【中国地方ツーリング】自転車で出雲界隈サイクリング。「いなり、こんこん、恋いろは。」聖地巡礼と一畑電鉄サイクルトレイン
自転車, 機材紹介, ロングライド, 聖地巡礼, 山陰, 輪行,
知らない天井だ(2回目)
何回旅してても、寝起きは自分の居場所が分からなくなる。
ここはどこだ?と、目の前の見慣れない光景に、必ず違和感を覚える。
でもそれは一瞬のこと。
すぐに今の状況を頭の奥の引き出しから思い出して、テンション上がる。
ここは、出雲だ。
神の国、出雲。3日目が始まる。
何回旅してても、寝起きは自分の居場所が分からなくなる。
ここはどこだ?と、目の前の見慣れない光景に、必ず違和感を覚える。
でもそれは一瞬のこと。
すぐに今の状況を頭の奥の引き出しから思い出して、テンション上がる。
ここは、出雲だ。
神の国、出雲。3日目が始まる。
朝は例のごとくお風呂をいただいてから、身支度を整える。
7時きっかりに朝ごはんをいただくために食堂へ。

朝から割子蕎麦wwwさすが出雲www
いやー、粋な演出である。朝蕎麦、悪くない。
朝から麺類と言えば、香川のうどんと、藤枝の朝ラーメンだけだと思っていた。甘かった。
けれども、香川の人にとってのうどんの重要性と、出雲の人にとっての蕎麦の重要性を比べると、ずいぶん差があるようには感じた。
そんなに蕎麦が根付いているというわけでもなさそう。
蕎麦の歴史なんてものも、調べてみると面白いかもしれない。
着替えを済ませて、荷物を整理してチェックアウト。

今日も文句なしの晴れ模様。
最高気温は20度近くまで上がるようだ。4月下旬くらいの陽気だろうか。
というわけで朝からウインドブレーカーも着ずに、インナーとジャージだけで走ることに。
走り初めは少し肌寒いけれど、すぐにあたたかくなるはず。
これが冬だとそうはいかない。いい季節になったものだ!

月曜日と言うこともあって、市内は通勤・通学する人が目立つ。
それでも大阪と比べたらなんと穏やかな景色だろうか。
まず路上駐車がない。これだけでもう革新的だ!
クラクションもならない。自転車も死角から飛んでこない。素晴らしい。
昨日走った道をトレースしたつもりが、どうも違う道を走っているもよう。
知らない土地だとどうも勝手が分からない。
方向は合ってるはず。

ゆったりと走る。
朝の空気を楽しみながら、30分弱で出雲大社に到着。
昨日は満身創痍だったし、ばたばたしていたけれど、改めて見直すと、この出雲大社のなんと美しいことか!

朝の静寂な空気感と、木々の間から差し込む朝日で、とても神聖な場所のように思えた。
いや、実際神聖な場所だ。サイクルジャージなのがどうも場違いな気がするw




大国主命様が祀られている。日本全国の神様の帰るところ。
平日朝ということもあって、参拝客もかなり少ない。
犬の散歩とかジョギングしてる人とか、地元の人くらいかしらね。数人観光客はいるけれども。
さて、改めて、「いなり、こんこん、恋いろは。」の聖地巡礼スタート!

まずはアニメのシーンからおさえていこう。
第八話「出雲、お見合い、大騒ぎ」ではタイトル通り、出雲を舞台に、いなり達が駆け回る!


本殿。ここは色んなアングルで写ってた。とりあえず一番分かりやすいこのアングルで載せてみる。

御手洗い。柱の位置関係がちょっと違うかしらね。


本殿に入るところの鳥居。

アニメではうつってる手前の灯籠がないんだよねえ。
どうも微妙に違うところがちらほら見受けられる。
伏見稲荷大社の一致度が高かっただけにちょっと違和感。
まぁ場所が場所なだけに取材も1回とかで終わらせたのかもしれない。
ちなみに私は聖地巡礼する際には、アニメもしくは原作をキャプチャーした画像を、アマゾンのクラウドドライブでクラウド上に保存して、iPhoneかKindleで閲覧しながら現地を歩くというスタイルをとっている。
便利な世の中だ。
それと思しき場所があれば、立ち止まって画像と見比べる。
一致していると分かれば、画像を見ながら一眼レフで構図を合わせてシャッターを切る。
聖地巡礼をすることで、その作品の空気感を肌で感じることができる。
美術背景にこだわっているような作品程、そのシンクロ度合いは高い。
舞台を訪れた後で作品を観直すと、その時の記憶がフィードバックするのも面白い。
また、聖地巡礼の魅力は、きっかけ作りになることだと思う。
それまで興味がなかった土地に興味を持ち、実際に訪れ、その土地の空気・食べ物・景色に触れることができるきっかけ作りだ。
気付いたらその土地そのものが好きになることもしばしば。いや、しばしばというよりは、必ず。
写真を撮りつつ、神社の空気感そのものを楽しむ。
少し移動して、神前通りへ。ここは出雲大社に通じる大通りで、両脇にはお土産屋さんや、食事処、雑貨屋さんなどが立ち並ぶ。
歩いていてなんだかわくわくする。


ちなみにいなりと燈火ととし様が入ったカフェもご覧の通り。神前通りにあったりする。


こんなシーンも。
この橋、名前をうか橋という。(!)
小腹が空いたから、神社を出てすぐのところにある甘味処でぜんざいをいただくことに。
あまり知られていないけれど、ぜんざいはここ出雲が発祥の地だ。
その昔、出雲でお祀り行事等の際に振る舞われる御餅のことを「神在餅(じんざい)」と呼んでいて、それが出雲言葉でなまってぜんざいになり、各地から訪れた人々に伝わったらしい。
神在、かみあり、の対を成す言葉が神無、かみなし。
神無といえば、神無月にあたる旧暦10月には、日本全国の神様がここ出雲に集まって、一年のことを話し合う。
神様のオフ会である(違)
その間、出雲では神在祭が行われ、今でもぜんざいが振る舞われるのだとか。 ※俗説あり、信憑性無

紅白のぜんざい。美味しい。ぺろりと平らげてしまった。
再び神前通りへ。
さて、続いては、原作のシーンも探してみる。
原作では、第四巻に出雲が登場する。
アニメとは異なるシーンも多い。というよりは、アニメが原作のシーンをいくつかカットしている。
いいシーンもあるのにもったいないなー。3期くらいまでやってくれないかしらね。
さて、宇迦様と燈火が(逢引き)出会うシーン。
ここは出雲大社の東にある荒神社というところにあるもよう。探すのに20分くらいかかってしまった。


ふむ。微妙に違う。
ちょうど結婚式をやっていた。神前結婚良いなぁ。
ちなみにここ出雲といえば、もうひとつ、出雲阿国所縁の地でもある。
日本史を専攻していた人なら分かるかしら。歌舞伎の始祖、といわれたあの出雲阿国である。
たしか、PS2の「戦国無双」にも登場していた。(冷静に考えるとなんで出雲阿国が戦うんだ・・・・)

出雲阿国のお墓に行くついでに、日本海へ。5分もかからないくらい近い。海―。海―。
ほんとはここから北上して岬の灯台を見てみたかったのだけれど、時間の都合上割愛。
どうやら自転車道があるもよう。
で、その看板を見ていると気になる文字を発見。「レール&サイクル」
なになに、「出雲大社から松江を繋ぐ出雲ローカル線、一畑電車では自転車のまま電車に乗れる「レール&サイクル」を全区間で実施しており・・・・」
まじか!
是非乗ってみたい。いわゆるサイクルトレインとかいうやつ!
というわけで急遽予定を変更して、出雲から輪行することに。いや、この場合、輪行と言うのだろうか。分からぬ。
時刻表を調べてみるとちょうど20分後に発車するということで、急いで出雲大社前駅へ。

ちなみにここも聖地巡礼ポイント。


駅舎は昨年の「平成の大遷宮」の兼ね合いで改装されたらしい。さすが60年に一度の大改修である。
周辺道路が妙に綺麗なのもその影響だろうか。伊勢神宮の式年遷宮の時も、伊勢の周りが急に綺麗になったり、建物が出来たり・・・
でもその影響でなくなった景観もあるのよね。この駅も改装する前は、もっと古い建造物だったようで、ちょっと残念。
今は洋風レトロな駅舎である。窓にはステンドグラスがあったりして。
さて、どういう段取りで自転車ごと電車に乗るのかと言うと、特に難しくもない。
券売機で通常の切符の他に、自転車券を300円で購入するだけ。

そして駅舎からホームまでふつうに自転車を押して歩くだけ。


ホームには電車がもう来ていた。
2両編成の全体的に丸みを帯びた列車で、抹茶色が渋い。
その後ろ車両の、一番後ろの自転車専用のスペースが。

思ったよりも簡易的と言うか、椅子が無い代わりに、スペースがあるだけ。
手すりがあって、S字フックを付けたゴムひもの一端を手すりにかけて、ひもを自転車のどこかに巻き付けて、もう一端のS字フックも手すりにかけて固定するというもの。簡単だ。
乗車してほどなく発車した。
うおー走ってるよ!自転車乗せたまま走ってるよ!なんだかテンション上がる。

車窓×自転車の組み合わせもなんだか良いなぁ・・・・。
途中の駅で乗り換え。踏切を渡って、向かいのホームへ。
その間も自転車を押して歩く。
まわりの子供が集まってくる。ええい、電車が出るではないか、道をあけろおお!
子供「自転車だ!自転車だ!」
私「ふふどやぁ・・・・」
乗り換えた電車でも、さっきと同じような要領で自転車を固定する。
それにしても空いているなぁ・・・・でも、空いているような電車でないと、サイクルトレインは成立しないよね。
お客さん全員が座れてなおかつ余裕があるようなダイヤでないと。
一人でも立つようであれば、「そんなスペース作る前に椅子を増やすべき」って意見が必ず出るし、実際そうだと思う。
電車は人優先。自転車は余裕があれば。


ちなみに自転車スペースも一か所しかないし、同時に乗せられても3台くらいが限度だろうか・・・。
まぁ固定しないのであれば、電車内のどこでも言い訳だから、台数制限ってのもあるようでないのだけれど。
今度、複数人で行くことがあるようであれば、参考までに。
この一畑電車の終点駅は松江しんじ湖温泉駅。
つまりこのまま乗っていれば松江に着くのだけれど、宍道湖沿いも走ってみたい!

というわけで一畑口で途中下車して、そこから残りの10kmは湖沿いを走ることに。
ここはラムサール条約にも入っている湖で、海が極めて近いことから淡水と海水が混じっている。
そのおかげで、他の湖には無い、様々な魚介類を獲ることができるのだそう。しじみが有名かな。
結構広い湖で、出雲~松江を走る時は、南側を走るか北側を走るか選べる。
事前にTwitterでどっちがいいですか、と聞いてみたところ、だいたい皆さん以下のようなご回答。
南側・・・お店がたくさんある。国道9号。交通量ちょっと多い。
北側・・・お店あまりない。快走路。交通量少な目。

私が走った北側は、たしかに走りやすい。
そして途中、突然自転車屋が現れたものだからびっくりした。しかもプロショップだ。
自転車旅でトラブルがあった時とか、一助になるかもしれない。
一瞬、空気補充してもらおうかなと思ったけれど、特に入れなくても済みそうだったからスルー。
3日程度のツーリングであれば、空気補充も必要ない。

そして到着、松江の町。
北は日本海、島根半島、西は宍道湖、東は中海に囲まれており、宍道湖と中海を繋ぐ大橋川によって、市街地は南北に分かれている。
松江駅の駅員さんに観光地情報を聞いたり談笑したりしていると、どうやら大橋川の北側を橋北、南側を橋南と呼ぶらしい。ほほー。
そしてちょろっと観光してみる松江城。

武士がいる!

武士がいる!

ちょろっと拝見してすぐに撤退。というのもお腹がな、空いているのな。
さて、先ほど通ってきた宍道湖。
淡水と海水が混じって色んな魚介類が獲れる云々。
それを食べずに何を食べる!
ここ宍道湖で獲れる魚介類、その代表的な7つを「宍道湖七珍」と呼ぶらしい。
内訳は以下の通り。
スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミ。
折角来たのだからどうしても食べてみたい。全部食べてみたい^q^
というわけで調べてみると、全部食べられるお店があるということで向かうことに。
出雲市駅から程近い、「松江和らく」というお店。

来てみたはいいものの、なんだか高級感があるぞ・・・!料亭みたいだぞ・・・!
でもそんなの気にしない。サイクルジャージ姿で入店する私。
和服着た店員さん「お席ご案内いたしますので、ラウンジでお待ちください。」
私「あい。」
びびるわー!
と言いつつ、お目当ての宍道湖七珍御膳的なのを頼んでみると、お値段は1980円とのこと。
ほっ、これくらいなら大丈夫。贅沢ご飯として許容できる範囲である。
厨房が見えるカウンター席で料理を待つこと数分、お出ましである。


うおおおおお、これは美味しそうだ。間違いなく美味しい。
御膳と、メインの宍道湖七珍が入ったせいろ蒸しご飯。お品書きを見ながら、それぞれを堪能しました。ご馳走さま。

七珍の詳細あり。
幸せな腹ごしらえを済ませたところで、次の目的地へ。

ここからは東に進んで中海へ(海です)
大根島、江島を経由して、境港へいたるコース。
時刻もお昼過ぎと言うことで、ずいぶんあたたかい。幸いこの日はほとんど平坦だったから、汗をかくことも少なかった。



橋を渡って大根島(だいこんじま)にアクセスする。海が近い道路でテンション上がる。
それにしても、それにしても風が強い。めちゃくちゃ強い。
追い風が多かったから助かったけれど、漕がなくても25km/h出るwww

キタガミサーン

例の橋・・・・!?じゃないみたいだけれど十分すごい

島をぐるっと回るから、横風、向かい風もある。
たまらなくなって、景色はもういいからと、島の中に逃げ込む。
一応離れ小島ということもあって、なんだか和やかな雰囲気。
ゆったりしている。時間が。
生活道路を突っ切って、いよいよ江島大橋へ。
さて、この江島大橋、某自動車メーカーのCMで一気に有名になった橋である。
通称“べた踏坂”

なるほど!w
これはなかなか・・・確かにべた踏み坂かもしれない(軽トラックとかなら)

来る途中に撮った遠景。左が鳥取県、右が島根県。
ちなみにこのべた踏み坂近くのコンビニ、名前が「べた踏み坂店」になっててワロタ。いくつかグッズも置いている()
私が行った時も、観光客っぽい人とか、ライダーとか何人かいた。いやーすごいね、CM効果。
iPhoneとかで撮ってる人もいたけれど、広角レンズじゃ迫力出すのは無理だろうなー。
おすすめは大根島くらいから、800mm望遠で撮るとかかしらね。圧縮効果で迫力出るお。
私は200mくらい手前から350mmで撮影。うん、レンズ越しに見ると確かに迫力ある。

実際に自転車で登ることも出来る。というかこの橋超えないと境港へ行けない。
斜度は測ってみると7%くらいで、橋としては異様な斜度であることは間違いない。ママチャリとかだと押して登ることになるだろうなー。

そしてやっぱり風が強い。どうやら江島は風の街とかいう厨二病的二つ名も持っているらしい()

そしてここから境港へ。
ここは何があるかというと、隠岐の島へのフェリーと、海鮮料理と、水木しげるロードである。
隠岐の島は今年の夏くらいに行ってみたい。




水木しげる、つまりゲゲゲの鬼太郎ロードである。
どうも一人で来ても微妙ではある。誰かと一緒に来てやいやい話しながら歩くと楽しそうだ。
街のあちこちに色んな妖怪の像とか、グッズとかがある。

イカスミ入りソフトクリームを頂くなど。

鬼太郎何してのん・・・

いったんもめんの焼き物
というよりは海鮮料理目当てだった私。その場で検索して良さそうなお店があったので移動。
そこでいただくのは・・・・

日替わり定食!これが日替わり・・・・だと・・・・
メニューで悩んでたらお店の人がおすすめしてくれた。
「今日の日替わりは特別豪華だよー!」って。
しかもこれで880円なのだから驚き。これ大阪で食べたら3,000円は下らないぞ・・・。
日本海の幸に感謝しながら美味しくいただきました。
さて、時刻は16時というところ。
そろそろ帰路につかなければ。
家に帰るまでがツーリングである。ここで暮らすわけにもいかないのだ。
米子駅までは30km程度。
海岸線のだだっ広い道を40km/h弱で一気に駆け抜けた。

途中、不思議な光景に出会う。
ひたすらペダルを回しながら直線を走っていた。
基本的に前を見ている。天気は晴れ。けれど少し空は霞んでいる。
周りの風景に目をやり、またすぐ前を向くと、ついさっきまでそこにはなかったものが突然視界に入ってきた。

大山だ。
びっくりした。ついさっきまでそこには何も無かったんだ。
突然こんなものが現れるなんて・・・とその時は思ったけれど、冷静に考えればそうじゃない。
単純に空がクリアになっただけだ。
その証拠に、さっきの写真を撮った数十秒後には、また何も見えなくなっていた。
風向きの悪戯だろうか・・・。少しでも見られたことに感謝しよう。
そして到着米子駅。

私、米子駅に来るのは初めて、と思いきや、2011年の山陰ツーリングで訪れたことがあることに、このとき気付いた。
駅前の景色を見た瞬間になんかこうフラッシュバックというか、既視感というかびびっときた。
完全に忘れていた。
そうだ、あの時は夜中の22時頃に米子駅に付いて、ホテルに直行して、朝早くに大山方面へ出発したんだった。
駅前をちゃんと見ているようで見ていなかったんだ。
もう3年も前かあ・・・・とほんの一瞬、思い出に浸った。
さて、大阪までは割と早い。
岡山までは在来線特急、岡山からは新幹線である。
日本の鉄道網に感謝するばかり。

ちょうど出発するタイミングで人身事故があったもよう。
幸い反対方面で助かった・・・。

特急やくもに乗車。

岡山まではゆっくり寝ることができそうだ。
うとうとし始めた頃、車内放送が始まった。
「皆様、左手に見えますのが、大山で〜・・・・」
眠い目をこすりながらも車窓に目をやる。

ビューティフォー・・・
また3年前の記憶がよみがえる。
山陰地方を旅していた。
新幹線で新山口まで輪行し、秋吉台、角島と移動した。
どちらも本当に本当に綺麗だった。
そのあと、長門駅から6時間くらいかけて米子駅まで輪行した。
米子駅近くのホテルで一泊し、翌朝大山に登った。ヒルクライムだ。
斜度は緩いもののじわじわと登るタイプの山で、もう秋も近い9月だというのに、私は汗だくになっていた。
山の上から見下ろす中国山地と、山陰の海岸線、日本海は本当にきれいだった。
あの時の自分も、今の自分も、確かに同じように旅をしていたのに
見るものも、感じるものも、まったく違うんだなーと当時の記事を読み返して、思う。
ブログを書くのは、自転車旅の魅力を伝えることだったり、
自分の成していることを誰かに見てもらいたかったり、
色んな理由があるけれど
その時の感覚を言葉と写真で残しておきたいというのもある。
また何年後かに、今回の旅の記事を読み返している自分はいったい何を思うんだろう。
まずは何を・・・どういう風に書き記すか、考えよう・・・
そういえば前回は2日間だった気がする。とんでもない強行軍だった。今の私より無茶している。
あの頃に比べると少しはスマートに旅ができるようになったんだろうか・・・
何年か先にはまた違った自分がいるんだろうか・・・・
そんな物思いに耽りながら、シートに深く沈み込み、私は目を閉じた。
おわり。
あ
走行距離 110km
獲得標高 345m
【使ったお金】
■交通費
出雲大社前駅 〜 一畑口駅 640円 +自転車持ち込み300円 =940円
米子駅〜岡山〜新大阪 9,180円
■食費
朝ご飯 0円(ホテルの朝食)
ぜんざい 500円
昼ご飯1 1,980円(宍道湖七珍)
昼ご飯2 880円(海鮮定食)
補給食 600円(おにぎり2個、チョコレート、だいふく等)
飲み物 450円(500ml水×3本)
ソフトクリーム300円
■その他
出雲大社お賽銭5円
合計14,835円也
今回のツーリングで使ったお金
1日目15,250円
2日目9,005円
3日目14,835円
総計39,090円。プライスレス。
自転車,
機材紹介,
ロングライド,
聖地巡礼,
山陰,
輪行,
7時きっかりに朝ごはんをいただくために食堂へ。

朝から割子蕎麦wwwさすが出雲www
いやー、粋な演出である。朝蕎麦、悪くない。
朝から麺類と言えば、香川のうどんと、藤枝の朝ラーメンだけだと思っていた。甘かった。
けれども、香川の人にとってのうどんの重要性と、出雲の人にとっての蕎麦の重要性を比べると、ずいぶん差があるようには感じた。
そんなに蕎麦が根付いているというわけでもなさそう。
蕎麦の歴史なんてものも、調べてみると面白いかもしれない。
着替えを済ませて、荷物を整理してチェックアウト。

今日も文句なしの晴れ模様。
最高気温は20度近くまで上がるようだ。4月下旬くらいの陽気だろうか。
というわけで朝からウインドブレーカーも着ずに、インナーとジャージだけで走ることに。
走り初めは少し肌寒いけれど、すぐにあたたかくなるはず。
これが冬だとそうはいかない。いい季節になったものだ!

月曜日と言うこともあって、市内は通勤・通学する人が目立つ。
それでも大阪と比べたらなんと穏やかな景色だろうか。
まず路上駐車がない。これだけでもう革新的だ!
クラクションもならない。自転車も死角から飛んでこない。素晴らしい。
昨日走った道をトレースしたつもりが、どうも違う道を走っているもよう。
知らない土地だとどうも勝手が分からない。
方向は合ってるはず。

ゆったりと走る。
朝の空気を楽しみながら、30分弱で出雲大社に到着。
昨日は満身創痍だったし、ばたばたしていたけれど、改めて見直すと、この出雲大社のなんと美しいことか!

朝の静寂な空気感と、木々の間から差し込む朝日で、とても神聖な場所のように思えた。
いや、実際神聖な場所だ。サイクルジャージなのがどうも場違いな気がするw




大国主命様が祀られている。日本全国の神様の帰るところ。
平日朝ということもあって、参拝客もかなり少ない。
犬の散歩とかジョギングしてる人とか、地元の人くらいかしらね。数人観光客はいるけれども。
さて、改めて、「いなり、こんこん、恋いろは。」の聖地巡礼スタート!

まずはアニメのシーンからおさえていこう。
第八話「出雲、お見合い、大騒ぎ」ではタイトル通り、出雲を舞台に、いなり達が駆け回る!


本殿。ここは色んなアングルで写ってた。とりあえず一番分かりやすいこのアングルで載せてみる。

御手洗い。柱の位置関係がちょっと違うかしらね。


本殿に入るところの鳥居。

アニメではうつってる手前の灯籠がないんだよねえ。
どうも微妙に違うところがちらほら見受けられる。
伏見稲荷大社の一致度が高かっただけにちょっと違和感。
まぁ場所が場所なだけに取材も1回とかで終わらせたのかもしれない。
ちなみに私は聖地巡礼する際には、アニメもしくは原作をキャプチャーした画像を、アマゾンのクラウドドライブでクラウド上に保存して、iPhoneかKindleで閲覧しながら現地を歩くというスタイルをとっている。
便利な世の中だ。
それと思しき場所があれば、立ち止まって画像と見比べる。
一致していると分かれば、画像を見ながら一眼レフで構図を合わせてシャッターを切る。
聖地巡礼をすることで、その作品の空気感を肌で感じることができる。
美術背景にこだわっているような作品程、そのシンクロ度合いは高い。
舞台を訪れた後で作品を観直すと、その時の記憶がフィードバックするのも面白い。
また、聖地巡礼の魅力は、きっかけ作りになることだと思う。
それまで興味がなかった土地に興味を持ち、実際に訪れ、その土地の空気・食べ物・景色に触れることができるきっかけ作りだ。
気付いたらその土地そのものが好きになることもしばしば。いや、しばしばというよりは、必ず。
写真を撮りつつ、神社の空気感そのものを楽しむ。
少し移動して、神前通りへ。ここは出雲大社に通じる大通りで、両脇にはお土産屋さんや、食事処、雑貨屋さんなどが立ち並ぶ。
歩いていてなんだかわくわくする。


ちなみにいなりと燈火ととし様が入ったカフェもご覧の通り。神前通りにあったりする。


こんなシーンも。
この橋、名前をうか橋という。(!)
小腹が空いたから、神社を出てすぐのところにある甘味処でぜんざいをいただくことに。
あまり知られていないけれど、ぜんざいはここ出雲が発祥の地だ。
その昔、出雲でお祀り行事等の際に振る舞われる御餅のことを「神在餅(じんざい)」と呼んでいて、それが出雲言葉でなまってぜんざいになり、各地から訪れた人々に伝わったらしい。
神在、かみあり、の対を成す言葉が神無、かみなし。
神無といえば、神無月にあたる旧暦10月には、日本全国の神様がここ出雲に集まって、一年のことを話し合う。
神様のオフ会である(違)
その間、出雲では神在祭が行われ、今でもぜんざいが振る舞われるのだとか。 ※俗説あり、信憑性無

紅白のぜんざい。美味しい。ぺろりと平らげてしまった。
再び神前通りへ。
さて、続いては、原作のシーンも探してみる。
原作では、第四巻に出雲が登場する。
アニメとは異なるシーンも多い。というよりは、アニメが原作のシーンをいくつかカットしている。
いいシーンもあるのにもったいないなー。3期くらいまでやってくれないかしらね。
さて、宇迦様と燈火が(逢引き)出会うシーン。
ここは出雲大社の東にある荒神社というところにあるもよう。探すのに20分くらいかかってしまった。


ふむ。微妙に違う。
ちょうど結婚式をやっていた。神前結婚良いなぁ。
ちなみにここ出雲といえば、もうひとつ、出雲阿国所縁の地でもある。
日本史を専攻していた人なら分かるかしら。歌舞伎の始祖、といわれたあの出雲阿国である。
たしか、PS2の「戦国無双」にも登場していた。(冷静に考えるとなんで出雲阿国が戦うんだ・・・・)

出雲阿国のお墓に行くついでに、日本海へ。5分もかからないくらい近い。海―。海―。
ほんとはここから北上して岬の灯台を見てみたかったのだけれど、時間の都合上割愛。
どうやら自転車道があるもよう。
で、その看板を見ていると気になる文字を発見。「レール&サイクル」
なになに、「出雲大社から松江を繋ぐ出雲ローカル線、一畑電車では自転車のまま電車に乗れる「レール&サイクル」を全区間で実施しており・・・・」
まじか!
是非乗ってみたい。いわゆるサイクルトレインとかいうやつ!
というわけで急遽予定を変更して、出雲から輪行することに。いや、この場合、輪行と言うのだろうか。分からぬ。
時刻表を調べてみるとちょうど20分後に発車するということで、急いで出雲大社前駅へ。

ちなみにここも聖地巡礼ポイント。



駅舎は昨年の「平成の大遷宮」の兼ね合いで改装されたらしい。さすが60年に一度の大改修である。
周辺道路が妙に綺麗なのもその影響だろうか。伊勢神宮の式年遷宮の時も、伊勢の周りが急に綺麗になったり、建物が出来たり・・・
でもその影響でなくなった景観もあるのよね。この駅も改装する前は、もっと古い建造物だったようで、ちょっと残念。
今は洋風レトロな駅舎である。窓にはステンドグラスがあったりして。
さて、どういう段取りで自転車ごと電車に乗るのかと言うと、特に難しくもない。
券売機で通常の切符の他に、自転車券を300円で購入するだけ。

そして駅舎からホームまでふつうに自転車を押して歩くだけ。


ホームには電車がもう来ていた。
2両編成の全体的に丸みを帯びた列車で、抹茶色が渋い。
その後ろ車両の、一番後ろの自転車専用のスペースが。

思ったよりも簡易的と言うか、椅子が無い代わりに、スペースがあるだけ。
手すりがあって、S字フックを付けたゴムひもの一端を手すりにかけて、ひもを自転車のどこかに巻き付けて、もう一端のS字フックも手すりにかけて固定するというもの。簡単だ。
乗車してほどなく発車した。
うおー走ってるよ!自転車乗せたまま走ってるよ!なんだかテンション上がる。

車窓×自転車の組み合わせもなんだか良いなぁ・・・・。
途中の駅で乗り換え。踏切を渡って、向かいのホームへ。
その間も自転車を押して歩く。
まわりの子供が集まってくる。ええい、電車が出るではないか、道をあけろおお!
子供「自転車だ!自転車だ!」
私「ふふどやぁ・・・・」
乗り換えた電車でも、さっきと同じような要領で自転車を固定する。
それにしても空いているなぁ・・・・でも、空いているような電車でないと、サイクルトレインは成立しないよね。
お客さん全員が座れてなおかつ余裕があるようなダイヤでないと。
一人でも立つようであれば、「そんなスペース作る前に椅子を増やすべき」って意見が必ず出るし、実際そうだと思う。
電車は人優先。自転車は余裕があれば。


ちなみに自転車スペースも一か所しかないし、同時に乗せられても3台くらいが限度だろうか・・・。
まぁ固定しないのであれば、電車内のどこでも言い訳だから、台数制限ってのもあるようでないのだけれど。
今度、複数人で行くことがあるようであれば、参考までに。
この一畑電車の終点駅は松江しんじ湖温泉駅。
つまりこのまま乗っていれば松江に着くのだけれど、宍道湖沿いも走ってみたい!

というわけで一畑口で途中下車して、そこから残りの10kmは湖沿いを走ることに。
ここはラムサール条約にも入っている湖で、海が極めて近いことから淡水と海水が混じっている。
そのおかげで、他の湖には無い、様々な魚介類を獲ることができるのだそう。しじみが有名かな。
結構広い湖で、出雲~松江を走る時は、南側を走るか北側を走るか選べる。
事前にTwitterでどっちがいいですか、と聞いてみたところ、だいたい皆さん以下のようなご回答。
南側・・・お店がたくさんある。国道9号。交通量ちょっと多い。
北側・・・お店あまりない。快走路。交通量少な目。

私が走った北側は、たしかに走りやすい。
そして途中、突然自転車屋が現れたものだからびっくりした。しかもプロショップだ。
自転車旅でトラブルがあった時とか、一助になるかもしれない。
一瞬、空気補充してもらおうかなと思ったけれど、特に入れなくても済みそうだったからスルー。
3日程度のツーリングであれば、空気補充も必要ない。

そして到着、松江の町。
北は日本海、島根半島、西は宍道湖、東は中海に囲まれており、宍道湖と中海を繋ぐ大橋川によって、市街地は南北に分かれている。
松江駅の駅員さんに観光地情報を聞いたり談笑したりしていると、どうやら大橋川の北側を橋北、南側を橋南と呼ぶらしい。ほほー。
そしてちょろっと観光してみる松江城。

武士がいる!

武士がいる!

ちょろっと拝見してすぐに撤退。というのもお腹がな、空いているのな。
さて、先ほど通ってきた宍道湖。
淡水と海水が混じって色んな魚介類が獲れる云々。
それを食べずに何を食べる!
ここ宍道湖で獲れる魚介類、その代表的な7つを「宍道湖七珍」と呼ぶらしい。
内訳は以下の通り。
スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミ。
折角来たのだからどうしても食べてみたい。全部食べてみたい^q^
というわけで調べてみると、全部食べられるお店があるということで向かうことに。
出雲市駅から程近い、「松江和らく」というお店。

来てみたはいいものの、なんだか高級感があるぞ・・・!料亭みたいだぞ・・・!
でもそんなの気にしない。サイクルジャージ姿で入店する私。
和服着た店員さん「お席ご案内いたしますので、ラウンジでお待ちください。」
私「あい。」
びびるわー!
と言いつつ、お目当ての宍道湖七珍御膳的なのを頼んでみると、お値段は1980円とのこと。
ほっ、これくらいなら大丈夫。贅沢ご飯として許容できる範囲である。
厨房が見えるカウンター席で料理を待つこと数分、お出ましである。


うおおおおお、これは美味しそうだ。間違いなく美味しい。
御膳と、メインの宍道湖七珍が入ったせいろ蒸しご飯。お品書きを見ながら、それぞれを堪能しました。ご馳走さま。

七珍の詳細あり。
幸せな腹ごしらえを済ませたところで、次の目的地へ。

ここからは東に進んで中海へ(海です)
大根島、江島を経由して、境港へいたるコース。
時刻もお昼過ぎと言うことで、ずいぶんあたたかい。幸いこの日はほとんど平坦だったから、汗をかくことも少なかった。



橋を渡って大根島(だいこんじま)にアクセスする。海が近い道路でテンション上がる。
それにしても、それにしても風が強い。めちゃくちゃ強い。
追い風が多かったから助かったけれど、漕がなくても25km/h出るwww

キタガミサーン

例の橋・・・・!?じゃないみたいだけれど十分すごい

島をぐるっと回るから、横風、向かい風もある。
たまらなくなって、景色はもういいからと、島の中に逃げ込む。
一応離れ小島ということもあって、なんだか和やかな雰囲気。
ゆったりしている。時間が。
生活道路を突っ切って、いよいよ江島大橋へ。
さて、この江島大橋、某自動車メーカーのCMで一気に有名になった橋である。
通称“べた踏坂”

なるほど!w
これはなかなか・・・確かにべた踏み坂かもしれない(軽トラックとかなら)

来る途中に撮った遠景。左が鳥取県、右が島根県。
ちなみにこのべた踏み坂近くのコンビニ、名前が「べた踏み坂店」になっててワロタ。いくつかグッズも置いている()
私が行った時も、観光客っぽい人とか、ライダーとか何人かいた。いやーすごいね、CM効果。
iPhoneとかで撮ってる人もいたけれど、広角レンズじゃ迫力出すのは無理だろうなー。
おすすめは大根島くらいから、800mm望遠で撮るとかかしらね。圧縮効果で迫力出るお。
私は200mくらい手前から350mmで撮影。うん、レンズ越しに見ると確かに迫力ある。

実際に自転車で登ることも出来る。というかこの橋超えないと境港へ行けない。
斜度は測ってみると7%くらいで、橋としては異様な斜度であることは間違いない。ママチャリとかだと押して登ることになるだろうなー。

そしてやっぱり風が強い。どうやら江島は風の街とかいう厨二病的二つ名も持っているらしい()

そしてここから境港へ。
ここは何があるかというと、隠岐の島へのフェリーと、海鮮料理と、水木しげるロードである。
隠岐の島は今年の夏くらいに行ってみたい。




水木しげる、つまりゲゲゲの鬼太郎ロードである。
どうも一人で来ても微妙ではある。誰かと一緒に来てやいやい話しながら歩くと楽しそうだ。
街のあちこちに色んな妖怪の像とか、グッズとかがある。

イカスミ入りソフトクリームを頂くなど。

鬼太郎何してのん・・・

いったんもめんの焼き物
というよりは海鮮料理目当てだった私。その場で検索して良さそうなお店があったので移動。
そこでいただくのは・・・・

日替わり定食!これが日替わり・・・・だと・・・・
メニューで悩んでたらお店の人がおすすめしてくれた。
「今日の日替わりは特別豪華だよー!」って。
しかもこれで880円なのだから驚き。これ大阪で食べたら3,000円は下らないぞ・・・。
日本海の幸に感謝しながら美味しくいただきました。
さて、時刻は16時というところ。
そろそろ帰路につかなければ。
家に帰るまでがツーリングである。ここで暮らすわけにもいかないのだ。
米子駅までは30km程度。
海岸線のだだっ広い道を40km/h弱で一気に駆け抜けた。

途中、不思議な光景に出会う。
ひたすらペダルを回しながら直線を走っていた。
基本的に前を見ている。天気は晴れ。けれど少し空は霞んでいる。
周りの風景に目をやり、またすぐ前を向くと、ついさっきまでそこにはなかったものが突然視界に入ってきた。

大山だ。
びっくりした。ついさっきまでそこには何も無かったんだ。
突然こんなものが現れるなんて・・・とその時は思ったけれど、冷静に考えればそうじゃない。
単純に空がクリアになっただけだ。
その証拠に、さっきの写真を撮った数十秒後には、また何も見えなくなっていた。
風向きの悪戯だろうか・・・。少しでも見られたことに感謝しよう。
そして到着米子駅。

私、米子駅に来るのは初めて、と思いきや、2011年の山陰ツーリングで訪れたことがあることに、このとき気付いた。
駅前の景色を見た瞬間になんかこうフラッシュバックというか、既視感というかびびっときた。
完全に忘れていた。
そうだ、あの時は夜中の22時頃に米子駅に付いて、ホテルに直行して、朝早くに大山方面へ出発したんだった。
駅前をちゃんと見ているようで見ていなかったんだ。
もう3年も前かあ・・・・とほんの一瞬、思い出に浸った。
さて、大阪までは割と早い。
岡山までは在来線特急、岡山からは新幹線である。
日本の鉄道網に感謝するばかり。

ちょうど出発するタイミングで人身事故があったもよう。
幸い反対方面で助かった・・・。

特急やくもに乗車。

岡山まではゆっくり寝ることができそうだ。
うとうとし始めた頃、車内放送が始まった。
「皆様、左手に見えますのが、大山で〜・・・・」
眠い目をこすりながらも車窓に目をやる。

ビューティフォー・・・
また3年前の記憶がよみがえる。
山陰地方を旅していた。
新幹線で新山口まで輪行し、秋吉台、角島と移動した。
どちらも本当に本当に綺麗だった。
そのあと、長門駅から6時間くらいかけて米子駅まで輪行した。
米子駅近くのホテルで一泊し、翌朝大山に登った。ヒルクライムだ。
斜度は緩いもののじわじわと登るタイプの山で、もう秋も近い9月だというのに、私は汗だくになっていた。
山の上から見下ろす中国山地と、山陰の海岸線、日本海は本当にきれいだった。
あの時の自分も、今の自分も、確かに同じように旅をしていたのに
見るものも、感じるものも、まったく違うんだなーと当時の記事を読み返して、思う。
ブログを書くのは、自転車旅の魅力を伝えることだったり、
自分の成していることを誰かに見てもらいたかったり、
色んな理由があるけれど
その時の感覚を言葉と写真で残しておきたいというのもある。
また何年後かに、今回の旅の記事を読み返している自分はいったい何を思うんだろう。
まずは何を・・・どういう風に書き記すか、考えよう・・・
そういえば前回は2日間だった気がする。とんでもない強行軍だった。今の私より無茶している。
あの頃に比べると少しはスマートに旅ができるようになったんだろうか・・・
何年か先にはまた違った自分がいるんだろうか・・・・
そんな物思いに耽りながら、シートに深く沈み込み、私は目を閉じた。
おわり。
あ
走行距離 110km
獲得標高 345m
【使ったお金】
■交通費
出雲大社前駅 〜 一畑口駅 640円 +自転車持ち込み300円 =940円
米子駅〜岡山〜新大阪 9,180円
■食費
朝ご飯 0円(ホテルの朝食)
ぜんざい 500円
昼ご飯1 1,980円(宍道湖七珍)
昼ご飯2 880円(海鮮定食)
補給食 600円(おにぎり2個、チョコレート、だいふく等)
飲み物 450円(500ml水×3本)
ソフトクリーム300円
■その他
出雲大社お賽銭5円
合計14,835円也
今回のツーリングで使ったお金
1日目15,250円
2日目9,005円
3日目14,835円
総計39,090円。プライスレス。
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