【夏の四国九州旅】突然の別府行きはグルメと絶景ヒルクライムで【八幡浜〜別府〜由布岳】
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八幡浜に訪れるのは一年半ぶりくらいだろうか。
旅をしていて思うのは、ただただ通り過ぎるだけと、宿泊するのでは、その土地に対する理解度が全く違うということ。
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あの時は確か今回と逆ルート。
こーへーさんと一緒に国東半島を回った後のことだった。
なので勝手知ったる、までは行かないけれど、大体のことは分かる。
だって宿泊した場所だったから。
前回の旅の記録はこちら
もちろん言うまでもなく後者の方がその土地のことをよく知ることができる。
明るい時間に見えているものは、暗い時間になると見えなくなって、かわりにその土地のリアルな表情が浮かんでくる。
通勤や通学で慌ただしく街の人たちが行き交う朝の時間、或いはそれよりも早い、新聞配達のバイクが通り過ぎる路地や、眠い目を擦りながら犬の散歩をする人、生活サイクルの一部が垣間見られる時間を知らない土地で過ごしているとなんとも言えない奇妙な感覚に陥ることがある。
自分だけが社会の流れから取り残されたような感覚。平日だと尚更それが強い。
けれどそこで観察される生活サイクルは、その土地のことを「知る」ためには外すことができない要素だと旅をしていて感じる。
今まで色んな旅をしてきたけれど、印象深い土地というのは、もれなく宿泊を伴っていることがほとんとだから、この感覚は間違いないと思う。
八幡浜港に到着、する前から風の中に潮の香りが含まれていることが分かった。それと同時に少しだけ涼しい気もしたけれど、太陽が沈むかけている時間帯だから、と気付いた。朝、瀬戸内海にいたことを思い出す。昼間には四国山脈の天辺にいた。
10時間ぶりの潮の香りだけれど、どこか種類が違うように感じたのは、八幡浜の湾が入江のような形をしているからだろうか。おそらく潮流の関係か、プランクトンの量か。
まずはフェリーの出発時間を再確認して、十分な時間があることが分かったから、とりあえずチケットを購入していつでも乗船できるようにしておく。コロナ時代ということで、もう乗船前の検温はどこも共通。気になるのは物凄く急いで走ってきた場合に、正しい体温が測定されるのかどうか、ということ。今回は実はそれも踏まえて内子から輪行してクールダウンしてきたのだけれど、あの炎天下の中、走り続けたらどうなるんだろう。
食堂、お土産屋さんと言った施設が含まれている道の駅。前回は海鮮丼をいただいて物凄く美味しかった記憶があったけれど、開店が17:00からでさすがにフェリーの時間からするとギリギリ過ぎたので断念。代わりに八幡浜名物の一つである鯛カツをいただく!
うまー!
お土産を物色したり、余った時間ではフェリーの待合室で寝転がったりしているうちに、乗船の時間。
2時間50分の船旅。
半分は睡眠に充てて、残りの半分は甲板に出てボーッとした。
17:25に出航して、20:15に到着する。進行方向は西。天気は晴れ。海の上。
つまり
この景色が見られる。
1日の終わりとしてはこの上ないご褒美だった。
けれどこの日はまだもう少し続く。
まず船の上で今日泊まる宿を探す。素泊まりだったからすんなりと確保することができた。GO TOキャンペーンも対象らしい。ありがたい話だ。私にとってはただただ旅がしやすくなる。ありがたい。
そして別府の町に上陸したら兎にも角にも晩ご飯。
大分、別府と言ったらとり天!
Twitterでそんなことを呟くとたくさんの情報が集まってきた。
どうやら別府はなかなかのグルメな街のようで、全部食べてたら間違いなく私の胃袋がはち切れる状況だった。信頼と実績のこーへーさんおすすめの東洋軒さんに向かうことにした。東陽軒のとり天美味いよとり天https://t.co/je9QLNL2nz
— ko-he- (@zildjian79590) August 1, 2020
おすすめの鶏天定食をいただくことに・・・
うまー!!!!
宿に到着した後もまだもう少し続く。
別府の町に来たのだから、温泉に入らずにはいられない!
実はこの日泊まった宿も源泉掛け流しだったのだけれど、(にも関わらず3千円だった)何を隠そう私、温泉大好きである。それに加えて銭湯も好き。温泉街の銭湯はイコール温泉であることが多いから、つまり別府とか熱海が大好き・・・・。
探し方は簡単。適当に路地裏を走っていれば見つかることが多い。
たまたま通りがかったこちらの若草温泉、味あるな〜〜ってまじまじ見てたら地元のおっちゃんに「珍しいでしょ」って声かけられて話し込んでるうちになぜか一緒に入ることになったの、ホント旅してる感あって面白い。 pic.twitter.com/8tj4nOdCvA
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) August 1, 2020
ちなみに旅の地味な部分の紹介だけれど、洗濯事情について。
荷物の軽量化のためにも、私は旅をする時の基本装備は
「自転車に乗っている時のウエア一式+それ以外の普段着一式」
としている。
前者は「ジャージ、パンツ、グローブ、靴下(ウォーマー、カバー系)」
後者は「Tシャツ、ハーフパンツ、靴下、下着」
どちらか一方を着ている時はどちらか一方をパッキングしている。
宿泊地についてすることの流れは大体以下の通り。
1 宿の人にコインランドリーの場所を聞く
2 お風呂に入る (ここで普段着に着替える)
3 コインランドリーに自転車ウエア一式を突っ込む
4 ご飯を食べる
5 3を回収する
場合によっては3と4が入れ替わることも多いけれど、おおよその流れは上記の通り。
洗濯〜乾燥でおおよそ60分。
今回は先にご飯も食べたしお風呂も入ったし、コインランドリーを探して着替え一式を放り込んだ後は、そのままボケーっとただひたすらに待つ。この時間が、結構好き。北海道旅を思い出す。いろんな旅を思い出す。知らない土地のコインランドリーで洗濯を待っている時間ほどいろんなことから解き放たれる時間はないと思う。
洗濯物を回収して宿まで戻って水をたっぷり飲んでから布団に入った。
・・・なんて長い1日だったんだろう。
昨日の夜は大阪にいた。
夜行フェリーで愛媛県に上陸して、瓶が森UFO〜四国山脈を10時間かけて走り抜けて、八幡浜からフェリーに乗ってここ九州大分県まで走り、ご当地グルメを食べて、温泉に入り、洗濯をして、就寝・・・。
パチン。オフ。
朝から別府湾を眺めながらの眺望温泉をいただいて1日のスタートとしては最高だった。
天気は晴れ。
嫌味なくらいに青空が広がっていて、今日も暑いことがすぐに分かったけれど、まあ許してやろう。
ウキウキ気分で出発準備を済ませる。
今日は自転車で行くやまなみハイウエイ!
由布岳ヒルクライムをするだけの一日。
さあ自転車に乗ろうというタイミングで、私のウキウキ気分は一気に消失して冷や汗をかくことになった。
「・・・・ビンディングシューズがない・・・・?」
ない、確かにない。どう探してもない。というか探す場所なんてない。これだけ荷物が少ないのだから。
「いや、そもそもいつからない・・・?」
昨日のことを思い出す。
私は旅をする時にはサンダルを持ち歩いている。もうその日は走らないと分かった時点でビンディングシューズを脱いでサンダルに履き替える。
昨日は内子駅から輪行する時点でサンダルに履き替えた。つまり四国は愛媛県がビンディングシューズを履いていた最後の時点で、それからはサコッシュに突っ込んで持ち歩いていた。
最悪のシナリオは四国に置き忘れてきたパターン。あり得る場所はいくつかあったけれど、思い出したら八幡浜〜別府のフェリーの中では確かにあった。じゃあその後は・・・?
・・・・いや、晩ご飯を食べるタイミングまではあったはず。
・・。
・・・・・。
・・・・・・・・あそこかもしれない・・・。
これでなかったらもう今回の旅は切り上げ。
大人しく別府駅から輪行して帰るだけ。
別府に来た理由が「フェリー」「温泉」「グルメ」だけになっちゃうけれど、まあそれも良いだろう。
と、頭の中で紛失していたことが分かった時の心理的ダメージを軽減するための言い訳をたくさん考えながら「その場所」に向かうと・・・・・
これは東洋軒さんの駐車場で一晩明かしたビンディングシューズ pic.twitter.com/n1HclVDsWO
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) August 1, 2020
よかったあああああああああああああああああ!!
昨日、晩ご飯を食べる時にサコッシュの中のシューズを邪魔だからって自転車のすぐ下に置いていたのだった。にも関わらずご飯を食べて満足した私はシューズのことなんか忘れてそのまま別府の街へ・・・・。
いやあヘルメットやグローブならまだしもビンディングシューズは無かったら致命的。
スピードプレイだからもうどうしようもないもの。
兎にも角にも無事にシューズを回収した私は、早速サンダルから履き替えて、ようやく一息ついてこの日の旅を始めることに。
目指すはずばり「由布岳」を見ること。
そしてそこに至る「やまなみハイウエイ」を走ること。
昨日のうちに四国から九州へ渡った理由はこれだけと言っても過言ではない。
(けれどグルメも温泉もしっかり楽しめたしトータルで来て良かったのは間違いない)
まだ朝早いけれどすでに結構な暑さ。
今日はでもサクッと登ってサクッと降ろうとこの時考え始めていた。
そのまま駆け抜けて阿蘇まで行って熊本から帰るプランもあったけれど、昨日の山岳尽しで結構満足してしまった。
旅は充実させようと思えばいくらでもできる。盛り込むことも大事。
だけれどちょうど良い塩梅で引き上げることも、同じくらい重要だと思う。
さて、この日のやまなみハイウエイは最高以外の何者でもなかった。
快晴。
時間もたっぷりあるし、体力も余ってる。
景色を楽しむ余裕しかない。
標高が上がるにつれて、景色もどんどんと変わっていって。
登ること1時間もしないうちにこの・・・・
緑の絨毯!
そういえばこの季節にこの地に来るのは初めてだった。
同じ場所でも季節が変われば見えるものが変わる。
ぜっけーかな!
もう大満足なのだけれど、この先にもっと絶景スポットがあった。
いやあ、わざわざ登ってきた甲斐があった。
メインの道から外れるこの坂!
見た瞬間に直感した。
「ここ登ったら良い景色が見られるんじゃないか?」
と。
迷わず登った先の景色がこちら。
ヒュー!
絶景でしかない。
瀬戸内海をイメージして作ったフレームだけれど、意外と似合う山景色。
景色が大きすぎて対比物がないと伝わらないこのスケール感!
気持ち良さしかないよね。
全国屈指の絶景ロードだと思う。
ぜっけーかな!
1時間ばかりこの景色を堪能してしまった。
ここは知る人ぞ知る場所らしく、地元のライダーさんがやってきて、話し込む時間もあったり。
でもほとんどの人は下の道を通り過ぎていくだけ。
もちろん走って気持ち良い道なのは間違い無いけれど、こうして引いてこそ見られる景色もあって面白い。
がっつり堪能した後は、再び別府の街へ。
ひたすらダウンヒルだったから一瞬で到着してしまった。
ずっとバイクツーリングの集団と一緒にダウンヒルしてなんともいえない一体感があったのは謎。
さて、お昼時!
ということで向かうのは別府名物の一つ、冷麺専門店である「六盛」さんにお邪魔することに。
開店時間に合わせて行ったけれど、すでに多くのお客さんが。
観光客が少なくって結構地元の人で埋まっている感じ。
趣のある看板と暖簾。
美味しい雰囲気がぷんぷん漂っていた。
いただくのはもちろん冷麺。
噂によると中華そばも美味しいらしいけれど、初めてのお店だし、素直に冷麺を注文することに。
なにこれうまー!
私の知ってる冷麺じゃなかった。
コシがあってツルツルしていて、食べ応えがしっかりとある。
ごま油香るお出汁、当然冷たくって、これまた夏に食べるのに最高だった。
ご馳走様でした。
さて、後はホテルに預けていた荷物を回収して、別府駅へ。
もう大満足。
もうこれ以上は必要ない。
長い長い旅もようやく終わり。
後は新大阪駅まで輪行するのみ。4時間ちょっとで帰られる計算かな。
グッバイ別府駅。
輪行時間も旅の一部。
クールダウンしながら旅のことを思い出しつつ、たまに寝たり、たまに写真を見返したり。
特大荷物スペース利用もすっかり慣れてしまった。
今のところめちゃくちゃ助かってる。確実に荷物を置くことができる安心感はやっぱりすごい。
新大阪駅から自宅まで自走して帰宅したのは16時頃。
一昨日の夜には大阪にいて、昨日の朝には四国に着いて・・・
四国の山を走り回って、そのまま別府までフェリーで渡って、温泉入ったりグルメを楽しんだりして・・
そして今朝、昼、こうして夕方。
濃厚な時間だった。最初から最後までお腹いっぱいの旅だった。
終わり。
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