ちょっと自転車で大阪から白川郷行ってきた 後編
自転車, 写真, 機材紹介, 聖地巡礼, 中部, 北陸,知らない天井だ。
かなり深く眠っていたような気がする。
むむむ・・・・あたりを見渡す。
(そうだ・・・ここは岐阜県、群上八幡駅・・・・雨宿りしながら、仮眠していたんだった・・・・)
少しずつ意識が覚めてくる。
OK、大丈夫だ、身体は疲れていない。
仮眠をとったおかげでだいぶリフレッシュできた。

行こう
予定通り2時間弱、眠ることが出来た模様。
まさかこんなにゆっくり眠ることが出来るなんて思ってもいなかった。
やっぱり睡眠環境ってば大事。
バス停とかでも十分だったけれど、こんな屋根つき壁つき座布団、ベンチありだなんて
ロイヤルスイートルームといっても過言ではない!(^ω^三^ω^)

寝ている間にiPhoneとGARMINも充電完了。満タンだ!
遠慮することなくバックライトをONにする。
真っ暗闇だと斜度が分からなくってペースがつかみにくいからこれは必須。
出発前に駅前の自販機であたたかい梅茶を買って、ベンチに腰掛けながら飲む。
ほっこり。
あたたかい液体が喉を通って行くのが分かる。
耳を澄ますと雨の音が聞こえなくなっていることに気が付いた。
ポツ、ポツ、と屋根沿いに落ちてきたのだろう、数秒おきに雨粒が落ちてくる音のみ。
雨は、止んだようだ!
嬉しい、これで予定通り、朝には白川郷に到着しそう(^ω^三^ω^)
さすがに寒そうだからマウンテンジャケットを着込んだまま、出発。
MAMMUTのジャケット。レディースだけれどお気に入り。

さすがに路面はがっつり濡れているもよう。
仕方なし。
ツーリングしてたらこんなことは茶飯事じゃい。
気にせず走り出す。登り、登り、登り。
そういえば登っている最中だった。
相変わらず真っ暗だけれど、仮眠したおかげでだいぶ頭がスッキリして
五感がはっきりしているのか、
仮眠をとる前よりも、地面の感触とか、空気の変化とか、標高の変化をより敏感に感じ取ることが出来た。
いい、夜だ。
ゆったり過ごす夜もあれば、こうして冒険をする夜もある。
隣の芝は青く見えるように、
どちらの夜を過ごしていても、片方の夜が恋しくなるものだけれど
この夜ばかりは、今、この瞬間が、尊く思えた。
ここからは峠越えということで、40kmばかりかけて700m程アップ(^ω^三^ω^)
時刻は2時。
ゆるゆると登ることに。

補給。
さすがにこんな時間だからか、ほとんど車が通らない。
全く通らないなんてことはなく、10分に1台程、追い抜かれるか、すれ違う。
ちょっと、心強い。
多少なりとも交通があるというだけで、何となく安心できる。
向こうからしたらちょっと不気味かも。

1時間も走ればいよいよ山も深まって、斜度もきつくなってきた。
けれどペースアップすることもなく、たんたんと登り続ける。
長い旅だ、焦ることはない。

4時頃には峠の頂上にあたる道の駅大日岳を通過!
一息つく。
ゆっくりだけれど止まることなく一定ペースでここまで来れた。
もう、大丈夫。あとは下り基調だ。
徐々に東の空が明るくなってくるのが分かった。

群青色に染まる。
まだ太陽が昇るまでは時間があるだろうに、ずっと暗闇の中を走っていたせいか
ずいぶん明るく感じる。
そして下り、下り。
路面は完全にウエットコンディション、しかもなんだか霧がかっていて、視界がとても狭い。
湿度もやたらと高くて、湿度120%突破という感じ'`,、('∀`) '`,、
走っているだけで身体に水滴が付きそうな。
御母衣ダムの横をひた走る。

ダム、というのは何とも言えない不気味さを持っている。
山あいに突如現れる広大な空間、山肌の際まで迫った水面は一切揺れることなく、ただただ何かを待っているような静けさがある。
水深が50mもあるというのだからおそろしい。
水がなければ、50mの「なにもない」大穴が空いてると考えるだけでおそろしい。
潜っても潜ってもきっとなにも見えないんだろう。
画質は良くないけれど、雰囲気だけでも伝われば(咳き込んでます)


でも、この時はちょっと綺麗だった。
霧がかって、幻想的な雰囲気。
見る見る内に視界が明るくなってきた。
ようやく夜を越えたんだ・・・・。
思ったよりも短い夜だったように思える。
仮眠をしたおかげだろうか・・・・睡眠大事ね。


この迫力がすごかった。
ダムから村を見下ろすこのアングル。
まるで村を飲み込むような・・・・・


白川郷に近づいているのが分かった。
あの山は、白川郷から見える山だ。
景色もそれらしい長閑な感じになってきた。

いよいよだ
自宅を出発してから18時間。
大阪、京都、滋賀、岐阜と経由
さらには国道156号線、夜の山をいくつか越えてようやく

着いたあああああああああああああああああああああ!!
灼熱、夕焼け、夜、雨、山岳、霧、下り
変化だらけのライドだった。
達成感。
それに尽きた。
自宅から白川郷まで確かに道が繋がっていた。
自転車を道の脇に置いて、無造作に置かれた丸太に腰をかけて、しばし合掌造りを眺めながら惚ける。
「着いた・・・・・」
シンプルに、気持ち良い。
分かりやすい。これだから、ロングライドが好きだ。
まだ6時半。
犬の散歩をしているおじいちゃんと、軒先を掃除している民宿の人がいた。
おはようございます、と挨拶をする。
おはようございます、と返ってくる。
観光客はもちろん、村の人もほとんどいない。
静かだ。
これが好きだから、朝に着くようにしたというのも、結構ある。






ちなみに白川郷に来るのはこれで5回目だけれど
お盆だったり休日っていうのは本当に観光客が多くって
写真を撮れば映り込む、といった感じ。
せっかくのこんな素敵な場所なんだから、やっぱりゆっくり浸りたい!

間近で合掌造りを堪能した後、次は展望台へ。
この展望台からの景色が毎回楽しみで、季節ごとに全く違う顔を見せてくれる。
今回は、本当に良い、感動した。

木造の歴史を感じさせる合掌造りと、緑が鮮やかな新緑、青空、そして背後にそびえる雪山・・・・
良い(確信)
こういう景色がひとつでも見られると、ツーリングして良かったなあ・・・・と思う。


ほうほくした後は村に下って、再びちょいと散策。




写真を撮ってると、地元の人っぽいおじいちゃんに話しかけられた。
どこから来たの?その自転車軽いの?等等、定番のやり取りをしたあとは、白川郷の話になった。
世界遺産に登録されてからおおよそ20年。
もうすっかり定番観光地になったようだけれど、外国人観光客がほとんどらしい。
比率で言うと日本人:外国人=2:8くらいだとか。
実際に、過去に訪れて民宿に泊まった時は、私以外全員外国人だった。
さらに散策。







8時。
たっぷり堪能したということで、そろそろ白川郷を後にすることに。
勢いで大阪からここまで来た訳だけれど、冷静に考えたら、こっから帰らないといけない。
そして白川郷には鉄道が走ってない()
というわけで金沢まで走ることに'`,、('∀`) '`,、
国道156号線をひたすら北上旅。
距離にして80km強。
今までの道のりを思えば、おまけみたいなものだけれど、さすが五箇山、景色がずうっと良くって、飽きやしない。

桜がまだ。

いくつもの川を越える。
途中、道の駅上平で水分補給。
ここで神奈川からきたという自転車乗りと遭遇、しばし談笑。

丸石のマスターかっこよす!
岐阜からここまで寄り道して3日かけて来た、と聞いて'`,、('∀`) '`,、としかならなかった。
(そういう旅のが絶対いい)


暑い、暑い。
最高気温は28℃。
まだ5月なのにおかしくね????と思いつつ、でも、夏の雰囲気がして、ちょっとテンションアップ。

補給。豆乳アイス。めちゃくちゃ美味しかった。

五箇山温泉あたりからたいらスキー場まで300m弱を一気に駆け上がる。
斜度10%くらいが続く。
300km以上走った脚にはすこし響くけど、楽しいから気にならない!


グランツールのような景色がまさか富山県で見られるとは・・・・・・!!
登りきればあとは下るだけ。
金沢まで40kmちょっと。
20kmくらいダウンヒルで、残りの20kmは下り基調。楽勝だ。

このあたりは金沢方面からのツーリングで通った道で、当時の記憶が蘇って懐かしさしかなかった。


途中、道の駅でご当地バーガーをいただいて、補給。
炎天下の走行は補給が大事 ^ω^
最後は市街地をしばらく走って、到着金沢駅!!

ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおる
出発から仮眠、休憩、観光込みで24時間30分。
大阪→京都→滋賀→岐阜→白川郷→富山と経由、走行距離389km。
なが・・・かった。
長い、一日、否、二日だった。
こうしてブログ記事を書いてるだけでも、濃いライドだったなあと実感する。
なんともいえない満足感、幸福感。
ここからは輪行で。


駅ナカ蕎麦で取り急ぎ補給。


帰りはいつも通り、特急サンダーバードにて大阪までワープ。
何度もお世話になっている、特急で一番好きなやつ。
もちろん、爆睡。
そりゃそうだ、群上八幡駅での2時間しか寝てなかった。
夕方頃には家に着いた。
お昼に出て、朝に着いて、夕方に帰ってきた。
時間も距離も越えてきた。
0泊2日の突発ライド。
あらためて自転車の可能性に気付く。
ただの自転車だけれど、
こんなにも遠くまで行くことが出来る。
さて、この記事を書いているうちに、また、新しい旅がしたくなった。
次はどこへ行こう。
おわり。
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