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【タイヤ】コンパスサイクルのタイヤを使ってみた感想 COMPASS-BonJonPass35Cチューブレス

神楽坂つむり

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コンパスサイクルのタイヤを使ってみたのでその感想を記していきます。

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つい先日、私の自転車ライフにドンピシャなオルタナティブバイシクルズが取り扱い開始を公表されましたが
それに合わせて即効性を持ったレビューインパクトが欲しかったので、下心半分で突発グラベルツーリングで実際に使ってきました。
コンパスサイクルとは?はい、ぜひ公式サイトへ。
信念が感じられる文章、素晴らしい。


で、タイヤラインナップについての詳細はオルタナティブバイシクルズへ。
700C規格は44C〜26Cまで対応しています。さらに昨今はやりの650B規格タイヤもラインナップ。正直、羨ましいです。

というのも何度か書きましたが、グラベルやトレイルではエアボリュームこそ信じるべき神であり正義だからです。なので本当は44Cくらいを履きたかったのですが、残念ながらGT GRADEのタイヤクリアランスを考えると35Cがギリギリです。38Cも入るかもしれませんが、マージンがないというのはトラブルの元であり、私の信念に反するのでNG。今回の件で海外サイトなどを飛び回ってGRADEのタイヤクリアランスについて色々調べたところ


「GT GRADE TIRE CLEARANCE」という掲示板を見つけました。世界中で同じ疑問を持っているサイクリストがいることが分かって、改めてメーカーにはクリアランス表記をしていただきたく。
(できればフレーム内-内をmm表記で)一応、私なりにある程度、まとめられるデータがあるので、記しておきます。

・PANARACER GRAVEL KING 32C + STANS NOTUBES …CLEAR (+3mm space)
・HUTCHINSON BLACK MAMBA CX34C + CLANKBROTHERS Cobalt3…CLEAR (+2mm space)
・COMPASS BonJonPass 35C + CLANKBROTHERS Cobalt3…CLEAR (+2mm) ※ No clearance at 6Bar


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導入したのはBon Jon Pass 35Cです。
名前がいい。ボンジョンパス。かっこいい。もう名前だけで数千円の価値がある。名前は大事。

さて、肝心の使い勝手ですが、コンパスサイクルのタイヤを使って私は一つ、思い違いをしていたことに気付きました。新たな知見を得たのです。それは

「タイヤパターンがブロックじゃなくてもオフロードを走れる」

ということです。

びっくり。

いや、まあ、冷静に考えたら、そう、なんだけれど、思い込みって怖いですね。使って見ないと分からないことだらけです。だから面白いのです。

見た感じ、つるっとしていて本当にこれでガレ場を走って大丈夫なのか・・・・?とかなり疑問に思っていましたが、実際に突っ込んでみると杞憂に終わったという。そう、分かっていたじゃないか、エアボリュームこそ正義だと!

つまるところ、空気量と空気圧。これがタイアの性能を大きく左右するのです。ブロックパターンはもちろん特定の条件下では有効であり、決して無視できない要素ですが、なくても行けるシチュエーションがたくさんあることも事実。むしろオンロードを自走してそのままグラベル区間に突っ込むようなグラベルロード、ツーリングバイクには、ブロックパターンがない方が望ましいでしょう。そういった意味でもこのタイヤは私の使い方にマッチしていました。

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このようなゴツゴツした石が転がる川原も走破できました。
おかげで難なくキャンプ設営地点までたどり着き、タープを張って、ゆっくりとした時間を過ごすことができました。

ちなみに空気圧は2.2barが最適解です。もちろん、チューブレス運用をしています。チューブレスの有用性については、HUTHINSON BLACK MAMBAタイヤの記事内に記しています。試しに最大空気圧の6barまで空気を入れたらタイヤクリアランスがなくなりました。ケーシングがしなやかな分、内圧による膨張率が高いようです。


あと、ちょっとタイヤを回して見たところ
 パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!
という、迫撃砲で撃たれたような爆音とともに(迫撃砲で撃たれたことは今の所ありません)
タイヤが外れました。部屋の掃除が一瞬で終わるくらいの衝撃波が広がり、私はしばらく頭が真っ白に。いやあシーラント剤を入れる前でよかった。

これはまあリムとの相性とか色々あるのでなんとも言えないですがおそらく空気の入れすぎてビードフックからビードが外れたのでしょう。私はてっきりタイヤがバーストしたものと思いましたが、タイヤにもリムにも損傷はありませんでした。最大空気圧内とは言え、不注意ですね。ここでメーカーを責めるのは簡単ですが、数字だけで判断するのは性急だし、いちユーザーとして未熟であることを露呈してしまうので(もうこの記事を書いてる時点で手遅れ)素直に反省です。そもそもチューブレス運用するのに6barなんて入れるシチュエーションがありえない。色々試したけれど、なるべく空気圧が低い方がいいです。実用範囲内で低ければ低いほどいい。


というのもこのタイヤ、乗ってすぐ分かるレベルでケーシングがしなやかです。パナレーサーの高級チューブラータイヤと同じケーシングを使っているという前評判は聞いていましたが、実際どうなのかが重要であって云々・・・・・

はい、いいえ、一漕ぎで違いを実感します。

もっというならタイヤを触るだけでも分かりました。
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このしなやかさが低圧時のグリップ力の増大に一役買っています。実際に過去に使ったグラベルキングともBLACK MAMBAとも明らかに性格の違う走り方をしてくれるのです。あれらはどちらかというと質的には固く、低圧時には角の集合体で路面に食いついて、トラクションの確保とグリップを両立しているイメージです。一方コンパスサイクルのタイヤは、質的には非常に柔らかく、タイヤ面全体で路面の凹凸を掴んでいるイメージです。これはグラベルロードにおいては絶大な効果を発揮します。

「このスピードならギリギリ・・・ギリギリ行けるか!?」
っていうような砂利道コーナーを驚くほどスムーズにクリアーできる。いやあ、すごい。ここがこのタイヤの良いところです。間違いない。

オンロードは快適そのもの。ブロックパターンがないので、ゴリゴリ感はありません。極めてスムーズ。単純に25Cなどのオンロードタイヤが太くなって重くなっただけ。25〜28km/h巡航くらいは可能。急ぐわけでもないので、これくらいでも問題ない。

あとリムにタイヤを装着するのがめちゃくちゃ楽という、地味に大きなメリットがありました。
チューブレスタイヤ装着時は物によっては「指の皮の1〜2枚は持ってけ泥棒!」くらいの気持ちでやりますが、呆気に取られるくらい楽でした。そう言えば最近のチューブレスタイヤはそこまで苦労しないものが多い気がする。まあもちろんリムとの相性とかもあるのだろうけれど。

さて、グラベルロードでは良いとして、逆に徳島スーパー林道の後半区間のようなガレ具合がひどい場所だとどうだろうか。
多少なりともブロックパターンがあって、水はけ、泥ハケ性能も兼ねそろえているシクロクロス系のタイヤの方が向いていると思う。
こういった機材による指向性がはっきりしているのも、オフロード系の面白いところ。

追記 実際に剣山スーパー林道で使ってみたら「もう最高!」でした。いや、ガレ場でこそ力を発揮します。しなやかさ、グリップ力、健在です。逆にブロックパターンってなんのためにあるの?って思えるくらいの良さでした。

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グラベルロードに求められるオンロードの走破性、オフロードでのグリップ力、トラクションの確保をそれぞれ高いレベルで実現しているなあというのが使って見た感想。
あ、ちなみに重量も優秀で、実測値で325gでした。明らかにタイヤ+チューブ運用よりも優れていることが分かる。

さて、最後に気になるのは耐久性。このタイヤの魅力の源であるケーシングのしなやかさ故にサイドカットだったり磨耗に弱いのでは・・・?という疑問だけが残ったけれど、それはもう少し長いスパンで見ていきますので、しばしお待ちを。

追記 コンパスサイクルのBon Jon Pass 35C、使い始めてようやく1,000km突破。ちょっと不安になるくらいケーシングが柔らかでしなるけど意外とパンクなし…トレッドも随分残ってる。3気圧くらいが一番気持ちイイ。





    
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