男木島(おぎじま)は瀬戸内海に浮かぶ島です。
所在地は香川県高松市にあたり、よくよく見ると高松港から肉眼でも確認できる距離にあります。
ものすごく小さな島で、北から南まで歩きましたが2kmくらいしかありません。
徒歩でも1時間かからないという。
で、なんでそんな島に行ったかというと
猫に会うためです。
これを書くと意外だと言われますが、私の家には猫が2匹います。
癒されるだとか可愛いだとかありますが、見てて面白いってのが一番です。
毎日大運動会を繰り広げていらっしゃいます。
目覚まし時計が鳴るのと同時に顔をパンチしてくるのはやめていただきたい。
猫も好きだし離島も好きだしキャンプも好きな私ですが
その欲求を全部満たしてくれる場所を探しているときに見つけたのがこの男木島だったのです。
【アクセス】
高松港からフェリーで40分です。
料金は往復で1000円ちょっと。
ここから小豆島や青島、岡山等にもアクセスすることができます。
高松駅からも近く、まさに海の玄関口。
ちなみに男木島の手前には女木島という島があり、こちらは別名「鬼ヶ島」と呼ばれています。
そう、あの日本昔話の舞台とされている(らしい)(諸説あり)(諸説ありと書いておけば何を言っても許される)
それにしても瀬戸内海の青さはいつ見ても美しい。
【島内の交通について】
何もないです。
必要ないからです。
徒歩が一番!
というのも島内はかなり入り組んでいて、坂道や階段も多く、島民の私有地も多いことから、自転車やバイクも進入できないところだらけ。
一応、男木島港の目の前にある施設ではレンタサイクルも貸出しされてるけれど、走っていいところが少ないという罠。
Prohibit to take a bicycle except islanders.
ちなみに島民の足は原付と徒歩っぽい。
ノーヘル当たり前なのを見ると離島に来たなあと実感できる。
島内の雰囲気はたまらなく良い。入り組んだ地形、せり上がった土地、海と坂道の組み合わせがたまらなく良い。
石垣の積み方一つ、眺めているだけで感じるものがあります。
男木島簡易郵便局。
【食事事情】
平日に訪れたせいか、ご飯を食べられる場所がとにかく少なかった。
元々キャンプする予定だったからは昼~翌朝分は確保していたので問題はなかったけれど
知らずに来たらちょっとまずいかも。
コンビニなんて代物は当然ないです。個人商店もない。観光客向けの食事処が、島内に数軒あるだけ。営業時間チェックは必須。
【肝心の猫は】
上陸してすぐにわらわらいるのかなー!!
って思ってたけれど、あれ、おかしい、猫の姿が見当たらない。
まあでも昼下がりだし、うちの猫を例に見るならば、この時間はご飯を食べ終わってどこかお気に入りの場所で昼寝しているパターンだろうか、と予想。
とにかく狭い島なのだから、歩いていればそのうち会うだろうということで散策開始。
車が通れる道の方が少なく、かといって自転車にも厳しいような、細く入り組んだ上に、上に下に振り回される迷路のような道が続く。
これは・・・・たまらない。大好きなやつだ。
雰囲気としては尾道や平戸に似ているけれど、それらよりもずっとレトロというか古めかしいというか時代を感じるというか・・・・島だからだろうか、時間の流れが明らかに違う。
歩いているとエンジンを切った原チャリでおばあちゃんがするする降りてきてびっくりした。
登りだけバイクとしての機能を発揮しているようだ。合理的である。
10分ほど海沿いを歩いていると、2m幅くらいの路地裏の向こうからこちらに歩いてくる猫がいた。
第一猫発見である。
さらに港に出て石垣沿いに歩いていると
喧嘩しとる。
いや、遊んでただけか?
石垣沿いに歩いていると、漁港に出た。
猫と言ったら漁港。漁港と言ったら猫のはず。
期待をして歩いていると・・・・
いらっしゃる!!
試しに指を差し出して接近を試みると、おお、受け入れてくれた。
うちの猫と大して変わらない。
遊び方は飼い猫も野良猫も一緒。
遊んでいると、他の猫がやってきた。
いつのまにか増えている。(゚´^ω^`゚)。゚
美人さんもきました。
瞳孔開いてるー!
気づいたらどんどん猫が集まってきて大変なことに( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \.
餌も何もあげていないのに集まってくる。
顔やお尻に付け根を撫でて喜ぶ猫もいれば、気になって見にきただけの猫もいるっぽい。
このなんとも言えない距離感が、良い!
遊んで欲しいわけでもなく、構って欲しいわけでもなく、ただ側にいたいだけという。
それを眺めているだけで、はるばるこの島に来た甲斐があるというもの。
ひどい。
漁港で1時間ほど猫と戯れた。
正直、何時間でも入られそうだったけれど、そういうわけにも行かない。
キャンプ場まで移動しなければならない。
相変わらずゴロゴロくつろぐ猫たちを置いて、島内散策を続けることにした。
先にも書いたように、島内は非常に狭く、歩いて回るしかない。
大して広くもないので、徒歩が最適解なのは間違いない。
で、歩いていると・・・・
やっぱりいる。
漁港だけじゃなく、島内のあらゆるところに猫がいる。
住民の数より多いかもしれません。
瀬戸内芸術祭の舞台でもあるため、それっぽい建物もいくつか見受けられます。
今回はそれが目的じゃなかったし、休業日のところばかりだったので、スルー。
島の雰囲気を堪能するだけとしましょう。
豊玉姫神社のあたりにも猫がいるよ!
という噂を聞いたので、どんどこ急な坂を登って行くと、もう鳥居にいるっていうね。
アニメだったらここから物語が始まるはず。
後ろ後ろー!!
見晴らし良い。
ほんとどこにでもいるなこの子ら。
猫に会うという大目的が十分に達成されたので、最後は島の北端にある男木島灯台キャンプ場へ向かうことに。
通常、こんな時期の平日に利用する人なんかいないらしく、管理人さんに電話すると驚いていた。
ちなみにアクセスはもちろん徒歩なんだけれど、港から歩いておおよそ25分くらい。
港が南端で、キャンプ場が北端だから、つまり島の端から端までたったのこれだけしかない。
ほんと、小さい島だ。
!!
!!!
さすがに集団ではいないけれど、はぐれ猫がちらほらいるの面白い。
完全に虚を突かれた反応。
キャンプ場がある灯台までの道も気持ちが良い。
左手には瀬戸内の海を見ながら、木漏れ日の中を歩いて行く。
自然の音以外、何も聞こえない。
男木島灯台。
こんな辺鄙なところにあるけれど、その佇まいは今まで見た灯台の中でもトップクラスに入る美しさでした。
今時珍しい無塗装の石造りで、調べてみると1895年からその灯りを灯し続けているのだとか。
うーん、見応えがある!
素晴らしい仕上げ。
石垣しかり、石碑しかり、石には歴史が宿るなあと実感する。
キャンプも最高の環境で楽しむことができました。
島巡り、本土とは違う雰囲気でいっぱい。
フェリーで渡るという過程からすでに特別感があって、非日常感を味わうという意味では、最高なんじゃないかなあと実感。
隠岐島しかり、生月島しかり、確かに振り返ると島では他にはない何かを見つけることができた。
しかもそれぞれが、ちゃんと違う特徴を持っていて、飽きることがない。
面白い島があれば、ぜひお教え願います。(青ケ島はきつい)