ロードバイク用タイヤにおける25Cタイヤという選択肢について思うところ
自転車, 写真, 機材紹介, ロングライド,
ロードバイクで最もお金をかけるべき場所、と揶揄されることも多いのが
今回のネタであるタイヤ。
まー色んな考え方があるから、その言い回しが必ず正しいとは限らないけれど
でも、確かに、タイヤが変わると走りが変わる。
ツーリングをしてきて感じてきたことを
ざっとまとめていこうと思う。
(ちなみに私はレースには出ないので、レース志向のインプレとか全然できない)
【クリンチャー、25C、空気圧】
タイヤなのか、
は、まあ考えれば分かる。地面と唯一接しているパーツだから。
四輪でも二輪でも、結局のところ乗り心地、フィーリング、
はたまた性能とも言える転がり抵抗、燃費(出力に対する効率)、グリップ性能、
すべてに直接影響するのがタイヤ。
おお、重要なんだな、というのがちょっと書いてみただけでも分かる。

タイヤの規格については、現在主流となっているのは
クリンチャー、チューブラー、チューブレス。
結論から言うと、乗り心地に関しては
チューブレス>クリンチャー>チューブラー
詳しくはこちらの記事でいろいろ書いてます。
【ホイール】COLE C58 LITE インプレとカーボンクリンチャ―について考えてみる
ただし、ツーリングで使うとなると、乗り心地だけじゃない、メンテナンス性とか
色んな手間ひまを考えると、クリンチャー>チューブレスになる。
チューブラーは私の中では選択肢から外れる。
確かに今はリムテープも出てきて、パンクした時でもリカバリーが可能だけれど
それでも、それでも、そういう心配をしないといけない状況がすでにストレスになってしまう。
ツーリングにおける装備、パーツにおいては
最優先されるのは性能ではなく、メンテナンス性。(あるいは持続可能性とも言えるだろうか。)
コンスタントにそのパフォーマンスを発揮し続けてくれるアイテムが何より尊い。
シンプルイズベスト。
クリンチャータイヤはそれこそ選択肢が数多く存在するけれど
その中でも私が気に入っているタイヤが以下の三つ。
・ブリヂストン エクステンザシリーズ
・ミシュラン PRO4
・コンチネンタル グランプリ4000S
それぞれのタイヤについて細かいインプレッションはここでは割愛。
ググればいくらでも出てくるし、大筋では私が感じていることと同じことが書いてるから。
気に入っている理由は
十分な性能と、結構な軽さと、そこそこの耐摩耗性能を持っていて
かつ海外通販では安くて、入手性が高いから。
一言で言うとトータルバランスに優れている。
ちなみに、ブリヂストンのエクステンザは“シリーズ”と表現したけど
結構色々ラインナップがあって、その中でも耐パンク・耐摩耗に特化した
RR2LLが安心感という意味ではトップクラス。
他のラインナップも使ってみたけれどかなり良い。
他メーカーと比べて固さがある。乗り心地が固いという訳ではなく
さわったときにそう感じる。そして安心感がある。
摩耗とパンクにはかなり強そう。
ちなみにツーリング中にパンクはしたことがない。
このブログ記事のどの記事でもパンクの話は出てこない。
基本的に、縁がない。

過去には鹿児島〜大阪1,000kmキャノンボールでも私の走りを支えてくれた。
各メーカー、こういったタフなタイヤをラインナップしていて、例えば
コンチネンタルならグランプリ4シーズンってモデルがある。
あれも同じように良いタイヤ。
確かに通常のタイヤと比べると若干重い。50gくらい重いかもしれない。
「外周部の重量は走りに大きく関わるから軽い方が良い」
わかる。それはそう。事実。
ただし、それはツーリングでは、絶対上位の事柄ではない。
ことツーリングにおいては多少、重くても
家を出てから帰ってくるまでトラブル無く走り切ることができるのが
何より重要だから。
それに実際走ってみても、その重さで速度が落ちるだとか、疲れやすくなるだとか
そんなことはない。
10%近い坂だと違いを感じるかしらね。でも、それくらい。ヒルクライムオンリーだとさすがに不利か。
でも、後述にもあるけれど、タイヤの変形量が少ないから、その分転がり抵抗が良い説もある。
後輪だけこのタフなタイヤを履かせて
前輪だけは通常通り23Cタイヤを履かせることが多い。

後輪はエクステンザのRR2LL 25Cで、前輪はミシュランPRO4 23C。
これは前輪と後輪の役割が違うし、
加重のかかりかたも違うから、って理由がある。


キャノンボールやツーリングの時はホイールもタイヤも前後で変える。
前乗りか後ろ乗りか、荷物をどこに載せるかでまた変わってくるとは思うけれど
この前後違いってもっと普通になってもいい気がするんだよなあ・・・・
そしてこのタフタイヤを上回るマイブームが25Cタイヤである!
ロードタイヤは23Cが主流だけれど、なんでこの23Cが主流なのか?
それは23Cがプロの世界でよく使われているからだ。
プロの世界でよく使われている機材は、たくさん生産され、たくさん店頭に並び
たくさんの消費者、エンドユーザーに渡る。
例えば25Cがプロの世界で主流になれば、きっとみんな25Cタイヤを選ぶようになると思う。
事実、最近ではそういう風潮がある。
けれども、ホビーライダーにとって、本当に23Cがベストなのかというと、いささか疑問が残る、
と、25Cタイヤを使って思った。
タイヤを太くするメリットはいくつかあるけれど、一番実感したのは
エアボリュームを大きくすることができること。
エアボリュームが十分にあると、何が良いって
クッション性が良くなる。
25Cタイヤで走っていると、ちょっとした段差や路面のギャップからの衝撃が23Cタイヤと比べて
明らかに軽減されていることを感じる。
この衝撃が少ないってのはツーリングでは本当に助かる。
長距離を走っているとこういう微細なダメージはどんどん蓄積されて、後半でツケが回ってきたりするから。
空気圧もちょっと下げられるしね。これも振動減衰に一役買っている。
次のメリットはタイヤの変形量が少ないこと。
同じ体重の人が23Cと25Cのタイヤに乗った時、どっちのタイヤの方がより凹む?
答えは23C。
タイヤが凹むってことは、凹んだ分地面との接触面積が大きくなるってことで
つまり抵抗が大きくなるって理屈だ。
真っ直ぐ走っていても、25Cタイヤの方が変形量が少なくって、転がり抵抗が少ない。
だから一見、タイヤが太くなって、地面との接触面積が大きく思えるけれども
実際のところはその逆ってことだ。
これ、走っていて、実感するの?と聞かれるとうーん、微妙、と言わざるを得ない。
それはきっと体重が影響していると思う。
私は173cmで50kg台前半で、どちらかというと軽量なタイプで、23Cでもそんなに変形しているって感じない。
あと10kg体重があればその違いを実感することが出来るのかもしれない。
ただ、このタイヤの太さの違いを実感する機会がある。
それは荷物をたくさん積んでいる時だ。

前後ともにブリヂストン エクステンザRR2LL 25Cクリンチャータイヤ
ホイールはcampagnolo ZONDA
青森ツーリングより
この時は自転車と荷物の総重量が25kgくらい。
私の体重と合わせて80kg程度。
こうなると、実際に走ってみた時に、その違いを感じることが出来た。
23Cより明らかに走りが軽いし、安定感がある。
特にカーブとかちょっとした段差を越える時とか、ものすごく安心して走られる。
ここまで荷物が多いともしかすると28Cタイヤくらいが最適なのかもしれないけれど
最近のロードフレームやキャリパーブレーキだとクリアランス的に限界があるからちと厳しいかしら。

酷な状況でも、安心して走ることができるのも、ツーリングでは重要。
タフタイヤも25Cタイヤももちろん安物じゃあ駄目だと思う。
4,000円前後でやっと実用レベルだろうか。
何事も足元って重要。
積み木の土台がしっかりしていないと、どれだけ立派な城を建てても、砂上の楼閣に成り下がる。
最近は各メーカー25Cのラインナップが増えてきたし
フレームクリアランスもそれを見越した設計のものが多くって
今後の動きが楽しみである。
私自身、長距離ツーリングなら
後輪は25C、前輪は23C(もしくは前輪も25C)
って組み合わせが安定してきたように思える。
今度もし可能であれば28Cタイヤも試してみよう。
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