【北海道自転車旅】オホーツク地方滞在 能取岬がすごかったので紹介
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6月半ばに北海道へ遠征に行ってきました。
網走は北海道の中でも特に北に位置している町。
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目的はモンベルの主催する「オホーツクSEA TO SUMMIT2019」に参加するためです。
詳細については別立てで記事を書くのでそちらをご覧いだだければ。
さて、せっかくの北海道なので、もちろんただイベントに出るだけでは終わらない。
時間を最大限活用してオホーツク地方を回ることにしました。
オホーツク地方について
オホーツク地方とはざっくり言うと北海道の右上のあたり。
北にオホーツク海を有し、冬にもなれば流氷が辺り一面を覆って真っ白な世界を演出してくれます。畑作面積も広く、少し海から離れて山に向かって走ればそこはもうTHE北海道な風景。さらにサロマ湖、網走湖、濤沸湖の様ないわゆる海水と山から降りてきた水が混ざり合う汽水湖が数多く点在してこれがオホーツク地方独特の自然の豊かさを作り上げる。
本当は時間があれば遠軽や北見、興部や滝上町あたりまで足を伸ばしたかったけれど、流石に広い北海道。欲張りすぎては見たいものもゆっくり見られない。
というわけで今回は滞在型のツーリング。
この滞在型のツーリングについては別記事で詳しくその概念を紹介しているので良ければ読んでください。
蘇る記憶の町
女満別空港に降り立った私は早速、北海道らしい景色を求めてさまよった。
今回の拠点は網走市内のとあるホテル。
実はここ網走自体には訪れたことがあります。
あれは自転車を初めて本当にすぐの頃。
右も左も分からないという表現がそのまま当てはまるような自転車乗りとしてはひょっ子中のひよっ子の私だった。それでもノリと勢いだけはあったようで、バイトして貯めたお金で買った中古のルイガノのツーリングバイクに、とりあえず買い揃えたキャンプ用品を詰め込んで「日本最北端に行きたい!」という想いを胸に北海道へと旅立ったのが10年ほど前の話です。
特に細かい予定を立てることもなく、たどり着いた町で情報を集めて次の町への旅路を考え走るというその日暮らしの旅で決してスマートではなかった。けれどあの旅は今でもその毎日を鮮明に思い出すことができて、私の人生において最も大切な時間の一つです。
だから網走駅の前を通り過ぎる時に、当時の記憶が強烈に蘇った。
特徴のある場所というのはやっぱりよく覚えているもので、ここで写真を撮影した覚えがあります。
(そうだ・・・・・)
と思いついて撮影してみました。
今回の北海道遠征で網走駅に着いたとき、懐かしさのあまり涙が出そうになった。
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) June 26, 2019
左 自転車歴3ヶ月
右 自転車歴10年(現在) pic.twitter.com/E3T8pc3XXz
こうして見ると写真の威力というのを実感します。
たった一枚でその時の自分の状況や装備や機材の進化、カメラ自体の進化が一目で分かります。
なんて濃厚な10年間を過ごすことができたんだろう、と思い至るきっかけにもなった。
「きっと10年後、この毎日のことを惜しまない」
そう思えるようにこれからも生きていけるだろうか。
当時の記事です。よろしければご覧下さい。
地球を感じる町
網走は北海道の中でも特に北に位置している町。
つまり日本で最も北に位置する地方といっても過言ではない。
北に位置するということから連想されることと言えば、一般的には「寒い」ということでしょうか。
かくいう私もそれくらいしか覚悟をしていなかったのですが、現実にはそれよりもよっぽど驚くべきことがありました。
冷静に考えたら中学生レベルの知識で十分に予想ができる事実でも、実際に体験してみないことには真の知識として身につかないということを実感した出来事でもありました。
グッドモーニング網走 pic.twitter.com/ViO6xnYEtJ
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) June 22, 2019
まだ3:30頃の写真です。
この日は5時頃に起床する予定だった私は
「その時間ならカーテンを開けておけばちょうど朝陽が昇って良い感じに起きられるだろう」
と考えてカーテンを開けっぱなしにして寝ていました。
だからこの明るさを見た時には「やばい!寝坊した!」と思って時計を見たらまだ3時台で一瞬リアルに
????( ´゚д゚`)???
こんな顔をせざるを得ない程度にはびっくりした!
冷静な頭で考えると、ここまで北に位置するのだから、いわゆる「白夜」まではいかないけれど日照時間が長いんだということに気付きました。
ちなみに夜は夜で20時半頃まではギリギリ明るかったので、1日のうち夜がたったの7時間しかないということに・・・・。
ブルベ勢、ロングライド勢にはありがたいことだけれど、寝不足になってしまいそうという点ではもしかしたら困った状況なのかもしれない。
そしてこの「朝陽がめっちゃ早い」ということについて、10年前にもおんなじ感想を抱いていたことを、今にして思い出しました。人間の記憶なんて曖昧なもの。
能取岬へ
網走に行くことが決まってからずっと地図とにらめっこしていました。
旅先でどこへ行くか。
これはもう旅をする人としてはいつも真剣です。どこへ行くか。
間違ってもGoogleで「網走 おすすめ」なんて検索はしません。
せっかくの旅なのに誰かの軌跡をなぞるなんて勿体ない。結果として誰かと被るのは構わないけれど、最初から被せていくのは性に合いません。
とりあえず網走市内からほど近い北側、能取という場所が面白そう。
面白いと思うきっかけは地形とか地名とかロケーションとかそういった諸々を鑑みての直感。
その日の朝も昨日と同様にあまりにも早い日の出に戸惑いながらも支度を整える。
滞在型ツーリングのメリットとして、宿に連泊する場合は出かけるときに荷物を整えなくてもいいところにもあると感じます。
いつもならチェックアウトという形になり、立つ鳥跡を濁さず、ちゃんとしないといけませんが、この日ばかりはただ着替えてバイクの準備をし、カメラを用意するだけ。
他の荷物や着替えは全部放りっぱなしで向かいます。
楽チン。時間の短縮にもなる。
5:46頃の写真。とてもじゃないけれど、そんな時間帯とは思えない太陽の位置。
静かな道を抜けて
ここは北海道、網走市内から北へ抜ける道路・・・。
頭の中で意識的に現在地を反芻した。
旅先で走るとき、とりわけ朝の時間帯、走り出しの時には自分がどこにいるのかふと分からなくなることがあります。
実際に理解していない訳じゃないんだけれど、何というか「浮き足立ってる」感じ。
こんなふわふわした感覚はもう何百回と味わってきたけれど、今だに慣れない。
新しい靴を履いた時のような奇妙な違和感。慣れてしまえば一瞬で忘れる程度のことだけれど。
ものすごい数の鳥の鳴き声に気付かされます。
日本でも有数の野鳥の宝庫であるオホーツク地方。
私にその方面の知識がもっとあれば、耳を澄ますだけで楽しくて仕方なくなるのかもしれません。
旅先で自身の知識の無さを恨むことがしばしばあるけれど、久しぶりにその感覚に陥るくらい、本当にものすごい種類の鳴き声がしてきた。完全に私は来訪者で、アウェイだった。
あまりの絶景に絶叫した
1時間くらい走ったところで、能取岬の看板が見えた。
もうさっきから分かってる、絶対に車なんて来ないけれど一応後方確認をしてT字路を右折。
森の中を抜けて緩斜面を登りきると文字通りの絶景が私を待ち受けていた。
北海道、オホーツク、能取岬。絶景ってレベルじゃねーぞ! pic.twitter.com/bkbBGBPZ4c
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) June 23, 2019
もはや言葉が出ません。
とにかく、ものすごい。
何だろう、この景観は。似ていると言えば例えば尻屋崎や都井岬、知夫里あたりだけれど、でも全然違う。
あまりの開放感?
抜けの良い景色?
色?コントラスト?
とにかく、久しぶりにガツンとやられました。
灯台もありました。灯台ハンターとして、これ以上に嬉しいことはありません。
しかも珍しい。
この形はエモすぎる・・・・・。
こちらの能取岬灯台、調べてみるとなんとレオンス・ヴェルニーが関わっていたのだとか。
フランス人技師としては有名なヴェルニー氏。昨年の三浦半島ツーリングでは記念公園に立ち寄ることもありました。(かとせん&天パさんありがとうございました)
1917年に初点灯、灯台守が家族とともに暮らしていたというロケーション。オホーツクならではのエピソードとしては冬季は流氷が来るから、灯台業務はお休みだったというところ。
歴史も造形もロケーションも最高クラスの灯台でした。ほくほく。
この岬だけで1時間くらい、散策しました。
その間、誰とも会うこともなく、ただただ目の前の景色を独り占め。
最高の贅沢。
能取湖畔グラベルライド
能取湖畔を掠めて網走へ帰ろうとしていたけれど、なんだか思いの外この辺りの景色も良かったので思わず散策をしてしまいました。
特にこの辺りは野生のグラベルロードが数多く点在していて、ちょっと道路を走っているつもりがついつい引き寄せられてしまう。
だって、景色良し、路面良しなグラベルだったもの!
こんなん走らずにいられへんって!
結局、大した距離でもないのにたっぷり時間を使っている・・・・
と思いきやまだ朝の8時過ぎでした。
うーん、こっちに来てから時間の流れ方がバグってる。
とりあえず前日夜に車を停めっぱなしだった網走湖へ向かいます。
道道!
道道1010号!何気に当ブログ初登場の4桁看板です。レア度高い。
網走湖でレンタカーを回収してホテルへ。
これだけ遊んでもまだ10時というのだから驚き。
早起きは三文の徳、という言葉も地球の端っこに寄れば寄るほど効果が高いという知見を得た1日でした。
終わり。