【新幹線輪行】JR「特大荷物スペースつき座席」を予約して自転車輪行してみたレポート
輪行, 自転車, 機材紹介, ノウハウ, 写真, ロングライド,2020年5月20日より新幹線に大型荷物を持ち込む際のルールが一つ変わった。
「特大荷物スペースつき座席」の導入。
さて、私自身、毎月新幹線輪行をしているものだから、このルールはよく理解しておかないといけない。と言うか新幹線を利用するすべての人が知っておくべきルール。

取材的な機会があり様子を見に行ってみたのでそのレポート。
追記
駅の至る所で告知がされているから、少なくとも新幹線を利用する人で、知らない人はいないと思う。

正直、宣伝しすぎってくらいのPR。
どうしてJRは新しいルールを告知するのにここまで力を入れるのか。
それは「知らない人がいると運用上トラブルになる可能性があるから」だと思う。
詳しいルールはJRホームページを見るのが一番。
JR西日本
情報煩雑時代の今、どんなまとめサイトやメディアよりも公式ホームページがなんだかんだ一番確実。
もしこの記事を見てこのルールを知ろうとしている人は今すぐ上記のリンクを読んで欲しい。JRホームページを見て欲しい。
今回の私の記事はあくまで実際に予約してみた手順とか、その実情をレポートするためのものということで・・・。
最低限のおさらいをしておくと
・2020年5月20日から特大荷物を新幹線に持ち込む際には事前に予約が必要
・予約するのは「特大荷物スペースつき座席」
・特大荷物とは「3辺の合計が160cm超」
・160cm超でも予約が不要な除外品もあり(自転車、ベビーカー、楽器など)
・除外品でも「特大荷物スペースつき座席」を利用したいなら予約が必要
ここで言う「特大荷物スペースつき座席」とは要するに新幹線の指定席、最後部座席のこと。
今までは指定席車両の最後部座席うしろのスペースは誰のスペースでもなかった。つまり例え最後部座席を予約していても、そのうしろのスペースは確保したことにはならない。荷物を置きたくて最後部座席を予約したのにすでに誰かの荷物が置かれていた・・・・なんて経験は私は何回もしたことがある。
そこが予約できるようになる。
あのスペースを使用する権利を予約することができる。
いいじゃん。助かる、と言うのが正直な感想。
もちろんちょっと「???」な部分もあるのだけれど・・・
予約してみる
とりあえずいつも通りEX予約で予約してみる。
日時や区間を選択した後にいつもなら「自由席」「指定席」やらを選択する場面で・・・・
増えてる!
「特大荷物スペース利用」にチェックができるようになってる!
ちなみにこの時点でこの制度を知らない人は「???」になるだろうけれど、そうならないようにJRさん頑張ってる。
もちろんチェックする。
すると・・・
上記の赤枠のように注釈が追加された。
普通車、グリーン車の選択肢や料金に変化はない。
そう、追加料金は必要がない。いつもの指定席予約と全く同じ料金。
さて、「特大荷物スペース利用」状態のままで座席の選択画面に遷移すると・・・・
「特大荷物スペースつき座席」しか選択肢がない状態で予約画面が表示された。
なるほどつまり自動的に最後部座席しか選択肢がなくなると言うこと。
自動的に「5号車」とでたから、試しに他の車両もチェックしてみる。
同じように「「特大荷物スペースつき座席」だけが表示されたけれど、ここでは「20A」がすでに埋まっていた。
ここで気になったのは「20A」の人がどんな荷物を持ち込んでいるのか、だ。
もしかすると、私のように自転車や楽器、ベビーカーといった除外品を持ち込むために予約しているのかもしれない。そうなると「20A〜20C」の後ろスペースは実質全て埋まっていることになる。
でも画面表示上は予約できる。つまり荷物を使用する権利はこの画面上では確保されるものとみなしてしまう。いざ現地で荷物のダブルブッキングをしたらどうなるんだろう・・・
それに、この「20A」の人はもしかしたら単純に最後部座席に座りたいだけで、荷物を持っていないかもしれない。そうなると後ろのあのスペースはただの空きスペースになってしまう。荷物を置くことができるスペースが、荷物を置くつもりのない人によって差し押さえられる、なんてもったいない状態に陥っているのかもしれない。
二つの疑問が生まれたけれど、とりあえず棚上げにしておく。
旅をする時にはこの棚上げをすることができる余白をたくさん持っておくことが大事だと思う。
ちなみにこうやって色々想像してクエスチョンを思い浮かべているけれど、私は実際のところ「なんとかなるでしょ」精神でやっている。別にそこに対してきっちりルールを作りこめよ!と言っているわけではないことを記しておく。ええんやで、適当で。
少し脱線したけれど続き。
試しに「さくら号」の様子を見てみる。さっきのは「のぞみ号」だったので。
なんと言うことでしょう。
「特大荷物スペースつき座席」はこの8号車しかありません。
他の車両はもう抑えられているのでしょう。
おおよそ500人強定員の新幹線で、荷物を置けるスペースというのは本当にわずかなんだなあと思い知らされる。
でも幸にしてまだ空いていたから、
さくら691号、8号車14番A席の「特大荷物スペースつき座席」が良さそうだったので選択すると・・・
最終確認画面でこのように表示された。
これで予約は終わり。
あとはいつも通りの手続きで当日新幹線に乗り込むだけだ。
心理的には自転車を置くことができるスペースを事前に予約することができた、という安心感があった。無理に早く並ぶ必要もない。ジャストタイムに乗り込めばいいということで、当日も時間的余裕があった。なんだ、良いじゃないか。と思う。
実際に「特大荷物スペースつき座席」を利用
期待半分不安半分で当日、新幹線の乗り込む。
予約していた座席に向かうと、壁面にこんな表示が
なるほど。
「前列の座席をご利用されているお客様の共用スペース」
ダブルブッキングしたらうまいことしてや、と言うこと。
大阪的には「ええで」と思うけれど、ベビーカーを置きたい2家族が衝突したら大変そうだなあとか思う。
地面にはこのように、「予約してない人は置いちゃダメよ」というプレッシャーを十分に与えるステッカーが貼られていた。
知らない人からしたら「なんで!?」ってなるけれど、そうならないようにJRさん告知頑張ってる。
頑張ってる!
スーツケースだったら3人分は置けそうだけれど、160cm超となると、それなりにビッグサイズだから物によっては2人分・・・かもしれない。
あ、ちなみに従来のスペースから別に拡張されているわけではなく、単純にステッカーが貼られただけ。
で、実際に自転車を置いてみる。
ちょっとサイズ大きめの横型輪行袋(前後輪外し)タイプで検証してみた。
ちなみにこの輪行袋はTwitter界隈で有名なPEKOさん(@ab_peko)輪行袋。
時折販売されていて、痒いところに手がとどく性能、製品で愛用させていただいています。
収まった。けれど、2人分を占領してしまった。
隣の人がもし荷物を置きたい場合はこれはちょっと大変。そういう場合は迷わず車掌さんに相談すると良いとのこと。当事者同士でええ感じに解決するならいいけれどね。車掌さんに聞いたら他のスペースへの誘導もしてくれるかもしれないしね。
自転車ってほんと他の人からしたら邪魔だ・・・。
さて、上記の車両は「さくら号」だけれど、「のぞみ号」の様子も見てみた。
JRさんのメイン車両であり、多くのサイクリストが利用する車両でもある。
こちらは3列シートの後方部分。
比較的余裕があるけれど、まあ狭いのは狭い。
このあと、明らかに予約していないおじさん(車両中央部の座席に座っていたので間違い無いと思う)スーツケースを手前側のスペースに置いたけれど、なんとか収まっていた。縦型輪行袋だったら、もっと余裕があると思う。
要予約、のスペースを見ながらおじさんは「なんだこれ」って言いながらスーツケースを置いていった。仕方ないと思う。ルールを作るとはそういうことだ。頑張れみんな。
譲り合いの精神、大事。超大事。
ちなみにスペースを予約して乗車したけれど、その予約を証明するような物理的なアイテムは何もない。改札を通った時に出てくる「EX予約票」にも「特大荷物スペースつき座席」に関する表記はない。
車掌さんはおそらく手元の端末で予約状況を見ているから、このスペースに荷物があって、その前の座席の人がちゃんと予約をしてたらそれでもうOKと言う認識なんだろう。
これもまあ読み流してもらって良い疑問なんだけれど、もし「特大荷物スペースつき座席」を予約している人がいなくて荷物が置いてあったらどうするんだろう。その車両の中の誰かの荷物であって、その誰かを突き止める作業をするのだろうか。そして¥1,000追加でその場でもらうのだろうか。
ちょっと「???」なところもある。
総括すると「今までグレーゾーンだったあのスペース」の利用に関するルールが
完全に白黒とまでは言わないけれど、ちょっと明確になった。
自由席利用の場合はこれまでと変わらない。
権利を主張した者勝ち。
いずれにせよ、混雑時には大変なことになると思う。
けれど混雑時に輪行しなければいいだけの話でもある(それが叶わないサイクリストには頑張れとしか言いようがない)
正直、今まで私も最後部座席を予約できなかったけれど、あのスペースを使わせてもらうような機会はたくさんあった。それは私だけじゃなくて世の中の大型荷物を抱える人全員だと思う。あのスペースが空いていた場合は最後部座席の人に「ちょっと荷物置かせていただきたいのですが・・・」と声をかけつつ、置かせてもらうことも多々。
ルールが周知され、理解され、譲り合いの精神と、なんとかなるでしょ精神を合わせ持ちつつ、うまいことやっていくしかない。
JRのホームページにも、いろんなケースを想定してのQ&Aが表記されている。よく読んで欲しい。
さっきのような難しいケースの場合だと、要約すると
「確かに難しい場面もあるけれどなんとか協力して欲しい」と言うことが書いてある。
あとこれからは荷物がない時には、最後部座席の予約をしないでおこうとも思った。本当にあのスペースが必要な人のために空けておこうと思う。本当は一番後ろの座席が好きなんだけれど。
最後に欲を言うならば
特急ソニック号とかいしづち号とか、ヨーロッパの鉄道のように
荷物スペースを別に用意して欲しいのが本音!
(自転車乗りはさておき外国人観光客とかベビーカーの人が困っている姿をよく見かけるので)
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