私、神楽坂つむりは自転車に出会い、この世界から抜け出せずにいた・・・!旅のこと、写真のこと、山のこと等を綴り連ねます。

TADA車クロモリオーダーバイク202号機について掘り下げる

2017年11月26日
TADAフレーム 3
新しいTADAクロモリロードバイクに乗り込んではや数ヶ月が経過した。 

初号機よりももっともっと自分なりのしたいことを詰め込んだこの2号機について、前回からの変更点とその結果について記そうと思う。

IMG_9172_20171126163552935.jpg 


備忘録であり、そしてクロモリロードバイクをオーダーしようと思っている人への何かしらのヒントになればこれ幸い。

さて、初号機とは明確な違いがある。
初号機は言ってしまえば「カーボンロードバイクに負けないクロモリロードバイク」に仕上がっていた。
IMG_0628.jpg 通常、クロモリロードバイクというと軽快性や反応ではカーボンに負けるけれど、しなりがあって快適性が高くロングライドに向いている― というような評価をされがちだ。
私はそれは合っているけれど合っていないと思う。


実際に私の初号機は圧倒的に軽く仕上がっていた。
それもそのはず、唯さんへのオーダーがそうだったから。

「僕の乗っているこのFELT F1とCOLNAGO C50の良いとこ取りみたいなバイクにしたいんです」

というのが私が最初に自転車工房ecoを訪れたときのオーダーだったと思う。
とどのつまりめちゃくちゃピーキーでレーシーでラグジュアリーなバイクを目指していて、実際にそうなった(実際にそうしてくれる唯さんの凄さについては後述したい)
もう少し具体的に言うと後三角はFELTの反応性を重視して、前三角~フロントフォーク周りはCOLNAGOの快適性を融合させたい、というオーダーだった。
私が乗っていたFELTは2009年モデルのF1SLチームイシューであり、当時のFELTと言えばジオメトリを見れば分かる通り、相当アグレッシブな設計をしていた。過渡期といってもいいくらいのチャレンジング精神でパラメーターでいうと決して綺麗なペンタゴンを描かない、突出した部分がたくさんあるようなメーカーだったと思う。
現にシートアングルは76~78度が当たり前であり、リアセンターの詰め具合も相当なものだった。
一言でいえば「暴れ馬」のような性格を持っていたのが当時のF1だった。

ただそんな暴れ馬に慣れてしまったのか、私はそれに快適性を見出しメインにひたすら走り続けた。
どれくらい走ったのかというと年間で1万5千キロ、総走行距離は7万キロに達していた。
FELT F1が私の自転車の乗り方に大きく影響したのは間違いないと言える。

他にもルイガノLGS-CTやFELT F5、ANCHOR RCP、BH PINOなどなど複数台のバイクを好きなように乗り回していた。
今思うといろんなフレームに乗ってきたのは、後々の財産になったと思う。

そんな折にCOLNAGO C50と出会った。
そしてそのラグジュアリー感に衝撃を受けた。
自転車はここまで快適に乗れるのかと驚いた。

そういうわけもあって、二台のエッセンスを取り入れたのが初号機だった。
「カーボンロードバイクに負けないクロモリロードバイク」
として乗り込んだ後に、新たなことに気が付いた。
それは
「クロモリらしさが・・・足りない・・・」
と。
そう、初号機は全くもって素晴らしくカーボンロードに負けないポテンシャルを持っていた反面、ややクロモリらしさに欠けていた。
これを具体的にいうのは難しいけれど、例えば山を登るとき、信号待ちからダッシュをかけるとき、曲がるとき・・・・
クイックすぎるというんだろうか、反応が良すぎるというんだろうか、狙い通りといえば狙い通りだったから不満というよりは「新たな発見」といったほうが正しいと思う。

「ファストロングライドではなく、速度や時間を気にしない、けれどちゃんと要求以上に走る本当の意味でのロングライド向きのクロモリロードバイク・・・それでいて洗練されていて気持ち良くていつまでも乗っていたくなるような・・・・。」

そんな我儘な子供のような妄想を抱きながら、唯さんのところに再度お邪魔したわけである。

IMG_1833-1.jpg 
さて、数字の話をする。
ヘッドチューブは12mm長くした。たかが12mm、されど12mmだ。
私にとってヘッドチューブとは短い方が良いに決まっていた。
それは私のフォームによるもので、それなりにロードポジションだ。ロングライドをするにしても落差が欲しいタイプ。ペダル、ハンドル、サドルのバランスがもっとも良いと感じるセッティングがあり、そのためにはハンドル(ブラケットポジション)を低く構える必要があった。
が、思いもよらない不都合が生じた。それはパッキングをする上でのスペースの問題だった。
ヘッドチューブが短すぎることで、ハンドルバッグは前タイヤに擦りそうになるし、フレームバッグはボトルケージに入れたボトルに干渉しそうになる。
これは由々しき問題で、バイクパッキング装備で走ることが多い私にとっては結構なストレスだった。ファストロングライドをしないのであれば、12mmの延長は許容範囲だ(ヘッドパーツやステムで調整することができた)

リアセンターは3mmほど長くして、シート角度も1度寝かせた。
これは直進安定性の確保とポジションの見直しの為だった。
前輪軸から後輪軸までのホイールベースが長くなれば直進安定性が良くなる。
今回は実は前フォークのオフセットも2mm伸ばし、トータルで5mm弱ホイールベースが長くなったことになる。
これは効果絶大で速度が乗ったときの無駄のなさ、ロスのなさを体感することができた。
クイックなバイクは操作性が良いけれどその反面、気を抜くと左右どちらかに曲がってしまうような感覚に陥る。
多少の時間なら良いけれどこれが数時間、あるいは十数時間と続くロングライドとなると結構なストレスで(当時は気付かなかったけれど乗り比べるとああ無理をしていたんだな、と気づかされた)集中力を削ってしまったり、やはりこれもストレスになりかねない。


自転車に乗る上でストレスというのは大敵
その中身は人による。
私が自転車を始めた頃はお尻の痛み、肩の凝りだった。その次が手の平の痺れ、足首の違和感。
その次が空腹との闘い、筋肉痛との闘い。
他にも機材に対するものだったり、ルートに対するもの、坂道に対するものだったり、風に対するものだったり色々ある。
そういうものを一つずつ原因を探って対策を講じ克服するという作業を繰り返してきた。突き詰めた結果の一つがこのホイールベースというわけだ。
思えば長い道のりだったけれど、自分で歩んできた道のりというのは決して嘘をつかないことを私は知っている。


シートステーには曲げ加工を施した。
これは興味本位が8割で見た目をエロくしたいという下心満載でのオーダーだった。
唯さん曰く「焼き入れパイプでこれ以上曲げようにも戻ってしまう」ということでそこそこの曲げで収めていただいた。
結果としては可もなく不可もなし。
と最初は思ったのだけれど、乗っているうちにその曲げによるしなやかさが生まれていることに気づいた。
路面からの衝撃がトントンっと軽くいなされているようなフィーリング。
やっぱりシートステーは重要だ!


さて、他にも細かいオーダーをしている。

今回の2号機をオーダーするにあたって一番初めにコンセプトを決めた。
大げさに聞こえるかもしれないけれど、大事だと思ったから。

コンセプトは「Simple & Refine」

きっかけは何を隠そうSRAM RED eTAPの登場だった。

「ワイヤレスコンポーネントがあれば、自分の理想のバイク設計ができる!」

発売が決定した時には本当に嬉しくて、その時点から2号機の設計についてあれこれ考える日々が始まった。

IMG_9142_20171126163547f71.jpg 

まずはワイヤレスコンポーネント専用設計。
一切のワイヤー受けを取り除いた。
ワイヤー受けは万が一折れようものならワイヤーを張ることすらできなくなるという点において地味に重要なパーツで、それなりの強度を求められる。
ゆえにそれなりの重量があり、それなりの存在感がある。
まずはこれを廃した。
そうすることでまず第一に見た目がこれ以上ないくらいスッキリとした。
最初は「あるべきものがない」ことに違和感があったけれど、慣れてしまえばむしろワイヤー受けがあるフレームに違和感が出るくらいだった。
とにかく見た目が美しい。
仕上がりを見たときには思わず恍惚としてしまった。

また、単純に重量を減らすことができるというメリットもある。ワイヤー受けをひとつ溶接するだけでも十数グラム増というのだから、フレーム重量比で考えると決して小さくない。
さらに唯さんに言われてなるほど!と感動したのが、ワイヤー受けを設置しないということはパイプに余計な手を加えなくて済むということで、つまりパイプ本来の性能をフルに発揮してくれるという実用的なメリットがあるということだった。

他にも
・チェーンフックを廃止
・チェーンステーブリッジを廃止
・ボトルケージ台座を極限まで下にして低重心化
・フォークはクロモリとは別にEASTON EC90を用意
・オフセットゼロシートポストで軽量化

といった要素を詰め込んでいる。


我儘をこれ以上ないくらい詰め込んだ甲斐もあって、その走りは筆舌に難い素晴らしさ!
初号機のような角が取れて丸みが出た。
鈍いというわけではなく、ナチュラルに私の足に反応してくれる。
それでいて伸びやかで、走りたい気持ちを静かに鼓舞してくれる。
「ああ、自転車って楽しい!」と思わず誰かに伝えたくなる、そんな自転車になった。


最後に、なぜクロモリロードバイクなのか。
改めて考え直してみた。

「性能でいえばカーボンの方が優れている」

は事実だけれど、真実ではないと私は思う。

「性能」って何だろう?

私にとって自転車に乗る上での性能というのは、決して軽いだとか速いだけではない。
もちろんそれらをないがしろにするつもりはない。
ロードバイクという乗り物は根源的に速さを正義としているし、その恩恵にはあやかっている。
けれど、もっと大事な要素がたくさんある。
それは乗り心地だったりシンクロ率だったり愛着だったり・・・・感覚的な要素がとても多い。
(私が理系的な話をするのが苦手なのは薄々感じていただいていると思う)

何故ならば。
何故ならば人が出発点だからだ。


掘り下げよう。


私がクロモリを選ぶ理由は「自転車が寄り添ってくれる感覚が好き」だから。

乗れば乗るほど思うのは自転車はどこまでいってもアナログな乗り物だということ。
動力が自分自身という点で他の乗り物とは決定的に異なる。
人がエンジンであり、人を効率よく進めるためにフレームがありペダルがありクランクがありチェーンがあり・・・そしてその成果はそっくりそのまま自分に返ってくる。

自転車を進めるために人が乗るのか。
人が進むために自転車があるのか。

私は後者だと思う。

そういった意味で自転車は人に寄り添う乗り物だと思う。
時には残酷なまでに。
身体が限界を迎えた時には一切走らない。
調子が良いと自分の限界を超えた走りを提供してくれる。
そしてクロモリロードバイクは驚くほど私に寄り添ってくれる。
ペダルを漕いでいるとどのパイプがどういう役割を担っているのかを体感することができる。
官能的といってもいい乗り心地の前では数値的なことなんかどうでもよく思えてくる。

ただその官能のベースには根拠となる確かな数値がある。
それを理解しているか否かで答えは変わってくる。
純粋な性能と嗜好性のせめぎ合い、そのバランスを突き詰めること、考え抜いて自分だけの答えに辿り着くこと、そこにオーダーバイクの醍醐味があると私は思う。
ああ、なんて贅沢な楽しみなんだろう。


ztZigyXt.jpg 

私が進むために。
旅をするために。
クロモリオーダーバイクは私に素晴らしく寄り添ってくれる。

Specialthanks:唯 陸男 自転車工房eco


       
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神楽坂つむり
Author: 神楽坂つむり






Comment(3)

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ゴン

初めてお送りさせていただきます

こんにちは。
ご相談があるのですが、私は来年から自転車で日本一周をするのですがオススメのロードバイクを教えてください。(クロモリフレーム)
ちなみに今のところTREKの520Diskを検討してます。
お返事お待ちしております。

2017/11/26 (Sun) 21:30

-

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2017/11/30 (Thu) 00:04

神楽坂つむり

>ゴンさん

> こんにちは。
> ご相談があるのですが、私は来年から自転車で日本一周をするのですがオススメのロードバイクを教えてください。(クロモリフレーム)
> ちなみに今のところTREKの520Diskを検討してます。
> お返事お待ちしております。

私が日本一周をするとしたら・・・・でなら答えられますが、他人のことだと正直難しいです。
・予算 ・行程 ・装備 ・荷物の量 ・宿泊スタイル
といった本当にいろんな要素を考慮して初めて候補があがります。
なので「日本一周にオススメ」と軽々と紹介するわけにはいきません。
私の提案を信じてしまって実はマッチしてなかったら・・・・と思うとなおさらです。

ちなみに私はまず見た目。次にタイヤ幅。ダボ穴がついているかどうか。が基準になります。
あとは予算に応じてお好みを・・・・。

2017/11/30 (Thu) 13:19
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