【松本〜乗鞍】ちょっと自転車で乗鞍を宿泊込みで満喫してきた 1日目【エコーライン】
自転車, 写真, 機材紹介, ロングライド, アウトドア, 聖地巡礼, 中部,
あつい・・・・・
日本の夏だ・・・・・
茹だるような暑さ、
ホワイトノイズのような蝉の声、
まとわりつくようなねっとりとした空気、
日向と影のコントラストがあまりにも強い。
避暑したい・・・・避暑したくない?????
そうだ、乗鞍行こう。

日本の夏だ・・・・・
茹だるような暑さ、
ホワイトノイズのような蝉の声、
まとわりつくようなねっとりとした空気、
日向と影のコントラストがあまりにも強い。
避暑したい・・・・避暑したくない?????
そうだ、乗鞍行こう。

AM 6:00 新大阪発。
AM 9:08 松本着。
これ狙いだ!
松本から乗鞍まではおおよそ60km。ほとんど登り。
休憩や写真撮影諸々込みでおおよそ5時間くらいで頂上に着くかしらね。
で、高山に下って、その後はその場で決めればいい。
まだ5時過ぎだというのに、ずいぶん明るい。
うん、さすがに夏でも朝は涼しい。
けれどあと数時間もすれば灼熱と化す。はやく脱出しなければ。

新大阪駅で輪行準備をして、切符をゲットして新幹線に乗り込む。
始発ということもあり、特に苦労することもなく自由席の最後尾をゲット。
所定のスペースに自転車を置いて、一休み。
と、言っても名古屋乗り換えである。1時間もしないうちに到着するのだから、熟睡しないように・・・。
名古屋駅で在来線特急、JR特急ワイドビューしなの1号に乗り換え。
このワイドビューの何がいいって、各車両の最前部に荷物置き場が常設されているということ!
自転車の置き場に困らない幸せ'`,、('∀`) '`,、
あとは2時間ばかし、列車に揺られるだけである。

味噌カツサンドmgmg
いつもどおりTwitterを眺めてると、おそろしい情報が入ってきた。
「いま平湯峠にいるんですけど、乗鞍スカイライン、強風のため通行止めらしいです。」
( ´゚д゚`)マジカ
なんということだ。天気は良いというのに!!!!
もはや旅の前提が崩れてしまった。どうしよう。
情報をくださったのはたかのりさん
同じように乗鞍登るのだとか!
続報が。
「反対側(松本側 乗鞍エコーライン)からなら登れるかもしれません。観光センターに確認してみます。」
私、神頼み。
これでダメだったら、うーん、そうだ、蓼科のあたりを登ってみよう。
前回の信州ツーリングで近くを通って気になっていたところ。
うん、そうしよう( ゚∀゚)
とまあそんなに落ち込むこともなく、ただ期待を込めながらメッセージを待っていると
「エコーライン登れるそうです!」
キタ━━(゚∀゚ )キタ ( ゚∀゚) (。A 。 )キタ ━━!!
良かったよかった。
まだ走り出してもいないのにトラブル未遂だ。
フェールセーフ。
これで乗鞍エコーラインは登れる。
つまり頂上までは登れる。
逆に言うと、そこから高山側に下ることは出来ないということ。
登って折り返す???
嫌だ。
なんとかしようではないか。
そうこう悩んでるうちに、松本駅に到着。

きたきた!!去年ぶりである!
私が山登りに興味を持ち出してから愛読している漫画「岳」でも出てくるように
登山人にとっては玄関口的存在の街である。
それだけでなんだかワクワクしてしまう。

輪行を解除、組み立て。
ホイール、タイヤ、ブレーキ、変速、各種装備チェック。OK。
スタート。
思っていたよりも暑い!
松本、標高500mちょっとの街。なのに。
猛暑日、とは聞いていたけれど、なるほどなあといった感じ。
日焼け対策にアームカバーと、レッグカバーを装着。
パールイズミのコールドブラック、めちゃくちゃ重宝してる。
さて、乗鞍までは国道158号線をひたすら西に進むのみ。
そして勾配の増減はあるものの、ずうっと登り。ひたすら登り。

先立って、コンビニに立ち寄って、今日一日の補給食をゲット。
・塩タブレット
・ウイダー×2個
・おにぎり2個
・羊羹2個
・バナナ1本
距離自体は短いから、これだけあれば十分。



登りとはいっても、本格的な登りはまだまだ先で
31.5km地点まではそうはいっても国道。
そこからが乗鞍高原への登り、そしてエコーライン・・・!
セーブしながらリズムに乗せて登る。
登りはリズム。体調が悪くてもリズムに乗れば登れるし、いくら体調が良くてもリズムに乗れないとうまく登れない。


すこし走っただけで汗が吹き出る!
100m登れば0.6℃下がるけれど、登ってるから暑くなる、日中になるほど気温も上がる。
本当に涼しさを感じられるのはきっと1,500m越えてからだろう・・・・
夏らしい景色の中を走り抜ける。
THE日本の夏。
気持ち良い。
暑いけれど、気持ちが良い!!
途中、道の駅で水分補給。

自動販売機で水を買って、ボトルに注ぐ。余った分は頭から被る!
冷却大事。水冷効果的。
補給食については十分な量があったから、特に追加なし。


このあたりから少しずつトンネルが増えてきた。
松本〜乗鞍で唯一注意すべき点がこのトンネルだろうか。
何本もあって、狭いところ、路面が荒れているところ、登り基調なところ、真っ暗なところなどなどあって
慎重にいきたいところ。
この日は平日だったから交通量も少なかったけれど、例えばお盆だとか休日なんかはスリリングかもしれない。
途中、珍しいトンネルが。


トンネル内で分岐がある!!
ってまあ他にもないことはないけれど、こういうの久しぶりに見てちょっとテンション上がってしまった。

乗鞍高原へと至る県道84号へはトンネルとトンネルの僅かな間にある交差点を瞬時に左折しなければならない。
割とぼーっと走ってると通り過ぎてしまうかもしれない。(゚´^ω^`゚)。゚
トンネルを出た瞬間に左折。

トップスピードで突っ込むとすこしあぶないかも。


さて、ここからは、いよいよ本格的な登りの序章スタートだ。
そうあくまで序章。
普通の峠ならとっくに頂上といっていいくらいの標高1,000m越えだけれど、まだまだ先は長い。
一気に交通量が減って、すこしリラックスモード。
マイペースでじわじわと標高を稼いで行く。
実はここは中部ツーリングで通ったことがあるけれど、あの時は夜で景色が全然見えなかった。
なぜこんなところを夜に、しかも3人で走っていたか説明すると長くなるので、詳細は当時の記事を見ていただきたい。
波瀾万丈すぎるツーリングだったことは書いておこう。

しばらく走るとペンションや民宿がちらほらと増えてきた。
いわゆる乗鞍高原あたりまで近づいたということ。
このあたりは避暑地といった感じで、ちょっとしたリゾート感覚で泊まれるようなペンションが多いみたい。
かくいう中部ツーリングでもこの辺りの民宿にお世話になったのだ。
疲れた身体に硫黄温泉が染み渡ったっけ・・・・。
そして松本観光センターにて・・・・

たかのりさんに合流!!!
待っててくれたのだ。お待たせだよー!!
まさかの私が着てるのと全く同じETTジャージ。


ツイのオタクのかおりがする・・・・
水分補給と、ソフトクリームを補給して、ここから先は二人旅'`,、('∀`) '`,、


自転車忘れてもこれで登れるぞい!
ここまではそれなりに登ったけれどほとんど体力は使っていない。
むしろアップがようやく終わったという感じ。
実際のところ松本駅からここまで40km強、獲得標高も1,000m近い。
天気は晴れ、時間はたっぷりある。
平日のためか、誰もいない。
貸し切り状態だ。
こんな状況、テンション上がらない訳がない。

ここからが本番。
乗鞍エコーライン。
いざ、参る!
登るとすぐに絶景が待っていた。


ああ、来た甲斐があった・・・・・
しかも頂上はまだまだ先。
見上げるとはるか雲の上に頂上がうっすら見える。
普通なら「高い山だなー」と思うだけだけれど、今は違う、あそこまで登るんだ。
ふひひ。
たかのりさんと談笑しながら登り続ける。
それくらいの緩いペースで。
せっかくの乗鞍だ。別に急いだってしょうがない。そういうのは地元の山でやればいい。
それにしても暑い。
まだ7月も中旬だというのに日差しがささるよう。
この標高でこの暑さなんだから都会は大変なことになってるんじゃ・・・・と思っていたら
後で調べたら埼玉で38℃とか言っててワロタ。

けれど、標高が2,000m近くなると様子が違ってくる。
時折吹く風が冷たい。
100mで0.6℃気温が下がるとして、単純計算で下界と比べてマイナス12℃。最高の避暑地だ。
ここまで来るとさすがに空気も薄くって、呼吸が荒くなってくる。
2〜3回呼吸をしてやっと1回分くらい。
こんなところでレースするプロレーサーナニモンだよ…((´゜ω。`))ブルブルッ


途中、位ヶ原山荘で小休憩。
ウイダーとコカコーラを購入。こんなところで補給を受けられるのだから、オアシス以外の何物でもない。
そしてここはなんと宿泊も出来る模様。
これは便利。上手く利用したら、素敵な旅を作ることが出来そうな予感。
山荘の前の雪解け水で水分補給。ありがてえ。
ここから山頂まではおおよそ5km。標高差は400mといったところ。
数字だけ見ると大したことないけれど、ベースメントが違い過ぎる・・・・!
見上げると雲がものすごく近い。
場所によっては雲の方が低いくらい。
正直、それなりに脚も使って、呼吸も乱れ始めてる。
けれど景色が良すぎて、そういうのが本当に些末なことに思えてくる。



「ツイッタラ—であること。匍匐前進撮りするということ。」
雪が近い。
森林限界だ。
途中、スキーヤーがいた。

こんなところまでスキーしにくる人らナニモンだよ…((´゜ω。`))ブルブルッ
(もしかすると向こうもこっち見てそういうことを思ってるかもしれない)




ただひたすら絶景。
その中をじわじわと登って行く。
こんな景色、テンション上がらない訳がない!!

そして・・・・・

ゴール!!!15:00。
ここがちょうど長野県と岐阜県の県境。
峠の頂上に県境があるというのは珍しくないけれど、ここばかりは本当にとんでもない県境だ。
記念撮影。
ここで、悲報。
記念撮影中、たかのりさんのバイクが風で煽られて、トップチューブを思い切り岩の角に強打。

カーボンだったら即死レベル。CAAD強いよCAAD。
鶴ヶ池を横目に、畳平へ。

横目に、といいつつ、いやこれどうみても絶景でしょ・・・・

溜め息しか出ない。
畳平駐車場横の定番撮影スポットで、最後のツーショット。

たかのりさんは松本側へダウンヒルでお別れ。下に車を停めているのだ。
そう、私は居残り。
高山側に下りたい・・・・が!
強風のため乗鞍スカイラインは通行止め'`,、('∀`) '`,、
Q どうしよう
A ここに泊まればいいじゃない
畳平駐車場のお土産屋さん「銀嶺荘」。
ここ、実は、山小屋でもあるのだ!
松本までの電車内でスカイラインが通行止めと聞かされていた私。
その後、あれこれ調べてここの宿が使えるということが分かった。
旅のトラブル、なんとかなるものだ。
実際ここがなかったらきっと位ヶ原山荘に泊まっていたかしらね。
早速、宿に凸。
宿泊のためにチェックインだん!

ご好意で自転車も中に。

部屋の窓からの景色が良すぎ問題2015
時刻は15時30分。
乗鞍に来たことがある人なら分かると思うけれど、普通はこの時間であれば、急いで下り始めないといけない。
下のゲートは18時には閉まってしまうのだ。
それを抜きにしても、こんな標高の山で、夕暮れを迎えてしまえば、下りがおそろしくって仕方がない。
けれど今日は違う。
ここに泊まる!
だから時間的余裕がたっぷりある。
というわけで、ここからは自転車をいったん置いて、せっかくだから登山に移行(^ω^三^ω^)
登山的にはここ乗鞍は初心者向けで、
というのもなんせベースメントである駐車場がすでに標高2,700m。
周りの山々の山頂までほんの数百メートル登ればいいだけっていうね。
最も高い剣ヶ峰が別として、富士見岳、大黒岳、魔王岳など、そのどれもが30分程度で登頂できる。
山岳パトロールしてる人を捕まえておすすめの山を聞いてみると、この時間からなら富士見岳がいいということで
さっそく登ってみることに。
※ビンディングシューズで。
※おすすめしません。

クマー
さあさあ!登山も大好きな私としては、この「自転車+登山」というのにものすごい可能性を感じている。
今後もこの組み合わせは積極的に推して行きたい。


ビンディングシューズでざくざく登る。
うん、結構険しいよね。
岩、すごいし、滑るし。
でも、登れないことない。
クリート削れても気にしない。器の大きい人の歌を頭の中で流す。




だって、そんなの気にしてられない程、景色がいい。
端的に言って、絶景。
やっぱり、そう、私が登山にはまった理由の一つがこの登った人にしか見られない景色の良さにある。
自転車もものすごい景色を見せてくれるけれど、あくまで道路上の話であって、
それすらも到達しないところでしか見られないこの景色がやっぱり登山の魅力だと思う。
ひいひい言いながら登り続けて15分ちょっとで登頂成功!

さすがにものすごい風。
立ってられない程の風が吹き続けている。
その場にしゃがみ込んでやり過ごす。
そのまま10分程、目の前の景色を堪能した。感無量だ。
さすがこの高さにもなると、雲の動きがめちゃくちゃ早い。
数分おきにその様相が変わる。


時間も時間ということで、いったん宿に戻ることに。
冷えだしたら早いしね!
ちなみにこの時の服装は
・モンベルメリノウールインナー
・ロングTシャツ
・MACウインドジャケット
・メリノウールグローブ
という組み合わせ。
とてもじゃないけれど、サイクルジャージじゃあ堪え難いと思う。
風も強いから、体感気温は10℃くらいだったかしらね。

観測器。なんかかっこいい。

不思議雪解け水。

ファンタジーすぎる。
宿に戻ると、なんと幸せか、お風呂に入れるのだとか!!!
まさか山小屋で、こんな標高の山小屋で、お風呂に浸かれるなんて思ってもいなかった。

ふつうはあり得ない。そもそも水が貴重な存在。当然、下水整備なんてされてないから、
ここにあるのは山々に積もった雪解け水だけのはず。
それを貯めて湧かしてるんだろうか・・・・。
お風呂場で、同じくここに泊まるという人たちと談笑。
私の他にご夫婦が二組いらっしゃった。
お風呂でさっぱりした後は、夕ご飯!

豪華すぎワロタ
うーん、すごいな。立地を考えると最高級ではないだろうか。
すき焼きに天婦羅、蕎麦に、野菜、熱々のごはん。
ご夫婦と登山の話、自転車の話、天気の話、お宿の人も交えて自然の話、熊と戦った話などなど話題は尽きない。
18時半頃、お宿の人が
「夕焼けが綺麗なはず。見に行ってきなさいな」
行くしかない。
急いでカメラをかついで、自転車にまたがって、高山側に走った。
そして


コトバにできない絶景がそこにはあった。
今まで全国で色んな夕焼けを見てきたけれど、正直、これに勝る物は見たことがない。

通常、見ることが出来ない景色。
とっくにこの道路は通行止めになっている時間。
当然、自転車もバスもタクシーも通らない。誰もいない。
ここにあるのは、山と、空と、自分だけ。
地球の丸さが分かるくらいの高さから、
いつもは見上げている太陽が地平線に沈んで行くのを上から見るという奇妙な体験。
通行止めになって良かった。あの銀嶺荘に泊まることになって良かった。



完全に日が落ちるまで、その景色を眺めていた。

さすがに寒くなってきたので宿に帰還。
そして何故かお宿の人たちと、撮った写真の上映会。
話の中で、今日は本当に天気が良い、ということが分かった。
どうやらここ数日はずうっと天気が安定しなくって、夕暮れもガスってて全然見れなかったらしい。
さらに数日後には台風が来ることが分かっている。
おそらく明日の同じ時間は、だいぶ荒れ始めるということだった。
「きっと今夜は星が綺麗ですよ」
願ってもいない情報だった。
着れるだけの服を来て、外に出る。
そしてこの星空である。

はあ・・・・・・・・・
なんにも言うことねえ・・・・・・・
何もかもが見えた。
薄く広がった雲のように見えるのは天の川、
流れ星のようにすーっと移動し続けているのは人工衛星、
点滅しながら移動しているのは飛行機、あるいは宇宙ステーション。
それ以外は全部星。
真っ暗闇の中、宿の人が教えてくれた。
畳平の駐車場のど真ん中に仰向けになって、ひたすら見続けた。
気温は6℃くらいだろうか。さすがに寒いけれど、ここは我慢。
流れ星、見放題。
遥か遠くの、低いところが明るい。あれはきっと松本の街の光。ずいぶん下の方だ。
寝袋さえあれば、ここで寝たいくらい。
けれど、この寒さ、きっと朝方、しぬ()

堪能しきったところで宿に帰還。
冷えた身体をホットミルクで温めてから、今宵は眠ることに。
とにもかくにもスバラシイ一日だった。
絶景ばかりで脳が刺激されすぎて、ちょっと麻痺状態。
大阪を出発したのがまだ16時間前だなんて信じられない。
標高2,700mにて、就寝。
明日はどんな旅になるだろうか。
つづく。

走行距離 61.85km
獲得標高 2,856m
平均時速 15.7km/h
自転車,
写真,
機材紹介,
ロングライド,
アウトドア,
聖地巡礼,
中部,
AM 9:08 松本着。
これ狙いだ!
松本から乗鞍まではおおよそ60km。ほとんど登り。
休憩や写真撮影諸々込みでおおよそ5時間くらいで頂上に着くかしらね。
で、高山に下って、その後はその場で決めればいい。
まだ5時過ぎだというのに、ずいぶん明るい。
うん、さすがに夏でも朝は涼しい。
けれどあと数時間もすれば灼熱と化す。はやく脱出しなければ。

新大阪駅で輪行準備をして、切符をゲットして新幹線に乗り込む。
始発ということもあり、特に苦労することもなく自由席の最後尾をゲット。
所定のスペースに自転車を置いて、一休み。
と、言っても名古屋乗り換えである。1時間もしないうちに到着するのだから、熟睡しないように・・・。
名古屋駅で在来線特急、JR特急ワイドビューしなの1号に乗り換え。
このワイドビューの何がいいって、各車両の最前部に荷物置き場が常設されているということ!
自転車の置き場に困らない幸せ'`,、('∀`) '`,、
あとは2時間ばかし、列車に揺られるだけである。

味噌カツサンドmgmg
いつもどおりTwitterを眺めてると、おそろしい情報が入ってきた。
「いま平湯峠にいるんですけど、乗鞍スカイライン、強風のため通行止めらしいです。」
( ´゚д゚`)マジカ
なんということだ。天気は良いというのに!!!!
もはや旅の前提が崩れてしまった。どうしよう。
情報をくださったのはたかのりさん
同じように乗鞍登るのだとか!
続報が。
「反対側(松本側 乗鞍エコーライン)からなら登れるかもしれません。観光センターに確認してみます。」
私、神頼み。
これでダメだったら、うーん、そうだ、蓼科のあたりを登ってみよう。
前回の信州ツーリングで近くを通って気になっていたところ。
うん、そうしよう( ゚∀゚)
とまあそんなに落ち込むこともなく、ただ期待を込めながらメッセージを待っていると
「エコーライン登れるそうです!」
キタ━━(゚∀゚ )キタ ( ゚∀゚) (。A 。 )キタ ━━!!
良かったよかった。
まだ走り出してもいないのにトラブル未遂だ。
フェールセーフ。
これで乗鞍エコーラインは登れる。
つまり頂上までは登れる。
逆に言うと、そこから高山側に下ることは出来ないということ。
登って折り返す???
嫌だ。
なんとかしようではないか。
そうこう悩んでるうちに、松本駅に到着。

きたきた!!去年ぶりである!
私が山登りに興味を持ち出してから愛読している漫画「岳」でも出てくるように
登山人にとっては玄関口的存在の街である。
それだけでなんだかワクワクしてしまう。

輪行を解除、組み立て。
ホイール、タイヤ、ブレーキ、変速、各種装備チェック。OK。
スタート。
思っていたよりも暑い!
松本、標高500mちょっとの街。なのに。
猛暑日、とは聞いていたけれど、なるほどなあといった感じ。
日焼け対策にアームカバーと、レッグカバーを装着。
パールイズミのコールドブラック、めちゃくちゃ重宝してる。
さて、乗鞍までは国道158号線をひたすら西に進むのみ。
そして勾配の増減はあるものの、ずうっと登り。ひたすら登り。

先立って、コンビニに立ち寄って、今日一日の補給食をゲット。
・塩タブレット
・ウイダー×2個
・おにぎり2個
・羊羹2個
・バナナ1本
距離自体は短いから、これだけあれば十分。



登りとはいっても、本格的な登りはまだまだ先で
31.5km地点まではそうはいっても国道。
そこからが乗鞍高原への登り、そしてエコーライン・・・!
セーブしながらリズムに乗せて登る。
登りはリズム。体調が悪くてもリズムに乗れば登れるし、いくら体調が良くてもリズムに乗れないとうまく登れない。


すこし走っただけで汗が吹き出る!
100m登れば0.6℃下がるけれど、登ってるから暑くなる、日中になるほど気温も上がる。
本当に涼しさを感じられるのはきっと1,500m越えてからだろう・・・・
夏らしい景色の中を走り抜ける。
THE日本の夏。
気持ち良い。
暑いけれど、気持ちが良い!!
途中、道の駅で水分補給。

自動販売機で水を買って、ボトルに注ぐ。余った分は頭から被る!
冷却大事。水冷効果的。
補給食については十分な量があったから、特に追加なし。


このあたりから少しずつトンネルが増えてきた。
松本〜乗鞍で唯一注意すべき点がこのトンネルだろうか。
何本もあって、狭いところ、路面が荒れているところ、登り基調なところ、真っ暗なところなどなどあって
慎重にいきたいところ。
この日は平日だったから交通量も少なかったけれど、例えばお盆だとか休日なんかはスリリングかもしれない。
途中、珍しいトンネルが。


トンネル内で分岐がある!!
ってまあ他にもないことはないけれど、こういうの久しぶりに見てちょっとテンション上がってしまった。

乗鞍高原へと至る県道84号へはトンネルとトンネルの僅かな間にある交差点を瞬時に左折しなければならない。
割とぼーっと走ってると通り過ぎてしまうかもしれない。(゚´^ω^`゚)。゚
トンネルを出た瞬間に左折。

トップスピードで突っ込むとすこしあぶないかも。


さて、ここからは、いよいよ本格的な登りの序章スタートだ。
そうあくまで序章。
普通の峠ならとっくに頂上といっていいくらいの標高1,000m越えだけれど、まだまだ先は長い。
一気に交通量が減って、すこしリラックスモード。
マイペースでじわじわと標高を稼いで行く。
実はここは中部ツーリングで通ったことがあるけれど、あの時は夜で景色が全然見えなかった。
なぜこんなところを夜に、しかも3人で走っていたか説明すると長くなるので、詳細は当時の記事を見ていただきたい。
波瀾万丈すぎるツーリングだったことは書いておこう。

しばらく走るとペンションや民宿がちらほらと増えてきた。
いわゆる乗鞍高原あたりまで近づいたということ。
このあたりは避暑地といった感じで、ちょっとしたリゾート感覚で泊まれるようなペンションが多いみたい。
かくいう中部ツーリングでもこの辺りの民宿にお世話になったのだ。
疲れた身体に硫黄温泉が染み渡ったっけ・・・・。
そして松本観光センターにて・・・・

たかのりさんに合流!!!
待っててくれたのだ。お待たせだよー!!
まさかの私が着てるのと全く同じETTジャージ。


ツイのオタクのかおりがする・・・・
水分補給と、ソフトクリームを補給して、ここから先は二人旅'`,、('∀`) '`,、


自転車忘れてもこれで登れるぞい!
ここまではそれなりに登ったけれどほとんど体力は使っていない。
むしろアップがようやく終わったという感じ。
実際のところ松本駅からここまで40km強、獲得標高も1,000m近い。
天気は晴れ、時間はたっぷりある。
平日のためか、誰もいない。
貸し切り状態だ。
こんな状況、テンション上がらない訳がない。

ここからが本番。
乗鞍エコーライン。
いざ、参る!
登るとすぐに絶景が待っていた。


ああ、来た甲斐があった・・・・・
しかも頂上はまだまだ先。
見上げるとはるか雲の上に頂上がうっすら見える。
普通なら「高い山だなー」と思うだけだけれど、今は違う、あそこまで登るんだ。
ふひひ。
たかのりさんと談笑しながら登り続ける。
それくらいの緩いペースで。
せっかくの乗鞍だ。別に急いだってしょうがない。そういうのは地元の山でやればいい。
それにしても暑い。
まだ7月も中旬だというのに日差しがささるよう。
この標高でこの暑さなんだから都会は大変なことになってるんじゃ・・・・と思っていたら
後で調べたら埼玉で38℃とか言っててワロタ。

けれど、標高が2,000m近くなると様子が違ってくる。
時折吹く風が冷たい。
100mで0.6℃気温が下がるとして、単純計算で下界と比べてマイナス12℃。最高の避暑地だ。
ここまで来るとさすがに空気も薄くって、呼吸が荒くなってくる。
2〜3回呼吸をしてやっと1回分くらい。
こんなところでレースするプロレーサーナニモンだよ…((´゜ω。`))ブルブルッ


途中、位ヶ原山荘で小休憩。
ウイダーとコカコーラを購入。こんなところで補給を受けられるのだから、オアシス以外の何物でもない。
そしてここはなんと宿泊も出来る模様。
これは便利。上手く利用したら、素敵な旅を作ることが出来そうな予感。
山荘の前の雪解け水で水分補給。ありがてえ。
ここから山頂まではおおよそ5km。標高差は400mといったところ。
数字だけ見ると大したことないけれど、ベースメントが違い過ぎる・・・・!
見上げると雲がものすごく近い。
場所によっては雲の方が低いくらい。
正直、それなりに脚も使って、呼吸も乱れ始めてる。
けれど景色が良すぎて、そういうのが本当に些末なことに思えてくる。



「ツイッタラ—であること。匍匐前進撮りするということ。」
雪が近い。
森林限界だ。
途中、スキーヤーがいた。

こんなところまでスキーしにくる人らナニモンだよ…((´゜ω。`))ブルブルッ
(もしかすると向こうもこっち見てそういうことを思ってるかもしれない)




ただひたすら絶景。
その中をじわじわと登って行く。
こんな景色、テンション上がらない訳がない!!

そして・・・・・

ゴール!!!15:00。
ここがちょうど長野県と岐阜県の県境。
峠の頂上に県境があるというのは珍しくないけれど、ここばかりは本当にとんでもない県境だ。
記念撮影。
ここで、悲報。
記念撮影中、たかのりさんのバイクが風で煽られて、トップチューブを思い切り岩の角に強打。

カーボンだったら即死レベル。CAAD強いよCAAD。
鶴ヶ池を横目に、畳平へ。

横目に、といいつつ、いやこれどうみても絶景でしょ・・・・

溜め息しか出ない。
畳平駐車場横の定番撮影スポットで、最後のツーショット。

たかのりさんは松本側へダウンヒルでお別れ。下に車を停めているのだ。
そう、私は居残り。
高山側に下りたい・・・・が!
強風のため乗鞍スカイラインは通行止め'`,、('∀`) '`,、
Q どうしよう
A ここに泊まればいいじゃない
畳平駐車場のお土産屋さん「銀嶺荘」。
ここ、実は、山小屋でもあるのだ!
松本までの電車内でスカイラインが通行止めと聞かされていた私。
その後、あれこれ調べてここの宿が使えるということが分かった。
旅のトラブル、なんとかなるものだ。
実際ここがなかったらきっと位ヶ原山荘に泊まっていたかしらね。
早速、宿に凸。
宿泊のためにチェックインだん!

ご好意で自転車も中に。

部屋の窓からの景色が良すぎ問題2015
時刻は15時30分。
乗鞍に来たことがある人なら分かると思うけれど、普通はこの時間であれば、急いで下り始めないといけない。
下のゲートは18時には閉まってしまうのだ。
それを抜きにしても、こんな標高の山で、夕暮れを迎えてしまえば、下りがおそろしくって仕方がない。
けれど今日は違う。
ここに泊まる!
だから時間的余裕がたっぷりある。
というわけで、ここからは自転車をいったん置いて、せっかくだから登山に移行(^ω^三^ω^)
登山的にはここ乗鞍は初心者向けで、
というのもなんせベースメントである駐車場がすでに標高2,700m。
周りの山々の山頂までほんの数百メートル登ればいいだけっていうね。
最も高い剣ヶ峰が別として、富士見岳、大黒岳、魔王岳など、そのどれもが30分程度で登頂できる。
山岳パトロールしてる人を捕まえておすすめの山を聞いてみると、この時間からなら富士見岳がいいということで
さっそく登ってみることに。
※ビンディングシューズで。
※おすすめしません。

クマー
さあさあ!登山も大好きな私としては、この「自転車+登山」というのにものすごい可能性を感じている。
今後もこの組み合わせは積極的に推して行きたい。


ビンディングシューズでざくざく登る。
うん、結構険しいよね。
岩、すごいし、滑るし。
でも、登れないことない。
クリート削れても気にしない。器の大きい人の歌を頭の中で流す。




だって、そんなの気にしてられない程、景色がいい。
端的に言って、絶景。
やっぱり、そう、私が登山にはまった理由の一つがこの登った人にしか見られない景色の良さにある。
自転車もものすごい景色を見せてくれるけれど、あくまで道路上の話であって、
それすらも到達しないところでしか見られないこの景色がやっぱり登山の魅力だと思う。
ひいひい言いながら登り続けて15分ちょっとで登頂成功!

さすがにものすごい風。
立ってられない程の風が吹き続けている。
その場にしゃがみ込んでやり過ごす。
そのまま10分程、目の前の景色を堪能した。感無量だ。
さすがこの高さにもなると、雲の動きがめちゃくちゃ早い。
数分おきにその様相が変わる。


時間も時間ということで、いったん宿に戻ることに。
冷えだしたら早いしね!
ちなみにこの時の服装は
・モンベルメリノウールインナー
・ロングTシャツ
・MACウインドジャケット
・メリノウールグローブ
という組み合わせ。
とてもじゃないけれど、サイクルジャージじゃあ堪え難いと思う。
風も強いから、体感気温は10℃くらいだったかしらね。

観測器。なんかかっこいい。

不思議雪解け水。

ファンタジーすぎる。
宿に戻ると、なんと幸せか、お風呂に入れるのだとか!!!
まさか山小屋で、こんな標高の山小屋で、お風呂に浸かれるなんて思ってもいなかった。

ふつうはあり得ない。そもそも水が貴重な存在。当然、下水整備なんてされてないから、
ここにあるのは山々に積もった雪解け水だけのはず。
それを貯めて湧かしてるんだろうか・・・・。
お風呂場で、同じくここに泊まるという人たちと談笑。
私の他にご夫婦が二組いらっしゃった。
お風呂でさっぱりした後は、夕ご飯!

豪華すぎワロタ
うーん、すごいな。立地を考えると最高級ではないだろうか。
すき焼きに天婦羅、蕎麦に、野菜、熱々のごはん。
ご夫婦と登山の話、自転車の話、天気の話、お宿の人も交えて自然の話、熊と戦った話などなど話題は尽きない。
18時半頃、お宿の人が
「夕焼けが綺麗なはず。見に行ってきなさいな」
行くしかない。
急いでカメラをかついで、自転車にまたがって、高山側に走った。
そして


コトバにできない絶景がそこにはあった。
今まで全国で色んな夕焼けを見てきたけれど、正直、これに勝る物は見たことがない。

通常、見ることが出来ない景色。
とっくにこの道路は通行止めになっている時間。
当然、自転車もバスもタクシーも通らない。誰もいない。
ここにあるのは、山と、空と、自分だけ。
地球の丸さが分かるくらいの高さから、
いつもは見上げている太陽が地平線に沈んで行くのを上から見るという奇妙な体験。
通行止めになって良かった。あの銀嶺荘に泊まることになって良かった。



完全に日が落ちるまで、その景色を眺めていた。

さすがに寒くなってきたので宿に帰還。
そして何故かお宿の人たちと、撮った写真の上映会。
話の中で、今日は本当に天気が良い、ということが分かった。
どうやらここ数日はずうっと天気が安定しなくって、夕暮れもガスってて全然見れなかったらしい。
さらに数日後には台風が来ることが分かっている。
おそらく明日の同じ時間は、だいぶ荒れ始めるということだった。
「きっと今夜は星が綺麗ですよ」
願ってもいない情報だった。
着れるだけの服を来て、外に出る。
そしてこの星空である。

はあ・・・・・・・・・
なんにも言うことねえ・・・・・・・
何もかもが見えた。
薄く広がった雲のように見えるのは天の川、
流れ星のようにすーっと移動し続けているのは人工衛星、
点滅しながら移動しているのは飛行機、あるいは宇宙ステーション。
それ以外は全部星。
真っ暗闇の中、宿の人が教えてくれた。
畳平の駐車場のど真ん中に仰向けになって、ひたすら見続けた。
気温は6℃くらいだろうか。さすがに寒いけれど、ここは我慢。
流れ星、見放題。
遥か遠くの、低いところが明るい。あれはきっと松本の街の光。ずいぶん下の方だ。
寝袋さえあれば、ここで寝たいくらい。
けれど、この寒さ、きっと朝方、しぬ()

堪能しきったところで宿に帰還。
冷えた身体をホットミルクで温めてから、今宵は眠ることに。
とにもかくにもスバラシイ一日だった。
絶景ばかりで脳が刺激されすぎて、ちょっと麻痺状態。
大阪を出発したのがまだ16時間前だなんて信じられない。
標高2,700mにて、就寝。
明日はどんな旅になるだろうか。
つづく。
走行距離 61.85km
獲得標高 2,856m
平均時速 15.7km/h
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