【瀬戸内海】ロードバイクで「これ以上はもう無理ってくらい島巡りライド」して来た【今治〜しまなみ海道〜尾道】
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事の始まりはいつかの関東でけんたさんとご一緒した時。



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「プライベートで一緒に旅したいな?」
「瀬戸内海はいいぞ」
「じゃあそこで」「OK」
日程を調整して、色々と予約したり計画を練って、いよいよ瀬戸内海へ。
長い旅が始まる。

今回はけんたさんとの旅。
おっと、けんたさんの方が私のブログよりも早くYouTubeで動画を公開していたようですよ。
ブログではできない表現の数々。ぜひご覧ください。
旅の行程とテーマ
さて、今回はせっかく関東から来るけんたさんをアテンドするんだから、ただただ瀬戸内海を旅するだけじゃあ面白くない。海沿いを走るだけで気持ちが良いのは間違いないけれど、せっかくだったら何かテーマを持たせて旅する事でより印象深くしたいと思った。私も全国色々旅したけれど、思い返した時に上位に上がってくる旅というのは、何かしらのテーマみたいなものがあることが多いから。瀬戸内海はもう何度も走っているけれど組み合わせ方によって旅の様相はガラッと変わってくる。たとえ一度訪れたことがある場所でも、行程次第では全く別物になってくる。だから今回は・・・・
今回の旅、一体何回フェリーに乗って橋を渡って島を渡ったのか自分でも訳わからなくなって、改めて全部ルート繋げてみたらこうなった。
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) August 28, 2020
世界的に見ても自転車でこれだけの島を旅できる場所は瀬戸内海だけだと思う。これ以上無理ってくらいの島巡り旅でした。お腹いっぱい。 pic.twitter.com/gm4fteONoG
これ以上はもう無理ってくらい島を巡る旅にした。これをそのままテーマにした。
行程を書き出してみる。
day0 夜行便で四国へ上陸
大阪南港→(オレンジフェリー)→愛媛東予港
day1 しまなみ海道縦走
東予港→今治→馬島→大島→伯方島→大三島→生口島→向島→(フェリー)→広島県尾道
day2 さざなみ海道〜とびしま海道横断
尾道→三原→竹原→(フェリー)→大崎上島→(フェリー )→大崎下島→(平羅島)(中ノ島)→豊島→上蒲刈島→下蒲刈島→呉
day3 江田島〜かきしま海道を巡る旅
呉→音頭の瀬戸→倉橋島→江田島→(フェリー)→広島市内→広島駅→(新幹線輪行)→新大阪駅
15の島を巡る旅!フェリーに5回乗船し、越えた橋の数はもはや把握できていない。
走行距離は100km、100km、50kmの合計250km。この数字を見て分かる通り、時間的な余裕はたっぷりある行程にした。個人的にはもう最近はずっとこんな感じ。8時間で160km走るようなことは最近滅多にない。せっかく絶好の条件で瀬戸内海を走ることができるんだから、思い切ってアベレージ15km/h程度で行程を組んだけれど、これが正解。景色が良いところがあれば迷わず止まって
写真を撮るし、暑くなったら海に入って涼んだり、気になったお店に入ってみたり・・・。あるいは海辺でただひたすらボーッとする時間があったり。つまり余裕があった。だからこそ得られる時間というものがあった。自転車旅において「時間的余裕」は「信頼できる機材」「安全」と同じくらい大事なことだと思う。目的地に到着することばかりに気が行ってしまって周りの景色を楽しめないなんて勿体無いのだから。
機材とか着替えとか
ロードバイクにした。これはいつもの通り。そしてTADA車ディスクにした。これは瀬戸内海をイメージしてペイントしたから。それと、クルージング的なツーリングをするにはこのバイクが最も適しているから。
夏場だからダブルボトルにした。これは正解。水は毎日3〜4リットル程度は補給したと思う。これを1ボトルで賄うとやや難しい。いつもはリペアキット入りのツール缶を差しているけれど、それはケースに入れて後述のフレームバッグに収納した。
フロントバッグ:財布、鍵、マスク、メガネ、目薬とかリップクリームとか、簡単な補給食、チケットホルダー
フレームバッグ:補給食、三脚、リペアキット、電子機器類
サドルバッグ:着替え一式、サンダル、洗濯ネット、輪行袋、サコッシュ
3日間の旅だからといって、3日分の着替えを持ち歩くわけにはいかない。それだけで荷物が3倍に増えてしまう。日本国内、辺鄙な田舎じゃない限り、大抵の街、あるいは大きなビジネスホテルには、コインランドリーがある。それを使う。洗濯〜乾燥でおおよそ1時間程度で料金は500〜800円程度のところが多い。宿泊する街についたらまずコインランドリーの位置を確認するのは、もはや自転車旅をする人にとっては儀式みたいなものだと思ってる。
こちらはけんたさんのバイク。チネリキングジデコ!もし私がグラベルバイクを乗り換えるならば、と選択肢に入っていてバイク。塗装は綺麗だし、ジオメトリもロングライド〜グラベルで使えるし、タイヤクリアランスは極太。各種規格もオーソドックスで使いやすそう。サドルバッグやフロントバッグは使わずにフレームバッグに全部収めるスタイル。トップチューブにボトルを2本ホールドするのは新鮮に感じた。合理的。皮サドルに誂えも拘りがあって魅力に映る。実は大柄なけんたさんだからこそ扱える仕様かな、とも思った。
旅の序章

とある平日の夜、新大阪駅で私たちは合流した。けんたさんは関東から遥々輪行で到着。普通なら広島駅や尾道駅まで輪行するのが瀬戸内海旅の普通だけれど、今回はしょっぱなから夜行便フェリーに乗っていただく。そこから旅が始まるのだから。せっかくだから夜の大阪の少しディープなところを巡りつつ、あるいは大阪の人でも知らない裏道を使って大阪南港までほぼ信号なしの道を通りつつ、22:00発のフェリーを目指してひた走る。走っている間も、旅の話をしているだけで、楽しみがどんどん膨れ上がっていくような時間だった。
そしていよいよ
それではオレンジフェリーで四国へ行きまーす! pic.twitter.com/QZqkNGUa6y
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) August 24, 2020
今回も前回に引き続きオレンジフェリーのマイバイクステイサービスを利用した。輪行せずとも自転車をそのまま客室まで持っていけるサービス。ありがたい限り。ホントに。
その様子については過去記事で写真たっぷり紹介しているのでよかったら一読を。
day0、移動日。それにしては、二人とも随分と、テンションが上がり切ってしまっていた。夜の大阪を走り、船に乗り・・・あ、ちなみになぜか乗船時にテレビ取材を受けた。世界船旅なんちゃらという番組。使われることはあるんだろうか・・・。軽くご飯を食べて、お風呂に入り、アイスを食べて、歯磨きをして、グダグダとして、興奮冷めやらぬままこの日は就寝。おやすみなさい 。
旅の始まり

知らない天井だ。
目を覚ますともうすでに太陽が昇っていることがわかった。さすが夏。もう終わりが近いとは言え、まだまだ日照時間は長い。ツーリングをするにはうってつけの季節。これが冬だったらこの時間でも外はまだ真っ暗なはず。眠い目をこすりながら、準備を整える。自転車を室内に持ち込めるメリットがここにもあった。準備がとにかくスムーズ。充電していたライト類、GARMINなどを装着する。着替えた後の荷物をパッキングする。小物類を片付ける。これが自転車が甲板にあったり輪行状態だとこうはいかない。
朝食は予約していた朝ごはんをレストランでいただいた。和食と洋食が選べたから私は和食を選択。けんたさんは洋食を食べていた。これがまあしっかりと美味しい。一品一品がこだわって作られているのが食べて分かる。うまー!朝からすっかり元気もりもり。準備万端!
いざ!
出陣!
向かうはもちろんしまなみ海道。だけれどそこまでは30km弱。1時間ちょっとかかる計算。フェリーが東予港に到着したのが6:00。私たちがスタートしたのは朝ごはん食べたり写真撮ったりしてからの7時前だった。9時前には入り口にいればいいや、くらいのゆるさで進むことにした。なんと言ったって今日はゴール地点は尾道だから何も急ぐ必要がない。尾道まではおおよそ100km。日の入りが18:00としても11時間で100km走りきればいい。あまりにも余裕がある。あまりある。途中で3時間寝ても余裕がある。これくらいの余裕があると旅に幅が生まれる。
道中では今治城に立ち寄り。私が最も好きなお城の一つ。ここの石垣は一見の価値あり。一応観光地だけれど、こんな朝だから誰もいない。いたとしても地元の人が犬の散歩をしているくらい。城内はとても静かで・・・いや、実際はセミの声だったり風の音だったり、いろんな自然の音がしているのだけれど、決して耳障りではない。音はするけれど静かだった。朝の空気が気持ちよく、自販機で買ったマッチを飲みつつ、少し上がった体温を冷ましてしばしの小休憩。
道中では国道から少し外れた裏道をずっと進んで、港町の空気を堪能したり・・・
猫と戯れたりしているうちに・・・
しまなみ海道スタート
そして到着しまなみ海道!ここ愛媛県今治から広島県尾道までを繋ぐ海上サイクリングロード。片道約70km。大島→伯方島→大三島→生口島→向島と5つの島をいくつもの橋を越えて走っていく。世界的に見ても海峡に存在する島を自転車で渡り切ることができる場所というのはそうそうない。景色は言うまでもなく島ならではの美しい海と空と抜けの良い景色を堪能することができる。まあいわゆる離島・・・と言うほどのほのぼの感はないけれど、それでもただの海岸線を走るのとは大違い。関東では鎌倉や三浦半島、房総半島を海岸線が気持ち良い場所と言うけれど、瀬戸内海のそれとは大違い。一度でも走ればそれがよく分かると思う。それを体験するのに一番手っ取り早いのがこのしまなみ海道。
こんな景色がひたすら続く。気持ち良さしかない。
途中、けんたさんの自転車から異音が発生。周期的な金属音。最初は駆動系と思ったけれど、よくよく見てみると後輪に思いっきり金属片が刺さっていた。けれど抜いたただけ大丈夫だった。さすがのチューブレスタイヤ!シーラントがしっかりと仕事をしてくれた模様。この太さのタイヤ、エアボリュームのおかげで追加で空気を入れる必要すらなかった。うーん、クリンチャーだったら一発アウトと思うとチューブレスタイヤの恩恵があるなあと思う。(と言いつつ私はいまだにクリンチャー運用を良しとしている)
それにしても今回の旅は最初から最後まで天気が良かった。とにかく良かった。風向きも気温も最高だった。
朝早かったからか伯方島に着く頃には結構お腹は空いていた・・・ので「道の駅 伯方S・Cパーク」で小休憩タイム。
伯方島といえばあの「は・か・た・の・しお!」で有名な伯方島のことだ。だからここの名産物といえば何を隠そう「しお」なのは間違いない。(けれど実はその原料はメキシコ産だったりする)そんなここでいただくのは・・・・
伯方の塩ソフトクリーム!
これがまあいつ食べても美味しい。何度も食べちゃう。来る度に食べちゃう。甘さと塩加減が絶妙にマッチしたこのソフトクリーム、中四国地方で食べる中では最も美味しいと個人的には思っている。ただ食べるだけじゃなくこうして自転車を漕いできて食べるから尚美味しい。うまー!
あと売店でこちらの塩飴をゲットした。これが私とけんたさんの3日感の塩分補給の源となった。見かけたらぜひ買ってみて欲しい。結構なボリュームだから一人で食べ切るのは大変かもしれないけれど、味が美味しい。何より地元の品をこうしていただくことに旅の醍醐味があると思っているから、コンビニでシンプルに済ませてしまうよりも、ずっと思い出に残って良い。
適度に休憩と補給を繰り返しながら進むこと2時間、多々羅島に到着!時刻は12時ごろ。ちょうどお昼時ではあるけれど。それはもう少し先で・・・。しまなみ海道のちょうど真ん中部分にあたるこちらの島。「サイクリストの聖地」なる石碑も用意されていて、つまりここで休憩しろと言わんばかりの場所。
せっかくなので記念撮影。たまにはね。
チラッと多々羅大橋。
気温はどんどんと上がり30度越え。水分補給だけは欠かせない。
多々羅大橋は広島県と愛媛県の県境をまたぐ世界最大級の斜張橋のひとつ。おっきい!大迫力!そんな場所を自転車で渡ることができてしまう。
県境マンだ!!!
さて、そうこうしているうちに生口島にたどり着いた私たち。この島では是非伺いたかったのがcafe Viaさん。もともと関東でサイクリストカフェをしていたオーナーさんが縁あって出店することになったサテライト店だけれど、今はこちらがもう本店なのかな。気さくなオーナーさん、ゆったりと時間が流れるカフェ空間、地元食材を使ったドリンクや軽食がいただけるのだけれどこの時はなんと臨時休業期間・・・・!!!残念・・・・っ!!
仕方ないよね〜〜〜ということで腹ごなしにたどり着いたのは瀬戸田港近くの「しまなみロマン」さん。
店構えの雰囲気と軒先に出ていた看板につられて入店。
その看板に記されていたメニューがこちらの・・・
蛸三昧丼!!
タコの天ぷらにタコの唐揚げ、タコの煮付けが乗っかった丼。これがまあなんとも美味しい!食感も味も異なる三種類のタコを堪能することができるのだけれど、個人的に一番気に入ったのがタコの天ぷら。サクッとした衣にタコのプリプリ食感と独特の甘味がたまりませんでした。お店の方にボトル給水もしていただき(しまなみ海道の飲食店の多くはサイクルステーションとしてこう言ったサービスがある)回復!と、言っても残り距離は実は立ったの30km。時刻はまだ14時前。尾道に泊まるだけなのだから、圧倒的余裕、あり。
けんたさんもご機嫌なよう。
せっかくここまで来たのだから、ドルチェ瀬戸田本店にも寄っておかないとね。
ここは例えご飯の前だろうが後だろうが夏だろうが冬だろうがしまなみにきたら必ず立ち寄ってる。理由は単純でめちゃくちゃ美味しいので。。
昼下がり、ご飯を食べて、気温も上がり、でも残り距離も大したことなくて、完全にポタリングモード。
ゆるゆる漕ぎ続けるけれど、でもこれだけ海眺めてたらやっぱりね・・・・
ビーチにたどり着いてね・・・
ジャージの中のものを全部取り出して・・・
靴を脱いで・・・ヘルメットも置いて・・・
準備OK
ダッ
ジャブジャブ
バシャーん
こうなる。
熱中症対策、上がりすぎた体温を下げる手っ取り早い方法がこちら。
時間もたっぷりあるし、無理しても仕方ないし、そもそもこんな海眺め続けてたらそりゃあ入りたくもなりますよ。久しぶりに海で泳いで大変気持ち良うございました。
瀬戸内海にプカプカ浮かびながら、まだ始まったばかりの旅の1日目、あまりに自由な時間を謳歌していた。
続く。
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