【静岡】大井川鐵道でSL蒸気機関車に乗って来た話【寸又峡温泉】
写真, 機材紹介, 東海,
SL蒸気機関車ってば展示車両だとか写真では何度も見たことがあったけれど
実際に走っているところを見たことがなかったし
ましてや乗ったことなんてなかった。
そんな折、静岡の大井川鐵道というところで
今でも日常的にSLが走っているという情報をとある雑誌のページで見た。
調べてみると新幹線で浜松駅まで行き、在来線に乗り換えて、金谷駅というところから大井川鐵道に乗り継ぐことができるらしい。
乗り換え回数が多いし時刻表的な下調べは必要だったけれど、意外と簡単に行けると感じた。
というのも今回は自転車なし。鉄道旅。装備と呼べるほどのもの要らない。
カメラとスマホと財布だけあればOK。
というわけで金谷駅に降り立った。
今回の旅程は
写真,
機材紹介,
東海,
新大阪駅→(新幹線)→浜松駅→(在来線)→金谷駅→(大井川鐵道)→新金谷駅→(SL機関車乗車)→千頭駅→(バス)→寸又峡温泉→(バス)→奥泉駅→(アプトライン)→
いきなりの衝撃的富士山。
まさかここから見られるとは思っていなかったのでテンション上がらざるを得ない。
関西民だからね、富士山見えるだけでテンション上がるのは仕方ない。
関東の人と話をしていると割と色んな所から見えるらしいから羨ましい。
レトロの極みみたいな古い古い車両に乗って新金谷駅へ。
ちなみに今回は2日間大井川鐵道フリーチケットを購入したので区間乗り放題。
あとで計算したけれど、これ、めっちゃお得な切符ということが分かった。買わない手はない。
新金谷駅ではちょうどSLフェスタなるものが開催されていて、家族連れがたくさんいた。
そのおかげか色んな車両が集まっていて、鉄道に詳しくない私でも楽しめる雰囲気。
きっと貴重な車両展示もあったのだろう、鉄道好き写真家の姿もちらほら目立つ。
そんな時、ちょうど
「ポォオオオオオオオオオオオオオオ!!」
という特徴的な音を立てながらSLが走って来た!
動輪を豪快に動かしながら鉄の塊が走る様は・・・・ロマンの塊。
なんというか乗り物を動かすには動力が必要という当たり前のことを
ひしひしと再認識させられる。
音も見た目も匂いも全部がカッコいい。今からこれに乗るのだから、たまらない!
ちなみにSLの予約は簡単でホームページから空いている日程を確認して電話もしくはメールで申し込むだけ。今回は往路は日曜日、復路は月曜日だったけれど、どちらも問題なく予約が取れた。
意外と空きがあるというか、地名度が低いのか・・・・?
観光的には大いに魅力的なんだけれど、どうなんだろう。
青空に映える鉄塊。
客室はレトロそのものでまるで昭和時代にタイプスリップしたかのよう。
外の景色を見ようと窓をあげようとすると建て付けが悪くてなかなかサッシが動かない。
トイレは水洗式じゃないし、座席もふわふわというわけじゃない。
けれど、現代鉄道のような電光掲示板もディスプレイもない。
見たくもないのに目に入ってくる広告もなければ、忙しい車内放送もない。
旅をしているという感覚がふつふつと湧き上がってくる。1時間半の旅。
車窓からの外を眺めていると本当にびっくりするくらいたくさんの茶畑をみる。
「隙あらば茶畑」と何度奥さんと確認しあったか分からない。
本当にちょっとの空き地があればすかさず茶畑を差し込んでくる。民家の裏とか遊んでいる斜面とか。
ちなみに茶畑の中からこちらを撮影しているカメラマンの姿も目立った。
茶畑、SL蒸気機関車、青空、確かに被写体としては申し分ない。
それに応えるように、運転手も汽笛を鳴らす。
景色の良い所、手を振っている人がいる所、カメラマンがいる所、
そういうところで汽笛でコミュニケーションを取っていた。ローカル感が、たまんない。
もちろん車内では駅弁と自分で揉んで淹れるお茶をいただいた。
一品一品派手さはないけれど、意味のある味付けがされていて美味しい。
車窓からの景色を眺めながらのお弁当の良さと言ったら!
SL鉄道は乗って楽しいけれど、美しさで言えば走っている姿こそだろう。
沿線沿いでは色んな人がいろんなところから手を振っていたのが印象的だった。道路沿いはもちろん
川辺で遊ぶ人々や
つり橋を渡るご夫婦までみんな手を振っていた。
ふと九州新幹線全線開業記念に作られたあのCMを思い出した。
今まで見たCMの中であれが一番好き。
私自身、自転車で旅をするにあたって九州新幹線の開通は本当に嬉しかった。
ありがとうという気持ちをあそこまで表現し切ったのは素直に凄いと思った。
1時間半の旅を終えて千頭駅に到着した。
動力室を見せてくれた。この距離でも熱が伝わってくる。
床には石炭が転がっていて、色んなところが水浸しだった。
圧力計やらバルブやらピストンやら色んなものが剥き出しの構造に痺れるぅ!
良い旅でした。
さて、寸又峡温泉まではここからバスで移動。
正直、この区間ほど自分の車で運転したくないと思った道路は徳島の剣山スーパー林道以来だった。
ここは座席から運転手さんのハンドルさばきを眺めるというある種のアトラクションだと思う。
渓谷沿いの細い道を草木枝こすりながら、時には対向車とすれ違いながら、どんどん山を登っていく。
この辺りは大雨なんかで少しでも道路が崩れたら即陸の孤島だろう。下手したら帰れなくなるかも・・・・といらぬ心配を他所にバスは寸又峡温泉まで無事に走り抜けた。
夕暮れ時までまだ時間があったから千頭森林鉄道沿いに散策。
渓谷沿いの景色は遠くまできたことを実感するスケール感。
思えば大阪からここまで新幹線、電車、SL蒸気機関車、バス、徒歩を駆使してやって来た。
日本の交通網に感謝するばかり。
温泉街というにはあまりにこじんまりとしている寸又峡温泉の夜。
ちなみに泉質は和歌山県の龍神温泉に次ぐトロトロ具合でした。
翌日は再び例のバスに乗り込んで奥泉駅へ。
ここから南アルプスあぷとラインに乗車して、さらに北上。
終点の井川駅まで行ってそこからバスで静岡駅に帰るというプランもあったけれど
せっかくならもう一度SLに乗りたかったので大井川湖上駅で降りて接岨峡温泉駅まで歩いて折り返し乗車するコース。
概略図。
駅での待ち時間を含めて鉄道旅。
平日朝の山間部の駅ということで、渋滞?混雑?遠い世界のことのよう。
ちなみにめっちゃ寒い。
やって来ました。これまたレトロな車両。
台形の顔した先頭車両、めっちゃ可愛くないですか?
車窓からの眺めがパーフェクト。
スイスのツェルマットまで伸びるスイス国鉄山岳鉄道を思い出す。
日本の車窓も負けてない!
湖上駅で降りて橋沿いに歩いて山をぐるっと回ってこのアングルから写真を撮るだけの簡単なお仕事。
真ん中の島みたいなところに駅があって、橋の脇に歩行者用通路がある。ロケーション的に国内有数の秘境駅と言っていい。
現在地から接岨峡温泉駅までは歩いて3kmほど。
静岡のスケール感を改めさせられう景色の中を歩いて移動していく。
帰りのSLまで時間があったので途中下車して長島ダムを見学しにいくことに。
この長島ダム、ダムマニアの間でも一目置かれる要素が数多いらしく
この美しいデザインもその一つなのだとか。
確かに美しい。シンメトリーデザイン。
ダム本体だけじゃなく周辺の道路や公園、柵、橋に至るまで考え抜かれているのだとか。
スケール感、狂う。
この階段がもうめっちゃトレーニング。
おおよそ7〜80mを一気に降りる。反対側から登る。
ちなみに階段を降りると迎えてくれるのが
旧大井鉄道が走っていた線路後のトンネル。
かつてはこの高さを鉄道が走っていた。ということは生活基盤もこの高さにあったということ。
でも振り返れば目の前には巨大なダムがあって、向こう側は湖の底。
ということから、かつての集落や線路は今はダム湖の底というのが、ここを訪れて直感的にわかった。
大自然の風景を楽しんでいると突如現れるこの長島ダム。
鐵道旅の良いアクセントとなっていると思う。
せめてレストランとか展望台とかもう少し手を加えれば良い観光資源になると思うのだけれど・・・・。
帰りは再びあぷとラインで千頭駅まで行き、そこからSLに乗り換えて新金谷駅まで。
2回目の乗車ということで心に余裕を持った状態で鉄道を満喫することができた。
帰りは浜松に立ち寄って美味しいうなぎもいただきました。
静岡県の隠れた名所、大井川鐵道。
良い旅でした。
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