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【西九州自転車ツーリング】海岸線を進む旅 【博多〜唐津〜平戸】

神楽坂つむり

自転車, 写真, ロングライド, 九州,
博多駅に降り立つのは初めてかもしれない。
いつも通り過ぎるだけの駅。走り抜けるだけの場所。

まだ通勤ラッシュの真っ只中、行き交うサラリーマン達の視線を受けながら、はやる気持ちを抑えながら自転車を組み立てた。
輪行を解除して自転車を組み立てている時のワクワク感というか期待感というか、「これから自分は旅をするんだ!」という実感が胸の奥からふつふつと湧き上がってくる感覚。まさにプライスレス。この感覚を味わえるだけでああ幸せだなあと感じるけれど、まだスタートすらしていない。

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さて、西へ向かいましょう。


この日は海沿いに平戸まで130km走るだけの簡単なライド。観光地を立ち寄る時には1時間で20km弱進むペースで計算するので、見積もりは7時間。
になるはずが思ったよりも濃厚なイベント続出で、私としては初日からして心地よい疲労感に見舞われることとなった。


まずは博多市内を抜けて、糸島あたりまで一気に抜けたいところ。特に観光スポットに脇目も振らず西進、するはずだったけれど、途中目に付いた護国神社にだけは立ち寄りたかったので、軽くお参りだけしていった。願ったのは「この曇り空が晴れますように。」
天気予報とは裏腹に、上空は濃いグレー。雲は今にも雨が降り出しそうな厚みを帯びていた。隙間からの太陽すら見当たらない。おかしいな、晴れ予報なんだけれど。


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経由地の名前が出てくるだけでテンション上がるぞ!知らない地名を走る楽しさを、青看板は教えてくれる。


大阪を出た時の気温は0度。そして今は7度。こうなると同じ服装で走るわけにはいかない。
身体が暖まったタイミングでMAMMUTのジャケットを脱いでサドルバッグにしまった。結局、この時以来ジャケットの出番は新大阪駅から自宅までの帰りまでなかったので、今思えば新大阪駅のロッカーに預けておくべきだった。2月というのに、暖かかった。三寒四温の温に当たったようだった。


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Imajuku.


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箱島神社というこれまた風光明媚なロケーションにある神社があったのでお参り。


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・・・・(ビンディングシューズで登るところではない)


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海がすぐ下まで迫る。


基本的に今回のライドはひたすら海沿い。最初から最後までひたすら。本当に。海に飽きるくらい。それでも眺めていて気持ち良いと感じるのは、やはり普段は都会で暮らしているからだろうか。自然を美しいと思うこと自体不自然と言えなくもないけれど、現代社会に暮らしているからには仕方ない。


まあ・・・だからこそ自然の美しさを感じることができるのだから、都会暮らしも悪くないとは思う。


糸島を通過するあたりで強めの雨に降られた。幸いにしてすぐに止んだから行き脚には影響せず。むしろ早く雲を抜けたい!という気持ちからペースアップ。といっても海岸線特有の無限アップダウンが続いていたせいで、そこまで速度は上がりきらなかった。急ぐ旅ではないけれど、距離がそこそこあるから、サボりすぎてはいけない。立春を過ぎたと言っても、まだ日が長くないのだから。


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単線。1両編成。当初は平戸まで輪行して旅の行程をガラッと変える予定もあったけれど、時間がかかりすぎるので却下した。距離の割に時間がかかりすぎるダイヤ。新大阪から平戸駅まで7時間くらいだっただろうか。これは関西国際空港からホノルル国際空港までのフライト時間と同じ。また、新大阪から新青森までも同様。やはり、飛行機は早いということを、いろんな輪行をしていて感じざるをえない。最近では国内線も充実しているし気軽に飛行機輪行ができるから、旅の可能性が広がるばかり。


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博多〜糸島界隈は自転車ツーリング的には良いところだと思う。
何もないけれど。とりあえず景色は良い。


ようやく唐津の街が遠い海の向こう側にうっすらを見えてきた!
それが唐津と分かったのは、視界いっぱいまで左右に広がる松林が海に面して広がっていたからだ。こんなに遠くから認識できるほどに、規模が大きい・・・・!期待せざるをえないゆえ、自然とペダルを踏む足に力が入る。


そして到着、唐津。虹の松原。
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この奥行き感。長さ、はんばない。
松林は今までたくさん見てきたけど、ここのは一番だと思った。スケール感が段違いに大きい。
クロマツ林が延々と続くその距離4km、その本数なんと100万本なのだとか。


ここで道路脇で写真を構えていると、真横にクロスバイクに乗った女性が颯爽と現れて「もしかしてつむりさん!?」と声をかけてきたくれた。私、カメラ落としかける。焦る。びびった。まさかこんなところで。唐津クラスタ怖い。なんでも会えたらラッキーくらいのノリでポタリングをされていたらしい。うん、会えたよラッキー!(私が)(旅の出会い)


一通り談笑をした後、どこかご飯を食べられる場所はないですか?と聞くと大きな目を輝かせて「いいところがありますよ!ついてきてください」ということでホイホイついていく。補給食を一切食べていなかったのでお腹が空いていたので。松原を抜けて市街地を抜けて大通り沿いにある店に連れてこられた。


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んんん!?なんかどっかで見たことがある・・・看板、この絵・・・絵・・・・・・


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「ユーリ!!! on ICE」に出てくるユーリの実家じゃねーか!


まさかこんなところで聖地巡礼をすることになるとは。いや、一応、見ていたんですよ。全話視聴しました。単純にフィギュアスケートが好きなので。変わったスポーツですよね。感覚としては芸術鑑賞に近いものがあるんですが。ユーリのお母さんのドタドタした走り方が好きです。

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再現度高いんだね。仕方ないね。


ちなみにクロスバイク乗りの女性は「じゃ、仕事があるので」と言って去って行きました。いや、仕事あるんですか。何やってるんですか。(ありがとうございました。)


聖地巡礼抜きにしても、古風でいて小綺麗な居心地の良い建物で、旅の途中に寄るには最高の場所だなあと思った。当然、鏡山温泉という名の通り温泉が有名らしく、ここが最終目的地だったらゆっくり浸かりたかったところ。ヴィクトルよろしくカポーンとしたかったです。そしてせっかくここにきたのだから食べなければならないのがカツ丼。


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フクースナー!!
これは美味しい。美味しいカツ丼ですよこれは。卵フワッフワとろっとろ。出汁の香り、卵の旨味、カツの柔らかさ、ご飯とカツとそれら諸々が混然一体となって胃袋を刺激します。こんなの実家にあったらそりゃ太りますよ。ランニングしなきゃ。


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せっかく唐津に来たので、呼子のイカも食べたい!けれどお刺身はなかったので、ゲソ天ぷらをいただきました。これまたフクースナー!私が食べている間にも、それっぽい女子集団がカツ丼を食べて喜んでいました。平日昼間に聖地巡礼するなんて一体何やってるんだろうという気持ちになりますが、人のことを言えないかもしれない。


さあ、ご飯を食べてお腹がいっぱいになった直後にヒルクライムです。
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鏡山温泉茶屋の目の前から始まるヒルクライムスポットがあると自転車乗りのフォロワーに教えてもらったので、迷わず登ります。今思うとご飯を食べる前に登るべきだった'`,、('∀`) '`,、地図を見る限りひたすら九十九折。いやあ、テンション上がる。


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距離、標高、斜度、景色、路面状況、どれも満足度の高いヒルクライムだった。唐津に来たら是非登るべき!そして思う、良いところだなあと。風光明媚な平地(虹の松原)もあるし、ここ鏡山もあるし、自転車的には恵まれているのでは、と。ちなみに午前中の曇り空が嘘のように、広がる青い空!ようやくツキが回ってきたようだ。


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ダウンヒルをして再び虹の松原沿いに西進していると、途中にからつバーガーとかいうケータリング車が広場に止まっていたので思わず停車。迷わず注文。これがまた絶妙。バンズの柔らかさと具材一つ一つの味付けに感動。「これだよハンバーガーはこうあるべきなんだ!」と心の中で叫んでしまった。ウプ。お腹いっぱい。


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唐津城。このカットも確かユーリ!!on ICEで出てきたはず。ユリオとユーリのシーンを思い出す。ロシアンヤンキー自転車乗ったらたぶん超絶かっこいいと思う。


唐津でちょっとゆっくりしすぎたので、ここからはペース刻んで一気に平戸まで走ることに。多少の山は登るけれど、距離の短い県道33号〜国道204号を選択することに。この道がまた交通量の少ないツーリングのプリミティブな喜びを思い出させてくれるような静かなルートで、無心で走った。こう言う道は貴重だ。文字情報も何も入ってこない。ただ単純にペダルを回すだけ。思うことも、考えることもなくなって、自転車もなくなって、無心で走る。そんな折、素晴らしい景色が時たま現れる。ふと我に返ってカメラを構える。


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集中して走ったおかげで、暗くなる1時間前には最終目的地の平戸に到着した。夕焼けの中そびえる平戸大橋が見えた時には静かにガッツポーズ。距離はそこそこだったけれどアップダウンの多さにはなかなか体力を削られた。よき、ライドだった。さて、平戸に来るのは初めて。かのフランシスコザビエルが布教を始めた土地。数百年前の日本の玄関口。キリシタンの里。あの橋の向こう側にはどんな土地が広がっているんだろうか・・・


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続く
   

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