【岡山県 牛窓】その海が見える街は…【自転車で日本のエーゲ海へ】
自転車, ロングライド, 山陽, 1day, 島旅,
「海が見える街に行きたい」
自転車,
ロングライド,
山陽,
1day,
島旅,
ということでいつものようにグーグルマップを眺めていた私。
だけれどイマイチ候補が見つからない。
どこも!かしこも!行ったことある場所ばかり。
やれやれ・・・・仕方ない・・・・・・
と、思いTwitterでひょんなことを呟いてみると早速リプライがきた。
「牛窓はいかがですか?」
ということで行ってきました。
今回は出発前からして予定があるようでない旅路。
それゆえに、予想外の出来事が次から次へと起こるわけで・・・・・。
本当は始発の新幹線と在来線を使って播州赤穂、あるいは日生駅スタートで西に進む予定だったけれど
牛窓の場所を調べると岡山市内寄りいうことがわかった。
丸で記したのが牛窓あたり。
うん、意外とスルーしていた。いつも内陸側を走っていたので。
自転車旅において本命の場所には午前中に着くのが私の中でのルール。
と、いうこともあってよりアクセスの良い岡山駅をスタート地点とすることにした。
こういう時、自宅から新幹線までドアtoドアで20分という立地のありがたさを実感する。
さらに新大阪駅から岡山駅までは新幹線でわずか50分なのだから、つまり自宅から岡山市内まで1時間10分もあれば着けるということだ。
つまり大阪と岡山はもう隣町といってもいい。
新大阪駅まで走ってサクッと輪行準備をこなす。もうすっかり慣れてしまったもので、5分もあれば準備ができるようになった。
年間50回もしていれば、いやでも慣れる。
新大阪駅始発のさくら号鹿児島中央行きの自由席に乗り込んで車窓からの景色を楽しむ。
ふと隣の指定席車両を見ると、座席が全部埋まっていた。
一方、自由席は人はまばらだ。3人がけシートが丸々空いている席もある。
そういうわけもあって、ツーリングで新幹線や特急はよく利用するけれど、私は決まって自由席派。
意外と空いている。
いくら晴れの国って言っても、晴れすぎじゃないか!?ってくらいの晴天。
出発前から心が踊らずにはいられない。
ワクワクして準備をしていると、突然声をかけられた。
「もしかしてつむりさんですか?!」
声を上げると爽やか大学生がロードバイクに乗って現れた。
聞くと昨晩やり取りをしていたフォロワーさんのゆきぐにさん!
テスト前の貴重な時間を使って迎撃に来てくれたらしい、嬉しい限り(テスト大丈夫ですか!?
ちょうど良かった、牛窓までのルートを調べてなかったんだ。
聞くと
「海沿いの道が気持ち良いですよ!」とのこと。よし、決めた。
こうしてまずは往路のルートが決まった。
東に走って右に曲がって海に出たらあとは海沿いを走るだけ。OK。
(復路というか、牛窓以降のルートは未定)
岡山県らしい景色が広がる市内を抜けて東へ。
ちょっと走っただけであっつい!
この時点でもう踏む気がほとんどなくなってしまった。
急ぐ旅でもないし、目的地もあってないようなものだし、もう適当に流そう、と心の中で決めた。
ポタリングモード。
いくつかの川を渡って、頃合いを見て南に進む。
広がるのは素晴らしい田園風景。
「(大都会岡山と言われてるけれど、大都会なのは市内だk・・・・)」
あまりに景色がのどかでますますペースを上げる気が無くなって来た。
気になる情景があれば、被写体があれば、止まって写真を撮る。
うん、こういう旅も、その土地の感じ方が濃厚で、好きだ。
途中、宝伝港という、小さな小さな港に行き着いた。
この場所自体には何もなさそうだったけれど、どうやら海向こうに見える「犬島」というところが人気で、そこへのフェリー乗り場があるということで人が来ることがあるらしい。
らしい、というのは私が港で写真を撮っていると、声をかけて来た漁師のおっちゃんから聞いた話だから。
曰く、瀬戸内芸術祭の時期になると、若い人がたくさんこの港に来てはフェリーに乗って海を渡っていくと。鉄道駅が近くにないゆえにバスで来る人が多いけど、毎年決まって最終バスに乗り遅れて立ち往生してる人がいるから家に泊めてやることがある、と。おっちゃん、優しいな。
やはり瀬戸内の人は優しい。島の人とか、港の人とか。
自転車旅で出会った人たちの中での統計だけれど、自然の恵みを受けている人は、優しい人が多い気がする。
いや、人ならばすべからず自然の恵みを受けているけれど、直に受けているというか、生業にしているというか。
実際自分がなったわけじゃないから分からないけれど、与えられるものに対して感謝する気持ちがあるからだろうか、それが溢れ出ているのだろうか。
分からない。
でも、そういうものは尊いなあとは思う。
気づいたらすっかり海が近い。
牛窓に到着するまではずうっと瀬戸内の海を眺めながらの旅となった。
もうこれだけでも、今回の目的を果たしたと言ってもいい。
けれど、ここから起こる出来事がとても多くって、牛窓という土地に対する印象がとても深くなったことを記しておく。
時刻は11時すぎ。
そういえば水もご飯も何の補給もせずにここまで来てしまったことに気づく。
「お腹が空いている!」
ペースが遅いせいだろう、走る分には影響のないレベル。
いうなれば、普通に過ごしている時と大差がない。
単純に、お腹が空く時間。
港もある海沿いの街ということで、当然海鮮物に目が行ったのだけれど、ツイッターでお勧めされる率がやたらと高かった「キッチンかいぞく」へお邪魔することに。
岡山B級グルメ「えびめし」が食べられるということ。
店内は喫茶店のような雰囲気、テーブルが4卓ほど、カウンター席も壁側に。
当然、えびめしを注文。
一瞬、カレーにも目が行ってしまったけれど、ここはぐっと我慢。
「どこから来たんだい?」
とそれまでずうっとラジオから流れる演歌に合わせて鼻歌を歌っていた店主っぽい人に声をかけられる。
大阪から来た旨を伝えて、あとは世間話に。
こういう流れになったら、必ず相手に語ってもらうようにする。
色々聞かれるけれど、負けじと質問をどんどん投げかける。
特にこの土地のことを。
知らないことを知りたい。地元の情報を教えて欲しい。
そこに価値があるから。
実際に暮らしている人の話ほどリアルなものはない!
客商売の面白さと辛さのこと、明日の花火大会のこと、瀬戸内海の気候のこと、最近は若い人が移住するようになって来たこと、私の前にサイクリストが一人来たことなどなど。
ちなみに後にこのサイクリストがフォロワーの一人であることが分かった。
肝心のえびめしは見た目以上に繊細で味わい深く、エビがプリップリで、端的にいうとめっちゃ美味でした!いや、ほんと!
ごちそうさまでした。
続いては、すっかり南国雰囲気の港前の通りを横目に、山へ向かう。
お目当はオリーブ園というところ。
いや、別にオリーブに興味があるわけではなく、そこからの景色が良いと聞いていた。
これも牛窓が地元というフォロワーさん情報だ。
うん、意外と私とつながりのある人に、岡山に所縁がある人が多い。
岡山から大阪に出てくる人も多いのもきっと関係があると思う。
控えめに行ってもゲキサカ(15%前後)な上り坂を一気に駆け上がる。
ちょっと登っただけなのに一瞬で標高が100m単位で上昇する。
だらだら長い登りより、こっちの方が好き。
きついけれど、すぐに終わる。その方が、救いがある。
汗の吹き出具合が半端ない。
グローブをしていないせいだろうか、手から出た汗でハンドルが濡れる。
うーん、夏だ。夏を噛みしめる。汗が目に入った。痛い。
ところで今回も私は一眼レフをたすき掛けしながら走った。
いつもの装備だ。
CANON EOS6DにLレンズの24-105mm装備だ。
6Dが760gくらい。レンズが800gくらいだから合わせて1,560g。
自転車乗りがこの数字を見ると
「ZONDAと一緒くらい」
だとか
「うちのフレームより重い」
など、よろしくない重量換算をしてしまうわけで、まあ私も似たようなものなんだけれど、慣れてしまうと背負いながら走っても不思議とこれが苦じゃない。
これが苦じゃないのに、ザックを背負うのは絶対に嫌なのだから、好きなものは許せるということだろうか。
いや、それ以外にもストラップの長さ調整による重心位置の違いだったり、身体へのフィット具合も多少なりとも関係しているはず。
そうじゃなければ流石に私も1.5kgの重量物をたすき掛けして数百キロも走るなんてことには耐えられない。
オリーブ園からの景色は素晴らしいの一言!
iPhoneに後付けするタイプの魚眼レンズで撮影。
これが結構使えるんです。写りも悪くないし、何より安いしコンパクト。
海向こうに見えるのが前島、黄島、黒島などなど。
ゼッケーかな!
この景色を見て日本のエーゲ海なんて名乗らなくていいと思った。
堂々と「瀬戸内の牛窓」と誇ったほうが格好良いし、アイデンティティがある。
平日の昼ということもあって、観光客も全然いない。
しばし木陰のベンチに腰掛けて、景色をゆるりと堪能する。
ふと横に止めている愛車を眺める。
そうだ、今回はEASTONのカーボンフォークからフレームと一緒に作ってもらっていたクロモリフォークに換装してきたんだった。
重量こそ重くなれど、それ以外のことはオールグリーン。
クロモリロードバイクに乗るとわかるけど、軽いことは大事だけれど絶対じゃない。
6kg台のカーボンバイクと言っても大した価値はないと実感する。
自転車ってそうじゃない、乗り手にとってどうか、それが合っているのか、気持ち良いのか。
個人的には7.5kg〜8kgくらいが最もバランスの良いバイクだと感じる。
上りも下りも平坦も何をするにおいても優れているのがこのゾーン。
そういうことをここまでのわずかな距離ですっかり分かってしまった。いや、1号機のことがあるから分かってはいたんだけれど、再認識。
それにしても、だ。
あまりの暑さに喉がカラカラ。
展望エリア横のレストラン兼お土産屋さんで飲み物をいただいて今後の予定を考える。
「何も決めてないや・・・・」
とりあえず、もう一度、海辺まで下ってから考えよう。
続く。
- 関連記事
-
-
【岡山県 牛窓】その気まぐれな旅路は…【島と出会いとだがしかし】 2017/08/14
-
【岡山県 牛窓】その海が見える街は…【自転車で日本のエーゲ海へ】 2017/08/07
-