【白川郷自転車旅】数年ぶり「花咲くいろは」聖地巡礼とヒルクライム【金沢〜湯涌温泉〜白川郷】

神楽坂つむり

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「ひぐらしのなく頃に」が14年の時を経て再びアニメ放送されましたね。

というのはあくまでオマケでみたいなもので(と言いつつ現地に行くとやっぱり聖地巡礼しちゃう)

「あ、白川郷行きたい!」

ってこの季節になると毎年思っちゃう。
から行ってました。

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さて、今回の旅はいろんな要素が絡み合っている。
行程としては下記のとおりだけれど、立ち寄りたい&したいことがたくさんあってさあ大変。

・大阪から金沢までは特急サンダーバードで輪行
・金沢から白川郷まで自走(金沢の街並み観光+湯涌温泉で「花咲くいろは」聖地巡礼したい)
・白川郷で一泊(「ひぐらしのなく頃に」聖地巡礼したい、宿はGOTOと白川郷観光キャンペーン適用)
・翌日は岐阜市内まで自走(北濃駅に立ち寄りたい、長良川を走りたい、帰りはサクッと帰りたい)
・どこかの駅から輪行で帰る

というプラン。二日目の行き先を高山にすることも考えたけれど(そちらに行くと「君の名は。」と「氷菓」の聖地巡礼もできる)あまりに詰め込みすぎるとまとまりのない旅になるというか、盛り過ぎると良くないのは分かっていたから、ぐっと我慢することにしました。えらいぞ自分!



さあさあ、今回は一泊旅。しかも白川郷で宿泊。
もちろん行程的に「一番行きたいところで宿泊する」ことが旅の満足度をめちゃくちゃ上げてくれる、ことはこのブログでも何度も書いていることだけれど、何より今回は「GOTOキャンペーン」が適用できるからというのも大きい。さらにその事業の一環で「白川郷観光宿泊キャンペーン」もあり「キャッシュレス決済還元キャンペーン」もありとにかくお得に旅ができることがわかった。

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私はキャンペーンがなくても旅するのは間違いないけれど、使えるものは使わしていただこう。そしてお得な分、もっと現地にお金を落とそうと思う。なぜならこうして私が旅をすることができるのは、それらの施設があるからこそだから。飲食店も宿泊施設も交通インフラも、全部無いと困る。それがあるからできることがたくさんある。旅を支えてくれている。だからお金を落とすことで恩返ししたいと常々思っている。これは日常生活を形成するあらゆるものに言えることだと思っている。



朝目が覚めると、サンダーバードの出発時刻まで後40分・・・いや、36分しかないことが分かった。しまった寝過ごした!からこの日はスタート。これが26分だったら諦めていたけれど、ギリギリいけると思う。

前日のうちに自転車を完璧に準備するのは私のモットー。
寝過ごした時のため、というのもあるけれど、忘れ物をしないためでもある。当日の朝にバタバタ準備していると忘れ物をすることが多い。し、精度が落ちる。要るもの、要らないもの、これをはっきりさせるためにも、ゆっくりと前日のうちに準備しておきたい。

具体的には例えば充電ケーブルだったり、鍵なんていう細かいアイテムも前日のうちにきっちりバッグに入れておく。朝起きてやろう、ということを極限まで減らしておく。だからこの時も身支度整えて家を飛び出すだけ。助かったー!ありがとう昨日の自分。

5分くらいで準備して
新大阪駅まで15分。
輪行するのにおおよそ5分。
朝ごはんを買って指定座席に座ったのは発車時刻の4分前だった。オーケー!上出来。

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旅の始まり金沢駅!
ここから白川郷まではおおよそ80km。
そうたったの80km。金沢からは意外と近いのが白川郷。関西勢のサイクリスト、みんな覚えておいてください。

せっかくの金沢ということで、まずはひがし茶屋街を軽く散策。
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昔ながらの家屋が立ち並ぶこの一帯。重要伝統的建造物群保存地区として登録されていて、昔ながらの建造物が美しくその軒先を揃えいて見応えたっぷり。南北約130m、東西約180m、約1.8haで、保存地区内の建築物140のうち約3分の2が伝統的建造物、そして明治初期に建てられて町屋形式の茶屋が並ぶ。かつて江戸時代、加賀藩の時代に犀川・浅野川沿いに栄えた商人文化時代から続くと言われていて、実際にこの街をロードバイクで走ってみるとその名残を随所に感じることができた。

個人的にこう言った場所を巡るときには自転車は最適な乗り物だと思う。静かに、ゆったりと、マイペースで。全国的にもここまで茶屋町が立ち並ぶのは珍しい。眺めているだけでも楽しい。均整の取れた二階建ての木造建築、美しい。

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なんだかんだで1時間近く滞在してしまった。

さて、ここから向かうは湯涌温泉。白川郷に行くまでの最短ルートといえばそうなのだけれど、でもその先にはそれなりの峠があるから決して一概にはそう言えないかも。それに・・・肝心の本当の最短ルートである「ブオナ峠」は通行止め。それもここ10年くらいずっと。きっとあそこはこのままずっと通行止めのまま自然に還っていくのでは、とさえ思う。金沢と白川郷を結ぶルートは、今や高速が整備されていて、わざわざ下道を走ることも少なくなった。ましてやあんな山中の山越えルートは必要ない。それこそ・・・湯涌温泉経由で白川郷に向かう一部のサイクリストくらいしか需要がない・・・。

さて、湯涌温泉といえば、その名の通り温泉街だけれど、それ以前に私にとっては「花咲くいろは」の舞台である。

東京育ちの女子高校生、松前緒花がひょんなことから祖母が女将として取り仕切る温泉旅館、石川県金沢市から少し離れた温泉地、湯之鷺温泉に立地している「喜翠荘」で仲居として働きながら、仲居友達の押水菜子、料理人を目指す鶴来民子たちと、仕事を通じて人間的に成長していく様を描いた青春お仕事ストーリー…………!

はい。最高です。素晴らしい作品だと思います。
作画、演出、脚本、キャラクター全部ツボにはまった。
音楽も素晴らしい。nano/RIPE!

っていうのが2013年のことだから、もう7年前の話……。
それでも、今でも、やっぱり大好きな作品のままなんだから本物なんだと思う。

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湯涌温泉までの道は金沢湯涌福光線という名前で、風光明美。里山の景色をふんだんに堪能することができる。道路脇には田園風景と豊かな山々、自然。秋桜の彩に季節の移ろいを感じずにはいられない。

金沢市内からの距離は10kmちょっと。
車ならあっという間だけれど、知名度のせいか……いつも観光客が少ないのがちょっと寂しい。
特に今回はコロナの影響もあっただろうけれど……。少ないながらも寄付があったので投資してきた。

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さて!湯涌温泉を訪れたら立ち寄っておきたいところが・・・

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ここ!

ゆわく温泉、いろは館!

何を隠そう、10年近く経っているにも関わらず、ここには「花咲くいろは」のグッズが所狭しと展示されている。ここの入った瞬間に当時の記憶が鮮烈に思い出された。
当時のブログを読み返してみると、我ながら当時も今も・・・大して変わってない中と思う。


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原画やポスター、書き下ろしイラストやその他関連グッズなどが盛り沢山。
今でこそご当地アニメは珍しくないけれど、当時はまだまだ少なかった時代。花咲くいろはは間違いなくご当地アニメの先駆け的存在として注目を浴びていた。し、実際に効果があった。何を隠そう、作中で行われたお祭りが「ぼんぼり祭り」として実際に開催され継続するに至っているのだから。

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湯涌温泉といえば柚子乙女サイダー。歴代のコラボレーションボトルがずらりと展示されていた。

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なこち〜〜〜。

巡礼ノートを開いてみると、今でも毎日のようにファンが訪れていることが分かった。息の長い作品だ・・・。一過性のものではない。私もそのうちの一人だけれど。

さて、存分に堪能したところで、肝心の温泉街へ移動。
ここから先はもう全部聖地巡礼、舞台探訪みたいなもので、入り口からしてここ!

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花咲くいろは1
通学シーンで何度も描かれた場所。湯涌温泉街の入り口。

ちなみにこの後、緒花たちは電車に乗ってるけれど、実際には西岸駅は能登半島にあるから、全くもって場所が違います。私も最初はてっきり湯涌温泉とのと鉄道をセットで見られると思いきや、金沢市内を挟んで真逆でびっくりした記憶が。

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兎にも角にも湯涌温泉の入り口!
この看板の流れからしてワクワクしてしまう。それにしてもP.A.WORKSの作画の良さについては、今更語るまでもないけれど、空気感の伝え方が本当に素晴らしいと思うのです。気になる人はぜひ第一話だけでも見て欲しいと思う。個人的には一話の完成度の高さで全て持っていかれた感じ。あの短い時間の間にあれだけの魅力を伝えることができる作画、脚本、アフレコ、音響、BGM、たまらない!

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飛ばせないオープニング。私がnano.RIPEを知ったきっかけもこのオープニング。

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さて、一通りの聖地巡礼が終わったところで、お昼時・・・。いや、正直、白川郷までの道のりを考えるとそろそろ出発しても良い頃なんだけれど・・・でももう少しこの湯涌温泉の空気に浸りたいという気持ちも。いや、そもそも湯涌温泉に来たのに、温泉に入らないなんてもったいない・・・。

ということで入りました。白鷺の湯です。
湯涌温泉の中心地に位置していて、花咲くいろはファンにとっても象徴的な場所であるのは間違いない!館内には今もポスターが掲示されているし、作中にも描写されているような光景をたくさんみることができます。。歴史的にもとても古い温泉で、養老二年(718年)近郷の農夫が泉に身を癒す白鷺をみてこの温泉を発見したとも伝えられているのだそう。料金も大人420円と良心的。いや正直もっと取っていただいても良いのだけれど・・・と思いつつ、湯涌の温泉ですっかり癒されてしまった。

さて、もうここまで来たらお昼ご飯をいただいてしまおう!
こんなキャンペーンの看板を見つけちゃったから、じゃあせっかく!ということで食事をいただくことにしました。湯涌温泉リカバリーキャンペーン。つまり結構苦しいんだってことがわかってしまう。応援しないと、お金落とさないと。良いと思うことにはお金を出す。これが最も分かりやすい支援。

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ゆわく高尾さんでお昼ご飯です。

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ミックスフライ定食!ちなみにこれだけじゃあ1,000円に達しなかったから、ゆず乙女サイダーを注文してジャスト1,000円。「湯涌温泉×花咲くいろは」オリジナルポストカードをその場でありがたくゲットしました。

お店の人と話をすると、このキャンペーンで来るお客さんもちらほらいる模様。正直、10年近い前の作品をキャンペーンに起用してもその効果は・・・と不安になるところもあるけれど、さすが花咲くいろは、本当に息が長い。実際私がこうして訪れているのも、まあ作品が好きだからというところがあるからだけれど・・・。すごい。


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色褪せ切ったポスターに時代の流れを感じます。

お昼も過ぎてさあ・・・いい加減に白川郷に向かわないと日が暮れてしまう。なんだかんだでまだ55kmくらいある。獲得標高もこれから1,000m以上は登らないといけない。
ので、目標到着タイムを16時頃に設定して再スタート!

ひたすら長閑な田園風景の中を走る。天気も良かったし、気温もちょうどいい、走りやすい。半袖ジャージでジャスト。最高に走ること自体が楽しい区間。

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季節を感じることができる時期。変わり目。10月ともなればもうすっかり秋模様。

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さて、ここから少しだけ山を越えて富山県に入ることになるのだけれど・・・

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!?

これが本当だとしたら非常にまずい。湯涌温泉からは刀利ダムを抜けて飛騨合掌ラインに抜けるのが最短ルートだし、そもそもそのルートしかない。いや、これがダメなら、金沢市内に戻ってぐるっと迂回するしかないのだけれど、そうすると多分少なくとも30kmは余計に走ることになると思う。いやもっとか・・・も。

通行止め

選択肢は二つ。

行くか、戻るか。

行く理由は、過去の経験則で、こう書いてはいるものの、実は通れるパターンがあるから。特に期間が短い集中工事ではなく、この看板に書かれているように期間が長い場合。日によって実は工事をしていなかったり、していても通行可能だったりする場合もある。あくまでそう言った「場合もある」だけだから、要するに賭け勝負。


「行くしかない」

というのが結論でした。

というのも、今から戻って迂回して登ってると、下手したら白川郷に着くのは暗くなってからになりかねない。このままダメもとで行ってみて、通行止めで通れなかった場合、また戻るのだけれど、どっちにしろ暗くなるのなら一緒の話。それなら通行止めを通過できることに賭けた方が、得られる結果は良い。はず。

というわけで半信半疑で登る。正直、こういう心境で走る時ほど、精神衛生上よろしくないことはない・・・。しかもヒルクライムだから無駄に体力を消費しているのかも・・・と思うとやるせない。けれどまあなんとかなると心の中で思ってはいた。予感として勝算があったから進むことを選んだ。

結果は

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大勝利!!!

結局、工事期間である雰囲気はあったものの、普通に通行することができた。いや、助かった・・・と同時にそうならそうと書いておいて欲しいものだと思いつつ・・・。だって分かっていれば悩むことはなかったし、これでもし引き返していたら、なんてもったいなかったんだろうと思うわけですし・・・。結果として賭けには勝ったからヨシ!


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この高度感。見応えある。

さて、無事に富山県入りを果たして、向かうは飛騨合掌ライン。
そこに至るまでは一度南砺市まで少しだけ北上してぐるっと回って南下するレイアウト。

この区間が大好きです。長閑で。景色の抜けが良くて。

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田園風景が広がっていて。

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景色が広い!あの山の向こうには高山本線が走っているはず。風は微速。気温は23度程度まで上がってきたけれど、暑すぎることもなく快適そのもの。

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さて、ここからしばらくヒルクライム区間。標高差は400m程度。平均斜度は5~6%と言ったところ。特に特徴のない淡々として・・・強いていうなら道が広いから斜度が分かりにくい。進んでいる実感が薄い系のヒルクライム。得てして、面白くない・・・。のだけれど、ここで事件が発生しました。



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まさかの遭遇!金沢市内に住んでいて、朝から白川郷まで走ってちょうど帰ってくるところだったらしい。うーん、なんたる偶然。しかもこんな何もないところで・・・。しばし談笑タイム。お互いの旅の話とか、白川郷の情報のこととか、他愛もないけれど、でも確実に旅が印象深くなる時間でした。ありがとうございました。

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リスタートして走り続ける。ちなみにこの区間。トンネルがめちゃくちゃ多いので、前後ライト常時点灯を強くお勧めします。明暗差が大きいし、車から自分が見えていない前提で走った方が良い。運転が荒いという意味ではなく、本当に気づかれないリスクがあるから。こんな山の中ですし。今回の旅は終始リアライト点灯したままで走りました。命は自分で守らないと。

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曲がりくねった庄川と合わせるように道路は曲がり、時折川を超える橋があり、道路と川が絡み合いながら景色は続いている。ただの橋と思うとよくよく見れば渓谷になっており、上下と奥行きのダイナミクスはさながら自然の作る芸術のようで。
山々を避けきれないところはトンネルが掘られており、その数もだんだん増えてきたような気がする。

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この区間はひたすら橋、谷、トンネル、川が連続。30kmくらいずっとこんな感じ。コースレイアウト的には激しいアップダウンでもないし、マイペースに走ればきっと誰でもこなせるはず。ただ注意すべきは補給所の少なさ。トラブル時のリカバリーの出来なさ。鉄道は走ってないし、コンビニも白川郷まで一軒もない。ついでに言うと自販機もない。唯一道の駅があるけれど、それはもうずいぶん白川郷寄りになるから、しっかり準備はしてから望むべき。

だけれど、ご覧の通り、景色は良い!のできっと飽きることなく走り続けることができるはず。そうしてついに・・・・


到着!!



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城山展望台より。

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思わずガッツポーズ。
深い谷の狭間 喧噪を忘れ 寄り添うように密集した合掌造りの集落群
いくつもの山を越えた先にこんな場所があるだなんて!
この展望台からすべてが見える。
こじんまりとした感じがミニチュアのようで可愛らしくしかしディティールはこの上なく美しい。

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しばし見惚れる・・・。見惚れるずにはいられません。
世界遺産として登録されるのも納得の美しさ。
ここからだと本当に全部見える。位置関係を把握するのにも便利かも。

ひぐらしカット
ひぐらしのなく頃に業 第1話 鬼騙し編 其の壱 でも描かれていましたね。
流石に旧作と比べると随分作画も綺麗に・・・。

あとは夕暮れ時の白川郷をゆっくりと散策。この時間もまた格別・・・。
というのもこの時間にもなれば観光客はほぼいなくなって、貸し切り状態になるので。
白川郷っていうけれど、言ってしまえば本当の生活がある村なわけで、特に平日なんかは、朝夕の時間帯はリアルな生活の一部分を見ることができたりしてまた格別。これも宿泊の特権だと思います。

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さて、今回はここまで。
goto適用の話や温泉のこと、白川郷のこと、翌朝のことは引き続き・・・。

続く。

     

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