私、神楽坂つむりは自転車に出会い、この世界から抜け出せずにいた・・・!旅のこと、写真のこと、山のこと等を綴り連ねます。

グラベル用コンポーネント「SHIMANO GRX」に可能性を感じた話【レビュー&写真】

2019年08月15日
自転車パーツ、小物 0

今年もシマノバイカーズフェスティバルに参加してきました。

去年初参加して今年も参加。

つまりリピーターです。リピートしたくなるイベント。

普段なかなか乗ることができないE-スポーツバイクやフラッグシップMTB、グラベルロードバイクを触ることができる貴重な機会と言うことで、個人的にかなりハマっています。



様々な新製品に触れることができるイベントですが、その中でも注目に値すると感じたある製品について掘り下げていきます。

何故かというと「可能性を感じたから」です。



SHIMANO GRX。

ついにグラベルロードバイク用のコンポーネントがSHIMANOから登場!


SHIMANO GRXの概要



グラベルライド用に新しく開発されたコンポーネント「SHIMANO GRX」

ロードバイク用のコンポーネントをそのまま流用する訳ではなく、グラベルライド専用に開発されたと言うのが大きなポイントです。


黒を基調としたシックなデザイン。個人的にかなり好きな見た目でとても嬉しい。コンポーネントは性能はもちろんだけれど質感とか見た目とか、所有欲を満たしてくれる要素があるかどうかも重要なことだと思う。(写真出展:シマノ)



SHIMANO GRXの大きな特徴は以下の3点


・荒れた路面、過酷な環境でもライドに集中できる操作性

・様々な路面状況に対応するギア構成

・堅牢な構造


コンポーネントは「フィールドに合ったものを選ぶ」と言うのが基本的な考え。


舗装路を快適に走るならばロードコンポーネントだし

山道やトレイルを走るならばマウンテンバイクコンポーネント、

街中を走るならアーバン系コンポーネントを使用することでより快適にライドに集中することができる。



じゃあここ数年で急速に伸びてきた新しいジャンル「グラベルロードバイク」についてはどうだろう?と考えた際に、専用コンポーネントが無かったのがずっと気になっていた。


もちろんロードバイク用の油圧ディスクブレーキ対応のコンポーネントを使うことで何となく対応は出来る。実際に私のグラベルロードバイクであるGT GRADEはSHIMANOのロードバイク向けコンポーネントのシマノ105の油圧ディスクブレーキモデル。性能としては悪くないんだけれど、ギア比やブラケット形状について掘り下げていくと各パーツが少しずつマッチしていなかった。


この少しのズレが気になる。

ちょっとずつのことも積み重なるとストレスになる。

人の感覚と道具がアナログに繋がる自転車だからこそ、ここが解決したら良いのになと私自身、ずっと思っていた。


SHIMANO GRXはグラベルライド専用に開発された完全新作コンポーネント。

しかもいきなり3グレードリリースと言うことでメーカー側の気合いも感じます。


個人的にもめっちゃ嬉しい!

「ようやく出たか〜!」

と。


さあさあ、その詳細について特に注目したい点を中心に掘り下げていきましょう。




シフト/ブレーキレバー GRX STIレバー(ST-RX815,RX810) 


一目で分かる今までにないブラケット形状をしています。

特に注目すべきはブレーキレバーの形状と、ブラケット頂点部分の大きな出っ張り。


ブレーキレバーは上ハンドルを握ったままでも確実なブレーキ操作ができるようにデザインされていて、これがグラベルライドにおいては大きなメリットをもたらしてくれる。

路面がガタガタ、ギャップでバイクが大暴れするようなバンピーな路面でもしっかりとハンドルを握ることができるようにデザインされたブラケット頂点部分の出っ張り、最高です。




DI2タイプであるST-RX815の隠れたメリットがブラケット頂点部分の内側に隠されたシフトスイッチ。まさかブラケットヘッドにシフトスイッチを配置してくるとは思わなかった。あまり目立たないので、初めて触る人は言われないと気付かないかもしれません。



これが実際に乗車しながら押してみるとまあ便利。

ちょうど親指の指先というよりはお腹部分で、ハンドルをしっかりと握り込みながらシフト操作ができるようになりました。

グラベルライドだけではなく、ロングライドやツーリングにおいてもこれは絶対に便利。

こちらは機械式のST-RX810。



ブラケットフードには従来のロード用STIレバーとは異なる複雑なテクスチャが。ちょっと太めでちょっと粗め。これによってグリップ力を高めると言う理に適ったデザイン。



STIレバーが自然なハの字になるように設計されていました。


このハの字が得られるかどうかって言うのは個人的にはかなり重要。私のバイクは全てベストなハの字が得られるように調整されています。

ここに拘ることでブレーキとシフト操作するときの指の動きを最小限にして手の疲れを軽減させることができます。なんだそんなことかと思われるかもしれませんが、乗車時間が長ければ長いほど、こう言ったちょっとした拘りが大きな差を生むことになります。




クランクセット(FC-RX810-2)



今回注目したこちらのクランクセット。


ダブルはもちろんだけれど、これとは別にシングル用もラインアップされています。従来のロードコンポーネントよりもチェーンラインを外側に2.5mm拡張することでリア周りの設計の自由度を拡張。


より太いタイヤを履かせることができるようになったようです。


後述しますが、この48-31Tと言う歯数構成が凄い。凄い!

歯数差がなんと17T。

これに例えば11-34Tなんて組み合わせた日にはもう普段遣いでカバーできないギア比はないぜと言わんばかりの構成が実現します。






リアディレイラー(RD-RX815)



これまたクールなデザイン!


先ほどのクランクセットの歯数と合わせるスプロケットを鑑みるとリアディレイラーのキャパシティも気になるところですが、当然そこも抑えたこの子は11-34Tまでバッチリ対応するようです。

MTBコンポーネントっぽい見た目ですが、性能もそれに準じていて、オフロード走行中のチェーンのバタつきを抑えるためのチェーンスタビライザーを搭載。


フレーム外側への出っ張りも極限まで少なくしているシャドーRD+デザインももちろん踏襲。

こうして見ると本当に出っ張りが少なくて感動します。



こちらは機械式モデル。無骨なデザインで格好良し!





グラベルライドツアーで性能チェック


百聞は一見に如かず、とあるように道具の性能を確かめるには実際に使う以上に確かなことはない。


と言う訳で今回は件のSHIMANO GRXコンポーネント搭載バイクでグラベル含むライドを体験してきました。


シマノバイカーズフェスティバルはレースやブースも魅力的だけれど、このライドツアーが個人的には激アツだと思います。その内容は多岐に渡り、初心者から上級者まで自分に合ったツアーを選ぶことで誰しもが楽しめるようになっています。

私はグラベルライドツアーに参加することになりました。



天候はあいにくの雨、ですが問題なくツアーは実施されます。

普通なら中止になってもおかしくないけれど、ここはオフロードの祭典。


お客さんも雨くらいなら平気らしく、皆さんご自身でしっかりと雨対策をした上でスタート地点に集まっていらっしゃいました。なんというかサイクリストとしてタフな人が集まっているのがこのイベントの隠れた特徴だとも思う。

距離は大したことないけれど、終わってみればグラベル率が半分以上あったかな?と感じる程度にはしっかりと未舗装路をうまく繋いでいくコースで走りごたえは十分。


富士見パノラマを出発してフィニッシュ地点は諏訪湖畔にある温泉施設、片倉館。

そう、ライド後には温泉に入ることができるということで楽しみで仕方ない!

雨ならぬ飴とムチの使い方が上手だなあと思いつつ、ガイドの方の後ろをホイホイ付いていきます。


走り出して1分もしないうちにいきなりグラベル、というよりは林道に突入しました。



心の準備ができていなかった私は「ちょちょちょ!」となりましたが、比較的イージーというか全体を通してグラベルロードでちょうど良い難易度だったので安心。




GRXの本領発揮



と思いつつまずはちょっと粗めに変速しながら林道へ突っ込みます。


今回私が借りたのはGRXのDI2モデルが搭載されたTREKのCheckpoint SL。

OCLVカーボンにリアIsoSpeed、フルカーボンディスクフォークに35Cグラベルタイヤを装着したヤベーやつです。



「油圧ディスクブレーキ」



「電動変速システム」



「グラベルライド専用設計」


です。

これ以上ない組み合わせということでもう楽しくて仕方ない。





独特なブラケット形状


まずGRX最大の特徴とも言えるブラケット形状のおかげでハンドル操作がめっちゃ楽。


なんとも不思議な形をしていますが、これはブラケットポジションを握ったままでもしっかりとグリップしながら操作ができるようにこのような形状になったのだそうです。

実際に握ってみるとこれがものすごくしっくりくる。

手のひらはもちろん、各指の関節や指先が然るべき位置にしっくり収まるイメージでしょうか。五本ある指を最大限活かすように設計されているんだなあと。手を添えた瞬間にそれが感じられました。



おかげで荒れた路面を走る際にも安定感があります。

ドロップハンドルでグラベルや荒れた路面を走ったことがある人なら分かると思いますが、路面のギャップや段差、ひたすら続く砂利道を走っているとハンドルから手が浮きそうになります。しっかりとレバーを握りこんでいないと、ふと油断した時に手が外れてバランスを崩し、最悪落車してしまう危険性もあります。


GRXはそのフィット感のおかげで荒れた路面が連続する場面でもしっかりと手を固定することができました。地味なことですが、これがグラベルを走るときにはとても重要なことです。個人的にはロードバイク以上にグラベルロードバイクはブラケット形状がそのままライドの質に直結すると感じています。



あとなんか私が持ってるグラベルロードのレバーとなんか違う気がする。


ブレーキのタッチ?効きが良い?軽いと言うか柔らかいと言うか・・・・。なんだこれ!!

と言うわけで、シマノの人に聞いてみると


シマノの人「ブレーキレバーのピボット位置を従来の物より18mm上に設定しています。」


シマノの人「また、レバー比を見直すことによりブレーキを掛けた際にパッドがローターに接触するまでは素早く、そして握りこんだ時には車輪がロックしないようにじわりかつしっかりと制動できるように味付けしています。」



私「な、なるほど〜〜〜〜〜〜〜〜」



気のせいじゃなかったけれど、まさかそんなところで差が出ているとは予想もしていませんでした。

さすが完全新作、従来のコンポーネントとは色々と違う。






ギア比が最も魅力的かもしれない


また、ギア比も面白く可能性を感じました。



今回私が乗ったバイクのギア比はフロント48-31T、リアが11-32Tでした。

カバー域がものすごく広く、インナーチェーンリングがこの数字と言うことにGRXのグラベルライド用としてではないもう一つのメッセージを感じました。


「このギア比ならロングライドやツーリングにも使えるのでは・・・?」


これだけ小さいギア比を実現できれば、大抵の登り坂が楽にこなせるようになります。

もちろん空荷のロードバイクであればこれほど軽いギアは必要ないと思いますが、荷物が多いツーリングや、過酷なルートを極めるときのロングライドにおいてはやはり余裕のあるギア選びが重要になってきます。


どれだけ装備を整えても、良いコンポーネントを装備しても、ライドに合ったギア比でなければその真価は発揮できないと個人的に感じます。


重いギアは正直、めったに使うことがないですが、軽いギアは必要になることが多々あります。保険という意味でも確保しておきたい。

そう言った多くのサイクリストの要望に応えてくれるのでは、と可能性を感じます。



もし私がGRXを導入するならば、グラベルライド用と言うよりは

ロードバイクとして軽快に走りたい時以外は全部この仕様、このコンポーネントでまかなえるような1台を組むために導入したい。


それこそブルベやロングライド、キャンプツーリング、通勤と言ったシチュエーションにこそマッチすると思います。

GRXが可能にしたフロントシングル運用も大いにあり。


もしかしたらシクロクロスにも良いかもしれない!

と言うように色々と妄想が膨らんでしまうと言う意味でも面白い構成だと感じます。




マニアックなグラベルツアーは続く


この富士見パノラマ発のツアーの魅力は何と言ってもグラベル率の高さ。

オンロードをひたすら走ってちょろっとだけグラベルがある、むしろその逆でオンロードは最低限。


地元民しか知らないような裏道や林道をガンガン突き進んでいきます。

ペース配分はゆっくりだけれど、このようなレイアウトのコースだとむしろありがたい。

変に息が切れることもなく、良いペースで走ることができました。



道中には旧東海道の一里塚がありました。

中央本線の「すずらんの里」駅の最寄りの観光地案内にこの一里塚が記載されていたのでずっと前から気になっていた場所です。

最短距離を行くならばもっと南のルート、現在の東海道である国道一号線を行けば良いですが、昔は川を越える手段がなく(あるにはあったけれど大井川を越えるのが困難だった)こうして山を越えてでも大回りしていた訳です。

県をまたぐだけでも大冒険、東京から名古屋、名古屋から大阪のような今では新幹線で一瞬で越えるような距離にも何日もかかっていた訳です。そんな旅を支える距離指標としての一里塚。なんだかロマンがあって好き。



宮川沿いに走っているということで、基本的には下り基調。

足を休めながらダートコースを楽しめるというのもありがたい。

基本的にオフロードは下り基調でルートを組むのが最適解だと思う。

いつかの剣山スーパー林道のような獲得標高3000m越えのグラベルライドはもう二度としたくない()

走るだけなら抵抗が少ないオンロードとは訳が違う。ガレ場を走るというのは常にマイナススタートみたいなもので、たとえ平坦でも登り坂のように体力を奪われていくのです。

そんな時にせめてもの抵抗になるのがGRXコンポーネントだというのも実感。

DI2との相性も良くライドに集中することができます。




雨の中のスタートだったけれど、幸いに途中から晴れ間も見えてきて、そうかと思ったら一気に気温が上がってあっついのなんの!

いやあ、天気ひとつで一喜一憂するのはいつものことだけれど、やっぱりでも晴れたら嬉しい。ただそれだけでなんか良い気分になる。



諏訪湖に到着したのはスタート地点からおおよそ2時間程度。

ずっと山の中とか草むらの中を走っていたものだから全然気づかなかった。

グラベル中心だったからか距離の割には大満足のツアーでした。



そして最後にはご褒美となる温泉が待っています。

上諏訪駅から歩いて10分弱の場所にある「片倉館」

てっきりよくある温泉施設かと思いきや建物自体が重要文化財に指定されている由緒ある場所でびっくりした。

「えっ、重要文化財を温泉にするって保存の観点からするとおかしくない??」


と思いましたがどうやらこの片倉館、最初から浴場として設計されていたのだというからこれまた驚き。

相当な人数が入ることができる「千人風呂」が有名で、実際に浴場に入った時の第一印象は「あ、これテルマエロマエで見たやつだ」でした。いやほんと、いわゆる西洋の大浴場、ギリシャ神殿のような柱が両脇にブワーって建ってるアレです。何気にこんなスタイルの温泉は人生初かも。


雨と汗でよろしくなかった身体も完璧にリフレッシュ!


この世は不確かなことばかりだけれど、自転車で走った後の温泉の気持ち良さは間違いない。


ちなみに自転車は別の係りの方がスタート地点までトラックで運んで下さいました。

なにこのサービス素敵すぎる。



帰りは上諏訪駅から富士見駅まで走ってきたルートを眺めながら電車でワープ。

富士見駅に到着すると富士見パノラマ行きのバスが待っていました。なんて楽ちん!


いわゆるワンウエイツーリングと言うことで自走で帰る必要がないというのも嬉しいポイント。オフロード遊びはやっぱりこういう工夫があるとなお良いなあと感じるライドツアーでした。

(全部自走も好きだけれど、自由度が増す)




たった一回のライドで「GRXはいいぞ」おじさんになってしまった・・・・。



私が特に気に入ったのは以下の3点

①操作性の良さ

②握りやすさ

③ギア比


GRXコンポーネントの発売と同時にホイールセットも用意されているもよう。

正直、私がグラベルロードバイクを買った時に(2015年ごろ)GRX仕様完成車があれば・・・

と恨めしくも思う程度にはもっと早く欲しかった。


「GRINDURO」と言ったグラベルイベントも増えつつある昨今のグラベルマーケットの更なる発展を予感させるSHIMANO GRX。

今後の広がりに期待せざるを得ないコンポーネントの登場と言うことで思わず記事にしてしまいました。

いや、うん、普通に欲しいぞ!と思ってしまうコンポーネントでした


(これ以上機材を増やすわけには・・・・)


終わり。


   
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神楽坂つむり
Author: 神楽坂つむり






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