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【RIDEAIDinASO】自転車旅の早起きは三文の徳でしかなかった一日【阿蘇草千里〜仙酔峡ヒルクライム】

神楽坂つむり

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2019年4月。
時刻は朝の6時頃。
気温、0度。
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さっむい!
さすが標高が500mあるだけあって下界の朝とは訳が違う。
この日の最高気温は20度を越えると言うこともあってウエアのチョイスはどうしようもなく迷うところだけれど、幸いこの日は午後からの荷物については牧瀬さんが道の駅阿蘇まで運んでくださる。
ということでこの朝ライドについてはがっつり冬仕様で望んだ。
けれど寒いものは寒い!


とにかく最初だけ我慢すればいいはず。
なにせいきなりのヒルクライム。
道の駅阿蘇をかすめて向かうは阿蘇が誇る絶景ポイント、阿蘇草千里。
朝焼けの中、こんな時間から、車一台とも通らないワインディングロードを独り占めできるなんてこの上ない贅沢。

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泊まりがけの旅をしているときの特権とも言うべきだろうか。夕暮れだったり朝方だったりそういう時間も含めて楽しむことができるのが日帰りロングライドとはまた違った魅力だと感じる。

「時間の使い方の自由度が増す。」

これが私が泊まりがけの旅を好む最大の理由かもしれない。

標高があがるにつれて陽も高くなっていき、気が付いたら辺り一面が光り輝いていた。見下ろせば阿蘇の町が一望できる。そして反対側には阿蘇外輪山がぐるっとその町を囲っている。

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aso-2-4.jpg こんな景色、全国探してもここだけだと思う。カルデラ大地を俯瞰することができるヒルクライムスポットがあちらこちらにある阿蘇はヒルクライマーの聖地と言っても過言ではない!
自転車、とりわけロードバイクで走るのにロケーションが最高すぎる。

本当に車一台通らないと思っていたら反対側からバイクが4台連なって降りてきた。こんな朝早くから降りてくるということは相当早い時間から・・・・もしかしたら上でご来光を眺めていたのかもしれない。すれ違う瞬間に久しぶりにアレを見た。

「ピースサインだ!」

北海道をツーリングしているときによく見かけるあれ。やえーーーーー。

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気が付いたらずいぶんと標高が上がっていた。手元のGARMINに目をやるとその標高は1,000mを示していた。おおう、結構登ったけれど、全然疲れていないのはこの景色の良さ故だろう。間違いない。本当に景色が良いところだと自転車による疲れなんてほとんど感じない。ちょっとした麻薬だと思う。


そして到着阿蘇草千里!

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ぜっけーかな!


売店前の自販機で水分を補給し、コーヒーも買ってちょっと遅めの朝ご飯をいただいた後は周辺を軽く散策することにした。なにせ時間はまだまだある。ここから折り返してダウンヒルしても30分もあれば道の駅阿蘇には辿り着くはず。3時間以上余裕がある。

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たっぷり朝の草千里を堪能してからようやくダウンヒル開始。

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ダウンヒルの前には必ずブレーキチェックとクイックレバーのチェック。
万が一があると死んじゃうからね。自己防衛。

この下っている最中もやっぱり景色が良すぎるせいでなかなか前に進まない問題が発生。
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もうこればっかりは仕方ない。こんな景色の良いところ、止まらない方がもったいない!


道の駅阿蘇に戻るとRIDEAIDの準備が着々と進んでいた。

aso-2-17.jpg 今回のイベント、初めましての人しかいなかったから内心はちょっと緊張・・・・。向こうからしたらこいつ何者なんだよという感じだろうし、でもめげずにというか、せっかくのことだから交流して関係性を持って繋がりを持ちたい。初めましてを連発しつつ、少しずつこの阿蘇に身体を馴染ませていく。

一人旅をすることが多い私だけれど、こうして現地の人と交流をするというのは大きな意味があると感じる。ただ通り過ぎるだけの町も、誰かと少し話をするだけで、その土地に対する印象だったり思い出だったりがガラッと変わる。繋がりを持てる、と言うか所縁ができる、と言うか。結びとも言えるだろうか。もちろん景色を見る、空気を感じるだけでも十分に得るものがあるのだけれど。

さて、そろそろちゃんとした朝ご飯が必要と言うことでせっかくだから道の駅阿蘇で朝ご飯をいただくことに。
朝一だったから選び放題!阿蘇の野菜をふんだんに使ったお弁当や地元で作られたパン、絞りたての牛乳やそれを使ったプリンなどなど、地産地消の食べ物がずらりと揃っていて目移りしてしまう。

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選ばれのは阿蘇の赤牛丼でした。うまー!!!!
お肉が柔らかくってジューシーで味が濃くって・・・・赤身の旨味がぎゅっと濃縮されている感じ。
ミルクチーズプリンもいきなり団子も最高でした。ありがとう阿蘇の大自然。


まだ時間があると言うことで引き続き走ることに。 
せっかく阿蘇にいるのだから時間の許す限りあっちこっちの景色をこの目に焼き付けたい。
昨日、新幹線の中でツイッターを眺めているときにたまたま見かけた「仙酔峡」という場所に向かうことにした。
距離にして10km程度。ひたすら登るらしいけれど、この距離だったら12時までには帰ってこれるはず。
のどかな景色の中をゆっくりと走りながらそれらしい方向に進む。


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このカルデラ大地の中を走っていて気付いたことの一つに

「目的地が肉眼で見える」

というのがあって、景色の抜けが良すぎてだいたいの場所の位置関係とかアクセスとか所要時間が手に取るように分かる。スマホを取り出して地図を見る必要がない。
目の前の景色が全部、と言わんばかりの景色の良さに思わず笑みがこぼれてしまった。
天気も良いし風も少ない。
絶好のライド日和にこうして走ることができるなんて、、、なんて贅沢なんだろう。

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仙酔峡までのヒルクライムはそれはそれは不思議な道路で町から大して離れてもいないのに神秘的。荒廃的?侘しい感じがする。
他の場所で言うと恐山とか狼煙町のような最果て感のようなものがある。人工物は極端に少なく目の前の山は見たことのないような岩肌を曝け出している。火山活動が活発なのか見上げれば山頂付近は煙に包まれていて、ふと現れる看板を見るとその危険性を説明するものだった。

どんどん激しくなる勾配に腰を上げつつダンシングでごまかしごまかしで登っていく。何も急ぐ必要はないし、急に上がってきた気温のせいであまり踏み込むとオーバーヒートしそうだった。ゆっくりと景色を楽しみながら登ることに。ボトルの水がおいしい。そういえば阿蘇は水がおいしいと聞く。今回の旅のどこかでわき水でもいただきたいものだ・・・・・。
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仏舎利塔を横目に最後の登りセクションに突入!
斜度が一気に上がって15%程度、しかも路面が悪い!
トラクションに気をつけつつ、若干斜めになりながらじりじりじりじり登ってようやく到着仙酔峡。

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この廃れっぷり・・・・哀愁しか感じない。

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ロープウエイはその説明を見る必要もなく、明らかに営業停止していて、建物がどんどんと崩れて行ってるのが分かる。本当に不思議なもので建物って人が使わなくなるととたんに風化が進む。かつて栄えていた場所も必ず廃れ行く。そんな場所を全国各地でたくさん見てきた。盛者必衰の理をいやでも感じる。
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かつての遺構に思いをはせつつ周囲を散策していると風向きが変わったのか急に硫黄臭が強くなってきた。ふと見上げればさっきまで青空が広がっていたのに霞空。曇りになったのかと思いきやどうやら火口からの噴煙が影響しているようだった。
直接的な害はない程度だったけれど、あまり長居もしない方がいい・・・・。
ダウンヒルを開始した。

5分くらい下ったところで下から登ってくる自転車乗りがいた。
自転車乗り・・・・というか、服装を見るからにサイクリング?スニーカーにフラットペダル、ジーンズ・・・・でこんな場所に登るなんてやっぱり地元の人はすごいなあ!と思ってよく見ると・・・・

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あやね姉さん。通称姉さん、と言うことにしておこう。あやねえさん、と私は呼ぶことが多い。
実はお会いするのは3回目。
1回目は広島クリテリウムを観戦しに行ったときに会場で。
2回目はゾンビランドサガ聖地巡礼のために九州入りしたときに福岡空港横の牧野うどんで。
そして今回。
毎度毎度会う場所が違いすぎるけれどそれもそのはず、姉さんは全国各地に現れる旅人の一人で、隙間時間を上手に活用して色んな場所に訪れてはその土地の魅力に触れて自身の体験とし、自身の一部としているお人。なんともアクティブ!

何を隠そう今回のRIDEAIDinASOに参加するために福岡からやってきた模様。
いやそれにしてもそんなラフな感じで来るところじゃないぞ・・・という突っ込みをせざるを得ない。そして今回の旅で大変お世話になる人でもある。

姉さん「つむりさんと合流したら戻ろうと思ってたけど、なかなか来ないから登ってきた」
つむり「せっかくだしこのまま一番上まで行きましょう!」

まさかの仙酔峡ヒルクライムおかわり!w
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楽しい時間でした。


さて、時間も時間ということで道の駅阿蘇に舞い戻ることに。
そう、ようやくRIDEAIDinASOが本格的にスタートする。と言ってもこの日は一応前日のオプション的な位置づけで本番は明日なのだけれど、でも内容はかなり濃い。

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牧野ライドと名付けられた本プログラムは

①箱石峠をヒルクライムして
②牧野に着いたら昼食を食べて
③阿蘇くじゅうサイクルツアーさん主催のMTBトレイルライドを体験し
④おおやようこさんによるヨガレッスンを体験し
⑤つむりによるバイクパッキングキャンプ講座をする
⑥夜は「肉の軽木」さん主催のBBQ

という至れり尽くせりのプログラム。
コンテンツ力たかすぎい!!

参加者の皆さんとこうして顔を合わせるのは初めて。
のはずなんだけれど、なんだろうこのファミリー感は。本当にみんな初対面なのか?というくらいにはコミュニケーションが活発で私自身、色んな人との会話を楽しみつつ、一参加者として楽しんでしまった。スタート前からこの雰囲気・・・これは絶対に良いイベントだとこのタイミングで確信した。

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レースでもなければただのグランフォンドイベントでもない。
ただ純粋に自転車を通じて色んな楽しみ方を体験する。
共通認識のもとに集まったメンバーだったからこそこの空気感だったんだろう。
もちろんその根底には阿蘇に対する愛もある。それはものすごく感じた。私もそれに触れて感化されたのだと思う。阿蘇という地域そのものに対しての興味がものすごく沸いてきてしまった。

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細かいグループ分けを行ってそれぞれにサポートライダーがしっかりと付いて、さらにはサポートカーや回収車、メカニックも随伴するという手厚いライド。
これなら初心者だって間違いなく安心して走ることができる。
運営の手際の良さにも思わず感動してしまった。ものすごくよく考えられている・・・・!
私もサポートカーに牧野で使うであろうスニーカーやウインドブレーカー、その他貴重品などを預けて走らせてもらえた。ストレスフリー!

そしていよいよスタート。
さあ、今日は知るルートは私自身、今まで走ったことがないルート。
いったいどんな景色が待っているんだろう。

つづく。

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