鹿児島〜大阪1,000kmキャノンボール@自転車【準備編 機材】
キャノンボール, 自転車, 写真, 機材紹介, ロングライド, ノウハウ,都会の往来を眺めながら、近くの壁にもたれて座り込んだ。
いや、倒れ込んだ。
お昼前のビジネス街だ。
見慣れた景色ではあるけれど、いつもと違って見えた。
言葉にできない感情が込み上げて、胸が熱くなった。
もうこんなこと、2度としてたまるか。
そう思いつつ、笑った。
今日だけは自分を誉めてやろう。
ついに、やっと、鹿児島から帰ってきた。
1人、ガッツポーズ。
2013年1月21日 AM10:53 大阪-梅田新道-国道2号線始点
2013年1月19日~21日にかけて鹿児島~大阪を走ってきた。
いわゆるキャノンボールだ。
事の発端は年末にTwitterで「RTされた数×1km走ってくる」とつぶやいたことだ。
結果として1,000RTされた()
これはひどい。
でも、言ったからにはやるしかない。
もともと、いつか1,000kmライドはしたいと思っていた。
手に入れた当日に、あまりに嬉しくって、京都まで走った。10kmでお尻が悲鳴をあげた。
その後、貼れた日はなるべく通学で乗るようになった。
電車と比べた時の、移動手段としての自転車の優位性に感動した。
大学が休みの日には、ちょっとした遠出をするようになった。
京都までリベンジをし。琵琶湖を一周し、まとまった休みの時に瀬戸内海を一周した。
自分の力だけで、遠くまで行った時の胸の高まりとか、知らない土地を走る面白さとか、ツーリングが好きになるきっかけとなる旅だった。
翌年には北海道を一周した。野宿をしたり、道の駅、ネットカフェに泊まりながら3,000kmの旅をした。日本の広さと狭さを実感した。
その後は、興味を持った土地を、とにかく走った。
近畿、四国、九州を中心に、気づいたらほぼ全国を制覇していた。
行きたいところは確実に減ってきている。けれど、探せばまだまだある。
組み合わせ次第で、いろんな旅ができる。
100km、200km、300km。数字はあくまでおまけみたいなものだ。
行きたいところがまずあって、そこに行くまでにそれだけの距離がかかるというだけのこと。
数字はあくまでおまけみたいなもの
そう思っていた時期が私にもありました
いつしか距離そのものに‘も’魅力を感じるようになっていた。
昨年には大阪~九州キャノンボールをした。540kmを22時間57分で駆け抜けた。
正直、この時は、2度とするものかと思っていた。
とにかく辛かった。
平和なツーリングだけしようと誓った。
と、言いつつも、距離感覚が狂ったのか、それまで以上にたくさんの距離を走るようになった。
四国ツーリングでは、1日で獲得標高4,500mに達した。
獲得標高計の数字を見て、ちょっと満足感。あぶないぞ(´・ω・`)
そのうち、4桁台を走ってみたいと思うようになってきた。
なんとなく、いけるかもしれないなーと。
長距離は得意だったし、今のロードバイク(FELT-F1)とのシンクロ率はとにかく高い。
そんな折、ちょうど関東の自転車乗り達がTOTなるクレイジーな挑戦をした。
TOTとは、東京―大阪―東京の略で、つまり東京から大阪までキャノンボールし、そのまま折り返して東京に帰るというものだ。
ありえんw
でも、その様子をブログやTwitterで目にして、良い刺激を受けた。
決行が決まってからは、すぐに準備に取り掛かった。
まずは決行日とルートの設定だ。ここは成功を左右する重要なファクター。
まず決行日に関しては、まずは「冬にやるの?」と自問した。
キャノンボールなのだから夜通し走るのはいいとして、それをこの真冬にやるのかどうか、だ。
かといって、暖かくなるのを待っていると、タイムリー感が失われてしまう。
というわけで、1月中の決行は外せない。
2月はやばい。寒さはどうにかなるけど、雪がやばい。
雪に関連して、ルートは自ずと太平洋側、九州、四国あたりになる。
日本海側はやばい。
大阪発として、真っ先に思い浮かんだのが鹿児島。
大阪~九州間は走ったことがあるし、瀬戸内海気候で冬でも走りやすいはず。
吸収も山岳はまずそうだけど、国道沿いなら雪も大丈夫だろう、と。
東に行くとすれば、仙台まで行きたかった。
でも、福島あたりで、雪がやばいという情報を得たからあえなく断念。
あたたかい季節だったらたぶん、東にいってたと思う。
と、いうわけで、鹿児島行きが決まった。
国道2号線、3号線を走り抜けるということだ。胸が熱くなるね!
当初は、大阪~鹿児島を予定していた。
大阪から九州までが540km、九州で450kmといったところだ。
けれど、問題が一つあって、九州縦断はしたことがない。飛び飛びで走ったことはあるけれど。
つまり道を詳しく知らない。
調べればいいのだけれど、500km超走った後で、地図を確認しながら、知らない土地を走るというのはリスクが高い。
体力が限界の時に道に迷うなんて、考えただけでぞっとする。
それに、地図を見ていると、ゴールの鹿児島手前からなかなかにアップダウンが激しそうだ。
これは、脚に来るぞ。

というわけで、難所は先に超えるべし。鹿児島スタート大阪ゴールにした。
なにより疲労困憊の後、家に帰るまでの時間が短く出来るのが嬉しい。
九州~大阪は知っている道だしね。
道を知っているかどうか、アップダウンはどうか、スタートとゴールの時間をどうするか。
それとは別に大事な要素が「風」だ。
自転車はとにかく風に影響される。追い風か向かい風かで、体力の減りに雲泥の差が出る。
なるべくずっと追い風が良い。少なくとも後半は追い風であって欲しい。
この季節は基本的に西の風が吹く。
つまり、大阪~九州は、大阪方面に走る方が有利だ。
ちなみに九州は基本的に北風が吹く。
つまり、鹿児島方面に走る方が有利だ。
あれ?どっちから走っても一緒じゃね?
そう、どっちスタートでも、前半向かい風、後半追い風になるのだ。これは嬉しい。
500km逆風、500km追い風。なんだか文字に起こすとクレイジーだけど、キャノンボール的にはありがたいことだ。
というわけで、風は無視できるから、鹿児島スタート、大阪ゴール案で行くことにした。
あとは装備と服装をどうするか、だ。
これはずいぶん悩んだ。
今までのツーリングの経験から、最高の組み合わせを用意する必要がある。
可もなく不可もなく。
不要なものはあってはならない。邪魔なだけだ。
取捨選択、試行錯誤を重ねに重ねた。実際に通勤やツーリングをして、その装備の有用性を見計らった。
いくつかはボツになり、いくつかは新たなに追加された。Amazonさんまじ便利(^ω^)
以下、今回の相棒の紹介。
実際に完走できたのだから、本当にベストな機材だったと思う。本当に、本当に頼れる相棒。
ノートラブルで走り切った。

FELT F1 SL TEAM ISSUE (09年 GARMIN SLIPSTREAMカラー)
コンポーネント:7900系 DURA ACE
ハンドル :3T ERGONOVA TEAM GARMIN
ステム :3T ARX LTD
シートポスト :3T PALLADIO PRO
サドル :fi'zi:k Arione
前ホイール :EASTON EA90 TT AERO
前タイヤ :ミシュラン PRO4 23c
前チューブ :ミシュラン Air Comp
後ホイール :DURA-ACE 7900 c24 CL
後タイヤ :ブリヂストン エクステンザRR2LL 23c
後チューブ :シュワルベ
ちなみに私は身長173.5cm 体重53kgといったところ。
BB~サドルトップ74cm、ステムは100mm、ハンドル幅は400mm。
ハンドルーサドルの落差が結構ある方だと思う。
例えばロングライドならもっとハンドル上げてリラックスしたポジションの方がいいのでは?
とよく言われるけど、それも一理ある。
けれど、そうすると、何が起こるかというと、お尻への負担が大きくなる。
前傾姿勢が弱まる分、身体が起きて、後方への負荷が増えるのだ。
500kmを越えるようなライドの時は、お尻がいたくなったりしたら致命的だ。
だから、というわけではないけど、私がこういうポジションに落ち着いた理由の1つがそこにあると分析している。
もちろん、人にはおすすめしない。
機材も、服装もそう。
おすすめなんてできるものか。
機材もポジションも服装も、それが私に合っているというだけで、人によって何が合うかだなんて、ばらばらだ。
実際に走ってみないことには分からないことだらけだと思うの。

毎回恒例、ダウンチューブ下にツール缶を設置。
目的はドリンクボトルを2つ携行するため。
なんといってもキャノンボールなのだ。補給を切らす訳にはいかない。
片方のボトルには水、もう片方にはその他ビタミン系のスポーツドリンク等など。
ツール缶の中には
•空気入れ(AirBorn)
•予備チューブ×2本
•タイヤレバー×2本
•携帯工具
•作業用ゴム手袋

トップチューブバッグにはコンデジ!
なんといっても写真は欠かせない。
ぱっと出せてすぐに仕舞えるのが便利なのだ。(結局今回撮った写真の枚数は303枚)

ハンドル周りはこんな感じ。
サイクルコンピューターはステムに、ライトはステム前にマウントを設置してそこに。

これでハンドル周りがすっきり(^ω^)
上ハンドルもしっかり握れて、ポジションを一切犠牲にせずに済んだ。
キャノンボールとなると、少しでも多くのポジションをとれることはとても大事。
ちなみにライトはキャットアイのHL-EL540RC。詳しくはこちらの記事で。
かなり明るいライトで、これ1つで、夜の山も走られるくらい。
なにより充電式で駆動時間が長いのがメリットかしら。
もう1つのライトと分担したのもあるけれど、結局最後までもってくれた。スバラシイ。

もう1つのライトがこちら。
MoonのX-Power1000。詳しくはこちらの記事で。
これはねえ……とにかく明るい。ものっそい。なんといっても最大1,000ルーメンなのだ。
だいたい車と一緒か、それ以上。
まあ駆動時間のことを考えて一番弱いモードで使っていたのだけれど、それでも150ルーメン。しかも3連LEDで照射範囲がかなり広い。
もちろんこれ1つだけで夜の山も走られる。
キャットアイと組み合わせることであらゆる場面を乗り切ることが出来た。

バッテリーはトップチューブバッグの下位置に。配線はフォークを伝って、アウターワイヤーを介して、固定力を確保。
ちなみにハブ横に設置した理由は、どうもサイコンと相性が悪いのか、磁場が強すぎるのか、ハンドルに設置して点灯させるとサイコンが反応しなくなるという罠。
悩みに悩んでここに落ち着いたというわけ。
でも、この位置が実はかなり優れていることに気付いた。
地面が近い分、より明るく照らすことが出来るというのが1つ。
もう1つは、照射範囲が広いおかげで、前輪までも照らしてくれるということ。
そしてスポークについている反射材を照らして、車から見ると、前輪が光ってるように見えるのだ。

うるさいくらい目立ってたかもw

リアライトはこんな感じ。
キャットアイのTL-LD610をメインに補助灯をもう1つ。

サドルバッグはオルトリーブのLサイズ。2.7リットル。
今回のために購入した1品で、本当に買って良かった。
サイズと重量と値段のバランスが私にぴったりだった。
この中には
•輪行バッグ(タイオガコクーン)
•ウインドブレーカー
•モバイルバッテリー
•ヒートテックタイツ(結局使わなかった)
•補給食(一部)

モバイルバッテリー。
10,000mAhの大容量モデルで、iPhoneでツイートしながら走ることを約束していた私にとっては生命線。

あと出発前に気まぐれで追加した補助灯その3。白色LEDでなかなか目立つ。市街地用。

ペダルはスピードプレイクロモリシャフト。
私はもうスピードプレイ以外使えない。

サドルはフィジーク、アリオネちゃん。
これまた私はコレ以外考えられない。
1,000km走っても、お尻が痛くならなかった。驚異的なサドル。というか相性の問題ね。

STI角度はこんな感じ。

シートポストはサドルバッグをつけるということで、普段のカーボンからアルミに変更。

クランクは7900DURAACEの53-39T 172.5mm。

スプロケットは11-25T。









服装編はまた次回。
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