと決める。
もう距離も速度も適当でいい。

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この島の良いところは、周りの島がとてもよく見えるところにあると感じた。
島自身の景色がもちろんだけど、海ごしの景色を堪能するのにベスト。
後で地図を見返して思ったけど、周囲の島の囲い具合と距離感のおかげだと思う。

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白い波飛沫と青い海、青い空、島と島を結ぶ橋。最高に瀬戸内海してる。
(この後めちゃくちゃレンズが海水で濡れた)


それにしてもこれまで何本の橋を渡ってきたかもう分からないけれど、こうしてみると・・・吊り橋って吊り橋なんだなぁって実感する(今更)よくあれだけ細くて長い道路を、何トンもの車が通っても大丈夫なように作れるなぁ・・・と。機能美を堪能できるこのアングル。ずっと眺めていられる均整のとれた美しさ。
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島時間を堪能しつつ、お腹が空いてきたので、どこかでご飯食べたいなぁと思っているところにちょうど現れたのがこちらのお店。
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しまでCafeさん。


「手作りの味しまでCafe」
「お料理には全て弓削島産の塩を使っています」
という文字に惹かれて入店。

普段は地元の人の交流の場にもなっているようで、先客でいたおじさん二人の会話が島の政治に関する話で、なんともリアルで生活の匂いを実感した。

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定番っぽいレモンポークソテーを注文。
これがまぁ正直にびっくりするくらい美味しかった。特にソース。聞いてみるとお店で作ってる自家製ソースだそうで、レモンの酸味と、少しの塩のアクセント、肉のジューシーさ、柔らかさ、めっちゃくちゃ満足できました。お世辞抜きにおいしくって、思わずお土産に弓削塩を2種類買ってしまった。

お店のお姉さんに話を聞くと、京都の東寺に(あの東寺)に献上している塩らしく、今でも樽を使った伝統的な製法で製造しているのだとか。塩田方式ではなく。こだわりの逸品ということで、偶然にもなんとも素晴らしい料理に出会えてしまった。ありがたし。ごちそうさまでした。

そしてお店を出たところで事件発生。

いきなり軽トラックが接近してきて真横に停車。

ちょっとびびって様子を見てみるとこちらを見てきて一言
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「もしかして、つむりさんですか!?」
私「!???!?」

まさかこんな離島のこんなタイミングでフォロワーさんに迎撃されるとは思ってもいなかった。
フォロワーのHAYATOさん(@LFFH93449 )と偶然にもお会いすることができました。本当に偶然でお店の前に私の自転車が止まっているのを見て気付いたもののその時はスルーして、もう一度通るタイミングでちょうど私が出てきた、とのことらしい。
うーん、この日この時間こんな場所で(瀬戸内海の数ある離島の中で)こんなことが起こるんだから、旅の偶然ってば面白い。

さすが地元の人ということで、島の人にしか分からない話を、短いながらもたくさん聞くことができた。実際にまだ住むまでは至ってないけれど、こうして話を聞くことでできる追体験は、旅を重ねてどんどんと増えてきた。これは間違いなく財産だと思っていたりする。HAYATOさんありがとうございました。次はぜひ一緒に走りましょう。


さて、嬉しいご飯を出会いがあった。大満足だ。もう帰ろう。

気持ちはもういっぱいだった、ので。
あとは消化試合。と言っても景色は相変わらず。優しいまま。瀬戸内海の穏やかさは、いつもそこにある。

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途中、ふと思い出したようにインスタライブをしてみた。
視聴してくださった方、ありがとうございました!
(たまにこうしてゲリラ的に配信をやっていたりする)

生名島から因島へ。
ここはフェリーだけれど実質渡し船のような感覚でどんどん往復しているからとても便利。
料金も覚えてないけどとにかく安い。数百円。

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もはや珍しくない、船に乗ること。
もう瀬戸内海のフェリーはほとんど乗り尽くしただろうか・・・。
港を探すだけでも旅の計画ができるのだから、やっぱり自転車と船の組み合わせが、とても相性が良い。

尾道までは海をただただ眺めながら走るだけ。
何も難しいことは考えずに、シンプルに目の前の景色を楽しむだけ。

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お宿に返し忘れていた鍵も無事に返して、最後は渡船で尾道水道を渡る。

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ここまできたらもう旅の終わり。
尾道駅から電車に乗って福山まで行くだけ。そこから先は新幹線で大阪までワープ。
この機動力の高さ、自転車だからこそ。

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尾道で好きな場所。このアングルで撮る尾道がとても好きだ。
商店街から鉄道の線路、坂の町と言われる所以の迫りくる家々とお寺の連続にロマンが詰まってる。

そういえば!と最後に立ち寄ったのが最近お店を移転した「Better Bicycle」さん。
「尾道発。ちょっといい、自転車」を提供する尾道に拠点を構えるショップで、今はこの海沿いにあるシェアオフィス(オノミチシェア)の一角で営業されているとのこと。

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倉庫群の一角にその入り口があった。

入り口からなんだかお洒落空間が広がっていて、2Fにあるおかげかどの場所からでも尾道水道を一望できるロケーション抜群の建物だった。フォロワーの雪さんがいらっしゃるお店でもあって、毎回尾道に来るたびに立ち寄ってる。居心地の良い所。

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セレクトアイテムがどれも自転車生活を彩ってくれるお洒落で実用的なアイテムばかり。
自転車の修理や販売もされているから、ここで一台、尾道に合う自転車をコーディネートしてもらうのも、とても贅沢だと思う(しかも結構安い)

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テラスもあってここも自由に使わせてもらえるそうで。
午前中は海沿いをさくっと走って午後からはここでゆっくりとコーヒーでも読みながら書き物をするなんてこともできる。何それ最高か・・・。

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レンタル自転車もあるので手ぶらで尾道を訪れてもOK。しっかりと整備されたインスタ映えするお洒落なやつ。ポタリングするならこれくらいがちょうどいいんだ。


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終わってみれば2日間、いつもとはちょっと違う瀬戸内海を満喫することができた。
歴史と文化と情景が広がった2日間。
次はどこへ行こうか。

終わり。




       

 
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