【登山第13回】深い深い樹林帯を抜けて稜線尾根へ【八ヶ岳 美濃戸口〜赤岳天望山荘】

神楽坂つむり

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さて、今年もアルプスを攻める時期がやってきました。

久しぶりに町の図書館に行って、パラパラと山関係の本を斜め読みしていると気になったのが「PEAKS」の特別編集の「週末登山詳細ルートガイド」という本。の表紙に使われている山の写真

めちゃくちゃ心を惹かれた。
調べてみると場所は長野県は八ヶ岳の南縦走ルート。
もう居ても立っても居られない。

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いくぞ!

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ここ。長野県の茅野市あたり。
八ヶ岳と北は蓼科山から北横岳、茶臼岳、丸山、天狗岳、硫黄岳、横岳、赤岳、阿弥陀岳、権現岳、編笠山と連なる日本屈指の縦走ルート。
その主峰である赤岳と横岳〜硫黄岳を一泊二日で切り取る!

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茅野市から車で1時間ほどで登山口へ。

今回は赤岳頂上直下にある赤岳展望荘で山小屋泊をすることに。

ゆっくり縦走したかったからね!
登山口は茅野市から八ヶ岳方面に車で1時間ほどの場所にある美濃戸口。

全行程はこちら

初日
12:20美濃戸口(赤岳山荘)→(南沢ルート)→15:00行者小屋→ 16:00地蔵尾根→ 16:50赤岳天望荘

2日目
6:40赤岳天望荘→7:30三又峰→7:45横岳→9:00硫黄岳→10:50赤岳鉱泉→(北沢ルート)→12:50美濃戸口


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美濃戸口にレンタカーを停めて、2日分の駐車料金を払う。2千円なり。ちなみにここまでの林道はかなりの凸凹道で車高が低い車なら間違い無くお腹打ちまくる。噂によると毎年何台かは車が落ちているらしい。大袈裟じゃ無く納得できるような道だった。いやー怖かった。


装備を整えて、お昼ご飯にサンドイッチを頬張って、いざスタート!
今回は南沢ルートから樹林帯を抜けていくコース。

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ルート分岐点。間違えようがない。


最初の10分くらいは身体への負担が大きい。
と言うよりまだ身体が起きていない。
自転車と一緒だ。有酸素運動。
たぎれ血液!運べよ酸素!
一度スイッチが入れば、思うように登ることができる。
自転車のおかげか心肺機能はそこそこある。登りも全然辛くない。むしろ楽しい!


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木漏れ日が気持ち良い。


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ケルン。



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決して足場は良くない。



森はかなり深い。
屋久島ほどではないけれど、原生林を思わせるような、深い深い森の中を汗ばみながら登っていく。
一度森の中に入るととても静かだ。
数時間前までは街中にいたことなどすっかり忘れてしまう。
森は浄化装置だ。


プラティパスのハイドレーションシステムが大活躍した。
これがなければ山は登れない、というくらいもはや必須アイテムとなってしまった。
水は何より大切だ。
この八ヶ岳はいたるところに水場があるからいざとなったら補給も出来るけれど、上には山小屋もあるし、安全かどうかはわからないので自己責任で。

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携行水はカラビナでザックにぶら下げるやつ。ZEROGRAMはその理念が好きです。


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沢越えポイントはたくさん。増水時には注意したい。



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ここなんか明らかに鉄砲水くるよー、ってロケーション。
そして眼前には八ヶ岳のメインディシュたちが・・・・!あともう少し・・・・おなかすいた・・・・


そして3時間弱で行者小屋に到着!
IMG_9557_2016090515391388d.jpg 標高2,200mに位置する山小屋で、バックには赤岳がどーん!
平日だけれどいくつか幕営しているのも確認できた。
アタック前のベースキャンプとしては赤岳鉱泉に並んで最高の位置にあるんじゃないだろうか。
八ヶ岳は山小屋が多いしルートも選べるからフレキシブルな登山が出来るのが魅力的だと感じた。


こちらでは当初の予定通り、カレーをいただくことに。
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うまー!
これで800円なんだから安い安い。この場所を思えば安い安い!


さて、実はもともとの計画だとここから文三郎尾根経由で阿弥陀岳に登って赤岳経由で山小屋に向かう予定だったんだけれど、残念ながら時間的余裕はなさそう。
多少の無理をすれば、なんとか日没前に山小屋にたどり着くことができそうだったけれど、山で「多少の無理」はちょっとでも悪い方向に倒れれば遭難につながりかねないことは過去の経験でわかっている。ので、ここは安全策をとって、地蔵尾根ルートで一気に赤岳展望山荘へ登ることに。
コースタイムでは1時間半。

うん?この距離標高差を1時間半?

つまりどういうことかというとかなりの急坂ということ・・・・・(゚´ω`゚)゚


まあ、なんとかなる!というか登るしかない!
ということでラストアタック開始。


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登り始めてものの数分でものすごい斜面のオンパレード。
どちらかというと岩場だけれど、砂混じりのところも多く、滑りそうになるのを必死にこらえる。
カレーでエネルギーを補給したおかげで、身体はさっきよりも軽い。
炭水化物、すごい!

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振り返るとはるか遠くに塩尻市と諏訪湖が!

鎖場、はしご、岩場とエキサイティングなルートだ。雨上がりや下りは絶対遠慮したい。
けれど不思議とそういう道の方が楽だったりする。だらだらゆる登りは嫌いだ。


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またふり返るとさっきまでいた行者小屋があんなに小さく。
そしてどんどんガスが登ってきているのがわかる。これは上に着く頃には真っ白かもしれない。

落ちたら死ぬ感じの箇所が何個かあったけれど、慎重に足場を確保しながら進めば大丈夫。
つまり条件によってはかなり危ない感じ。
命を大事に。

最後の岩場を三点支持でクリアーして地蔵の頭に到着!
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下界を見下ろす地蔵様のウエアがまさかのくまモン。


このタイミングでもうすっかりガスに覆われてしまった稜線。
当然こんな時間から歩くことなどできず、どっちにしろ時間もなかったので山荘へ直行。というかもう見えてる。


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視界30mくらいかしら。



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そして到着赤岳天望荘!

いやー疲れた。出発から休憩込みで4時間30分。まずまずコースタイム通りといったところだろうか。
早速チェックインを済ませて、お部屋へ。
今回はしっかりと回復したかったから贅沢に個室を取っていた。大部屋もいいんだけれど、まあここはお金の力に頼った'`,、('∀`) '`,、

それにしてもここはロケーションといい設備の充実具合といい、満足度かなり高い。
個室は結構しっかりした個室で足を伸ばしてくつろぐことができるし、窓越しに絶景を眺めることができる。
朝食と晩御飯はなんとバイキング(!)これはありがたい。大食いの人はラッキーだね。
コーヒーやお茶は無料で頂くことができる。
システムとしては受付時に色のついたカップを渡されて、このカップでのみ、コーヒーやお茶を頂くことができる。またご飯の時間も色で管理されていて、時間になると「◯◯色のカップをお持ちの方は食堂にお集まりください」って放送が流れる。色別に分散させている模様。

荷物を置いてゆっくりして夕焼け見えるかなあ・・・・と外に出たけれど案の定、ガスガスガス。
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この日は諦めて明日に備えることに。翌日は天気図を見ている限り間違い無く晴れるはず。

程なくして例の放送で呼ばれたので食堂へ。
そこには野菜、お肉、ご飯、スープ、諸々のバイキングが!!
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まさか山の上でこんな美味しいご飯を食べられるなんて・・・・・!
特にこの豚肉がめちゃくちゃ柔らかくてジューシーで最高でした。ごちそうさまでした。


そしてこのお宿最大のプライオリティと言っても過言ではないのが
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五右衛門風呂!

まさかこんなロケーションで標高2,000mより上でお風呂に入れるなんて・・・
いやあ本当に嬉しい。
汗を流せるだけでありがたいのに・・・・
というわけで湯船に浸かって(しかも直径3mくらいのかなり大きい五右衛門風呂!)疲れを癒すことができたのはかなりのメリット。
強張った筋肉をほぐしほぐし。


結局この日は星空も見えなさそうだったので、8時頃には早々と就寝。


明日は、ご来光が拝めるといい・・・・。


おやすみ。


続く。
  
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