【欧州旅】2日目 ヴェネチア ムラーノ島と夕焼けと。

神楽坂つむり

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さて、無事にヴァポレット乗り場に到着して、ムラート島行きの船に乗ることができた。
10分くらいで到着したかな。
地元民っぽい方々に続いて船を降りる。
一つ島が違うだけで随分と雰囲気が変わっていた。

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島に降りた瞬間に、ほっこりした。
静かな町、洗濯物が干してある民家、一見すると普通の家のような一階にはガラス工房。
犬の散歩をする老婆、自転車で走り回る子供達、それを見守る父親。
なんというか、ゆったりした、バカンス的な雰囲気が感じられた。

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さて、ムラーノ島である。
ヴェネチアンガラスの名産地だ!
なぜこの島が名産地になったのかはいろんな説があるけれど、
聞くにその昔、ガラス職人の技術流出を防ぎ、かつその腕をあげるために島に閉じ込めて
出来栄えに応じて報酬を与えていただとか、
万が一の火災の際に、政治拠点のある本島まで被害に及ばないようにだとか
どことなくネガティブな噂を聞いたけれど、意外と本当のことなのかもしれない。
けれどそれも昔の話。
今では素晴らしいマエストロたちがその腕を存分に振るって素晴らしい作品を世に送り出している。

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まずは軽く島の中を散策してみる。
と言ってもそれほど広くもなく、街の中心を流れる運河に沿って商店が軒を連ねているくらいで
一本外れたら住宅街、というような島だ。

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観光地的な意味では見所は限られているけれど、私はここの雰囲気が気に入ってしまった。
ベンチに腰掛けて、町を眺める。
それだけでもなんだか十分だった。

さて、歩いて15分もしないうちに、中心部である広場に着いてしまった。

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青い物体はすべてガラス。時計台とセットで街のシンボル。


さて、折り返しながら、気になるお店をチェックしていく。
色鮮やかに彩色されたガラスの数々に思わず目移りしてしまう。


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その中で目に付いたお店に入ってみる。
店内は日本のコンビニくらいの広さだろうか。
通路に沿って高い棚が立ち並び、棚の上には所狭しとガラス作品が飾られている。
犬や猫、馬、羊、カラス、ライオン、あるいは時計、花瓶、イヤリング、万華鏡、鏡などなど・・・・

店の奥には工房があって、ちょうど職人がガラス加工をしているところを生で見ることができた。

・・・・すごい・・・・・!

目の前で見るのは初めてだった。
長い棒の先に、ガラスになるのであろう、どろっとした液体状のものをすくい取る。
そしてそれを釜に入れると、瞬く間に真っ赤になった。
数メートル離れていても熱気を感じる。
そしてそれを長いペンチのようなもので挟んで伸ばす。
時には曲げたりひねったり。
その手つきはまさに熟練の技。
最初はただの球体だったものが、見る見るうちに腕が生え、足が伸び、尻尾が伸びて
あっという間に猫の出来上がりだった。

お見事'`,、('∀`) '`,、

そんなものを見せられたのだから、これは買わないわけにはいかない。
ということで綺麗な青と赤と緑の混ざったグラスを6個も買ってしまった。
店員さんに飛行機に乗るからしっかりとした梱包をしてください!
と伝えると、それこそ危険物を取り扱うように丁寧にしっかりと梱包してくれた。
ありがとう。

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いい買い物をしてホクホクしたまま、ヴァポレット乗り場に向かう道すがら
良さげなカフェレストランがあったので、お昼時ということもあり、入ってみることに。
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そしてメニューを見て嬉しくなった。
雲がにとパスタが食べられるじゃないか!!!
ということで迷わずに注文。
ヴェネチアに来たからにはこれは食べないと。

店内は白い壁で覆われ、ところどころに鮮やかな花が添えられている。
照明というよりは自然光を綺麗に取り込む採光窓が大きく取り付けられていて
お店の雰囲気がとても良い。
フィッシャーマンズホライズンのよう。
店員さんももちろん陽気。いちいちユーモアを魅せてくれる。

そしてこちらがそのおめあての品。

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美しい・・・・・!
対して観光地っぽいところでもないのに(失礼)見事な見栄え。
目で楽しんでそして一口。


うまあああああああああああああ


さすが本場・・・・イタリア・・・・これが・・・・・・パスタ・・・・!
なんというか麺もそうだし味付けがすごい。
オイルかな、オリーブオイルの質がすごく高いんだと思う。

シェフおすすめのパスタがあるということなのでそちらも注文。
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白身魚とトマトの相性がサイコー。

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そして白ワイン( ˘ω˘ )


きっちりお腹がいっぱいになったところで、そろそろ本島に戻るがてら
サンタルチア駅を見にいくことにした。
明日の朝にはベネチアを出発する。
その時に迷ったりしないように、あらかじめ駅の様子を見ておきたかった。(暇つぶしともいう)
本島内、カナルグランデをヴァポレットでいく。



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サンタルチア駅向こうのローマ広場で船を降りた。

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ずうっとヴェネチア本島内にいたせいか、電車を見てものすごい違和感を覚えた。
そうか、水路じゃないんだ・・・・・と。
それが普通。ヴェネチアが特別。

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駅の周りはさすが陸の玄関口、結構な栄っぷり。
人は多く、皆荷物をたくさん抱えている。
カーニバルの余韻はこの辺りにも伝わっていて、どこか浮き足立っている感じ。

せっかくなのでホームまで歩いて、列車を眺める。
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イタリアの特急、フレッチェビアンカに明日は乗ることになる。切符は日本で予約済みだ。
(だからこそ時間に遅れるわけにはいかない)
リド島からの時間を調べる意味も込めて、このままリド島まで戻ることに。

カナルグランデを通らない、外海ルートで船は行く。


時刻は17時30分。


ちょうどだ。


夕焼けの時間だった。



HD画質再生推奨


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あまりの美しさに言葉を失った。
ただひたすら無心でシャッターを押した。
ああ、ここにはもう、こんないい景色しかないのか、と。ため息が出てしまった。
エンジン音を響かせながらリド島へ向かうヴァポレットの上で
改めて来て良かったと、心の底から思えた瞬間だった。

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サンタルチア駅からリド島までのこの30分は一生の思い出に残る30分になった。
今でも鮮明に思い出すことができる。絶対忘れない。



リド島に着く。
昨日から気になっていた降り場前広場にあるカフェでちょっと一服。
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カフェオレをクイッと引っ掛けて、この日は帰宅。

明日はようやくヴェネチアを発つ。
そして鉄道旅へ。

いったいどんな街が、景色が、ご飯が、出来事が待っているんだろう。




楽しみを胸に、この日も深い眠りについた。

続く。
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