【房総半島ツーリング】灼熱と向かい風の外房愚直ダッシュ 館山→勝浦→銚子
自転車, 写真, 機材紹介, ロングライド, 関東, カメラ,知らない天井だ。
目が覚めて、身体を起こし、あたりを見回す。
目についたのはいつもより少し硬い布団、カーテンの隙間から差し込む光、壁側に干してあるウエア。
・・・・耳をすませることもなく、波の音がする。
房総半島の・・・・なんて名前だったか・・・・・
確か、そう、館山だ。

いよいよ外房を本格的に走る日が訪れた!
前日の晩御飯の残り丼をかきこんで、ヨーグルトとバナナを食べて、いつもの様に身体と頭を呼び起こす。朝ごはんは大事。特に今日みたいなツーリングの中日で200km近く走る日は・・・・。
水もたっぷりと飲んだ。少なくとも1リットルくらいは溜め込んだと思う。これを少なからず貯金とし、午前中のうちにある程度距離を稼ぎたいと考えていた。
房総半島を走るだけならここからそのまま勝浦方面に向かって走ればいい。
ただ私の今回の目的は「房総半島をなぞること」
私にしては珍しい。割と旅をしているときはあっさりしているところもあると思ってる。
例えば前半で満足してしまったら帰りはサクッと輪行で帰ったりするし、
似た様な景色が続くと分かっていたらショートカットすることも多い。
ただ今回は違う。
走ることが目的というのは神楽坂つむり的には滅多にない。
県道257号線沿いを走り綺麗に房総半島をなぞる。
ちなみにさっきのショートカットを発動すれば50kmは短縮できる計算だった。
一瞬、心が揺らいだ。
けれどすぐに分岐点を意識的に直進した。こんなところで楽してどうする。疲れたところで寝たら快復するんだから、行けるときに行かないと。しない後悔よりする後悔。
海沿いを快調に飛ばす。
いきなりの向かい風だったから無理せずに25km/h程度で走る。
無理しないというのが私のスタイルの一つ。
うーんと、少し違うかな。
無理するところは無理するけれど、そうじゃないときは徹底的に無理をしない。
遊ぶときは全力で遊ぶ的な。メリハリが大事ということ。
灯台ハントが大好きな私は昨日に引き続きこの日も素晴らしい灯台に出会うことができた。
館山から30分くらいのところにある洲埼灯台。
もうこのアングルで鼻血モノですよね。
しかも灯台に至るまでの道も・・・
美しい。。
ロケーションが最高。灯台の楽しみ方ってたくさんあるけれど、そのうちの一つに「ロケーション」が間違いなくある。港町の桟橋に佇む小さなものから、ダイナミックな岬の先端に立つ威風堂々としたものまで、日本全国4千基それぞれに違いがあるけれど、ここ洲埼灯台はかなり好きな部類。
時間の流れと自然の雄大さとどこか侘しいところと・・・
そういうバランスが絶妙。
灯台そのものも素晴らしい。
青空に栄える青。灯台はね、やっぱり白なんですよ。
風見鶏っていうのもまた古風で良い。意外と少ないんですよ、風見鶏を冠した灯台って。
千葉限定コカコーラで乾杯。
夏の朝の軽い運動の後のコーラはさいっっっっっっっっっっこうに美味しいって分かる人には分かるはず!!
ちなみのこの日も猛暑日。
最高気温は35度。
まだ9時前だというのにこの時私はもう汗だくだった。先が思いやられる。
再び県道257号線に戻る。
ちなみにこの道、「南房フラワーライン」という名前が付いている。
こういう名前付きの道って大抵まあ景色が良かったり走り易かったりするもので、ここも例に漏れない。
日本の道百選だとかそういうのにも選ばれているって道端の看板に書いてあった。
「日本の〇〇 □□選」という類のものは日本全国旅していると本当によく目にする。
なんでこんなに多いんだろう。
日本だけ?海外でもあるんだろうか。
あると思うけれど、程度には差がある気がする。一体誰が作ったんだろう。なんたら教会とか団体とかそういう主目的と資金が謎の集まりがきっとあって、厳正で主観的な判断のもとに決められているに違いない。
まあ、でも、この道、実際に・・・・・
めっちゃいいです、ハイ。
というか千葉にこんな良い景色があるなんて私、知りませんでした。
千葉の人からも同じことを言われたので、みんなもっと千葉のことをよく知って!!!!
走れば分かります。走らないと、わからない。
なんというか
南国です。
あと強いていうなら
めっちゃ砂です。
至るところに砂が浮いてる。風も強いからきっと飛ばされてくるんだろう。
支障があるかというとそうでもなくって、何せほとんど平坦で直線だから、特にタイヤのグリップを失って落車するとかそういうことには繋がらない。
ただ一日中走って宿に着く頃には身体中が汗と砂で大変なことになってしまった。
機材にも優しくはないかもしれないけれど、今更そんなことを気にする私じゃない'`,、('∀`) '`,、
さらに進んでたどり着くのは野島崎灯台。
白浜って聞くと和歌山を思い出す。
そしてふと思う。
千葉って和歌山に似てるなあ、と。
千葉県走ってて感じる和歌山との共通点
・まず半島
・都会から程よく近い
・右手に外洋、左手には山
・海沿いのアップダウン
・とトンネル地獄
・やたらとサーファーがいる
・クジラ推し
・勝浦という名前の町がある
ということをつぶやくと、やはり有識者さんたちからのリプライで、また脳のシワが一つ増えた。
SNSで知ったことって一体どれだけあるんだろう。数えられない。17世紀に関東の漁業技術は遅れていたので、先進地域の紀州のビシマなどを使う漁師を大挙移住させたらしいですね。捕鯨も和田町を中心に免許がありましたし。DNAのハログループ的にも鹿児島〜高知〜和歌山〜千葉は南方系の遺伝子があります。
— あきばっくす (@akibax) 2018年8月27日
ここは鳥居と灯台をまとめて拝むことができる珍しい灯台。
1870年初店頭と歴史も古いし、日本でも実はそんなに多くない、「登れる灯台」の一つ。
房総半島最南端の碑もあるよ、ということで房総半島ツーリングでは欠かせないスポット。
ここで再び水分補給。
缶ジュースを買って、両手で持って手を冷やす。
熱中症対策に有効なのがこの手を冷ますという行為。
首筋や脇の下を冷やすのもいいけれど、身体の末端部分を冷やすのもかなり大事で、これは寒いときに身体を温めるために末端を保護するのと同様の理屈。
冷えた血流が身体の芯に戻る際にいい具合に冷却してくれる。
缶ジュースを3分握っているだけで全然違うから是非試してみてほしい。
そして最後にはドクぺ一気飲み。
エンジン再点火。ここからは右手に海を見つつひたすら北上。
この辺りから、いよいよ始まってしまった。
向かい風と灼熱地獄。
景色は素晴らしいんだよなあ・・・・・・
くじら推しなところなんてまさに和歌山県、太地町みたい。
あまりの向かい風にたまにこうして振り返って写真を撮って誤魔化す。
単独で外房の向かい風地獄を200km走るということは言葉で書くと簡単だけれど、実際に走ると結構辛い'`,、('∀`) '`,、
そして到着勝浦の町!
も〜〜〜〜〜お腹すいた!喉乾いた!疲れた!
ということでご飯ご飯。
なんでも聞くところによると海鮮物が美味しいらしい。特にカツオが美味しいらしい。
漁港をブラブラしながらお店を物色。
魚いるぞ〜〜〜〜〜
これは期待が高まる。
一通り町を一周して目星をつけたお店に入ってみる。
「まるろ」さんという地魚レストラン。
席に案内されて壁にかかったメニューから一番オーソドックスな刺身定食を選んで注文。
待っているだけでお腹が鳴っている・・・・
もう少し待て私のお腹。もうすぐ、もうすぐだ・・・・・!!!
そして運ばれてきました刺身定食。
あああああああああああああああああああああああああ!!
\\\\ ٩( 'ω' )و ////
鯛、鰤、中トロ鮪、初鰹というラインナップ。
どれもこれも分厚く歯応えがあって噛めば噛むほど旨味が溢れてくる。
スーパーやその辺りの回転すし屋さんのネタとはレベルが違うやつ。
特にカツオの美味しさはもうわけがわからないよ!!!
もしかすると高知や枕崎で食べた以上の美味しさかもしれない。
当たりだ、大当たりだ。
出て行く頃には入り口の札は準備中になっていた。
13〜14時ともなるとネタがなくなるところが多いみたい。
たっぷりと補給をしたところで再スタート。
実はまだまだたっぷり100km残ってる。
この時にゴール地点は銚子に決めた。
昨日と同様に辿り着く町が決まったところで、お宿も調べて確保。
さあ、これであとは走り切るだけだ。
地獄の始まりだ・・・・・
気温は35度。
容赦ない。
遮蔽物の一切ない九十九里浜沿いの道を・・・・
超絶向かい風の中ラスト100km愚直走り
「ああ〜〜〜〜〜もお!!」と思わず一人で叫んでしまう。
省エネ走りなら20km/h、踏んで体力消耗して25km/h程度しか出ない。
少し風が強くなったらそこからさらに落ちる。
基本的に一切、風が途切れることはない。
ただひたすらに吹き続ける。終わらない。
ご褒美のない登りが延々と続くようなものだった。
耐風姿勢で下ハンを握って肘を曲げてひたすら耐える。耐える。耐える。
これが4時間も続くのかと思うと逆走したくなる。
しても仕方ないけれど。
(追い風だったら40km/h巡航楽勝なんだろうなあ・・・・・)
これは読めないし書けない()
あまりに進まないからとりあえず名物らしい蛤ラーメン食べる。塩味が沁みる… pic.twitter.com/hxv4IH9bTV
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) 2018年8月27日
ラーメンとコーラを補給したら大抵の辛さは快復する単純な身体で良かった'`,、('∀`) '`,、
元気が出てきたぞ!!!
日本唯一!と言われてもそんなに惹かれないやつ。
いやあまるで北海道。千葉も結構試される大地してると思う。
途中、海沿いにサイクリングロードがあったから走って見た。
まあ5秒で引き返したよね。
もう風、強すぎて。分かってたよ。でももしかするとっていう淡い期待があったんだよ。
(ついでに言うと砂が凄かった)
そうこうしているうちに陽が沈んできてちょっと焦る私。
夏の間ほとんど西日本でツーリングしていたから、日の入り時刻が関東よりもうんと長かった。
熊本や長崎を走っている時と比べたら季節的なギャップも含めて1時間程度の差があるんじゃないだろうか。
実際に千葉と長崎なら30分強の差がある。
予想以上に早い斜陽。明るいうちには銚子にたどり着きたい。
ラスト20kmは思いっきり踏む!踏む!(それでも28kmが限界)
犬吠埼着いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) 2018年8月27日
ラスト100kmずっと向かい風だった() pic.twitter.com/oSAEpoZIwm
なんとかギリギリ暗くなる前に到着!!!
やったぜ房総半島実質クリアー💪( ¨̮ 💪)ソエエエエ!!
犬吠崎灯台。
ここも灯台ハントとしては絶対に訪れておかなければならない灯台のうちの一つだったから素直に嬉しい。
ここは何と言ってもレンズの美しさ、特に夜、暗くなってからの美しさはちょっと別格。
暗くなるまでずっと見惚れていた。
ずっと見ていられるけれど、流石にちゃんとご飯とお風呂とお宿にチェックインをしないといけない。
昨日に続き月がとんでもなく明るい夜だった。
お宿にチェックインしてから温泉とご飯についてオススメの場所を聞いてから街に繰り出す。
こう言うやりとりにもすっかりと慣れてしまった私である。
そしてお宿の人と話すこの時間が結構好きだったりする。
ガイドブックにもネットにも載っていない質も量もダントツの情報を仕入れる事が出来る。
特にこう言う民宿だとなおさら。
犬吠崎ホテルで最高の露天風呂をいただいて・・・・
島武水産さんで煮魚天ぷら定食をいただいた。
もう大満足だ。お腹いっぱいだ。今日という一日は!
お宿に帰ってからの記憶はもうあまり残ってない。
ベッドに横たわって眠りにつくまで1分とかからなかった。
これで千葉を制覇したも同然だった。
さあ、明日はどうしようか・・・・
あまり予定が決まっていない。
まあ今日は疲れた。
窓の外で風が吹いている。少し空気が揺れている。
長い長い良い一日だった。
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