【伊豆半島自転車キャンプツーリング】アップダウン時どき爆風【南伊豆〜清水】

神楽坂つむり

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しん・・・・・・とした静寂な空間。時折吹く風でわずかに聞こえる草木の音。
テント泊は周りの音も楽しむ_(ˇωˇ」∠)_ スヤァ…
(↑理想)


(↓現実)

ヒューバサバサ!!バサバサ!!バサバサ!!バサバサ!!
ブワアアアアアアアアアガンガン!
フオォウ!!ウオオオオアアアア\\\\("""'ω""')////アアアアアッッッッ!!!!!

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穏やかじゃない。
テントの四隅に配置したこぶし大の石が、気がつけば盛大に移動している。
やれやれ。夜中もずうっと風が吹いていたせいで、何度も目が覚めてしまった。
寝る前はほとんど風がなくって今日は大丈夫だろう・・・・・と思っていたのに。


でも、珍しいことじゃない。
そういうこともある。
キャンプツーリングとは何もかも思い通りにいくようではそれこそ面白くないじゃないか。
自然を相手にしているんだ。人間は天候には勝てない。

10分くらいかけて寝袋からもぞもぞと起き出し、足元にまとめていた衣服を身にまとう。
荷物を迅速にまとめて、テントの外にポイポイ。
外は寒そうだ。
エアマット、エア枕、寝袋を全てスタッフバッグに収納する。
靴を履いて外に出る。
ピリッと空気が張り詰めている。気温がだいぶ下がってしまったようだ。
見上げると厚い雲に覆われていた。放射冷却がないはずなのに・・・・と思ったけれど
おそらくこの強風で冷たい空気が一気に流れ込んできたんだろう。

人間は天候には勝てない。

テントも5分ほどで片付ける。
慣れのおかげか全ての撤収作業を15分に収めることができるようになった。
ウルトラライトギアは収納もよく考えられているからありがたい限り'`,、('∀`) '`,、

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慣れたら撤収に10分もかからない。
「撤収は設営よりも素早く」


近くのコンビニで朝ごはんを買って、河川敷で食べた。
じっくりコトコト煮込んだパンシチュー的なものと、バナナ1本、パンケーキ2つに
どら焼きをいただいた。
温かいものを喉に通すだけでホッ・・・とする。


さて、北上開始!
ここから先は伊豆半島のある意味ハイライト、南伊豆〜西伊豆。
10分ほどゆっくり目に走っただけでもう面食らってしまった。

「アップダウンしかないじゃないか・・・・・・!」

噂には聞いていたけれど、本当に平地がない。
思わず伊勢志摩のパールロードを思い出す。
アウタートップで下っていると思ったら、一瞬でインナーローが必要な激坂が登場する。
そんなことが延々ひたすら続いていく。

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妻良。

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遅咲きの桜もたくさん。


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飛翔。



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なんだか最果て感。

決して飽きることがないから刺激的・・・・という意味ではいいかもしれないけれど
それにしたってねえ!と言いたくなる。言っても道は変わらない。

そして何もない。
何も、というのは街やお店、という意味で。
漁村はチラホラある。
それはもう全国の漁村をコピペしたようなTHE漁村。

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こういうアングルがひたすら続く。



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どんより曇り空




でも、景色は見ていて面白い。
基本的にずうっと海を眺めながら走ることができるから気持ちが良いし、
それもただの海ではなく時折岩が荒々しく露出した断崖絶壁もある。
明らかに昨日見てきた景色と違う。
伊東あたりと比べると、同じ伊豆半島とは思えない。


途中、展望台っぽいところで、買い込んでいたおにぎりをmgmg。
海を眺める。鉛色の海だ。雲が分厚い。重そうだ。



そこから先もひたすらアップダウン。
これがまあなかなかタフで、その理由が朝からどんどん強くなっていく「風」だ。
追い風なら大歓迎だけれど、お約束の向かい風。
上り坂と相まって、それはそれはもう亀のようにしか進めない(゚´ω`゚)゚。
でも、止まらなければ進む。
今までだってそうだった。どんな道でも止まらなければ必ず前に進んでいつかはゴールにたどり着く。
そういうライドを、思い出す。



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松崎町というところで久しぶりの補給。

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SRAM RED eTap®くださーい!

ここはちゃんとした町なようで、それなりの施設が集まっているようだった。
それにしてもコンビニがあるって本当に便利だなあと思う。
今やコンビニはかなり重要なインフラの一つ、と言っても過言ではない。
コンビニはただの小売店ではなく銀行であり郵便局でありスーパーであり・・・。
特にこういう場所(田舎)ではありがたい存在。


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フレームバッグに補給食を突っ込むスタイル



そしてここからほど近い仁科街の沢田、というところに温泉があるらしい!
との情報をTwitterでいただいた。
何か呟けば情報が向こうからやって来る。便利な世の中だ。

沢田公園露天風呂、というらしい。
メインの国道からちょいと逸れて5分もかからない場所にそれはあった。


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なるほど・・・・こんなところに温泉が・・・・?
HPによると9時から、となっていたけれど、到着したのは少し早い15分前。
受付のおばちゃんに聞いてみる。

私「すみません、もういけますか?」
受付のおばちゃん「ん、もういいよ。好きなだけ入ってってねー」

ゆるい感じだ。
料金を支払って、タオルも購入。


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断崖のキワまで迫った階段を上っていくと、その先端に小さな小屋が建てられている。
ここか・・・・・
もうこれは期待が高まらざるをえない。

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ちゃんとした脱衣所もあり。


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ありがとう小川さん!


全裸になっていざ

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うおおおおおおおおおおおおおゼッケーかな!

素晴らしい。なんというロケーション。
伊豆の海を・・・独り占めや!(自分が独りなだけ)

温泉につかる。
これは・・・・・あはん。
生き返る。身体の芯まで染み渡る・・・・・!

何より海と空と繋がるような露店っぷりがいい。
というかあの遊覧船から丸見えじゃねーか!と思いつつも、まあ気にしない。
湯船に浸かりながら、しばし景色とお湯を堪能。
いやあこれは良い贅沢。

すっかり「癒し」を得てしまったところで脱出。
かれこれ30分近く堪能してたかしら。ふふん。

自転車のところまで戻ると、受付のおばちゃんから何故か飴玉をもらった。
中に梅が入った塩飴だった。
補給食!?  おばちゃんわかってる。

さて、ここから先は・・・・

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相変わらずひたすらアップダウン。
だけなら良いけれど、風がどんどん強くなっている。
残り距離と現在時刻から三島あたりまではそれほどかからないだろう。
80km程度だからお昼過ぎには着くはず。
しかし体力をがっつり消耗しそうだ・・・・・!

というわけで、エスケープ。
ずっと乗ってみたかったフェリーがここ、土肥から出ているのだ。
駿河湾フェリー。
土肥港と清水港を65分で結んでくれる。
これに乗って静岡市内に入ってさわやかでハンバーグを食べて帰ろう!

完璧なプランだ・・・・・


というわけで乗り場へ。
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出航時間まで1時間くらいあったので、待合室でプラプラ。
地元の人たちととりとめもない話をして談笑。
結構方言?訛りが強い。
うまく聞き取れない部分が結構あった。おじいちゃんおばあちゃんだからだろうか。


出港時間になったので乗り場まで移動する。


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もう風が信じられないくらい強い。
斜めになったまま直立できる。
寒い寒いと思いながら着岸即乗船開始。


ずっと乗りたかった理由として海の上から富士山が見えるというのと
ここが「海上県道」だということ。

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海上県道223号線。
世にも珍しい!

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223(ふじさん)。なるほどね。


まあ当然富士山は見えませんでした。富士山なんてなかったんだ。

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船内後部甲板になぜか屋台があった。

屋台のにーちゃんに声をかけられてふらふらと買ってしまった。
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うまー。

テント泊でうまく寝れなかったから眠気が・・・
清水港に着くまでの1時間、たっぷりと眠ることに。。。。


アナウンスで起きる。
清水港に到着したみたいだ。
辺りを見渡すともうみんな下船を始めている。
急いで車両甲板の自転車のところまで移動。そして下船開始。


久しぶりの清水・・・・だ。
こうしてゆっくり眺めるのはそれこそ北海道から自走で帰った時以来だろうか。
あれは確か2011年だったと思う。
清水駅近くのビジネスホテルに泊まった記憶。
ホテルの中まで自転車を入れてくれて助かった。


と、思い出に浸りながら下船していると何やらまっすぐ近づいてくる人がいる。


??「もしかしてつむりさんですか?」
私「:;(((∩´。ω゜`∩)));::!?」

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突然のフォロワーによる迎撃イベントこわい


いやあ、こういう突然の出会いがあるから面白い。
出迎えてくださったのはここ清水が地元のはるひささん!(@beatbox35 )

どうやら先週にはばるさんやぽにっくさんともお会いしているようで
なるほど関東自転車クラスタの有名どころばかり・・・・。
そういえばここは関東なんだった、と思い出す。

しばし談笑しつつ、ここから先のルートも丁寧に教えてもらった。ありがたい。
去り際にお土産までくださった!なんだか美味しそうな地元のパン。
お心遣いに感謝するばかり。
ありがとうございます。


お別れをして向かうはさわやか!

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教えてもらった県道407号線を使って静岡駅まで一気にワープ。
2日間、ひたすらアップダウンにあえいでいた身としては本土のこの平坦がもうヌルゲーすぎて。
時間さえあればこのまま大阪まで自走できるなあ・・・と思いつつここは自重。
今回はあくまで伊豆半島ツーリングなんだ。自重自重。(だいぶ危なかった)

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なんか怪しい建物がある・・・・・

で、肝心のさわやかは、はい、大混雑により撤退・・・・。
まさかあんなに並んでいるとは。。。

ここでもういいや、となったので静岡駅から輪行でワープすることに。


帰りの新幹線の中で駅弁を食べつつ、はるひささんに頂いたパンをmgmg。
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うん、美味しい。とても美味しい。こういう差し入れはいつにも増して美味しく感じるものだ

今回も2日、たった2日の旅だったけれど、
大いに冒険心を満たすことができた。

熱海の町並み、伊東の広い海、あまんちゅ!の聖地巡礼、その舞台の数々、
伊豆海の幸、富戸の岩岩、テント泊、ひたすら続くアップダウンと、激しい風・・・・・

それでもまだまだ回りたいところもあった。
きっと次の再訪を誓いつつ
柔らかいシートの中で私は眠りについた。



終わり。
   
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Comments 2

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hira

ロード旅はその場の対応力が必要になって来るものだと実感しました。

ふと気になってしまったのですが、ツーリング中はカメラをどこにしまっておられるのでしょうか。

いつも一眼レフを使って撮影されているようなので、気になってしまいました。結構大きく、重さもありそうな物の様に思えましたので。

私事で恐縮ですが、最近「半分の月がのぼる空」1~6巻を読みました。つむり様が強くプッシュされていた意味が少しでも分かった気がしました。
有難うございます。いつか伊勢までロードで行きます。

  • 2016/04/24 (Sun) 00:47
  • REPLY
神楽坂つむり
>hira さん

> ロード旅はその場の対応力が必要になって来るものだと実感しました。
>
> ふと気になってしまったのですが、ツーリング中はカメラをどこにしまっておられるのでしょうか。
>
> いつも一眼レフを使って撮影されているようなので、気になってしまいました。結構大きく、重さもありそうな物の様に思えましたので。
>
いつも背負ってます。普通にカメラストラップをたすき掛けしてそのまま背中に回してます。
慣れが必要です。
慣れたら何も気になりません。
何より素早く写真を撮りたいのでこのスタイルに落ち着きました。



> 私事で恐縮ですが、最近「半分の月がのぼる空」1~6巻を読みました。つむり様が強くプッシュされていた意味が少しでも分かった気がしました。
> 有難うございます。いつか伊勢までロードで行きます。
二人の物語の舞台へ是非に!
からあげ丼は絶品です。

  • 2016/04/27 (Wed) 21:56
  • REPLY