【信州ツーリング】ちょっと自転車で群馬クエストして来た【草津温泉〜渋峠ヒルクライム〜木崎湖】
自転車, 写真, 機材紹介, ロングライド, ノウハウ, 聖地巡礼, 中部, 関東,
知らない天井だ。
いつもと布団の感触が違う。ふわふわしてる。
窓辺に目をやる。もう空が明るくなりだしていた。
時刻は4:50。ずいぶん季節が進んだものだ。
ここは群馬県吾妻郡草津町、草津温泉。
この街にたどり着いてからまだ10時間といったところだろうか。
それでも早く出発したくてたまらなかった。

いよいよ渋峠だ。
いつもと布団の感触が違う。ふわふわしてる。
窓辺に目をやる。もう空が明るくなりだしていた。
時刻は4:50。ずいぶん季節が進んだものだ。
ここは群馬県吾妻郡草津町、草津温泉。
この街にたどり着いてからまだ10時間といったところだろうか。
それでも早く出発したくてたまらなかった。

いよいよ渋峠だ。
前回はこちら
温泉宿の定番、朝温泉をいただく!
貸し切り風呂の窓から眺める草津の町、そしてその向こう側にそびえる山々に心が躍る。
幸い、昨日のダメージはほとんど残っていない。
これも温泉効果だろうか!
草津の湯は疲労回復に良いと聞く。
手早く準備を済ませて出発。
早めに出るから朝食は要らないと、お宿の人に言っていたのだけれど
なんとご好意で出発する時に差し入れをくださった!

おにぎりとお茶とウイダー!(しかもちょっといいやつ
なにこの嬉しい組み合わせ。自転車乗りのこと理解しすぎているw
ヒルクライムにはもってこい。
お礼を言って宿を後にする。


朝の温泉街の雰囲気を楽しみつつ、渋峠の登り口へ。
渋峠、渋峠と言っているけれど、
道路として見た場合、正式には国道292号線。別名、志賀草津道路とかいう。
峠の標高は2,172mで、“国道”では日本一の高さを誇る。
国道以外の道路なら乗鞍が日本一だ。そちらは2,710m。圧倒的じゃねーか!
でも乗鞍なんかと比べてはいけない。十分高いのだから。
そしてその標高と寒冷地ということもあって、毎年11月初めから4月下旬までは通行止めになる。
渋峠 通行止め で検索すればいろんな情報を得られるだろう。
かくいう私も出発前には志賀高原のホームページやら公式ツイッタ―で逐一チェックしていた。
私が登る2日程前にも突然雪が降って通行止めになったのだとか。
おお、こわいこわい。

けれどこの日はそんな心配をする欠片もなかった。
前日に引き続き今日も晴天!6時ちょうどに登り口についたけれど、ゲートはフルオープン。
まだ早朝故、交通量も全然ない。ふひひ、思いっきり登ることができる!
深呼吸してスタート。
まずはゆっくり。というかいきなり速度は出せない。
なんといっても今日はまだ全然走っていないのだ。
本格的なヒルクライムだからある程度アップしてから登りたかったのだけれど、そんな環境でもない。
登るしかない。
アップしながら登ればいいじゃない。


というか、もうね、テンション上がり過ぎて、それがアップになってるって感じ。
乗鞍以来のテンションの上がりっぷり。
ツーリング2日目、天気は晴れ。風もなく、時間はたっぷりある。
機材好調。体調も悪くない。
数十分で一気に1,500mまで登った。
はやくも森林限界・・・とまでは言わないけれど景色がガラッと変わる。
木々は低く、岩や砂地、草原が目立つ。
時折、ひどく硫黄が臭う場所もあった。さすが温泉地。

登っても登っても坂が続く。
なんておもしろい!
途中、中途半端に下ることなくちゃんと登り続けてくれる。私好みだ。

あー・・・りゅ、硫化水素ガスね!
うん、し、知ってる、どっかで習った。
割と標高高いところで見かけるね。


景色も単調かと思いきや、バラエティ豊かで飽きない。
渋峠は草津側が景色良いと聞いていたけれど、なるほどこういうことかと納得。
ロングライダースのbaruさんからも「写真が捗り過ぎて前に進まないかもね」と言われていた。納得。
この場所に名前があるかは分からないけれど
この場所がいっちばん景色が良かった。

泣いた。なんだこれ。どこだここ。
カーブを曲がってこの景色が目の前に広がった瞬間は、もう言葉にならなかった。
なんか笑っていたのは確かだった。
なんて雄大。
はるばる大阪から来たかいがある。これは価値がある。
しばらく写真撮影にいそしんだ後、景色をぼーっと眺める。
こんな景色めったに見られない。
それにしても、天気が良い・・・・おかげで全然寒くなかった。
標高1,800mくらいだというのに、結局半袖ジャージだ。



めまぐるしく変わる景色を楽しみながらまだまだ登る。
自転車は全然見ないけれど、バイクの数が多い。
たまに手を振ってくれたり、親指を立ててくれたりする。こちらも手を振りかえす。
抜かれる時はちょっと手を振ってみる。向こうも振りかえしれくれる。
ちょっとしたことなんだけれど嬉しいんだよなー。


森林限界故の荒涼とした景色も見られる。


こうして見るとあらためて結構な斜度だなあと実感する。
場所に寄っては確かに10%近いところもあるけれど、でもそんなに辛くないのは
景色のおかげだろうか。
昨日の地蔵峠よりはずっと楽だ'`,、('∀`) '`,、

白根山レストハウスとかいうところまで登ってきた。
標高2,000mくらいだろうか。
まだ営業時間ではないらしく、お店は閉まっていた。残念、何か温かいモノでも食べたかった。
実はここに用事があった。
というのも事前にこのあたりのことについて調べているとどうやら“湯釜”という不思議スポットがあるという情報をキャッチした。
気になったらggrks
湯釜(ゆがま)は、直径約300m、水深約30m、水温約18℃の火口湖である。pHが1.0前後であり、世界でも有数の酸性度が高い湖と言われている[2]。これは火山ガスに含まれる塩化水素や二酸化硫黄が水に溶け込み、塩酸や硫酸となったためと考えられている[3]。湖水は白濁した青緑色をなしており、水に溶け込んでいる鉄イオンや硫黄などの影響で特定の波長の光が吸収されてこのように見えると考えられている wikipediaより
おk。
向かう。
駐車場の端っこに停めて、登山道へ。
15~20分ほど登れば辿りつけるのだとか。
もちろんそんなところをビンディングシューズで登りたくないってことで
おなじみ100円均一サンダルをサドルバッグから取り出す。

毎回ここ一番で活躍してくれる必須アイテム。
立山黒部アルペンルートでも出雲でも伊勢でも役に立った。


階段は結構ゴツゴツしてて、こりゃあビンディングシューズじゃあ辛そうだ。
駐車場から30mくらいは登ったのかしら。
振り返ると道路上から観るのとまた違った景色がそこにはあって、感動。


相変わらず遠くに見えるアルプス。
昨日からずっと存在感がある。
テンポよくのぼって結局10分くらいで到着

湯釜!
なんだこれすごい。
なんというか完全に異世界の雰囲気醸し出している。
異世界行ったことないけど。
しばらく口が開きっぱなしだった。いや、すごいなこれ。

自然すげえ!としか言いようがない。
多少登りはしんどいけれど、コレが観られるなら安いものだと思う。
渋峠に行くことがあれば、時間があれば是非、皆にもお勧めしたい。

ちゃちゃっと下って再スタート。
標高はもう2,000m弱なのだからもうすぐ頂上だ。

と、思いきや標高50mくらい一気に下る坂があったりで微妙に仕切り直し。
もう一度標高を稼いでしばらく走ると、あたりに雪が増えてきた。
そろそろかな?と思って走っていると・・・・

奥にそれっぽいところが!!
そして突入雪の回廊。


ふおおおおおおお
これだよ!これが見たかったんだよ私は!
いやー圧巻圧巻。写真では見たことがあったけど、実際に目の当たりにするとその高さに驚き。
だいたい高さ5〜6mくらいはあったかしら?
これでも溶け始めてるからちょっと低くなったらしい。
道路開通時は8mくらいにも及ぶのだとか。
逆に真冬はどうなってるのか気になるw
ぱしゃぱしゃ撮影をこなして再び登り。
ちなみにここ、当然車を停めるようなスペースもないから、近くに停めて歩いてくる人が多いみたい。
自転車は省スペースねー。
ただ見通しの悪いカーブだから、立ち止まる時は気をつけなければ。

上から見るとこんな感じ。

なるほど、ちょうど雪の吹き溜まりになっていて、あそこだけがきれいに積もっている。
人工的に作られたものではない。地理的な条件によるものだ。
ここからは頂上まで一気に登りきる!
森林限界なぞとっくに突破した景色の中を走っているだけでなんだかハイテンション。
ふだん目にしないような光景にペースアップ。
酸素は薄いけれど、関係ない。登りきったらあとは下るだけ。

そして到着国道最高地点!
いやー、楽しかった。
景色が良いものだから辛さが全然ない。
こんなに楽しい登りなら、いつだって来てみたいと思う。
そして私の後にすぐローディが登ってきた。
お疲れさまーとか話をしていると、
「ツイッターやってますか?」
と聞かれたので、神楽坂つむりと名乗ると
「あー、つむりさん!」
と。

はい、フォロワーさんでしたね。
関東圏の方。かんてんさん。
渋峠には数回来ているらしい。
他のローディも登ってきて(彼の知り合いらしい)しばし談笑。
渋峠とかいうオフ会会場である。
どうもこのまま待っていたら続々フォロワーと遭遇しそうな雰囲気だった。
それはそれで楽しいんだろうけれど、一応今日の予定もあるし・・・ってことで10分くらいお話してから
長野方面に下ることに。
の前に補給!
長野県と群馬県にちょうど境にあるロッジでパンを購入ー。
どうやら登山する人の拠点になっているっぽい。


うまま。
コレ以降は立ち寄るところもなく、35km、標高差1,500mのダウンヒル。
一応ウインドブレーカーを着込んで長野の町へ。


下りながらも、町並みが眼下に広がる。
この光景は信州ならではといった感じ。距離感とか標高に対する感覚が狂ってきそうだ。
こっちはかなりのハイペースで下ることが出来た。
道路も悪くないし、それほど入り組んでいる訳でもない。
途中のスキー場が目立ったかな。

結構滑っている人が多かった。

標高が下がるにつれて、気温が高くなっていくのを肌で感じる。
1,000mを切るころにはすっかりウインドブレーカーもいらないような初夏の陽気。
下り基調の快走路を40km/h前後で走りぬける。
昨日背中を向けていたアルプスの山々も今や目の前にそびえ立つ。

麓から長野市街地までは20kmといったところ。
千種川沿いをゆるゆると走る。
平地を走るのは松本に着いたとき以来だ。いつもどおりの速度域にほっとする。
陽射しは強く、気温もこの季節にしてはずいぶん高い。
水分補給をこまめに。

さて、長野市街と言えば、善光寺がど定番だろうか。
旅雑誌とか読んでいても長野に関する記事のトップには必ず掲載されている。
それだけ取り上げられるのだからそれなりに見所があるんだろう、とは思ったけれど
今回はスルー。
なんだか気分が乗らなかったっていうのと、THE観光地はこと自転車旅においては一人でいってもあっさり終わってしまうことが多い。
滞在時間10分とかね。
旅じゃなくって旅行で来た時用にとっておくためでもある。恋人さんととか。
「また来たい」と思えるくらいがちょうどいい。
というわけで向かうは川中島。
ピンと来る人も多いかもしれないこの地名は、日本史でも割と有名な部類に入る合戦であるところの「川中島の戦い」の舞台だ。
善光寺からこんなに近いと思わなかったその距離5km程度。
何を隠そうここに美味しい蕎麦屋さんがある、と長野駅あたりで地元の人に伺うことが出来た。
「美味しいご飯は地元の人に聞け」
蕎麦と言ったら長野。長野と言ったら蕎麦である。
これは外せない。
ちなみに事前調査では、戸隠あたりが一番レベルが高いらしい。
逆に松本とか安曇野あたりはまあ普通だとか。
けど戸隠はさすがに遠かったから残念ながら今回はスルーだったのだ。
これまた機会があれば行ってみたい。

訪れたのはこちら「たなぼた庵」
お昼時ということもあって、店内は満席。

といっても一人だったから3分程で席に案内された。店内はとても賑わっていて、人気店なのが見て取れる。
天盛り蕎麦を注文!

ウマー!
なんだこれすごいコシとのどごし。
出汁も美味しい。蕎麦湯も美味しい。天ぷらも最高だ。
そして一緒に注文した卵焼きが大きすぎた。
なんだこれ卵3個くらい使ってるんじゃないかって感じの。\350は安すぎる。
渋峠の登りで消化したエネルギーをたっぷり補給できた。まんぞくまんぞく。
さて、お昼過ぎである。
実はこの後の予定はほぼ未定だったのだけれど、ここから行けるとしたら安曇野方面くらいだろう。
というわけで西に向かう。
地図を見ているとどうも山を越えるっぽいけれど、昨日から散々登ってきたから誤差の範囲内。
郊外を抜ける快走路を駆け抜ける。
アルプスに近づいていることを実感する。

それにしても暑くって、水分補給を怠るとまずいなといった感じ。
水分マシマシ。

こういう道では個人商店に助けられることも多い。
途中の道の駅でソフトクリームをいただくなど!

隣に座っていた観光客っぽいご夫婦としばし談笑。
ご主人、昔は自転車で旅したこともあるらしく、最新機材に興味があるもよう。
今やカーボンフレームが当たり前の時代だし、いろんな物が軽く強くなってるから、ハードルはどんどん下がってるなーと実感した。
私も自転車を始めた頃はまだガラケーだったけれど、今やスマホが当たり前。
写真も地図も何もかも手のひらサイズにおさめることができる。
ちょっと前に比べるとこれは大きなアドバンテージ。

ほー

じわじわ標高が上がり結局600mくらい上がっただろうか。
残り数キロというところで、最後の登りっぽい道があらわれる。斜度も10%近く、炎天下の中走っていた身にはなかなか堪える。
900mをちょっと超えたところでようやく峠頂上が・・・!
ずっと信州を走っているとどうも標高感覚が狂ってしまうけれど、標高900mってまあまあ高いよね(再確認)
あとは細い県道を下り続けると・・・・

木崎湖到着!!
うおー、綺麗だ。
こういうちゃんとした湖見るのほんと久しぶり。
いっつも琵琶湖しか見てないから・・・・あれは海みたいなもの。湖感が足りない。
木崎湖沿いをゆるゆる走る。とても長閑な雰囲気だ。
ボートがぷかぷか浮いていたり、桟橋で釣りをしている人がいたり。

定番のアングルで写真撮影。
「おねがいシリーズ」と称される作品の聖地でもあるここ木崎湖。
アニメOPで登場するカットのひとつがここの桟橋である。
最初釣り人が釣りをしていたのだけれど、10分ほど待っても移動をする機会がなかったものだから、おそるおそるお願いをしてみると快く写真だけ撮らせてくれた。ありがたい。
ついでに地元の色んなお話を伺うことが出来た。いい場所だよなーと実感。

桜がちょうど満開だった。
平野部との違いを感じる。
近くの自販機で飲み物を買って、湖を眺めながら一服。
いやー気持ち良い。
気持ち良い・・・・
・・・・
zzzz
1時間後
ハッ
寝てたあああああああああああああああ
気持ち良すぎたんだな_(ˇωˇ」∠)_
'`,、('∀`) '`,、
うーん、どうしよう。ほんとはこのまま南下して松本まで走る予定だったんだけれど、どうも時間がなさそうだぞ。
というわけで大人しくここは輪行で帰っちゃおう!ということに。
旅の目的は今朝、渋峠を登った時点で達成していたし、今日と言う一日にすっかり満足していた。
信州いいところすぎるんよ。

ちょろっとAACR(アルプスあづみのセンチュリーライド)のコースも寄ってみたり。
商店街を抜けて信濃大町駅から輪行で帰ることに。

きれいな駅だ。
松本までは鈍行っぽい。
いいね、地方ローカル線乗るのも好き。自転車旅が電車旅に変わる。
松本乗り換えでは時間があったから、お土産を物色することに。
わさびチーズとかヨーグルトカレーとか野沢菜とか買い込む。
こういう時もサコッシュ便利ねー。
あと帰りの電車用の駅弁。これが毎度楽しみ。

鶏釜飯ウマー!
(鳥より野沢菜が美味しかったのはここだけの話)
うとうと寝たり、写真を見返したり、ブログで書くことを決めたりしている内に名古屋に到着。
新幹線に乗り換えて大阪へ無事に帰着。
旅の充実感に満たされながら自宅までの数キロを走ろうと思ったその瞬間
バチン!
んっ?
あっ・・・

シフトワイヤー切れたあああああああああああああああああああ
なんというタイミングw
輪行解除してシフターワンクリックでワイヤーが切れた。
ちょうどこのツーリングが終わったらワイヤー全交換しようと思っていた矢先の出来事である。
これがもし松本で、美ヶ原で、草津で、渋峠で起こっていたらと思うと末恐ろしい。
何千何万回のシフトチェンジによる劣化の蓄積が今か、と。
自宅までの数キロなら問題ない。インナートップとアウタートップの2速ロードバイクでも。
無事に帰宅。
雪の回廊見たさ一心で決行したツーリングだったけれど
それだけじゃない、数々の絶景を堪能することが出来た信州ツーリング。
去年の中部ツーリングと言い、
やはり岐阜~長野~群馬あたりは、山好きにはたまらない。
登らなければ、そこじゃなければ見ることが出来ない景色の数々。
きっと十年後この旅のことを惜しまない。
今回はまだ5月だったけれど、真夏に来てもそれはそれは良い景色が見られそうな予感。
いつかの再訪を胸に秘め
次の旅を想う。
おわり。

2日目 草津温泉~渋峠~長野~木崎湖
走行距離140km 獲得標高2,892m
信州ツーリング
270km 獲得標高6,500m
自転車,
写真,
機材紹介,
ロングライド,
ノウハウ,
聖地巡礼,
中部,
関東,
温泉宿の定番、朝温泉をいただく!
貸し切り風呂の窓から眺める草津の町、そしてその向こう側にそびえる山々に心が躍る。
幸い、昨日のダメージはほとんど残っていない。
これも温泉効果だろうか!
草津の湯は疲労回復に良いと聞く。
手早く準備を済ませて出発。
早めに出るから朝食は要らないと、お宿の人に言っていたのだけれど
なんとご好意で出発する時に差し入れをくださった!

おにぎりとお茶とウイダー!(しかもちょっといいやつ
なにこの嬉しい組み合わせ。自転車乗りのこと理解しすぎているw
ヒルクライムにはもってこい。
お礼を言って宿を後にする。


朝の温泉街の雰囲気を楽しみつつ、渋峠の登り口へ。
渋峠、渋峠と言っているけれど、
道路として見た場合、正式には国道292号線。別名、志賀草津道路とかいう。
峠の標高は2,172mで、“国道”では日本一の高さを誇る。
国道以外の道路なら乗鞍が日本一だ。そちらは2,710m。圧倒的じゃねーか!
でも乗鞍なんかと比べてはいけない。十分高いのだから。
そしてその標高と寒冷地ということもあって、毎年11月初めから4月下旬までは通行止めになる。
渋峠 通行止め で検索すればいろんな情報を得られるだろう。
かくいう私も出発前には志賀高原のホームページやら公式ツイッタ―で逐一チェックしていた。
私が登る2日程前にも突然雪が降って通行止めになったのだとか。
おお、こわいこわい。

けれどこの日はそんな心配をする欠片もなかった。
前日に引き続き今日も晴天!6時ちょうどに登り口についたけれど、ゲートはフルオープン。
まだ早朝故、交通量も全然ない。ふひひ、思いっきり登ることができる!
深呼吸してスタート。
まずはゆっくり。というかいきなり速度は出せない。
なんといっても今日はまだ全然走っていないのだ。
本格的なヒルクライムだからある程度アップしてから登りたかったのだけれど、そんな環境でもない。
登るしかない。
アップしながら登ればいいじゃない。


というか、もうね、テンション上がり過ぎて、それがアップになってるって感じ。
乗鞍以来のテンションの上がりっぷり。
ツーリング2日目、天気は晴れ。風もなく、時間はたっぷりある。
機材好調。体調も悪くない。
数十分で一気に1,500mまで登った。
はやくも森林限界・・・とまでは言わないけれど景色がガラッと変わる。
木々は低く、岩や砂地、草原が目立つ。
時折、ひどく硫黄が臭う場所もあった。さすが温泉地。

登っても登っても坂が続く。
なんておもしろい!
途中、中途半端に下ることなくちゃんと登り続けてくれる。私好みだ。

あー・・・りゅ、硫化水素ガスね!
うん、し、知ってる、どっかで習った。
割と標高高いところで見かけるね。


景色も単調かと思いきや、バラエティ豊かで飽きない。
渋峠は草津側が景色良いと聞いていたけれど、なるほどこういうことかと納得。
ロングライダースのbaruさんからも「写真が捗り過ぎて前に進まないかもね」と言われていた。納得。
この場所に名前があるかは分からないけれど
この場所がいっちばん景色が良かった。

泣いた。なんだこれ。どこだここ。
カーブを曲がってこの景色が目の前に広がった瞬間は、もう言葉にならなかった。
なんか笑っていたのは確かだった。
なんて雄大。
はるばる大阪から来たかいがある。これは価値がある。
しばらく写真撮影にいそしんだ後、景色をぼーっと眺める。
こんな景色めったに見られない。
それにしても、天気が良い・・・・おかげで全然寒くなかった。
標高1,800mくらいだというのに、結局半袖ジャージだ。



めまぐるしく変わる景色を楽しみながらまだまだ登る。
自転車は全然見ないけれど、バイクの数が多い。
たまに手を振ってくれたり、親指を立ててくれたりする。こちらも手を振りかえす。
抜かれる時はちょっと手を振ってみる。向こうも振りかえしれくれる。
ちょっとしたことなんだけれど嬉しいんだよなー。


森林限界故の荒涼とした景色も見られる。


こうして見るとあらためて結構な斜度だなあと実感する。
場所に寄っては確かに10%近いところもあるけれど、でもそんなに辛くないのは
景色のおかげだろうか。
昨日の地蔵峠よりはずっと楽だ'`,、('∀`) '`,、

白根山レストハウスとかいうところまで登ってきた。
標高2,000mくらいだろうか。
まだ営業時間ではないらしく、お店は閉まっていた。残念、何か温かいモノでも食べたかった。
実はここに用事があった。
というのも事前にこのあたりのことについて調べているとどうやら“湯釜”という不思議スポットがあるという情報をキャッチした。
気になったらggrks
湯釜(ゆがま)は、直径約300m、水深約30m、水温約18℃の火口湖である。pHが1.0前後であり、世界でも有数の酸性度が高い湖と言われている[2]。これは火山ガスに含まれる塩化水素や二酸化硫黄が水に溶け込み、塩酸や硫酸となったためと考えられている[3]。湖水は白濁した青緑色をなしており、水に溶け込んでいる鉄イオンや硫黄などの影響で特定の波長の光が吸収されてこのように見えると考えられている wikipediaより
おk。
向かう。
駐車場の端っこに停めて、登山道へ。
15~20分ほど登れば辿りつけるのだとか。
もちろんそんなところをビンディングシューズで登りたくないってことで
おなじみ100円均一サンダルをサドルバッグから取り出す。

毎回ここ一番で活躍してくれる必須アイテム。
立山黒部アルペンルートでも出雲でも伊勢でも役に立った。


階段は結構ゴツゴツしてて、こりゃあビンディングシューズじゃあ辛そうだ。
駐車場から30mくらいは登ったのかしら。
振り返ると道路上から観るのとまた違った景色がそこにはあって、感動。


相変わらず遠くに見えるアルプス。
昨日からずっと存在感がある。
テンポよくのぼって結局10分くらいで到着

湯釜!
なんだこれすごい。
なんというか完全に異世界の雰囲気醸し出している。
異世界行ったことないけど。
しばらく口が開きっぱなしだった。いや、すごいなこれ。

自然すげえ!としか言いようがない。
多少登りはしんどいけれど、コレが観られるなら安いものだと思う。
渋峠に行くことがあれば、時間があれば是非、皆にもお勧めしたい。

ちゃちゃっと下って再スタート。
標高はもう2,000m弱なのだからもうすぐ頂上だ。

と、思いきや標高50mくらい一気に下る坂があったりで微妙に仕切り直し。
もう一度標高を稼いでしばらく走ると、あたりに雪が増えてきた。
そろそろかな?と思って走っていると・・・・

奥にそれっぽいところが!!
そして突入雪の回廊。


ふおおおおおおお
これだよ!これが見たかったんだよ私は!
いやー圧巻圧巻。写真では見たことがあったけど、実際に目の当たりにするとその高さに驚き。
だいたい高さ5〜6mくらいはあったかしら?
これでも溶け始めてるからちょっと低くなったらしい。
道路開通時は8mくらいにも及ぶのだとか。
逆に真冬はどうなってるのか気になるw
ぱしゃぱしゃ撮影をこなして再び登り。
ちなみにここ、当然車を停めるようなスペースもないから、近くに停めて歩いてくる人が多いみたい。
自転車は省スペースねー。
ただ見通しの悪いカーブだから、立ち止まる時は気をつけなければ。

上から見るとこんな感じ。

なるほど、ちょうど雪の吹き溜まりになっていて、あそこだけがきれいに積もっている。
人工的に作られたものではない。地理的な条件によるものだ。
ここからは頂上まで一気に登りきる!
森林限界なぞとっくに突破した景色の中を走っているだけでなんだかハイテンション。
ふだん目にしないような光景にペースアップ。
酸素は薄いけれど、関係ない。登りきったらあとは下るだけ。

そして到着国道最高地点!
いやー、楽しかった。
景色が良いものだから辛さが全然ない。
こんなに楽しい登りなら、いつだって来てみたいと思う。
そして私の後にすぐローディが登ってきた。
お疲れさまーとか話をしていると、
「ツイッターやってますか?」
と聞かれたので、神楽坂つむりと名乗ると
「あー、つむりさん!」
と。

はい、フォロワーさんでしたね。
関東圏の方。かんてんさん。
渋峠には数回来ているらしい。
他のローディも登ってきて(彼の知り合いらしい)しばし談笑。
渋峠とかいうオフ会会場である。
どうもこのまま待っていたら続々フォロワーと遭遇しそうな雰囲気だった。
それはそれで楽しいんだろうけれど、一応今日の予定もあるし・・・ってことで10分くらいお話してから
長野方面に下ることに。
の前に補給!
長野県と群馬県にちょうど境にあるロッジでパンを購入ー。
どうやら登山する人の拠点になっているっぽい。


うまま。
コレ以降は立ち寄るところもなく、35km、標高差1,500mのダウンヒル。
一応ウインドブレーカーを着込んで長野の町へ。


下りながらも、町並みが眼下に広がる。
この光景は信州ならではといった感じ。距離感とか標高に対する感覚が狂ってきそうだ。
こっちはかなりのハイペースで下ることが出来た。
道路も悪くないし、それほど入り組んでいる訳でもない。
途中のスキー場が目立ったかな。

結構滑っている人が多かった。

標高が下がるにつれて、気温が高くなっていくのを肌で感じる。
1,000mを切るころにはすっかりウインドブレーカーもいらないような初夏の陽気。
下り基調の快走路を40km/h前後で走りぬける。
昨日背中を向けていたアルプスの山々も今や目の前にそびえ立つ。

麓から長野市街地までは20kmといったところ。
千種川沿いをゆるゆると走る。
平地を走るのは松本に着いたとき以来だ。いつもどおりの速度域にほっとする。
陽射しは強く、気温もこの季節にしてはずいぶん高い。
水分補給をこまめに。

さて、長野市街と言えば、善光寺がど定番だろうか。
旅雑誌とか読んでいても長野に関する記事のトップには必ず掲載されている。
それだけ取り上げられるのだからそれなりに見所があるんだろう、とは思ったけれど
今回はスルー。
なんだか気分が乗らなかったっていうのと、THE観光地はこと自転車旅においては一人でいってもあっさり終わってしまうことが多い。
滞在時間10分とかね。
旅じゃなくって旅行で来た時用にとっておくためでもある。恋人さんととか。
「また来たい」と思えるくらいがちょうどいい。
というわけで向かうは川中島。
ピンと来る人も多いかもしれないこの地名は、日本史でも割と有名な部類に入る合戦であるところの「川中島の戦い」の舞台だ。
善光寺からこんなに近いと思わなかったその距離5km程度。
何を隠そうここに美味しい蕎麦屋さんがある、と長野駅あたりで地元の人に伺うことが出来た。
「美味しいご飯は地元の人に聞け」
蕎麦と言ったら長野。長野と言ったら蕎麦である。
これは外せない。
ちなみに事前調査では、戸隠あたりが一番レベルが高いらしい。
逆に松本とか安曇野あたりはまあ普通だとか。
けど戸隠はさすがに遠かったから残念ながら今回はスルーだったのだ。
これまた機会があれば行ってみたい。

訪れたのはこちら「たなぼた庵」
お昼時ということもあって、店内は満席。

といっても一人だったから3分程で席に案内された。店内はとても賑わっていて、人気店なのが見て取れる。
天盛り蕎麦を注文!

ウマー!
なんだこれすごいコシとのどごし。
出汁も美味しい。蕎麦湯も美味しい。天ぷらも最高だ。
そして一緒に注文した卵焼きが大きすぎた。
なんだこれ卵3個くらい使ってるんじゃないかって感じの。\350は安すぎる。
渋峠の登りで消化したエネルギーをたっぷり補給できた。まんぞくまんぞく。
さて、お昼過ぎである。
実はこの後の予定はほぼ未定だったのだけれど、ここから行けるとしたら安曇野方面くらいだろう。
というわけで西に向かう。
地図を見ているとどうも山を越えるっぽいけれど、昨日から散々登ってきたから誤差の範囲内。
郊外を抜ける快走路を駆け抜ける。
アルプスに近づいていることを実感する。

それにしても暑くって、水分補給を怠るとまずいなといった感じ。
水分マシマシ。

こういう道では個人商店に助けられることも多い。
途中の道の駅でソフトクリームをいただくなど!

隣に座っていた観光客っぽいご夫婦としばし談笑。
ご主人、昔は自転車で旅したこともあるらしく、最新機材に興味があるもよう。
今やカーボンフレームが当たり前の時代だし、いろんな物が軽く強くなってるから、ハードルはどんどん下がってるなーと実感した。
私も自転車を始めた頃はまだガラケーだったけれど、今やスマホが当たり前。
写真も地図も何もかも手のひらサイズにおさめることができる。
ちょっと前に比べるとこれは大きなアドバンテージ。

ほー

じわじわ標高が上がり結局600mくらい上がっただろうか。
残り数キロというところで、最後の登りっぽい道があらわれる。斜度も10%近く、炎天下の中走っていた身にはなかなか堪える。
900mをちょっと超えたところでようやく峠頂上が・・・!
ずっと信州を走っているとどうも標高感覚が狂ってしまうけれど、標高900mってまあまあ高いよね(再確認)
あとは細い県道を下り続けると・・・・

木崎湖到着!!
うおー、綺麗だ。
こういうちゃんとした湖見るのほんと久しぶり。
いっつも琵琶湖しか見てないから・・・・あれは海みたいなもの。湖感が足りない。
木崎湖沿いをゆるゆる走る。とても長閑な雰囲気だ。
ボートがぷかぷか浮いていたり、桟橋で釣りをしている人がいたり。

定番のアングルで写真撮影。
「おねがいシリーズ」と称される作品の聖地でもあるここ木崎湖。
アニメOPで登場するカットのひとつがここの桟橋である。
最初釣り人が釣りをしていたのだけれど、10分ほど待っても移動をする機会がなかったものだから、おそるおそるお願いをしてみると快く写真だけ撮らせてくれた。ありがたい。
ついでに地元の色んなお話を伺うことが出来た。いい場所だよなーと実感。

桜がちょうど満開だった。
平野部との違いを感じる。
近くの自販機で飲み物を買って、湖を眺めながら一服。
いやー気持ち良い。
気持ち良い・・・・
・・・・
zzzz
1時間後
ハッ
寝てたあああああああああああああああ
気持ち良すぎたんだな_(ˇωˇ」∠)_
'`,、('∀`) '`,、
うーん、どうしよう。ほんとはこのまま南下して松本まで走る予定だったんだけれど、どうも時間がなさそうだぞ。
というわけで大人しくここは輪行で帰っちゃおう!ということに。
旅の目的は今朝、渋峠を登った時点で達成していたし、今日と言う一日にすっかり満足していた。
信州いいところすぎるんよ。

ちょろっとAACR(アルプスあづみのセンチュリーライド)のコースも寄ってみたり。
商店街を抜けて信濃大町駅から輪行で帰ることに。

きれいな駅だ。
松本までは鈍行っぽい。
いいね、地方ローカル線乗るのも好き。自転車旅が電車旅に変わる。
松本乗り換えでは時間があったから、お土産を物色することに。
わさびチーズとかヨーグルトカレーとか野沢菜とか買い込む。
こういう時もサコッシュ便利ねー。
あと帰りの電車用の駅弁。これが毎度楽しみ。

鶏釜飯ウマー!
(鳥より野沢菜が美味しかったのはここだけの話)
うとうと寝たり、写真を見返したり、ブログで書くことを決めたりしている内に名古屋に到着。
新幹線に乗り換えて大阪へ無事に帰着。
旅の充実感に満たされながら自宅までの数キロを走ろうと思ったその瞬間
バチン!
んっ?
あっ・・・

シフトワイヤー切れたあああああああああああああああああああ
なんというタイミングw
輪行解除してシフターワンクリックでワイヤーが切れた。
ちょうどこのツーリングが終わったらワイヤー全交換しようと思っていた矢先の出来事である。
これがもし松本で、美ヶ原で、草津で、渋峠で起こっていたらと思うと末恐ろしい。
何千何万回のシフトチェンジによる劣化の蓄積が今か、と。
自宅までの数キロなら問題ない。インナートップとアウタートップの2速ロードバイクでも。
無事に帰宅。
雪の回廊見たさ一心で決行したツーリングだったけれど
それだけじゃない、数々の絶景を堪能することが出来た信州ツーリング。
去年の中部ツーリングと言い、
やはり岐阜~長野~群馬あたりは、山好きにはたまらない。
登らなければ、そこじゃなければ見ることが出来ない景色の数々。
きっと十年後この旅のことを惜しまない。
今回はまだ5月だったけれど、真夏に来てもそれはそれは良い景色が見られそうな予感。
いつかの再訪を胸に秘め
次の旅を想う。
おわり。
2日目 草津温泉~渋峠~長野~木崎湖
走行距離140km 獲得標高2,892m
信州ツーリング
270km 獲得標高6,500m
- 関連記事
-
-
【信州ツーリング】ちょっと自転車で群馬クエストして来た【草津温泉〜渋峠ヒルクライム〜木崎湖】 2014/05/27
-
【信州ツーリング】自転車で中部の山岳地帯ヒルクライム三昧で試される限界頂点【松本~美ヶ原~地蔵峠~草津温泉】 2014/05/18
-
【信州ツーリング】ちょっと自転車で中部地方を走り回って来た〜準備編〜渋峠、美ヶ原、木崎湖etc 2014/05/15
-