【知多半島 日間賀島〜篠島】島の表と裏の顔【折り畳み自転車旅】
島旅, 自転車, 写真, 1day, 東海,再び島内を巡ることにした。
まだ微妙に行けていない場所があったからだ。
さっきは右に分岐したところを左に行ってみる。
回り込んでこちらに繋がることを確認してみる。
これはまるでRPGのようなダンジョン散策だ。
ちなみに私はシナリオを進めるためには明らかにこっちのルートが早いと分かっていても、調べるところを全部調べてから次のマップに移動する派だ。
お腹がいっぱいになったら眠くなる。人間とはそういう生き物。
職場や学校なら我慢しないといけないだろうけれど、今は島をぶらり旅しているだけ。
この小さな日間賀島の唯一のメインストリートと呼べる港沿いの道。
フェリーの切符売り場や、レンタサイクルのお店、食事処などが立ち並ぶ。
その一角、商店の軒下に自転車を停めさせてもらって、横にあるベンチに座って昼寝をすることにした。
ごくごく短い夢を見たような気がする。
青と白という色のイメージだけが頭の隅に残っていたけれど、思い出す速度よりも早く消失してしまった。
一瞬、今自分がどこにいて何をしているのか分からなかった。
寝る前は日影だったはずなのに、いつの間にか膝のあたりまで陽が当たるようになっていた。
1時間ほど眠っていただろうか。
さて、さすがに周りを見渡せばどこで何をしているかは分かる。
島内はおおよそまわり尽くしたと思う。
走りながら頭の中で地図を描いてみたけれど、おおよそ実際のカタチとそうギャップはないと思う。
それくらいコンパクトな島だった。
次に向かったのは篠島という、これまた同じ知多湾に浮かぶ小さな離島の一つ。
すごく・・・・大きいです・・・・
日間賀島からは15分くらいでアクセスできる、お隣さんというところ。
日間賀島こそある程度の事前情報は知っていたけれど、こちらの篠島はまったく情報がない。
なにせ今朝フェリーの切符売り場で決まったことなのだから。
上陸して最初に感じたのは、少しの寂しさ。
場の雰囲気というか、活気というか、そういったものが欠けているように直感した。
先ほどまで観光地である島にいたのだから、比較するなというほうが難しい。
いや、こちらも観光地といえば観光地なのだ。
フェリー乗り場のすぐ目の前には待合室兼観光案内所が建っていて、ここで島全体の地図を確認することができた。
予想通り日間賀島と同様のコンパクトな島で、これならぐるっと一周しても1時間程度で帰って来れそうではある。
「気になるものがあれば立ち寄ろう」
程度の気持ちでペダルを漕ぎだす。
港としての機能はこちらの方が上なのか、船の数が多い。
入江のような湾の両岸にはびっしりと漁船が停泊している。
今は漁に出る時間ではないのか、おそらく早朝すでに一仕事を終えたのだろう、漁師たちが小屋の下で一服をしながら談笑している光景が印象的だった。
道路はおおよそ海沿いを走るルートでこれなら迷うようなこともない。
左回りに何も考えずに走る。
寂しいといえばそれまでだけれど、しばらく走ると「のどか」という印象に変わる。
日間賀島は活気があって楽しくなるような島だけれど、こちらは静かでしっとりしていて、良い景色があれば自転車を停めて時間を忘れて眺める、そんな島だと感じた。
ただやはり観光地競争という意味では日間賀島に負けたという印象を裏付ける景色も見られる。
それは廃業になったホテル、旅館。
気持ちの良い海岸線沿いを走っていると、商店や民家の合間に突如として明らかにもう長いこと人の手が入っていないと思われるホテルが現れた。
私はこののどかな景色の中で突如として現れたこの不気味な建物に妙に心を惹かれてしまった。
おもむろに自転車を停めて、歩いて中に・・・・と一歩、敷地に足を踏み入れた瞬間に何か涼しくなるような感覚があった。
振り返ると気持ちの良い青空と海が広がっている。
日差しも強く、白と黒のコントラストに目を細めてしまう。
なのにこの古めかしいタイル地のロビーから先は別世界のような空気が確かに流れていた。
カメラを構える時もなんとなくファインダー内を凝視するのは躊躇われた。
いやいやそんなものが簡単に写るわけないし科学的根拠もない・・・・のにやっぱり雰囲気というのはおそろしいもので、階段を登って行ったものの、割れたガラス張りの扉を開けて中に入る勇気はなかった。
私は今でもあの時の帰り際、擦りガラス越しに見えた廊下にかけられた鏡に、うっすらと浮かんでいた老婆の顔が忘れられない。
さて、結論から言うと篠島散策、予想以上に楽しかった。
日間賀島よりもアップダウンが多く、路地裏は狭く、故に島そのものが迷路のような作りになっていたおかげだと思う。
地図なんてもってたら逆に迷うようなこの場所は、折り畳み自転車くらいの機動力でちょこまか走り回るのが一番たのしい!
夢中になって帰りのフェリーの時間を忘れていたのは失敗だったけれど、路地裏で出くわしたおばあさんに聞いたら抜け道を教えてくれて事なきを得た。
篠島から師崎港へ渡った後は知多半島を時計回りに進み内海というところまで走って最後はまた輪行で名古屋経由大阪まで帰宅した。
結局合計で5回、輪行作業をしただろうか。
ロードバイクなら嫌になるような回数だけど、折りたたみ自転車なら全く苦にならない。
島旅の面白さ。
折り畳み自転車との相性の良さ。
改めて気づかされた一日だった。
終わり。
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