【キャノンボール】ちょっと下関から大阪まで自転車で走ってきた 国道2号線 実装録【530km】
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関門トンネルを13時にスタート!
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ここからひたすら東に進めば大阪に帰ることができる。
シンプルだ。
何も難しいことじゃない。(と言い聞かせる)
ちなみに関門トンネルではちょっとしたオフ会騒ぎになってしまった。
いや、九州~山口界隈のフォロワーさん、キャラ濃すぎでしょ'`,、('∀`) '`,、
差し入れもたくさんいただいて、恐縮。
しかも超実践的というか、実用的というか。
コーヒーもご馳走様でした。
お話をしているうちに急にこれから大阪まで走るんだという実感が沸いてきた。
儀式的な意味で、大変有意義な時間だった。
その中のお一人、ぷにぽんさんにそのときのことを記事にしていただきました。
記事内では書かれていないけれど、わざわざ萩から来てくださったことに圧倒的感謝。
いやいや結構遠いですよ萩。
(by ぷにぽんさん)
九州と本州を繋ぐ関門海峡の大橋。
自転車と歩行者は海底トンネルを渡ることになる。
超長距離になると距離に対する考え方というものが通常のロングライドとは変わってくる。
よく「走っている間、何を考えてるの?」という質問を受けるけれど、キャノンボールのときはたいてい、達成するために必要なことを頭の中で計算をし続けている。
具体的にはこれまでのペース、体力の残り具合、残りの距離と、そこから導かれる残り時間、それを踏まえて再度ペースの修正・・・・というのを繰り返している。
最近の自動車に乗るとリアルタイムに燃費計算ができて、残り何キロメートル走ることができるかが表示されるようになっている。
なるほど自転車だったら感覚で分かることだけれど、確かにエンジンがその名のとおりエンジンである車だと機械に頼らざるを得ないんだなあ、とか考えながら運転していたり。
キャノンボールは結局のところセルフマネジメントが最も重要で、プラス実力が伴ってさえくれれば成功できるというのが過去の経験から導ける答えのひとつ。
最初の100kmというのは完全にウォーミングアップと思って走る。
身体の調子は可もなく不可もなく。
つまりベストコンディション。
タイムや距離にチャレンジするライドではメリもハリもないほうが楽だ。
アベレージ走行をしやすい。
バイパスだけれど自転車走れる区間が結構長くっておかげで順調。
ここで思ったのが山口県って長いなあということ。
防府あたりまでは快走路が続き、ペースも35~40km/h程度を維持することができた。
信号もほぼないし、着実に距離を稼ぐことができる。
「ここで貯金を作っておこう」
そう決めてある程度体力を犠牲にしてでもタイムを稼ぐことにした。
キャノンボールをするときには調子が良いときに投資をするようにしている。
掛け率が良いからだ。
不調のときに体力を使っても得られる成果は少ない。
調子云々を抜きにしてアップダウンで考えると分かりやすいかもしれない。
登りで頑張ったところで、得られるタイムというのが限りがある。
けれど下りはただ単に惰性で下るのと、最初の10秒踏んで踏んで一気に速度域を上げてから惰性で下るのでは、大きな差が生まれる。距離が長ければ長いほどその差は大きくなる。
信号のない直線、下り基調、追い風・・・・
こういったプラス補正が働くシチュエーションこそ体力の使いどころだ。
逆に信号の多い街中、のぼり、向かい風・・・・
こんなシチュエーションでは頑張ったところで得られる成果は少ない。
逆にいれば多少さぼったところで失うものも少ない。
というわけでこういうとき私は体力を温存することにしている。
ここで体力を使ってしまってプラス補正のシチュエーションで使うべき体力がなくなってしまっては元も子もない。
資産運用、投資と似たような話かもしれない。
広島の青看板が出てから実際に県境に到達するまでに6時間近くかかってしまった。
防府伊東は多少バイパス回避にてこずったものの、想定内で収めることができた。
次走るときは15分くらい短縮できると思う。
最初は誤植かと思ったけれど、どうやら方言らしい。
「幸せます」
欽明路道路を抜けて岩国に至る。
このときにはもうすでに真っ暗だったため、錦帯橋もパスすることに。
慣れない道路での夜のダウンヒルだったけれど、路面は悪くないし、車も流れていたので快適だった。
広島県廿日市に入ってからは一気に交通量・信号が増えたため体力温存モードに。
信号待ちではストレッチをはさんで身体が凝り固まるのを防ぐ。
山口県のあまりの長さに県境で写真を撮ってしまった。広島IN。
トータルタイム5時間36分。
走行距離147km。
グロス26.1km/h。
獲得標高1,135m。
路面電車の多さに改めて驚かされる。
広電は慣れてしまえば使い勝手が良い。市内一律料金だし本数は多いし。
旭橋を越えて10分ほど走ると市内を抜けて川沿いの山間部道路へ。
ここからはゆるいゆるい登り基調。
路面もきれいじゃないし、ペースは下がり過ぎない程度に維持、という気持ちでマネジメント。
200km。まだ疲れる距離じゃない。
道中、コンビニでトイレ休憩だけ挟んで三原~竹原の山岳地帯へ。
ここでは国道2号線を回避して山陽本線沿いの道路を選択。
交通量が少なそうだし、一本道で分かりやすいそうだったので。
予想通り、全体を通して大変快適な道だったのだけれど、一箇所だけ道を間違えてしまい、しかもそこが無駄に峠を上るか否かの分かれ道で、結局のところそこの選択を間違ってしまい200mほどの峠を意味なくヒルクライムしてしまった。
やれやれ。
竹原まであと15kmの看板が見えてあれ、おかしいな、竹原は掠めるだけで目的地ではないのにと思ってグーグルマップで確認して気づいた。
まあそもそも今回はGARMINにルートも入ってない。
青看板と過去の記憶だけを頼りに走っているのだ。
準備をろくにしていない時点でこういう事態を免れようというのがそもそもお粗末。
気を取り直してルートを補正し、無事に山岳地帯を抜けた。
暗い海の向こうに見慣れた工場地帯と島のシルエットが見えた。
尾道だ。
つまりここから250km程度。気づいたら全行程の半分を越えていたようだ。
出発時に買い込んだ+差し入れでいただいた補給食も底をついていたので、ここで初休憩を取ることに。
イートインのあるローソンで再度補給食をがっつり買い込んで、インスタントラーメンもいただく。
あたたかいスープが身にしみる。
時刻は0時30分。出発してから11時間半で280kmというのは悪くないペースだ!
ちょっとテンション上がる。
ふふふ。
尾道まで来たら大阪までの道は鮮明に分かる。
間違いようがない。
そもそもがシンプルな道が多い山陽沿い。
夜間で交通量も少ない、明るくなる前に岡山市内を抜けてしまいたい。
しっかりとご飯を食べたところで下がりかけていた集中力と体力もリセットされた。
もう半分というのは気持ち的に楽になれる。
調子がよければこのまま大阪までノンストップでいけるかもしれないけれど、後半はそうそう身体が許してくれないだろう。
眠気が来ることも想定して、稼げるうちに稼いでおくことにした。
福山、笠岡、金光あたりはバイパスを横目に突き進む。
信号が少なく比較的タイムを稼ぎやすい区間。
止まってしまうと凍えてしまいそうな気温だったのでちょうど良い。
気温は0度程度だったように思える。
雪が積もっていなかったのは本当によかった。それだけが心配だった。
岡山市内は想定どおり、明るくなる前に通過することができた。
時刻は4時。
出発してから15時間。360km。残り170km。
何もトラブルがなければ完走できる圏内に入ってきた。
むしろペースアップがかなえば21時間を切れるのでは、という期待があったけれど、たぶん信号のことを考えると厳しいだろう、と思える程度には体力面では問題がなさそうだった。
岡山まで来たらもう大阪はすぐ、という感覚だった。
瀬戸内海ツーリングや過去のキャノボ、ワンデイライドで何度も通ったことがある区間。
備前からの国道250号線を使ったショートカットなんか看板なしでもこなす自身があった。
良く晴れた夏の日なんかは最高に気持ちがよい区間だけれど、このときばかりは極寒のナイトライド。
マイナス3度まで気温が落ちていた。
止まったら筋肉がかたまってもう動けなくなってしまいそうだったので(あと眠気と)あえてここはペースアップ。一時的に40km/h近くまで巡航速度を引き上げた。
どうせ明石以降は信号が多くなって踏んでも踏まなくてもペースが変わらない。
実力で差が生まれるであろう明石までは踏み抜くことにした。
今年の体力は今年のうちに使い切ってしまおう。
赤穂を通過するあたりでようやく空が明るくなってきた。
夜を越えたんだ。
おおよそ12時間ぶりの明るさに思わずほっとしてしまう。
残り120km。時刻は6時。出発から17時間。
ここまで来たら到着予想もだいたい計算できる。
幸い、身体には痛みがなく、眠気以外特に問題はなかった。
「帰ったらあついシャワーを浴びて横になりたい。」
相生からは海沿いを避けて一瞬内陸部を通って、山陽網干あたりで再び海沿いへ。
年末だからか朝のラッシュもまったくなく、予想以上にスムーズに姫路を通過して加古川、明石とパシングできた。
ここまで来たらあとはウイニングランのようなもの!
体力を残しておく必要はない。もう踏めるだけ踏む!
信号待ち以外ではフルスロットルで行くことにした。
38km/hを維持できた。
時刻9時。三宮交差点を通過。
残り30km。
来た。
大阪市内の国道二号線。
帰って来た。感無量だ。
そして
ゴーーーーーーール!
走行距離 532km
トータルタイム 21時間35分
平均速度 25.21km/h
獲得標高 2,501m
13時に下関を出発して、10時35分に大阪梅田新道に到着することができた。
そして国道2号線走破!
ということで私の2017年の走り納めは終了。
フォロワーさん達の迎撃もしてもらって大変良い締めくくりとなった。
さて、来年はどこへ行こうか。
※12月30日に帰宅。見事に寝正月となりました。
おわり。
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