【中部ツーリング】3日目 自転車で念願の乗鞍ヒルクライムして来た! 【乗鞍~高山~富山】
自転車, 写真, ロングライド, 聖地巡礼, カメラ, 登山, 中部, オフ会, イベント,
とてもいい目覚めだった。
起きた時から頭がクリアだったし、身体も軽い。
こんな気持ちで朝を迎えるなんてはじめて……
ここは長野県、乗鞍、とあるロッジ。
3日目スタート!!

自転車,
写真,
ロングライド,
聖地巡礼,
カメラ,
登山,
中部,
オフ会,
イベント,
起きた時から頭がクリアだったし、身体も軽い。
こんな気持ちで朝を迎えるなんてはじめて……
ここは長野県、乗鞍、とあるロッジ。
3日目スタート!!

起きてごそごそと朝支度を整える。
他の二人も目を覚ましたようだ。
顔を洗うために洗面所へ向かう。
ここはトイレバスは共同なのだ。
木の床が張られた狭い廊下をすすみ、ドアをひとつ、角を三回曲がって到着。
ここのお宿、建物の造りがなんか変わってる。
建物の平面図を想像することができない。どこに部屋があってどこに出口があるのか。
狭い廊下には、トイレと思われるドアも全部で6つ。うちドアが開いたのは4つ。
あとの2つのドアの先には何があるのやら………(ドーン
洗面所の蛇口をひねる。
出てきた水に手をつけると、冷たい、
痛いくらい冷たい。
この季節、大阪などの都会で蛇口をひねってもこんなに冷たい水はまず出ない。
さすが長野、さすが乗鞍。
部屋にもどってしばらくすると朝ごはんの準備が出来たとお宿の主人に声をかけられる。

みんなで喜々として1Fの食堂へ行くと………

ヒャアアアアアアアアアアアアア
最高だ、これぞ朝ごはん!
おひつのご飯が嬉しすぎる。
この日は宿を出たら即乗鞍を登り始める。
もちろんコンビニなんてないし、頂上まで補給をすることもできない。
もりもり食べて登りに備える。
さて、私が旅をしている時にこういう風にお宿で朝ごはんをいただくときに
必ずしていることがある。
これだ!!

ジャパニーズソウルフードおにぎり。
北海道を旅している最中に、とある民宿に泊まった時のこと。
用意していただいた朝ごはんを食べようとおひつを開けると、そこには到底ひとりでは食べきることができないくらいの炊き立て白ごはんが盛られていた。
とても美味しかったけれど、とてもじゃないけど食べきれない。
でも、これ残したら捨てられちゃうんだろうな、もったいないな、と考えていた時に思いついた。
「そうだ、これおにぎりにしてもらえばいいじゃないか。」
今思うと図々しいかったかもしれないけれど、お宿の人にお願いをすると、
喜んで応じてくれた。
「捨てるくらいなら、食べてもらった方が嬉しい」と。
お宿の人はささっと特大サイズのおにぎりを2つ用意してくれた。
塩おにぎりと、鮭おにぎりだ。
お宿を出発して数時間後、
お昼前に、北海道の雄大な景色も眺めながら食べたあのおにぎりの味を
私はまだ忘れられずにいる。
今回も同じようにお願いしたら、快く承諾してくださった。
炊き過ぎたお米もあったらしく、3合分も!
さすがに握ってもらうのはあの北海道が最後で、それ以来はいつもサランラップと、できれば塩だけをいただいて、自分で握ることにしている。
3人分のおにぎりをにぎった。これで補給もばっちりだ。
ついでに水をいただくことができた。
冷たい水をボトルになみなみと注いでくださった。感謝!


さて、部屋にもどって、キャプたんと朔ちゃんにどうするか尋ねてみる。
私は、せっかくここまで来たのだから、乗鞍を登るべきだと思っていたし、昨日からささやいていた。
乗鞍なんてめったに来れるものじゃない。
私も自転車で旅をし始めてから今日まで5年もかかった。
乗鞍は夏しか登ることができない。
さらに天気。
これほど標高の高いところだから、天気が変わりやすく、雨が降ることも珍しくない。
けれどこの日は月に手が届きそうな青空。
行くしかないだろう!!!
ということで、全員、乗鞍頂上を目指すことに。
その後、松本に下るか、高山に下るかは、頂上に登ってから決めよう。

お宿のおっちゃんにお礼を言って、宿を出る。


もうすでに標高は1,500m。スタート地点がすでに高い()
松本側からのメインの道路に合流すると、すぐに登り始める。
ついに………ついに念願の乗鞍頂上を目指すことができる!!
もうしょっぱなからテンションあがりっぱなし。
ココロもカラダも全開でペダルを踏み込んだ。
私「頂上でまた会おう!」
そういって、二人と別れた。
まさかこれがこの二人と会話をした最後の瞬間になるとは、頭の片隅で思っていた()
もちろん、その通りになった(()))
天気、快晴。
身体、上々。
機材、好調。

あぁ、なんて、なんて楽しいんだ。
サイクルコンピューターをリセット、
勾配計をチェック、
時刻は8:45。
サドルから腰を上げる、
右足を踏む、
左足を抜く、
もう一度右足を踏む、
繰り返し、繰り返す。
ハンドルを握る手はなるべくリラックス、
力を抜いて、
リズムを意識して、
車体を左右にダンシング。



ふと見てみると、めちゃくちゃ自転車乗りが多い。
どれだけ抜いても、すぐに次の背中が見えてくる。
ひょっとして今日は大会か何かなのかと勘違いしたくらい。
お盆で、快晴だから、当たり前か。
ちょっとしょんぼりしてしまった。
独り占めしたかったのに!
自分だけの景色を、自分だけの目でものにしたい。
でもそんな欲は一瞬だけのこと。
走って身体があたたまると、そんなチンケなことはどうでもよくなる。
目も前の景色にただただ感動するばかりだ。


高山植物っぽいやつ

結局頂上に着くまで30人以上抜いたと思う。
5人くらいのガチ勢に抜かれた。
あの速さはどうみてもレース勢だ。
ちなみにこの日も一眼レフカメラを肩から腰に斜め掛けしながら登る。
最初の準備編で解説したとおり、今回の旅はずーっと一眼レフカメラをかけたまま走っていた。
もう、気にならない。
邪魔に思えない。
むしろ、いい景色、構図があればすぐに撮れるように、ないと気持ち悪い。
時には停まって自転車を降りて、しっかり撮影に専念する。
これが醍醐味なんだ。
自転車だけじゃあ満足できない。
こうして感動した風景を写真に残す。ザッツオール。


写真を撮り続ける理由ってよくわかんなかったりするんだけど
よくわかんないのに続いてるって
結構信用できるんだ。




標高2,000mを越えたあたりから、景色と空気が変わった。
まわりの木々は背が低く、木と木の感覚が広い。
地面のまわりには、あまり見かけない草とか花とか。
ごつごつした石や岩も多くなってきた。
いわゆる森林限界だ。
大気と道と自分の間に遮るものがないせいか、風をダイレクトに感じることができる。
真夏なのにそれは涼やかで、吸い込む空気が新鮮でおいしい。
空気に新鮮さを感じるって、やっぱりここはすごいところだと思った。
そして、空気の薄さも同時に感じていた。
標高2,300mくらいからだろうか。
2サイクル呼吸して、やっと1回分って感じ。
いつも通りに加速したつもりが、心拍が悲鳴を上げそうになる。
これは、無茶できないな。
こんなとことでレースするトッププロ選手の身体どうなってんだ。



標高2,500mを越えるともうそこは私の知っている日本の山じゃない。
ごつごつした岩肌が大半を占め、たまに見る植物は高山植物のみ。
荒野のような見た目で、生命が生きにくそうなのを、肌で感じる。
見通しはとてもいい。
標高200m先の頂上付近がはっきり見える。振り返ると登ってきた道も。


ため息がでるくらい綺麗だ。
もうずっと笑いっぱなしだった。




途中、何度か人と話す機会もあった。
写真を撮っては再スタートを繰り返しているものだから、
抜いて抜かれてを繰り返す。
「余裕だね~」「どこから来たの?」「あと何メートルかなぁ」「カメラ背負ってる(笑)」

ところどころ雪解け水でできた川があった。
さすが年中雪が残っているだけある。


ふと見上げると、たくさん雪が残っている一帯でスノーボードをしている人たちも見受けられる。
途中、吃驚したのが、MTBでスキー板を運んでいる人がいたこと。
クレイジーだぜ




松本側に下る人が多かった。
頂上付近に近付く。
折り返してくるローディも結構いて、下りはこわそうだなぁと思って見ていると
カーブの先からあらわれた自転車に見覚えが

出、出~~~~~~~~~全国津々浦々突如出現犬速奴~~~~~www
はい、犬速さんです。
なんでここで会うのww
私のブログに何度も登場しているし、ロングライド界、痛自転車界では有名な方ですね。
同じ大阪民国だから、よく会っているのだけれど
なんでここでw
どうやら前日に高山入りして、朝から登ってきたとのこと。
そして今回は輪行袋を持たずに全部自走でこなしているとか。
やれやれ、狂ってやがる。
軽く談笑し、二人で頂上を目指す。
なんで犬速さん折り返してるのwwwワハハという感じ。
途中、おっきめの石ころが落ちてたから道路わきに移動させる。
誰か下りでうっかり踏んで落車でもしたら今後の利用にかかわるものね。危険は排除排除。





そして頂上到着。
もうお腹いっぱいだ。絶景を見すぎたッ・・・・・!
あたりを見回すと人多い。こんなに多いのか。
登山客8割、自転車乗り2割といったところだろうか。

お腹が空いてたから売店で食べ物ゲット!
ちなみにペットボトルもゴミクズも捨てるところはなし。
山では持ち帰りが原則。ゴミ回収するのも大変だものね。


絶景を見ながら食べるごはんの美味しさは異常。

コルナゴの乗り心地の良さ
しばらく景色を堪能。
やっと来れた乗鞍。
いままで写真で見ることはあったけど、実際に自分の眼で見るこの光景は、本当にキレイだ。
晴天にも感謝。

!?


県境すぐ横の定番撮影ポイント

この時点でお昼前。さて、どうしよう。
松本側に下るか、高山側に下るか。
翌日は富山まで行き、立山・黒部アルペンルートをまわる予定だった。
アクセスのことを考えると高山側がベターだろう。
高山市街は行ったことなかったし、小京都みたいで雰囲気はいいと聞く。
ということで、西にくだることに。
犬速さんも同行してくれることになった。やったね!
朔ちゃんとキャプたんとは合流せずに下ることにした。
フットワークは軽い方がいい。
電波が入らなかったけど、犬速さんにテザリングしてもらってツイッターでリプライを送っておく。
結局、3日間行動をともにしてたわけだ。ありがとう楽しかったよ。


ウインドブレーカーをまとい、一気に下る。
標高差2,100m、高山まで48kmを一気に下る。
ウインドブレーカーを着てちょうどいいくらい。
もしかするとなくても耐えられる程度だったかも。
天気もいいし、比較的あたたかい乗鞍だったと思う。
でも、一月変わればめっちゃ寒いんだろうなってのは用意に想像できた。厳しい場所だ。

ここは飛ばすところではないなぁ、と。
下りは下りで登りとはまた違う景色が目の前に広がる。
はるか遠くの町はまだ見えず、ただひたすらに聳える山々に吸い込まれるように突っ込んでいく。
うわさに聞いていた「空気が薄いから速度が出る」
ってのも体感することが出来た。羽をつけたら吹っ飛びそうだ。
どんどこ下って、途中、道の駅?「赤かぶの里」でお昼ご飯。

飛騨高山冷やしラーメン!
塩分がありがたい。
ココまで下ると結構暑い。すっかり夏に舞い戻った。

定番気圧差メーター
高山市内まではずっと逆風で、ややつらみ。
でも犬速さんがいるから大丈夫!金魚のフンのごとく後ろに引っ付く。
ウオン、特急列車だ。
さて、高山に来るのは初めてだ。



古い町並みが未だ残っていて、お城跡や門跡、歴史的価値の高い建造物が軒を連ねる通りもある。
帰ってから歴史を調べてみると、ふむ、資料は少ないけれど、確かに栄えるような背景があったようだ。
“小京都”と形容されるのも頷ける。
アルプスが近く、雄大な自然の麓という立地に、私は京都よりも惹かれたのだけれど。

みたらし団子をいただくなど
ゆっくり町並みを眺めながらポタリングモードに。
それにしても暑かったから途中とあるカキ氷屋さんに。いや、正確には洋菓子屋さんか。
ここで、なんと2時間も時間を潰すことになった。
話すと長くなるというか、いや、そんなに長くないかな。
私「かき氷くださーい。」
店員(お姉さん20代前半と思われる)「いらっしゃーい。お!自転車」
店主(ダンディな男前30代前半と思われる)「座って座って。ようこそ!」
私「えっえっ(とりあえず席に座り、身構える)」

お二人ともシャンパン飲んでるわ
即席で作ったと思われるイタリア料理っぽい小皿が並んでるわ
店頭で水を張った桶にはラムネとシャンパンときゅうりが入ってるわ
なんなんだこの店は………!!!
自転車旅をしてると、こういうことはわりかしある。
みんな旅の話を聞きたいのだろうか。
でも、こういう出会いというか、交流するの、嫌いじゃない。
今回の行程のこととか、今までした旅の話をしながら、談笑する。
なぜかラムネと五平餅と、自家製のイタリア料理をご馳走になる。美味しいwww

お姉さん、なんと私と同じ大学を卒業し、紆余曲折を経て、ここ高山で働いているのだとか。
お姉さん、頭の良さを感じさせる話し方をして、きれいで、胸元が強調されてて、どきどきしました。
店主がまた面白くて、イタリアにいたせいか、ノリがイタリア人だ。
時折イタリア語を混ぜながら楽しそうに話す。
いくつかの会社を経営する代表取締役でした()何故か名刺をいただいた。
お姉さん「この人が名刺を渡すなんて、超貴重だよ」
私「まじっすか……(ガクブル)」
途中、犬速さんが心配そうに見に来た。
同じように席に座らされて、そのまま談笑。
さらに、岡山から来たという自転車乗りが、かき氷を求めて来店。
同じように席に座らされて、そのまま談笑。
学生で、農業を勉強し、農業関係の職に就くらしい。
みんなでわいわい談笑しているものだから普通のお客さん(若い男性二人組み)が
「えっここ何のお店ですかw」
「どうみてもバール(イタリア・スペインなど南欧州にある軽食屋台)」
そうこう楽しい時間を過ごして、お店を後にする。
高山面白すぎるでしょ。
犬速さんは名古屋方面へ、私は富山方面へ。
それぞれの旅の無事を祈って、お別れ。同じロングライダースとして、いつも、刺激しあってる気がする。
鈍行で富山まで輪行、発車までまだ時間があったからしばし散策、高山の町。

そういえばここは「氷果」の聖地でもある。
聖地巡礼するのなら駅前の観光案内所にまず行くことをおすすめする。
観光mapをいただくことができる。



飛騨牛をいただくなど。ウマウマ。

夕刻になり、高山駅から、富山へ向かう列車に乗り込む。
レトロな車両だ。


2時間弱、電車に揺られて富山に到着した。

さて、お宿をどうしようか。
特に決めてなかったけれど、条件としては、明日の朝はとても早いからそれに対応できるようにしないと。
そう、翌朝は立山黒部アルペンルートに向かうのだけれど、
山を登るケーブルカーの切符も予約してて、それが6時40分発。
ここから30kmくらいと考えて、4時には出ないといけない。
ということで、ネットカフェへ。
困ったときのネットカフェ。

私がいったところは、8時間でたったの1,200円だった。安すぎワロリン。
お店の人に交渉して、輪行状態で自転車をブースに。交渉すればたいていなんとかなる。
というか、受付の女の子、まさかの自転車乗りだった。
店員さん「今はキャノンデール乗ってるんですけど、次はルック欲しいんです」
私「ハハッこいつはすげえや」

さて、旅をしているとよくネットカフェに泊まるのだけれど
「疲れていて次の日に備えて寝ないといけないのに
つい漫画を手にとってしまって結局寝不足で翌日
走ることになる現象」
から逃れたことナシ。
そしてこの日は気持ちが高まっていたせいか、結局一睡もすることなく、朝まで漫画を読んでいました。
「ガンスリンガー・ガール」「のりりん」「岳」「日本沈没」「おおかみこどもの雨と雪」など等。
乗鞍をヒルクライムできたことで、幸せいっぱいな1日だった。
前日のトラブルがなければ実は朝イチで松本側にくだって、ソバを食べて、美ヶ原を堪能するつもりだったのだけれど、まぁいい。
旅はまたしたいと思えるくらいがちょうどいいんだ。
富山のネットカフェで漫画を読みながら、3日目から4日目へと移行した
続く
他の二人も目を覚ましたようだ。
顔を洗うために洗面所へ向かう。
ここはトイレバスは共同なのだ。
木の床が張られた狭い廊下をすすみ、ドアをひとつ、角を三回曲がって到着。
ここのお宿、建物の造りがなんか変わってる。
建物の平面図を想像することができない。どこに部屋があってどこに出口があるのか。
狭い廊下には、トイレと思われるドアも全部で6つ。うちドアが開いたのは4つ。
あとの2つのドアの先には何があるのやら………(ドーン
洗面所の蛇口をひねる。
出てきた水に手をつけると、冷たい、
痛いくらい冷たい。
この季節、大阪などの都会で蛇口をひねってもこんなに冷たい水はまず出ない。
さすが長野、さすが乗鞍。
部屋にもどってしばらくすると朝ごはんの準備が出来たとお宿の主人に声をかけられる。

みんなで喜々として1Fの食堂へ行くと………

ヒャアアアアアアアアアアアアア
最高だ、これぞ朝ごはん!
おひつのご飯が嬉しすぎる。
この日は宿を出たら即乗鞍を登り始める。
もちろんコンビニなんてないし、頂上まで補給をすることもできない。
もりもり食べて登りに備える。
さて、私が旅をしている時にこういう風にお宿で朝ごはんをいただくときに
必ずしていることがある。
これだ!!

ジャパニーズソウルフードおにぎり。
北海道を旅している最中に、とある民宿に泊まった時のこと。
用意していただいた朝ごはんを食べようとおひつを開けると、そこには到底ひとりでは食べきることができないくらいの炊き立て白ごはんが盛られていた。
とても美味しかったけれど、とてもじゃないけど食べきれない。
でも、これ残したら捨てられちゃうんだろうな、もったいないな、と考えていた時に思いついた。
「そうだ、これおにぎりにしてもらえばいいじゃないか。」
今思うと図々しいかったかもしれないけれど、お宿の人にお願いをすると、
喜んで応じてくれた。
「捨てるくらいなら、食べてもらった方が嬉しい」と。
お宿の人はささっと特大サイズのおにぎりを2つ用意してくれた。
塩おにぎりと、鮭おにぎりだ。
お宿を出発して数時間後、
お昼前に、北海道の雄大な景色も眺めながら食べたあのおにぎりの味を
私はまだ忘れられずにいる。
今回も同じようにお願いしたら、快く承諾してくださった。
炊き過ぎたお米もあったらしく、3合分も!
さすがに握ってもらうのはあの北海道が最後で、それ以来はいつもサランラップと、できれば塩だけをいただいて、自分で握ることにしている。
3人分のおにぎりをにぎった。これで補給もばっちりだ。
ついでに水をいただくことができた。
冷たい水をボトルになみなみと注いでくださった。感謝!


さて、部屋にもどって、キャプたんと朔ちゃんにどうするか尋ねてみる。
私は、せっかくここまで来たのだから、乗鞍を登るべきだと思っていたし、昨日からささやいていた。
乗鞍なんてめったに来れるものじゃない。
私も自転車で旅をし始めてから今日まで5年もかかった。
乗鞍は夏しか登ることができない。
さらに天気。
これほど標高の高いところだから、天気が変わりやすく、雨が降ることも珍しくない。
けれどこの日は月に手が届きそうな青空。
行くしかないだろう!!!
ということで、全員、乗鞍頂上を目指すことに。
その後、松本に下るか、高山に下るかは、頂上に登ってから決めよう。

お宿のおっちゃんにお礼を言って、宿を出る。


もうすでに標高は1,500m。スタート地点がすでに高い()
松本側からのメインの道路に合流すると、すぐに登り始める。
ついに………ついに念願の乗鞍頂上を目指すことができる!!
もうしょっぱなからテンションあがりっぱなし。
ココロもカラダも全開でペダルを踏み込んだ。
私「頂上でまた会おう!」
そういって、二人と別れた。
まさかこれがこの二人と会話をした最後の瞬間になるとは、頭の片隅で思っていた()
もちろん、その通りになった(()))
天気、快晴。
身体、上々。
機材、好調。

あぁ、なんて、なんて楽しいんだ。
サイクルコンピューターをリセット、
勾配計をチェック、
時刻は8:45。
サドルから腰を上げる、
右足を踏む、
左足を抜く、
もう一度右足を踏む、
繰り返し、繰り返す。
ハンドルを握る手はなるべくリラックス、
力を抜いて、
リズムを意識して、
車体を左右にダンシング。



ふと見てみると、めちゃくちゃ自転車乗りが多い。
どれだけ抜いても、すぐに次の背中が見えてくる。
ひょっとして今日は大会か何かなのかと勘違いしたくらい。
お盆で、快晴だから、当たり前か。
ちょっとしょんぼりしてしまった。
独り占めしたかったのに!
自分だけの景色を、自分だけの目でものにしたい。
でもそんな欲は一瞬だけのこと。
走って身体があたたまると、そんなチンケなことはどうでもよくなる。
目も前の景色にただただ感動するばかりだ。


高山植物っぽいやつ

結局頂上に着くまで30人以上抜いたと思う。
5人くらいのガチ勢に抜かれた。
あの速さはどうみてもレース勢だ。
ちなみにこの日も一眼レフカメラを肩から腰に斜め掛けしながら登る。
最初の準備編で解説したとおり、今回の旅はずーっと一眼レフカメラをかけたまま走っていた。
もう、気にならない。
邪魔に思えない。
むしろ、いい景色、構図があればすぐに撮れるように、ないと気持ち悪い。
時には停まって自転車を降りて、しっかり撮影に専念する。
これが醍醐味なんだ。
自転車だけじゃあ満足できない。
こうして感動した風景を写真に残す。ザッツオール。


写真を撮り続ける理由ってよくわかんなかったりするんだけど
よくわかんないのに続いてるって
結構信用できるんだ。




標高2,000mを越えたあたりから、景色と空気が変わった。
まわりの木々は背が低く、木と木の感覚が広い。
地面のまわりには、あまり見かけない草とか花とか。
ごつごつした石や岩も多くなってきた。
いわゆる森林限界だ。
大気と道と自分の間に遮るものがないせいか、風をダイレクトに感じることができる。
真夏なのにそれは涼やかで、吸い込む空気が新鮮でおいしい。
空気に新鮮さを感じるって、やっぱりここはすごいところだと思った。
そして、空気の薄さも同時に感じていた。
標高2,300mくらいからだろうか。
2サイクル呼吸して、やっと1回分って感じ。
いつも通りに加速したつもりが、心拍が悲鳴を上げそうになる。
これは、無茶できないな。
こんなとことでレースするトッププロ選手の身体どうなってんだ。



標高2,500mを越えるともうそこは私の知っている日本の山じゃない。
ごつごつした岩肌が大半を占め、たまに見る植物は高山植物のみ。
荒野のような見た目で、生命が生きにくそうなのを、肌で感じる。
見通しはとてもいい。
標高200m先の頂上付近がはっきり見える。振り返ると登ってきた道も。


ため息がでるくらい綺麗だ。
もうずっと笑いっぱなしだった。




途中、何度か人と話す機会もあった。
写真を撮っては再スタートを繰り返しているものだから、
抜いて抜かれてを繰り返す。
「余裕だね~」「どこから来たの?」「あと何メートルかなぁ」「カメラ背負ってる(笑)」

ところどころ雪解け水でできた川があった。
さすが年中雪が残っているだけある。


ふと見上げると、たくさん雪が残っている一帯でスノーボードをしている人たちも見受けられる。
途中、吃驚したのが、MTBでスキー板を運んでいる人がいたこと。
クレイジーだぜ




松本側に下る人が多かった。
頂上付近に近付く。
折り返してくるローディも結構いて、下りはこわそうだなぁと思って見ていると
カーブの先からあらわれた自転車に見覚えが

出、出~~~~~~~~~全国津々浦々突如出現犬速奴~~~~~www
はい、犬速さんです。
なんでここで会うのww
私のブログに何度も登場しているし、ロングライド界、痛自転車界では有名な方ですね。
同じ大阪民国だから、よく会っているのだけれど
なんでここでw
どうやら前日に高山入りして、朝から登ってきたとのこと。
そして今回は輪行袋を持たずに全部自走でこなしているとか。
やれやれ、狂ってやがる。
軽く談笑し、二人で頂上を目指す。
なんで犬速さん折り返してるのwwwワハハという感じ。
途中、おっきめの石ころが落ちてたから道路わきに移動させる。
誰か下りでうっかり踏んで落車でもしたら今後の利用にかかわるものね。危険は排除排除。





そして頂上到着。
もうお腹いっぱいだ。絶景を見すぎたッ・・・・・!
あたりを見回すと人多い。こんなに多いのか。
登山客8割、自転車乗り2割といったところだろうか。

お腹が空いてたから売店で食べ物ゲット!
ちなみにペットボトルもゴミクズも捨てるところはなし。
山では持ち帰りが原則。ゴミ回収するのも大変だものね。


絶景を見ながら食べるごはんの美味しさは異常。

コルナゴの乗り心地の良さ
しばらく景色を堪能。
やっと来れた乗鞍。
いままで写真で見ることはあったけど、実際に自分の眼で見るこの光景は、本当にキレイだ。
晴天にも感謝。

!?


県境すぐ横の定番撮影ポイント

この時点でお昼前。さて、どうしよう。
松本側に下るか、高山側に下るか。
翌日は富山まで行き、立山・黒部アルペンルートをまわる予定だった。
アクセスのことを考えると高山側がベターだろう。
高山市街は行ったことなかったし、小京都みたいで雰囲気はいいと聞く。
ということで、西にくだることに。
犬速さんも同行してくれることになった。やったね!
朔ちゃんとキャプたんとは合流せずに下ることにした。
フットワークは軽い方がいい。
電波が入らなかったけど、犬速さんにテザリングしてもらってツイッターでリプライを送っておく。
結局、3日間行動をともにしてたわけだ。ありがとう楽しかったよ。


ウインドブレーカーをまとい、一気に下る。
標高差2,100m、高山まで48kmを一気に下る。
ウインドブレーカーを着てちょうどいいくらい。
もしかするとなくても耐えられる程度だったかも。
天気もいいし、比較的あたたかい乗鞍だったと思う。
でも、一月変わればめっちゃ寒いんだろうなってのは用意に想像できた。厳しい場所だ。

ここは飛ばすところではないなぁ、と。
下りは下りで登りとはまた違う景色が目の前に広がる。
はるか遠くの町はまだ見えず、ただひたすらに聳える山々に吸い込まれるように突っ込んでいく。
うわさに聞いていた「空気が薄いから速度が出る」
ってのも体感することが出来た。羽をつけたら吹っ飛びそうだ。
どんどこ下って、途中、道の駅?「赤かぶの里」でお昼ご飯。

飛騨高山冷やしラーメン!
塩分がありがたい。
ココまで下ると結構暑い。すっかり夏に舞い戻った。

定番気圧差メーター
高山市内まではずっと逆風で、ややつらみ。
でも犬速さんがいるから大丈夫!金魚のフンのごとく後ろに引っ付く。
ウオン、特急列車だ。
さて、高山に来るのは初めてだ。



古い町並みが未だ残っていて、お城跡や門跡、歴史的価値の高い建造物が軒を連ねる通りもある。
帰ってから歴史を調べてみると、ふむ、資料は少ないけれど、確かに栄えるような背景があったようだ。
“小京都”と形容されるのも頷ける。
アルプスが近く、雄大な自然の麓という立地に、私は京都よりも惹かれたのだけれど。

みたらし団子をいただくなど
ゆっくり町並みを眺めながらポタリングモードに。
それにしても暑かったから途中とあるカキ氷屋さんに。いや、正確には洋菓子屋さんか。
ここで、なんと2時間も時間を潰すことになった。
話すと長くなるというか、いや、そんなに長くないかな。
私「かき氷くださーい。」
店員(お姉さん20代前半と思われる)「いらっしゃーい。お!自転車」
店主(ダンディな男前30代前半と思われる)「座って座って。ようこそ!」
私「えっえっ(とりあえず席に座り、身構える)」

お二人ともシャンパン飲んでるわ
即席で作ったと思われるイタリア料理っぽい小皿が並んでるわ
店頭で水を張った桶にはラムネとシャンパンときゅうりが入ってるわ
なんなんだこの店は………!!!
自転車旅をしてると、こういうことはわりかしある。
みんな旅の話を聞きたいのだろうか。
でも、こういう出会いというか、交流するの、嫌いじゃない。
今回の行程のこととか、今までした旅の話をしながら、談笑する。
なぜかラムネと五平餅と、自家製のイタリア料理をご馳走になる。美味しいwww

お姉さん、なんと私と同じ大学を卒業し、紆余曲折を経て、ここ高山で働いているのだとか。
お姉さん、頭の良さを感じさせる話し方をして、きれいで、胸元が強調されてて、どきどきしました。
店主がまた面白くて、イタリアにいたせいか、ノリがイタリア人だ。
時折イタリア語を混ぜながら楽しそうに話す。
いくつかの会社を経営する代表取締役でした()何故か名刺をいただいた。
お姉さん「この人が名刺を渡すなんて、超貴重だよ」
私「まじっすか……(ガクブル)」
途中、犬速さんが心配そうに見に来た。
同じように席に座らされて、そのまま談笑。
さらに、岡山から来たという自転車乗りが、かき氷を求めて来店。
同じように席に座らされて、そのまま談笑。
学生で、農業を勉強し、農業関係の職に就くらしい。
みんなでわいわい談笑しているものだから普通のお客さん(若い男性二人組み)が
「えっここ何のお店ですかw」
「どうみてもバール(イタリア・スペインなど南欧州にある軽食屋台)」
そうこう楽しい時間を過ごして、お店を後にする。
高山面白すぎるでしょ。
犬速さんは名古屋方面へ、私は富山方面へ。
それぞれの旅の無事を祈って、お別れ。同じロングライダースとして、いつも、刺激しあってる気がする。
鈍行で富山まで輪行、発車までまだ時間があったからしばし散策、高山の町。

そういえばここは「氷果」の聖地でもある。
聖地巡礼するのなら駅前の観光案内所にまず行くことをおすすめする。
観光mapをいただくことができる。



飛騨牛をいただくなど。ウマウマ。

夕刻になり、高山駅から、富山へ向かう列車に乗り込む。
レトロな車両だ。


2時間弱、電車に揺られて富山に到着した。

さて、お宿をどうしようか。
特に決めてなかったけれど、条件としては、明日の朝はとても早いからそれに対応できるようにしないと。
そう、翌朝は立山黒部アルペンルートに向かうのだけれど、
山を登るケーブルカーの切符も予約してて、それが6時40分発。
ここから30kmくらいと考えて、4時には出ないといけない。
ということで、ネットカフェへ。
困ったときのネットカフェ。

私がいったところは、8時間でたったの1,200円だった。安すぎワロリン。
お店の人に交渉して、輪行状態で自転車をブースに。交渉すればたいていなんとかなる。
というか、受付の女の子、まさかの自転車乗りだった。
店員さん「今はキャノンデール乗ってるんですけど、次はルック欲しいんです」
私「ハハッこいつはすげえや」

さて、旅をしているとよくネットカフェに泊まるのだけれど
「疲れていて次の日に備えて寝ないといけないのに
つい漫画を手にとってしまって結局寝不足で翌日
走ることになる現象」
から逃れたことナシ。
そしてこの日は気持ちが高まっていたせいか、結局一睡もすることなく、朝まで漫画を読んでいました。
「ガンスリンガー・ガール」「のりりん」「岳」「日本沈没」「おおかみこどもの雨と雪」など等。
乗鞍をヒルクライムできたことで、幸せいっぱいな1日だった。
前日のトラブルがなければ実は朝イチで松本側にくだって、ソバを食べて、美ヶ原を堪能するつもりだったのだけれど、まぁいい。
旅はまたしたいと思えるくらいがちょうどいいんだ。
富山のネットカフェで漫画を読みながら、3日目から4日目へと移行した
続く
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