【サスペンションステム】redshift Shock Stop のインプレ、導入実践

神楽坂つむり

自転車, 写真, GT, 機材紹介, グラベルライド, バイクパッキング,

サスペンションステム、と聞いた時は思わず眉をひそめてしまった。


自転車業界の黒歴史シリーズに名を連ねるアイテムに、あえて挑戦しようというのか・・・!?


興味本位で導入してみました。


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redshift Shock Stop.

食わず嫌いは良くないと気づかされました。

まずは使ってみての第一印象


「なにこれマイルド!」



眉唾物と思いきや、ここまで効果を実感することができる機材というのも久しぶり。

ちょっと走っただけで分かる。

というか実走しなくても、止まった状態で体重をかけただけでもサスペンション効果を実感できるくらい。


ちなみにステムの装着方法は本商品を国内で取り扱っているオルタナティブバイシクルズのホームページで確認できるようになっています。


オルタナティブバイシクルズ


■まずはオンロード走行でテスト


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主に舗装路を中心として300km程を走ってみました。


いつものように道路の左端を走行する。

直進している感じでは、いつもと変わりません。


ちょっとした段差というか舗装面のムラ、でこぼこ、路肩とのギャップを越える。

ここで差が出る。明らかに違います。

サスペンションの感じ方は実は一辺倒ではなくってモノによって変わってくる。


このステムはずばり


「突き上げ感がなくなる」


これに尽きると思います。


地面のギャップを越えるときに発生する下からの突き上げが驚くほどマイルドになっているのが体感できた。

決してゼロにはなりえないけれど、カドが取れたような感じ。

まるっとしている。


音で表現すると「ガンッ」「ドンッ」が「トンっトンっ」と濁点が取れるような。


これが大げさな段差じゃなくて小さな段差でも実感できるのが面白い。

最初は正直、違和感があるけれど、10分も経てば慣れてしまって、気づいたらそれが当然のように無意識に恩恵を受けながら距離を伸ばしていた。


ロングライドは慣れているから300kmくらいなら腕周りに疲れが残るようなことはない。

だから疲労感でいうとリジットステム(リジットステムという単語)を使った時との差は分からないけれど、少なくとも突き上げによる「ストレス」は圧倒的に削減することができると断言できる。

そのストレスをすべてステムが受けとめてくれている。

走り終わってみるとそう感じます。




■次にオフロード走行でテスト

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主にグラベルロードで20km程、試してみました。

結果としてはオンロードで感じたことと同じ。


つまり衝撃のカドが取れてまろやかになった。

「突き上げ感がなくなる」ということ。


細かい砂利を含んだような路面、ちょっとした石や枝を乗り越えるようなセクションにおいては、快適性がかなり増す。

まるで空気圧をぐっと下げたようなイメージ。


グラベルを走ったことがある人なら分かると思うけれど、その疲労感はオンロードの比じゃありません。

常にストレス(ここでは衝撃、振動とそれらを軽減、回避するための運動を指す)に晒される環境だから、走り終えるころには実に気持ち良い、そう気持ち良い疲労感に包まれる。


そんなところを走ってもマイルドになるのだから、思わずにやりとしてしまった。

心の中でほくそ笑む。

「こやつ、やりおる」と。



さらに下り基調の荒れた林道でも使ってみたところ

下ハンドルを握っている状態での長時間のダウンヒルでの効果が大きかった。

どうしても腕にしんどさが蓄積してくるシチュエーションだけれど、それでも疲労軽減効果が確かにあった。


できればあの徳島林道ツーリングで使いたかったと思う。

あれほど長く険しい林道でこそ威力を発揮してくれるはず。


これなら空気圧を高く保ったまま走れるのでは!?と思ったけれど、ここは勘違いすると危ないポイント。

あくまでサスペンションステム。


サスペンションフォークというわけではない。



■気を付けるべきポイント


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このアイテムは自転車の挙動に影響を与えるわけではありません。

あくまで手元の振動を緩和するためのアイテム。


つまりこのアイテムのおかげでちょっと難しいセクションをクリアーすることができるだとか

バイクの挙動が安定するだとか

ヘッドへの衝撃が緩和されるだとか

そういう効果は得られない。


なまじ効果があるものだから自分の実力が上がったように勘違いしてオフロードとかで調子に乗ると痛い目に合いそう。思い切りドロップオフに突っ込んだり。


極端に言うなれば、「振動を吸収してくれるグローブ」くらいに思っていた方がいい。


それに多少のくせはある。


その構造を簡単に説明すると、クッションがあってその上にステムが置かれている。

荷重がかかった時にクッションがつぶれてステムが一瞬、下向きに下がる。

なのでたとえばブラケットを握っている状態であれば、手首を持って行かれるような感覚になるし、MTBならまだしもロードバイクで特に前傾姿勢が強い人なんかは、必要以上に前下がりになると思う。

実際にブラケットを握りながら前荷重気味でダンシングするとそのたびにハンドルが多少下がる。

重心が後ろにある人なら気にならないレベルかもしれないけれど、そういう感覚の話は人それぞれ。

私は許容範囲だと思った。



■効果があるならいっか


重いし(250gくらいある)

見た目もスマートじゃないし(とてもじゃないけどロードバイクに付ける気にはならない)

明らかに万能機材ではないけれど、使うべきバイクとシチュエーションがマッチするのであれば、これ以上ない快適アイテムだと思う。


試せば分かる、思わず笑ってしまうその効果。


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ちなみにアセンブリはDixnaのバンディーハンドルと。
本当は80mmステムが欲しかったのだけれど、在庫でなさそうだったので
リーチが短くっていい感じのフレアハンドルを探している時に見つけたハンドル。
これがまたグラベルで有効策で云々はまた機会があれば詳しく。

redshift shock stop。

速くなるわけではない。

けれど楽しい。

ロングライドがもっと楽になる。グラベルに入るのがもっと楽しくなる。

これはそういうアイテムだと思う。



終わり。




    
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