【輪行】普通の輪行袋で国際線の飛行機輪行をしてみた話 オーストリッチ520

神楽坂つむり

自転車, 機材紹介, ロングライド, ノウハウ, アメリカ,

2016年の年末にアメリカはハワイ州、オアフ島に自転車ツーリングをしてきました。

 

今回はその時に実践した「飛行機輪行」についてのノウハウの記事。

 


実践に至るまでの私の脳内会議の様子をご覧くださいませ。


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鉄道輪行とは違う飛行機輪行での注意点と言えば・・・・

 

・重量/サイズ制限

・禁制品について

・荷物の扱われ方について

 

等が挙げられると思う。

 

先に言っておくとそれぞれについては航空会社によって大きく異なります。

 

たとえば日本航空とピーチ等のLCCでは預けられる荷物の量・サイズは全然違います。

随時変わる可能性があるので、詳細については各自で調べるのが絶対無難。

去年と今年で違うなんて珍しいことではない。

 



■重量/サイズ制限について

 

今回利用した日本航空は

  1. 手荷物2個まで

  2. 23kgまで/個

  3. 3辺の合計が230cm以内

 1と2はよほど荷物が多くない限り問題にはならないと思います。

実際に私も輪行状態の重量は12kg程度で、それならとヘルメットや着替え、工具や電子機器など不要なものは全て輪行袋に突っ込んで預けてしまいました。

それでも重量は15kg程度。

 

重量よりも問題になるのがサイズ。

 

ちょっと調べるとこれが自転車輪行にとっては結構シビアな数字であることが分かりました。

縦+横+高さの合計が203cm以内でないといけません。

 

飛行機輪行向けの輪行袋(箱)というのが各社から発売されていますがこれらの多くがこの既定サイズを超えてしまいます。

なんでやねん!と突っ込みを入れたくなりますが、ダメなものはダメ。早々にあきらめましょう。

ちなみに超過料金を支払えばサイズが越えても運んでくれます。

片道2万円とかなり可愛くないお値段です。

お金の力で解決するのがセレブ的な発想ですが、私は庶民なのでやっぱり往復4万円は痛い。痛すぎます。

 

 

じゃあどうするの?となった際に取るべき選択肢は二つになりました。

 

一つは既定サイズに収まる箱を用意する。作る。

二つ目はいっそ飛行機輪行向けの輪行袋(箱)は使わない。

 

私は後者を採用。

 


後述する荷物の扱われ方を鑑みると、前者の方がリスクヘッジはできます。圧倒的に安全。

見知らぬ土地でいきなりメカトラブルで自転車屋を探す・・・考えたくもありません。

段ボールを加工して既定サイズに収めて輪行している人をブログなんかでよく見ます。

なるほどなあ・・・・安全だなあ・・・・と思いつつ

そんな箱を用意するのも空港まで持ち運ぶのも面倒すぎる!

というのが私の率直な感想。

箱状態で空港まで持っていくためにレンタカーを用意する、現地で再び箱を用意する(あるいはキープしてもらっておく)


やってられるかあああああああああああああああああああ

と思います。不採用。

 

 

 

そこで私は

 

もういっそ普通の輪行袋でいいじゃん!

 

と思い至ったわけです。

 

 

荷物の取り扱われ方については

 

 

やれるだけのことはやってそれでも壊れたら諦める。自己責任。

 

 

という割り切りをすることに。

 

趣味の世界はトレードオフ。

最大公約数的なソリューションを求めていくのが神楽坂つむりのやり方なのです。

人におすすめできるかというと、そんなことないノウハウが多い私ですが、参考程度になれば幸いということで、具体的な方法も紹介していきます。

 

 

そうはいってもぺらっぺらな輪行袋を使う気にはなれません。

代表例でいうとオーストリッチのロード220やタイオガのコクーン。

鉄道輪行ならまあまあ申し分ないでしょう。

軽いしコンパクトだし。

でもダメ。さすがに薄すぎる。

 


ということでそこそこ分厚くて決して大きすぎない、これまたトレードオフの発想で選んだのがオーストリッチの輪行袋ロード520

 

これをベースに飛行機輪行システムを組み上げていくことにしました。

この輪行袋、他のそれとくらべて明らかに分厚いです。

なので国内輪行でも輪行袋の運び方に悩まない状況(輪行袋にいれて車に入れる、とか駅に預ける、とか)なら使えると思います。

 

という予測(予測です)を立ててぽちってから1日でブツが到着。



はやいねさすがアマゾンさん。

第一印象は「大きいな・・・・」

まあ普通の軽量輪行袋と比べてはいけませんが

飛行機輪行用のバカでかいやつと比べると圧倒的に小さいです。

 

 

さあ、準備は整いました。

 

 

実際に輪行してみましょう。

 

の、前に。

飛行機輪行における荷物の扱われ方について、念頭に置いておくべきことをおさらい。

 

・鉄道輪行とは違い自分の手元から離れる

・距離/時間が長い

・置かれるのは貨物室

・ぶん投げられる、上にスーツケースを置かれるくらいは覚悟すべし

 

まあこれがハードケースや段ボールを使えっていう理由ですね。

 

なのでそれなりの対策をします。


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・前フォークエンド金具使用

・後エンド金具使用

・リアディレイラー取り外し

・各部固定

 

 

エンド金具は必ず使います。

上にスーツケースなどが乗せられてエンド幅が変わっちゃったりしたら目も当てられません。

 

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また、リアディレイラーを外します。


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これも衝撃からエンドとRDを守る為。

飛行機輪行では「いかに出っ張ってる部分をなくすか」が重要ですが、リアディレイラーはフレームから完全に飛び出しているので、よろしくありません。

ここでSRAM RED eTAPの威力の発揮です。

なんせワイヤーがないから、脱着がおそろしいほど簡単。


ちなみに随所で養生テープが役立ちました。

チェーンを固定したりクランクを固定したりRDを固定したりハンドルを固定したりと何かと固定するのに向いています。

ベタつかないし手で切れるのでストレスフリーな良いアイテムです。 


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あとはハンドルを固定します。

これにはCANYONMTBを買った時に梱包材として使われていたクッション材を使用します。

めっちゃ使いやすそうだったから取っておいてよかった。

 

 

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加えて車輪を別個口とする作戦でいきました。

 

通常、輪行袋の中に車輪をまとめていれる人が多いですが

それをするとどうしてもフレームと車輪がすれて傷が入ったり、無理な力が加わって何かが残念なことになる。そういうことが起こり得る。

ふだんならあまり気にしない私ですが、今回は「フルクラムレーシングゼロカーボン」を持っていくので気を使います。

たとえR501等でもリムが曲がるくらいのリスクは予測できるので、やっぱりなるべく一緒にはしたくありません。

 


そこでいっそ車輪はホイールバッグに入れて、自転車とは別に預けることです。

幸いにも日本航空は預け荷物は2個まで無料なので、じゃあということで、ここは別個口でいきます。

荷物が一つ増えますが、使用する輪行バッグ、ロード520は肩から下げられるので両手が空いています。特に問題なく持ち運びが可能ということです。

 

 

ちなみに使用したのはLightweightを買った時に付属していたホイールバッグ。

これがめちゃくちゃよく出来ていて、ひとつの手提げバッグに前後輪がきれいにおさまります。

厚みもそこそこで、そりゃあライトウエイトを保護するためなのだから当然でしょう。

内部には小物ポケットも付いていて、そこに外した前後クイックレバー、予備チューブ、ニップル回し、スプロケットカバーなんかを放り込んでおけるのも精神衛生上良い良い。

 

 

これで完成。

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重量は余裕の12kg程度だったので、空いた隙間にヘルメットや着替えなどを放り込んで預けちゃいました。

 

結果としては往復ともトラブルは皆無。

気持ちよく走り出すことが出来ました。


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もちろん日本の航空会社だったから、と言うのもあると思います。


海外の国内線だったり、LCC系だとどうなるかわかりませんが、何にしても事故責任です。私は過剰に守りに入りすぎて動きづらくなるのは好きじゃないので、トラブルが起こらないギリギリのラインを攻めてフットワークを軽くしたい結果、こういうメソッドに落ち着きました。


これからは海外旅が増える予感なので、いろいろ試していこうと思います。


終わり。





       
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