【広島】ちょっと自転車で似島サイクリングしてきた【瀬戸内の知られざる孤島】
自転車, 写真, 1day, アウトドア, 島旅, 山陽,特に用事はなかった。
久しぶりに家でゆっくりしようと思っていたけれど、窓から見える外の空があまりにも青くて家にいるのがもったいないと感じた。
海が見たい。
そう思った私はとりあえず着替えてカメラを背負い、自転車を用意して玄関を飛び出した。
向かうのは広島宇品港。
広島市内から15分とかからない港でとりあえずそこに行けばたくさんフェリーが出ている。
晴天の広島市内を走る。
宇品港に着く前にお気に入りのパン屋さんに立ち寄ることに。
朝ごはんを食べずに飛び出したからとりあえずここで朝ご飯ゲット。
クロワッサン、塩パン、キノコのフォカッチャをいただくなど。
宇品港に到着。
とりあえずフェリーターミナルに入りフェリーの時刻表とにらめっこした。
せっかくここまできたら島に行きたい。
というわけで良さそうな島を探していると身に付いたのが似島。
ここから1番近い島でフェリー乗り場から島が肉眼でも確認できる。
所要時間は20分ほどと言うことでふらっと行くにはちょうど良い。
調べてみると似島は一応広島市内に該当するらしい。
つまり似島の人も「私は市内に住んでるよ!」と言えるということだ・・・・!
人口は800人弱、500世帯ほど。
面積は3.87平方キロメートルでとにかく小さい。
ただ島の北側にそびえる安芸小富士と呼ばれる山があり、広島の市街地からもよく見えるから、その存在感は日常的にも感じることができる。
そもそも似島という名前も「富士山に似た山のある島」というところから来ている、と言われているので安芸小富士という名称も納得。
ちなみにここ似島は日本におけるバウムクーヘン発祥の地と言われているそう。
第一次世界大戦中に捕虜となったドイツ人がここで故郷のお菓子であるバウムクーヘンを焼いたのが始まりなのだとか。なんとも優雅な捕虜だ。
チケットを買おうとしたけれどどうやら船の中でお金を支払う仕組みのようだ。
桟橋を見るとちょうどフェリーが入港していたから、迷わず乗船!
そのタイミングで来ている船に乗る。これくらいの緩さがこの日の私にはちょうど良かった。
瀬戸内海を旅しているとこうしてフェリーに乗り込む機会が多いけれどこの瞬間は何度乗ってもテンションが上がる!
船に乗り込むや否や汽笛を鳴らして出航した。
わずか20分の船旅だったけれどとりあえず朝ごはんをいただくことに。
出来立てのパンとコーヒーをいただいているだけで癒された気分に。
我ながら安上がり。
青空の青さがたまらない。
水面がキラキラしてさ。
ソーラーパネル付きの灯台とは珍しい。
フェリーの甲板から眺める広島市内の街並みと山と海のパノラマが大好きだ。
三者三様。
本当にわずか20分でフェリーは似島に到着した。
さて前情報が全くないけれどフェリーの中で調べた限り島を1周するのにはたったの12キロ位。
それに外周部をきれいに道路が走っているようだったから何も調べる必要は無い。
ゆるい。
港にあるめちゃくちゃ雰囲気のあるコーヒーハウス。
室内からは壁越しにカラオケをしている様子が聞こえてきた。
とりあえずフェリー乗り場を降りて左方向に走ることにした。
下を走る時はとりあえず時計回りと言うのがセオリーだ。
少しばかり走ってわかったけれど一切車が来ない。
そもそもの交通量が少ないと言うのもあるけれど道路が狭くて道が曲がりくねっていて物理的に車が通れるような道ではない。
ということでライドに集中することができる!
対向車を気にする必要もないし後から迫りくる車もない。
信号もなければ民家もないし何も気にする必要がない。
鳥。
ひたすらこんな道が続くのだからたまらない。
そしてこの海の美しさ。
透明度の高さに注目。
つまり自転車貸切状態。
ここまでのんびり走ることができる道は久しぶりだ。
思わずテンションが上がる!と言うよりはひたすら無心で走ることができる感じ。
時折写真を撮りながらひたすら広がる青い景色に心奪われた。
はっきり言って見所は限りなく少ない。
観光客を呼び込むような資源もなく、ただひたすらに静かでのどかな道が続くばかり。
だからこそ惹かれるのだろうか。気づいたらただ走っていただけだけどこの島のことが好きになった。
朽ちる、散る。
一体いつから放置されているんだろう・・・・・。
時折道路状況が悪いところもある。
ただこの日はゆっくり走ると決めていたこともあってグラベルロードバイクであるGTのGRADEカーボン。
35cタイヤとカーボンフレーム、さらにはサスペンションステム搭載で乗り心地は抜群。
多少の段差やギャップがあっても何も気にならない。
この島を走るならロードバイクと言うよりはマウンテンバイクや折りたたみ自転車、クロスバイクで十分だと思う。
漁船の佇むさまも絵になる。瀬戸内ならではの海の穏やかさに心癒される。
貝殻パンクに注意。
この日はマムートのストレッチパンツに、
コロンビアのロングTシャツ、
マウンテンイクイップメントのベスト、
コロンビアのハット、
そしてサコッシュ装備。
冬場にしては暖かかった。
多少のアップダウンはあるけれどほとんど無視できるレベルで体力を使う必要全くない。
急ぐ気にもなれないしただひたすらマイペース。
本当に気づいたときには1周していて出発した港が見えた時は正直びっくりした。
えっ、もう到着したの
と一人つぶやいてしまった。
写真を撮りながら一周するのにかかった時間は1時間半程度。
走ってみてわかったのだけれどこの島には本当に
信号機が一つも設置されていない。
天国か。
16時のフェリーに乗るつもりだったけれど結局14時半のフェリーに乗ることができた。
フェリー出発まで時間を潰すために路地裏を散策していると猫が登場。
あー!お客様!いけません!!
ああ〜〜〜!そこは!お客様〜〜〜〜〜!!!
なんかよくわからないまま猫の隠れ家に連れて行かれました。
いやそんな顔で見られても。
帰りのフェリーの中でお菓子でも食べようと島内唯一と言っても良さそうな商店に入ったけれど
お店の人が気持ち良さそうに寝ていて
「これは起こしたら悪いな」
と思って何も買わずに出た。流石に寝ているのはちょっと困ったけれどこれくらいの緩さが現代人には必要だと思う。
以上、似島。
ルートを事前に調べる必要もなく装備も何も気にする必要がない。
広島市内からアクセス抜群の16時のフェリーに乗るつもりだったけれど結局14時半のフェリーに乗ることができた。
あえて注意するとすればご飯を食べられる場所が一切ない。
補給食をゲットできる場所もない。
ご飯は事前に食べてくるか買い込んでくることをお勧めする。
ハンガーノックになるような強度では走らないと思うけれど・・・・。
今、帰りのフェリーの甲板でこの記事を書いている。
今日は、静かな一日だった。
さて・・・・帰ってゆっくりとコーヒーでも飲もう。