夏場のサイクリングを乗り切るために気をつけていること【自転車熱中症対策】
自転車, 機材紹介, ロングライド, ノウハウ, アウトドア,最近、夏、暑すぎませんか?
2018年の夏の暑さは一生忘れない、と言うレベルで暑かった記憶があります。
暑さには結構強い私ですが、シーズン中に2回ほど熱中症になりかけた?ことがあるくらい。
冷静に振り返って考えてみると、十分に対処ができたはずなのに、ちょっとした油断でそんな事態に陥ってしまいました。
畳むべき洗濯物を畳まずに放り投げたくらいの油断でしたが、気がつけばそれが原因だった、
そんなことがあったので改めて令和元年の夏を無事に乗り切るため、改めて夏場の自転車サイクリングで気をつけるべきことを備忘録として記そうと思う。
暑さに身体を慣らしておくこと
人間の身体というのはアナログなもので機械やコンピュータのようにプログラミングや設計通りに動くわけではなく、その日の体調や気分でコンディションが左右される不確実さを持っています。
その中でもよくわからないのが「慣れ」という要素。
自転車に乗っていると感じますが、大抵の問題は「慣れ」で解決できてしまうのが恐ろしい。
最初は50kmも走ればお尻が痛かったし、どんな道を走ればいいのかも分からなかったし、トラブルに対する対処方法も分からなかった。けれどいつの間にかその全てについて何の不安を抱くこともなく自転車の楽しむことができています。
その全てについて「慣れ」と言う言葉を当てはめるつもりはありませんが、外的な、特に天候に関することについてはやはり「慣れ」によって乗り越えることができるケースが多々あります。
特にやはり暑さについてはある程度身体を慣らしておくと対処できるのは間違いありません。
本格的な夏が来ると平気で気温が35度を超えることがありますが、そんな夏日が例えば6月にあったりすると、身体がビックリしてしまって然るべき恒常機能を果たすことができなくなり、そんな日は決まって夕方のニュースで熱中症患者の数が読み上げられたりします。
自転車で夏日に走る際にはいきなり走ろうとせずに、徐々に身体を慣らしておくことで、そんな事態を防ぐことができる、と実感しています。6月、7月にうちから1時間でも2時間でも「汗ばむ気温の中で走ること」「あるいはそのように感じる強度で走ること」をしておくと、いざ夏を迎える際に、身体が気温に付いていけるようになります。寒さも同じようなやり方で対応ができるようになります。例えば普段デスクワークの人なんかは余計に注意した方がいいかも・・・。晴れた休日でテンション上がったとはいえいきなり自転車に乗ってなんだか頭がぼーっとする、なんて場合はどうか無理はなさらないよう・・・・。
入念なウエアのチェック
ウエアの重要性も無視できない、と思う今日この頃。
最近のいわゆる高機能ウエアにはガンガン頼っていい、というか頼るべきだと思います。
おたふく手袋さんやILMIKのようなコストパフォーマンスの良いウエアも増えています。Raphaやパールイズミでもなんでもいいです。とにかくインナー、アウター含めて速乾吸収性や感じる体感気温の違いに着目してウエアを選ぶこと。意外と見落としがちなソックスやシューズも注意すべきところで、めちゃくちゃ夏対策をしていたのにソックスだけが炎天下の走行に適していなくて、辛い思いをしたことがあります。綿、ウール、ポリエステル、合成繊維、そういった素材の違いでも人間の身体
はガッツリと影響を受けちゃいます。
ヘルメット、ジャージ、パンツ、ソックス、シューズ、などなど。
本当に炎天下のサイクリングに適していますか?
(書いててちょっと自信がなくなったので改めて見直そうと思う)
日焼け=肌の火傷
と言うことは今や誰でも知っていることでしょうか。
実は私はこのあたりは無頓着で、肌が強い方なのか日焼けしても体調に変化はなくヘラヘラしています。おかげで毎年夏が来るとこんがり丸焼きになるけれど・・・・'`,、('∀`) '`,、
それでも日焼け=肌の火傷なのは間違いなく、であれば対処した方が良いに決まっています。
日焼け止めを塗る、そもそも塗らなくて良いようにアームカバー、レッグカバーを装着する。
こういった対処をするだけで疲れなくなるのなら、例えば高いホイールを買う、コンポをグレードアップする、そんなことをする前に実践してもいいのでは、と思います。機材に頼るよりまずは身体をどうにかする。これ大事。
水分補給は前日から
前日夜と朝から水分を多めに摂取しておく。
適切な摂取量は体重や体格によって異なるので自分の身体と相談しながら、と言うことになりますが、例えば私は身長173cm、体重56kgですが、夏場のロングライド前日夜に1リットル、当日の朝には500mlを少なくとも飲んでいます。
「20km走るごとに500mlの水分補給が目安」
本格的な夏場炎天下ロードバイクの場合、です。
初夏程度であれば半分以下ですが、汗が止まらないような環境では上記くらい飲んでちょうどいいくらい。
後述しますが、水だけでは体調が崩れてしまうので、ポカリスエットを2倍に薄めたものや、コンビニで買える野菜ジュースやビタミンウォーターを織り交ぜながら補給しています。特に野菜ジュースは種類が豊富で味の変化も楽しめるし、そもそも栄養補給にもってこいなので私は好んで飲んでいます。これが効果絶大で、やはり失ったものを取り戻すには口から入れるしかありません。固形物が難しいようであればドリンクに頼るのも効果的。
だけれどできたら固形物も咀嚼して満腹感を得つつ腹持ちも実現したいところなのでそう言う時は喉ごしの良い麺類に頼ることも。ラーメンや蕎麦なんかは食べられる場所も多いし安いしカロリーと塩分と水分を手っ取り早く補給できるので大好き(ラーメン大好き!)
塩分補給も忘れずに
汗をかくと失われるものは主に水分と塩分(ナトリウム)。汗をかけばかくほどその「どちらも」どんどん排出されていきます。ここで「喉乾いたなー」と思って水だけを飲むと、喉の渇きは緩和されるけれど塩分は失ったままです。
これが危険で、水だけを飲むと体内のナトリウム濃度が下がって、そうなると身体はこれ以上ナトリウム濃度を下げないために恐ろしい命令を下します。
「水を受け付けないようにしよう(=水を飲みたくなくなる)」
さらには余分な水分を出そうと排尿だけはしやがります。
これを「自発的脱水症」と呼び、一度この状態に陥るとなかなかナトリウム濃度を適正量に戻すことができなくなり、思考能力は低下、身体は動き辛くなり、体温維持機能が失われ、熱中症に陥る。ああ、おそろしい。運動していてもしていなくても十分になり得る症状で、こればっかりは体力の有無関係なく誰にでも起こり得ることです。ご家族、おじいちゃんおばあちゃん、大丈夫でしょうか。
我々サイクリスト的には自宅が近かったりコンビニがあれば良いですが、助け舟のない限界集落や山岳地帯を走っている時にこんな事態に陥れば最悪病院送りです。水分と同様にこれまた適正量というのが分かりにくいところではありますが、私はコンビニで売っている塩タブレットを20kmに1粒食べるようにしています。つまり水を飲むときとセット、と言う習慣です。たったそれだけで防げるなら安いもんです。ケイデンスや速度のように数字で把握できる未来が来れば・・・・と妄想しますが、そう簡単にはいかないので、ここも経験則ではあります。
頑張っちゃう人は要注意
単純な話で運動量を上げすぎてオーバーヒートになって自爆、と言うのが危険。
夏場のヒルクライムやロングライドはいつもよりも抑え気味で、と言う至極当たり前な対処法です。
これも慣れの問題で、気温の変化に応じて出力を変えることができれば、それだけで十分なリスクヘッジが可能と言うことです。
これをロングライドの話に繋げるとすれば「夏場のライドはペース配分に余裕を持つこと」。
余裕のあるプランニングをすることで、無理をしなくなり、休憩の回数も増やせて、幸せに走りきることができるようになります。
最も暑い時間帯を避ける
南中の時間帯、夏場であれば体感としては13〜14時が「魔の時間帯」でとにかく暑い暑い暑い!
汗が吹き出て蒸発して塩が残ってもう明らかにこれは身体に悪いな・・・・と実感できる時間帯です。対処療法で水を被ったりするのもいいですが、ベストは「走らない」と言う選択肢です。先述のペース配分にも繋がりますが、私はこの時間帯をそもそも走らない前提で行程を組み立てることがあります。涼しいファミレスやコンビニのイートイン、道の駅や食堂でおとなしく休みます。
するとRPGで毒の沼にハマった時のような著しい体力低下から一転、村の宿で休息したように体力回復、身体が冷えて一旦リセットすることができます。どの時間でもいいですがこういったリセットタイムを設けること。これもまた熱中症や体調ダウンを未然に防ぎ、結果として安全に早くスマートにツーリングを楽しむことに繋がる術だと私は実感しています。
今更こんな記事を書くのは私の友人が昨年熱中症でマジで死にかけたからです。救急車に運ばれて病院に着いた頃には結構ギリギリの状態だったようです。本人はスポーツマンで体力に自信はあったはずなのですが、その日は水ばかり飲んでいて塩分が足りておらず、さらに寝不足も相まって自律神経も狂っちゃってもう限界、って感じだったようです。生きててよかった。
日本全国で毎年のように結構な人数が熱中症に陥っているようですが
自転車はスポーツとして見れば炎天下にも関わらず長時間走ると言う結構危険なことをしちゃっているのは確か。と言うことで改めて私自身、気をつけようと思う。
余談ですが夏場のご飯補給として好きなのは蕎麦!

蕎麦はビタミン、ミネラル、水分が豊富で疲れていても食べやすく消化も良いのでロングライドの補給にオススメです。(蕎麦の栄養素の多くは水溶性なので、蕎麦湯も一緒に飲むことをオススメします)
2018年最も暑さがやばかった時の旅記録はこちら
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