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【石川県〜岐阜県】ちょっと自転車で白川郷、、にすんなりは行けなかった話。ひぐらしの鳴く頃に聖地巡礼

神楽坂つむり

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今回の目的はずばり白川郷の観光、だったからさすがに自走で行くことは憚られた
ある程度楽して目的地に近付きたい。
となればやるべきことは一つ、輪行だ!

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ってことで金沢まで一気にワープ
特急サンダーバードで一気にワープ
自転車旅だけれど電車旅も味わえるのが輪行のいいところ。
読みかけの小説、『九つの、物語』を堪能して金沢までの時間をつぶした
(車内販売のお姉さんのスタイルが良すぎてただの通路がレッドカーペットに見えたのはここだけの話)

金沢駅とうちゃーく!駅が無駄にかっこいい
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早速自転車を組み立てて前輪、後輪、ブレーキ、サイクルコンピュータ、変速確認OKでスタート

暑い^q^
ものすごく暑い^q^
大阪よりだいぶ北だし、てっきりそれなりに寒いのかしらと思ってたけれど、全然そんなことはなくがっつり小春日和
うーん、これは下手すると半袖でもいけるかもしれない・・・w
とりあえずジャケットは脱いで走ることに。

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実は金沢を走るのは初めてだったのだけれど、噂に聞いていた通りなるほど、すてきな町並みだ。
京都は近いから良く行っていて、とても雰囲気が似ている。
小京都、というと金沢の人に叱られるかもしれないけど、そんな感じ。
むしろ京都より人も少なく静かでまったりしてて中々に好感度がもてる。
しばらく走ると兼六園の案内があるも、しかし今回はあえてスルー
ほんとは行ってみたかったけど、入ってしまうとがっつり見てしまいそうだし、中途半端に見ても不完全燃焼で終わっちゃいそうだなーと。
はやく白川郷にもつきたかったしね。
という訳でここはいつか来るであろう次回に持ち越し!
いずれ金沢はゆっくり回ってみたいし、そのための口実として取っておくのもありだろう。

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市街地を南下すると少し道が開けてくる。
この辺りから徐々に登り始めて、丘を越えて、いくつかの山を越えて、大きな国道までショートカットするようなルート設定、R10を東に進む

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犀川!?(ガタッ

快晴、気温も上昇、風はやや追い風。気持ち良いね!
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登りが続くとほんとに暑い。シューズカバーもグローブもネックウォーマーも外してリュックに放り込む。
幸い途中に自動販売機があったから水を買ってごくごくごくごく。

そのまましばらく登り続けると少し様子が変わって気温はやや低下気味
そして・・
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雪だよ!

えっ、あれ、いま4月じゃなかったっけ・・・

うーん、大阪にいるとこの辺りにギャップを感じるというか…日本は狭いと言うけれど、四季がある分、その土地その土地でこれだけ環境が違うんだ。そういった意味では国土以上に懐が広いと旅をしていると感じる。
久しぶりに見た雪にテンションがあがる

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そして雪解け水がひどいw
道路のいたるところに即席の川ができていて、避けて通れないような箇所がいくつもあるから、一気に濡れてしまった。
チェーンの油大丈夫かしら・・・と思いつつ登ってると衝撃的な光景が

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つむりは目の前がまっくらになった!
つむりは目の前がまっしろになった!

どういうことだおい・・・

これはもう本当に我が目を疑った。予想外すぎてリアルに固まった。
いやいや冷静になれ冷静になれ冷静になれと言い聞かせてとりあえず地図を開く。
うーん、道は合ってる。というかここしかない。そしてそれが通行止め。

瞬時に導きだされた選択肢は2つ
強行突破か引き返すか、だ。

まずは前者を試すしかなかろう、思い切って看板の端っこのすきまから、通行止めエリアに入ってみる。
雪がすごい。大阪に住んでる私は正直これだけの雪を体験することはまずない
10cm以上は積もっていたんじゃないだろうか。10mほど進んだところで悟った。これは無理だ。
どこまでこの雪道が続いてるか分からないし、10m進んだだけでシューズも自転車もひどい有様だ。とてもじゃないけど、突破できそうもない。

というわけで引き返すことにした。私の1時間半を返して!

つむり怒りの40km/h巡航である。

なんとか1時間ほどで迂回ルートとの分岐点まで戻ることができた。
この時点で時刻は12時。うーん、新たなルートは元のルートより遠回りの70km前後といったところ。
せっかく早くついたのにぐぬぬ・・・・

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抜け道を走ってるとたどり着いた金沢大学きれいすぎワロタ

でも行くしかないし、コレも何かの巡り合わせだろう、気を取り直して再スタート。
進むはR27号
こっちはこっちでアップダウンが激しい。平地がほとんど無い感じ。

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ここらでお腹が空いてきたからコンビニでもないかしらと走るもののこれが全然なくて困った。
普通なら10分も走れば一軒くらいあってもいいものだけれど、しかも割と大きめの道路を走っているのに・・・
交差点の向こう側に駅が見えたから、淡い期待を胸に向かってみると、あった。良かった!

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とてもこじんまりとしているいかにも地方の駅といった感じである。

店員のおばちゃんがレジの中で電話してるのには思わず吹いた
賞味期限が迫っていて安くなっているおにぎりでカロリー補給をした後はひたすら南下。

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遅れを取り戻すためにやや急ぎ気味でペダルをこぎ続ける。
ここからはこれまたがっつり山岳ステージのはじまりでしばらく10%前後の登りが続く。

そして安定の雪である。

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長い!長いよ!

標高もずいぶん高いようで目の前に広がるは険しい雪山。なんだかツールドフランスのような気分になってちょっとテンションあがった。

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30kmくらいひたすら登り基調で走っただろうか。
そろそろまた補給したい・・・と思うもののびっくりするくらいコンビニがない。
コンビニどころか個人商店すらなくって正直失敗したと思ったね・・・!もっと買い込んでおけば良かった。

雪山を眺めながら休憩
気分転換に聞く音楽は“sweet duet”
なんだか目の前の山々がウラル山脈に見えてきたよ・・・!

「あの山の向こうまで飛んでいこうか・・・」
「いいよ・・・Pinoと一緒なら私はどこへだっていける」
「嘘・・・ごめんね、今の私たちには帰る場所がry」

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本当に川を超えるごとに県が変わって、富山、岐阜、富山、岐阜、富ryと何回変わったか途中で分からなくなるほどに。

もちろん登った後は下りもある。
r304最初のダウンヒルが始まったときには思わず叫んだね。
うおおおおおおおおおおおおおっしゃあああああああああああ
下りは下りで思い切り飛ばすのでもちろんブレーキングなしで山々を抜けていく
しばらくいくと途中に相倉合掌造り集落群が見えた。
本当に一瞬でガードレールの向こう、ずっとずっと下の方にちらっと見えた。
合掌造りが見えただけで胸がどくんとなった。
確かに近づいてる、白川郷白川村に。

今回はスルーしたけれど、もちろんこちらも世界遺産なので立派な建物が見られるはず。
興味がある方はぜひぜひ。

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この辺り、五箇山は景勝地としても人気なようで、なるほど、確かに景色はとてもいい。
道路は基本的に川に沿って整備されていて、常にその清流を眺めることができる。
ところどころに小さな滝や、森から合流する小川にも出会える。
木々はひたすらたくましく、一歩森に入ると時刻を間違えると吞み込まれそうだ。

またしばらく走ると向かえるは菅沼合掌造り集落群。
こちらも世界遺産で見事な景観を楽しむことはできる。
もちろんスルー。

実はr304に入る前のあの駅で補給して以来何も口にできてないから、この辺りはかなり苦しかった。
補給したくても全然お店がない。
あっても小さな定食屋で営業してるのかも外から分からないくらいで、そんなところに入るくらいならもう少し走れば商店くらいは・・・というのを繰り返してるうちにずいぶん走ってしまった。
ハンガーノックの予感、というか少しなってたかしら。
アップダウンは容赦なく続く。
曲がりくねった庄川と合わせるように道路は曲がり、時折川を超える橋があり、道路と川が絡み合いながら景色は続いている。ただの橋と思うとよくよく見れば渓谷になっており、上下と奥行きのダイナミクスはさながら自然の作る芸術のようで。
山々を避けきれないところはトンネルが掘られており、その数もだんだん増えてきたような気がする。
トンネルの中はとても冷たく、雪解け水が壁の隙間から漏れだしているようで、何度も通ってるうちにびしょぬれになってしまった。

状況としてはちょっと厳しいけれど、それでも景色は雄大で、見ていて飽きない。
すべてが雪化粧で染まっていたけれど、初夏や紅葉の季節に来れば、また違った表情が見られるだろう。

なんとか気力で走っていたもののそろそろ限界・・・って時にコンビニが私を向かえてくれた。
良かった!倒れずに済んだ!
そう思った時はすでに白川郷の端っこのようで、もう10分も走ればその集落群に着く位置だった。
時刻は15時すぎ。なんとか今日の内に何カ所か回れそうなのを確認して、安心した。
とにもかくにも補給だ!
ということでサラダ巻き(5個入り)を一瞬で平らげて500mlオレンジジュースとチョコレート、大福を追加で流し込んだ。

これで生き返った私はあとは勢いに任せてペダルを踏む!
そして到着白川村!

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うおおおおおおおおおおおおおお
いきなり迎えるは『ひぐらしのなく頃に』主人公の前原邸宅。
なんともまあ立派な家に住んでいるもので。耳を澄ませば聞こえてくる気がしますウッディ!
正式名称は白川クリーンセンターだったりする。
アニメで見た通りの光景が現実目の前に広がっているというのは奇妙で面白い。

家の前からの景色
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村の外れに位置しているだけあって少し侘しい感じがする。
合掌造り集落群はまだもう少し南にあるようで。

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建設現場も確認。

そして道路を挟んで向かいにあるのが祭具殿。あなおそろしや。
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正式には八幡神社という。富竹フラッシュ!
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しばらくあたりを散策した後、さらに南に向かう。
いよいよ本格的に白川郷、白川村の中心部分に到着。
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おおー!きたきた!合掌造りだ!
屋根の勾配は45度~60度といったところかしら。
豪雪地帯における雪かきの作業軽減、あるいは多雨地域での水はけを考慮してこのカタチになったのだという。
人という字は云々~のように、屋根同士が支え合って強度をあげることに成功している。
屋根裏(中)にはそれなりのスペースが確保できるらしいよ!
機能面もさることながら、やはり見た目がきれい。かわいい。

ゆっくり街並散策、と行きたいところだけれど時刻は16時。とりあえず宿を決めなければ!
ということで、観光協会の方へお邪魔して、そこにいた人に相談。
とりあえず村で泊まれるところで郷土料理が食べられてそこそこ安いとこ、そしてこんな時間からでも一人追加できるところ・・・
という無茶ぶりをしたにも関わらず、いくつかの宿に電話をしてくれて、なんと一軒受け入れてくれるのだとか。
良かった、これで安心だ。

こういう具合に自転車旅では当日に宿を決めることが多い私である。
事前に決めるのもいいのだけれど、何があるか分からないし、繁忙期で無い平日なら割とどこかしら宿が空いてたりもする。

何カ所か見たいところもあったのだけれど、翌日の朝も時間があるということでしぼっていくことにした。
まずは村を見下ろすことの出来る城山展望台に向かった。

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展望台までの上り坂
ここも作中の登校シーンで使われていたかしら。

10分ほど自転車を押しながら歩いて到着
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ちょっとこれは感動した。
深い谷の狭間 喧噪を忘れ 寄り添うように密集した合掌造りの集落群
いくつもの山を越えた先にこんな場所があるだなんて。
この展望台からすべてが見える。商店も家も病院も役場も。
こじんまりとした感じがミニチュアのようで可愛らしくしかしディティールはこの上なく美しい。
雪化粧によって建物が浮き上がって見えるのもまた一興。

ここからの景色に回りたいところが全部つまってたから散策するのに参考になったりw
お宿の位置も確認。時間も時間だしあとは村を眺めながらゆっくりと向かうことにした。

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とても静かだ。
写真で伝わるだろうか。
しんと静まり返った村、聞こえるのは時折往来する人たちの話し声と、風やらそれに踊る葉の音や自分の足音。
すこし遠くの道路からたまに車の音が聞こえるくらい。
こういう静けさを味わえるだけでも来たかいがあるというもの。

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お宿まで10分もかからなかった。なんといっても村なのだ。街ではない。
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合掌造りの民宿だよ!
うーん、これは素敵な。
女将さんに自転車で来たといったらずいぶん驚かれた。坂と雪が大変だったでしょう、と。そのとおりだった。
自転車はとりあえず裏に停めさせてもらった。
まさか盗難なんてないだろうと思った物の一応鍵はかけて。

私のお部屋は上の写真の右端の引き戸をあけたお部屋。
縁側沿いの引き戸の中がそのままお部屋になっていて、全部つながっているのだけれど、仕切りがあってそれが宿泊者を分ける壁になっている。
プライバシー云々っていうのが馬鹿らしく思えてくるような作り。面白い。
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部屋に入るなりすこし眠ってしまった。なんだかんだで疲れていたようだ。
18時頃に部屋の戸を叩く音がして目が覚める。
ご飯ですよーという声が。はいはいと答えてずるずる部屋を出る。
ホテルではない、ここは民宿なのだ。ご飯はもちろん宿泊者全員同じ部屋で火鉢を囲んでいただく。

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そしてまさかの私以外全員外国人www
これにはちょっと驚かされた。旅の話でもしようと思っていたらまさか言葉が通じないとはw
まあこれはこれで面白かったんだ。
英語と日本語が飛び交う食卓なんてそうそうない。初対面で家から遠く離れたこんな地で異国の人同士が巡り会うなんてなかなか素敵かもしれない。

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ご飯は正直、期待以上だった。
炊きたてのほくほくご飯、飛騨牛の焼き肉、岩魚の塩焼き、山菜天婦羅、里芋、石豆腐etc
この石豆腐というのが白川郷でいうところの普通の豆腐で、何が違うのかというとその名の通り固い。
歯ごたえがある豆腐というか弾力があるというか。濃厚な味にくわえて食感があり中々に食べ応えがある。
お土産に買っていこう。

向かいの膳にはタイ人の女性がいて、一人で日本に旅行に来たそうだ。
一応英会話をしたけれどさすがに相手の方が一枚上手で何度も聞き返してしまった。ぐぬぬ。
異国に一人で旅をしているのだからそれだけでその人に興味が出るというもの。
面白い話ができた。
なんだか奇妙な食卓を終えて部屋に戻ろうとすると女将さんから温泉に行きますか?と。
どうやら近くに温泉宿があって、割引券を渡すから、行ってきたらどうかということらしい。
もちろんこのお宿にもお風呂はあるけれど温泉ではないだとか。ふむ。
疲れも溜まっているし、せっかくだからほいほい行くことに。

夜の白川村を歩く。
それはそれは静かで暗く今にも足音が余計に一つ聞こえry

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お宿に戻ってからはすぐに寝た。
まだ21時くらいだったけれど起きていてもすることがない
PCもなければテレビも無い。ストーブとホットカーペットはしっかりあるけれど。
疲れもたまっていることだし、明日に備えて就寝。

おやすみなさい。

走行距離121km
獲得標高2,011m



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Comments 2

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kazu

梨花ちゃま(゚Д゚≡゚Д゚)ドコドコ?

○○遺跡みたいなのに行けば合掌造りの建物を見れますが、民宿まで合掌造りと言うのは驚きです。

これだけ村全体の雰囲気が良いと、聖地巡礼のやり甲斐がありそうです(´∀`)

  • 2012/04/18 (Wed) 22:17
  • REPLY
つむり
>kazuさん

> 梨花ちゃま(゚Д゚≡゚Д゚)ドコドコ?
>
> ○○遺跡みたいなのに行けば合掌造りの建物を見れますが、民宿まで合掌造りと言うのは驚きです。

白川村ではこれが普通なんですね。
けれど、合掌造りの維持にあたっている茅葺き職人さんもご高齢で、跡継ぎがいないとこの伝統建築も維持するのが難しいとかなんとか。
個人的にはできるかぎり永く残っていて欲しいものです。

>
> これだけ村全体の雰囲気が良いと、聖地巡礼のやり甲斐がありそうです(´∀`)

ぜひぜひ

  • 2012/04/23 (Mon) 09:14
  • REPLY