【大阪〜和歌山】ちょっと自転車で和歌山の山と海を思い切り堪能して来た【大阪市内〜石川CR〜紀ノ川〜生石高原】

神楽坂つむり

近畿, 自転車, ロングライド, 写真,
「前々から気になっていた場所リスト」もいい加減残り少なくなって来た今日この頃。

今まで見たことがない景色を見に行く旅ばかりしていたると
今まで見たことがない景色が減っていってしまうジレンマ。

けれど大丈夫、まだある。
僅かながらのストックを。

タイトル通り、和歌山県の生石高原と白崎海岸までロードバイクで走って来た記録。

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※過去のライド記録をここぞとばかりに思い出したかのようにアップするだけの簡単なお仕事。
今回のルートをざっくりと示すとこのようになる。

和歌山ルート解説-4
はいこんな感じです。

今回のルートの肝は(あ、ちなみにつむりブログでは初めて紹介するコース)川。

大阪は水の都、なんてよく言われるけれど、普段生活している分にはせいぜい一つ二つの川にしか触れないかもしれない。実際には大御所だけでも淀川、大和川、寝屋川、神崎川などが挙げられるけれど、これらをどれだけ上手く組み合わせてルートを組めるかに大阪サイクリストのQOLがかかっている、と言っても過言ではないくらい重要な要素だと私は思ってる。

淀川にさえ出れば、白川郷まで行ける。
パッと思いつくルートは淀川経由で北上して三川合流地点、八幡まで走りそこから宇治川を経由して宇治へ。さらに天ヶ瀬ダムを経由して瀬田川合流して琵琶湖南端へ。琵琶湖経由を北上して・・・・。
と、言うふうに淀川を使うだけでも北上が容易で、つまりそれは京都にも日本海にも東海地方にもアクセスできる。すごい!

ただし今回は南下ルート。大阪サイクリストの敵、南北移動。これがまあ大変。大阪市内を抜けようものならストレスでチェーン切れる。
和歌山ルート解説-5

けれど大丈夫!
そう、川を使えばね。
どんな川を使ったか紹介。

和歌山ルート解説-3
どんだけ川あんねん問題大阪。

いや実際めっちゃ捗ります。
意外と知られていないのが寝屋川〜第二寝屋川〜恩智川の存在。
と言うのも淀川や大和川、石川は大規模自転車道として整備されていて、立派な名前もついている正式なサイクリングコースだけれど、寝屋川〜第二寝屋川〜恩智川は本当にただの川。別に自転車道ではない。けれど交通量の多い国道を走るよりははるかに精神的にも時間的にも楽なのは、実際に何回も走って間違いないことが確認できたのでこうして書いている次第。

ストラバのデータより。川沿いを走るだけで最初の40kmが終わる。
和歌山ルート解説-2
最高!

石川の最終地点である河内長野からは山を越えて紀伊エリアへ。
そこからさらに紀ノ川沿いを30kmも走るのだから、このコース、ツーリングとしても移動手段としても練習コースとしても最適だと個人的に感じた。

和歌山ルート解説-1
・川沿いを40km走り

・国道合流して200mほど上昇、17km移動して

・また川沿いを30km走り

・15kmのアプローチをして

・5.8km 獲得標高670mのヒルクライムをして(くそきつい)

・最後は海沿いを30km走る

川と山と海を全部堪能できるスペシャルな旅だった・・・。


川沿いの走り方は今回は割愛。需要があるようなら詳しく紹介しようとも思うけれど
実はこれをうまく使うと十三峠やぶどう坂、伊勢方面や和歌山方面に抜けやすくなると言うわけで。

以上、コース紹介!
以下、旅の様子!



そんなこんなで川沿いを走るだけで最初の2時間ばかりが終わった。淀川〜桜川〜寝屋川あたりはそうは言っても自転車道でもないし交差点が多いからちょっと緊張、気を遣うエリアでもあるけれど、大通りを走るよりはよっぽど楽。思えばここ数年、私はほとんど大通りを走っていない。今考えれば昔はよく一桁国道なんて走っていたな・・・と。今はもう経験値も積んだし知っている道も無数に増えたし、そもそも行きたい場所に対して一桁国道はただ走るだけでもったいないと思うようになったので。使わざるを得ない時以外は使わないスタンス。

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南河内サイクルライン、と言う冠が良い。正式名称は八尾河内長野自転車道。サイクリスト的には石川サイクリングロードが通用しやすいかしらね。大和川と石川の合流地点、新大和橋からスタートしてひたすら南下することおおよそ20kmのそこそこ長距離自転車道で、風さえ味方してくれれば走りやすいルート。場所によって走りやすい、走りにくいがあるから注意は必要だけれど、総じて走りやすいかな。

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気温は20度程度。初夏ということもあってなかなかの気温の上がりっぷり。もう夏は目の前で、昼頃にはもしかすると30度くらいになるかもしれない。そんな時には2ボトルにするか迷うけれど、今回のルートは自販機はあるはずだから1ボトルで。本当に厳しい山岳地帯や補給ができない場所を走る場合は2ボトルも辞さない私だけれど、基本は1ボトルで。たった500mlに命を預ける。人は水でできていることを自転車は嫌でも思い出させてくれる。

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河内長野を越えればもうすっかり田舎のおばあちゃんの家に遊びに来た気持ちになるけれど、これでもまだ大阪なんだから大阪と一言で言っても広い。海も山も川もちゃんとある。大阪はどこもゴミゴミしている、というのは北海道には地平線しかない、というくらいの極論だと思う。ただどちらも間違ってはいないから困る。(困らない)

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紀ノ川サイクリングロード!ここはまあ自転車で走るには最高の移動手段。そう、移動手段。ただただ移動。30km。暑い。景色は良い。特徴は両サイドに山。そして下り基調。この先は大阪湾だから。海に向かって進む川は基本的に下り基調という当たり前のことだけれど、今日みたいなダイナミックな日にはそう言った地形に思いを馳せることになる。ここまで風向きで快適度が変わる自転車道もそうそうないと思う。追い風のおかげでこの区間は全て休憩に充てることができたから実質ここからスタート。走行距離としてはこの時点で70kmくらいだったかしらね。

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途中、田畑の中を抜けるような道も。


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道の駅、くどやまで初めての休憩。ここは紀ノ川沿いにあってイートインスペースもあるしお土産もあるしちょっとした休憩所もあるから自転車ツーリング、バイクツーリングにはもってこいの立ち寄り処。売店で柿の葉寿司とプリン、飲むみかんを買って一気に補給して生き返る。

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うまー!和歌山のミカン、大好きでござる。

何気にすぐ南側には高野山金剛峯寺。だからその先は龍神スカイラインだし、もう少し南東に進めば大台ヶ原がある。いくつもの山を越えていけば色川、そして那智勝浦。本州最南端まではさらにもう少し。どこもかしこも頭の中で地図が繋がるようになって来た。道を知るのは楽しい。素直にそう思う。

さて、この辺りからようやく本格的な山エリアに突入。
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の前に慈尊院に立ち寄ることに。せっかく目の前まで来たんだから寄らないわけにはいかない。世界遺産であり、女人高野としても有名(じゃないかもしれないけれど私の中でも有名!)弘法大師ゆかりの地であり、母君が滞在したと言われているこの寺院に大師が9度訪れたことから命名されたという九度山町という町の名前。高野山とセットで巡るのが良いと思うけれど、流石にこの日は慈尊院だけで。世界遺産だから、というわけではないけれど見応えたっぷり。


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この築地塀と北門、見応えがものすごくって。これを見られただけでも来た甲斐があった・・・・。

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おおよそ400年前のものにこうして普通に触れることができるというのもなんだか不思議なことだと思う。しかもこんなにひっそりと。私以外に誰もいなかった。静謐な空気の中、ただただその歴史を感じさせてくれる建築物を堪能させてもらった。ちなみにこの慈尊院、おっぱい絵馬があるので興味がある方はその目で確かめてみてください。

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さて、水分補給。本格的なヒルクライムの前には大事な儀式。気温も容赦無く上昇中!なので。夏場のサイクリングを乗り切るためには絶対に大事にしなければならないことの一つが水分補給。過去に記事にしているので良ければご覧ください。


自販機を見つけたら迷わずに立ち寄って補給すること。「次の自販機でいいや」なーんて甘い考えで山に突入した時に限って次の自販機は延々に出てこない。僕は知っているんだ。賢いからわかるんだ。(過去の反省)

今のボトルの水を全部飲み切る。
新しく補充するための水を入れる。
その新しい水を今飲んでしまうと意味がないから、しばらく持つように、余計に1本買ってこの場で飲み干す。
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体内の水分を保つこと。
ボトルの水を切らさないこと。
このどちらかに失敗した時に、サイクリストは熱中症予備軍になる。要注意。

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それにしても和歌山、訪れるたびにその山の深さを知る。ここはまだ序盤だけれど、ここまでの50kmもここからの100kmも山しかない。その深さは日本のどの地域とも異なる。近いと言えば白神山地かも。とにかく深い。「木」が多い国で「紀伊」だからまさに名は体を表すとしか言いようがないこの紀伊山地。なめてかかるとやばいことは過去のライドで経験済み'`,、('∀`) '`,、

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こういうの見ると立ち寄らずにはいられない〜〜〜!北海道ツーリングを思い出す〜〜〜!

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まさかの阪神電車からの野上電鉄での活躍。60年ものお勤め、ご苦労様でした。

そしてここから一気にヒルクライム開始。
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一気というのは文字通りで今回のヒルクライムデータは・・・

距離5.8km 
獲得標高670m

やれやれ。どう頑張って計算しても平均斜度が11%ある。(しかも前半1kmは7%程度)久しぶりに歯を食いしばりながらのヒルクライムでこの写真もちょっと休憩したくて撮ったまである。幸いにも森の中だから直射日光はないし気持ち涼しいけれど、でも気温は高いし心拍数も全然下がらない。暑い。暑すぎる。気がつけばボトルの水は半分程度になっていた。よかった。さっきちゃんと補給していなかったと思うとゾッとする。

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セミの鳴き声、木漏れ日、木々が風で揺れる音。
身体は熱を帯びていて、ハンドルを握る手は汗が玉水みたいになっていた。
左、右、左、右とリズムを刻んでダンシングを続ける。
ギアはもう一番軽いところに入ってる。
時折、シッティングも織り交ぜて、筋肉と心肺の疲労を分散させる。
休むダンシングをしてもいいけれど、ここは攻め時だと感じる。
時間をかけると逆に体力が削られそうな暑さだったから。
路面状況は悪くないけれど、油断していると大きな窪みがある。集中。
見通しが絶望的な道だけれど車は全然来ない。
自転車ならいいけれど、車だと絶対に通りたくない道。
カーブを曲がるたびに少しの達成感と次の覚悟をする。
「あそこまで頑張ろう」
を10回くらい繰り返したところで急に景色が拓けた。

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生石高原に到着。そしていきなりのこの絶景。

はあ〜〜〜たまんない!

気がついたら標高も820m。うーん、素晴らしい。頑張った甲斐しかなかったけれどやっぱり自販機はなかった。

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もうひたすら山である。よくこんなところまで道路を通したなと感心せずにはいられないのが山岳ツーリングの特徴の一つだと思う。おかげでロードバイクと身一つでこんな景色が見られるんだから感謝しかない!

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しばらく高原特有の爽やかで冷たい風を浴びて身体をクールダウン。おかげでずいぶんと頭もスッキリしたし身体が軽くなった気がする。ここから先は海まで降るのだけれど、気温は上がっているからちょうど良い。そう、海まで降る。さっきからずうっと山の中にいるから言葉としては理解できても実感が全然ない・・・と思いながらふと違う方向に目をやると・・・・

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海!海だ!めっちゃ見える。すごい。和歌山すごい・・・。
遠くに見えるのは淡路島と四国だろうか。ちょっと霞んでいたけれど、間違いなく海と島が見えた。こんなに眺望が良い場所があるだなんて・・・。朝まで大阪市内にいたことが嘘のようだった。

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ちなみに読み方はこうである。正直ずっと「いくいし」と認識していた。おいし高原。

続く。

      
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Comments 1

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いつもの自分ルートが晒されてて笑いました。
恩智川と外環が交差する当たりの
「さとやま菓子工房さくら」
水まんじゅうとオレンジ大福おすすめです。
途中休憩にどうぞ。

散歩程度ですが平野川、長瀬川、楠根川、東除川とかも楽しいです。

  • 2020/05/21 (Thu) 08:49
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