【和歌山】プチキャノンボール 大阪から本州最南端串本まで自転車で走って来た(ペダル破損トラブル
自転車, 写真, 機材紹介, ロングライド, 1day, 近畿, 聖地巡礼, キャノンボール,それも一番南は南、串本町にある潮岬が目的地である。
県内最南端なのは勿論、本州においても最南端の地!
住所で言うと和歌山県東牟婁郡串本町潮岬

いわゆる紀伊半島を走る訳なのだけれど
グーグルマップの写真で見て分かるとおり和歌山の山率ったら半端無い。
古来より「木の国」と言われているだけあって、自転車で行くには少々憚られる。
総面積は4726平方キロ、このうち山地が3832平方キロで、総面積の約81パーセントを占める(Wikipedia参照)
けれど天気予報を見ると久しぶりに晴天、暖かそうだし、海沿い走ると気持ち良いんだろうなぁ・・・
と思い出発した次第である。
今回はひたすら海沿いを走る楽勝ルート。と言いたいところだけれど結果そうでもなかったんだよね・・・
それはまた後ほど。
旅の装備!

09 FELT F1SL ガーミンチームイシュー
コンポーネント:79DURA-ACE
ホイール:イーストンEA90TT
サドル:フィジーク アリオネ
ペダル:スピードプレイZEROクロモリ

もう毎度お馴染みの装備といっていい。
ハンドルバッグはモンベルのサイクルフロントバッグ
ここには一眼レフと補給食が入っている。
素敵な景色に出会ったときにぱっと取り出せるのがいいところ。
トップチューブバッグにはトピークのものを。
ここには補給食がメインで入ってる。だいたいは羊羹が多いかな。
冬場はチョコレートも。ブラックサンダー大好き!
場合によってはiPhone、財布入れにも。
サドルバッグには輪行袋(タイオガコクーン)が入っていて、兼テールランプ台座にもなっている。
フロントフォーク右側にはKnogのライト
ハンドルバーにはGENTOSのSG-355をセット。
そんなこんなで以下旅の様子をつらつらと。
いつもどおり仕事が終わって、明日に備えて寝るぞー!と思ったもののどうもテンションが高まって寝られない。
遠足前の小学生現象である。
というわけで、そのまま準備して出発。
大阪市内をひたすら南下、和歌山まで一気に駆け抜ける

夜間走る最大のメリットはやはり交通量の少なさかしら。
特に都会はね・・・明るい時間は常にサバイバルだからね・・・
あと私はサングラスをしない眼鏡ッ子だから、明暗は割りと気にしない。
コンタクト+クリアレンズすれば解決するんだけれどね!
(どうもコンタクトは苦手)
結果として平均速度もぐっと上がるのが嬉しいところ。
和歌山市内まではav31km/hで走り続けた。
和歌山市内に着いたのが2時頃。
走行距離は85km。
この時点で気温はだいぶ下がって4℃くらいだったと思う。
天気予報では翌日の最高気温が高かったからちょっと薄着で、やや寒さを感じた。
このまま気温が下がり続けると厄介だなと感じたので、どこかでインナーを買うことに。
しばらく走ってると御あつらえ向きなお店をハケーン

なんとなくアメリカンな雰囲気がwww
夜通し走るだろうからとライト用の単四電池と暖かそうなインナーをゲット。
で、お会計済まそうと思ったらセルフレジとかいうよくわかんないシステムで、よくわかんないまま立ち往生してたら、だぼだぼズボンにだらしないパーカーを着た強面のサングラスの兄ちゃんが親切に教えてくれて、和歌山のことが一気に好きになった。
ありがとう親切なお兄ちゃん。
このことから私が得る教訓は人は見かけによらない、だ。
旅をしているとよく気づかされることだったりするんだけれどね!
これでもう何もこわくない状態でさらに南下するぞー!と意気込んで左足のクリートを嵌めようとすると、何か違和感が。
あれ?クリート入らない。
もう一度足を押し込んでみる。・・・・入らない。
思い切り踏みつけるように押し付けてみる。手ごたえなし。
なんだろう、何か詰まったのかしらと、シューズカバーを外して靴も脱いで、クリートを見てみて絶望した

バネない/^o^\
根元から折れとる/^o^\
ツイッターでこのことを呟いてみると、どうやら同じような現象が報告されているらしい。
ぐぬぬ・・・まさかこんなタイミングで折れるとは・・・
一応スピードプレイのフォローをしておくと、10,000km越えたのにクリート交換していない私が悪いんだ。
全面的に悪い。
しかしタイミングも悪い。
さあ200kmの片足ペダリングの始まりだお/^o^\
これがSPDとかだったらいっそクリート外して、フラペに近い感覚で乗り切れたかもしれないけれど、何せスピードプレイさん踏み面無さ過ぎて泣ける。
ダンシングを封じれたつむりはオワコン()
と、嘆いても何も問題は解決しないので、とりあえずそのまま行くことに。
「器の大きな人の唄」を思い出して再スタート。



暗くて撮るものない()
紀伊半島ちゃんと走ったこと無かったから不安だったけど、補給はいくらでもできる感じだった。
しかしこの二店の隣接っぷりは異常。
まぁこういうところだと共同戦線張ったほうが結果として両者両得になるんだろう。集客原理である。

迷わずすき家を選ぶよ!
しかし紀伊半島、陸側は山しかなくて、人が通れる道路はほんとに少ない。
串本に向かうには、山中を突破するか、こうして海岸線を走るより他無い。
そしてこの海岸線も海岸線あるあるで、アップダウンが激しくって実は平地は少ない
50mくらい登って下って登って下ってが何十回も繰り返される。
結果として獲得標高えらいことになってるんだろうなぁと思いつつ、片足ビンディングでたらたら登る。

でも、あまり辛くはなくって、星空が綺麗過ぎて、走ってて飽きなかった。
夜ツーリングはこれが楽しみだったりする。
交通量はほぼゼロの道路、自分の自転車の音しかせず、満天の星空の下を走る。
道路はもちろん真っ暗だからたまに恐怖を感じるけど、あえて一瞬ライトを消して、その暗さを楽しんだりもする
夜の山を越えるってこういうことよ・・・

数百メートルごとにある外灯とライトのみ。
月の明るい夜だと、月明かりでもう少し明度は高いかしら。
山の稜線が見えればいい方だと思う。

夜明け前、コンビニで補給。お米お米!炭水化物!



東の空が明るくなってきた。
ようやく海沿いを走っているんだなという実感が湧いてきた。
それまではまったく見えない海の気配しか感じ取れなかったから。


漁師の朝は早い。(自転車乗りも負けてないお!)

坂が目視できるようになるのは精神的にちょっと辛いw

ガッ
明るくなってきた所でペースアップ。
この時点での走行距離は150kmくらいかしら。
あと100kmと思うとペダルにも力が入る(クリートのことには目を瞑ろう

( ^ω^)海ー!

( ^ω^)朝日ー!

( ^ω^)線路ー!

( ^ω^)・・・
これだけ進んでもまだまだアップダウンが延々続く
というよりどんどんひどくなって気がする。
幸い今回はフルカーボンロードだからまだ楽な方だけれど、ツーリングバイクならそれなりにしんどいだろうなぁ
でも海岸線アップダウンってのはまぁお約束だよね!
北海道でも九州でも、地図上ではとても走りやすそうでも、実際はひたすらアップダウンが続く海岸線ってのはいくつもあった。
見ると走るじゃ大違い。それが面白いのだけれど
そうこうしてるうちに串本の町に到着ー
時刻は10時半、出発からきっちり12時間!
最南端の岬に行く前にちょろっと街を散策してみる。最南端ってだけでなんだかテンションが上がるよ!


懐かしいー!
小さい頃、じっちゃに連れられて一度来たことがあった。
電車の中でお弁当を食べてなんだか楽しかったなーふだんじゃ考えられないから。
もう15年くらい前のこと。




春ねー!春告精ー!
ふと見ると駅前にレンタサイクルがあって、係りの人によるとどうやらこれで潮岬まで行く人が多いとのこと。
ふむ・・・手ぶらで電車で旅をして、降車駅で自転車を借りて街を散策する・・・
これはもしかすると、うん、もっと流行ってもいい気がする。
しかも電動アシスト自転車だったよ!羨ましい^q^
そのまま潮岬へ向かう。聞くところに寄ると町から7km程で、それなりの坂があるとのこと。

うん、確かにママチャリじゃ厳しいレベルの坂が続く。
振り返れば串本の町が眼下に広がっていて、なんだろう、どこかで見たような懐かしい風景だった。
港町には憧れる私である。




ファイナルファンタジーⅧでこんなところがあった気がする。
この辺り、景色が良すぎると思ったらなるほど吉野熊野国立公園っていう立派な景勝地じゃねーの

船ー!おーい!船ー!
最南端の碑の場所に行く前にせっかくだから灯台によることにした。
潮岬の灯台といえば、歴史的価値も高いAランクの建造物。
幕末の時代、鎖国から開国へと向かう日本が半ば強制的に結ぶことになったあの江戸条約の一環として作られた8つの灯台の内の一つ。

うおおおこのこじんまりとした感じがたまらない・・・・!
なにかの聖地になっていてもおかしくない素敵な雰囲気・・・
小樽の例の展望台を思い出した。チセ・・・
入場料は200円。受け付けのおばちゃんに渡す。
上まで上がっていいですよーお足元悪いので気をつけて下さいね、とのこと。

灯台の下。なるほど狭いし急だし、これ人すれ違えなくね?
地震があったときの対処法も書いてたけど、こんなところで地震にあったら正直パニックになる自信があるね・・!
ひたぎクラブよろしくひたすら螺旋階段を登ると円形の空間に足場があってそこからさらに階段が

この角度間違いなくパンツみえちゃう///


うおおおおおおおおお水平線うおおおおおおおおお
これはいい・・・!本州最南端から見る太平洋・・・・!
すごく・・・おおきいです・・・
なんとなく地球の丸みを感じられるような、それくらい、雄大な風景だった
あの海の向こうにはアメリカ大陸、オーストラリア大陸があると思うと胸が熱くなる・・・
それにしても海と空の蒼ってほんと綺麗。大阪から走ってきたかいがあった。
ちなみに灯台の下には展示室があって、灯台に使われているレンズや、灯台の歴史、役割等等を知ることが出来る。

少し離れた位置からの潮岬灯台。なるほど真っ白で美しいじゃないの。

たららん走ってそして到着

ゴール!
やー思ったより体力使ったー
紀伊半島さんぱねぇっす。
とりあえず海に向かってどや顔ダブルピースきめておいた。
大阪からの走行距離は約250km
獲得標高は・・・2,000m強()
ここいらでだいぶ眠気が溜まっていたからちょろっと芝生に横になる。というか大の字になる。
本州最南端の芝生の上、晴天の下、昼寝ってなかなか贅沢だなと思いつつ30分くらい寝たかしら。
旅先で寝るのおすすめ。
起きたときに一瞬どこにいるのか分からなくなるあの感じ癖になるw
その後は近くにある観光センターとやらで腹ごしらえ

さすが水産で名高い近畿大学。ここはすごいよねぇ・・・

というわけで本マグロ丼をいただくなど。
うめー!これはうめー!
本当はこういうネタはお寿司でいただきたいところだけれど、でも十分美味しい。
マグロってめちゃくちゃ好き!ってこともないのだけれど、これは美味しかった。
海の幸に感謝。

すごく・・・おおきいです・・・



うーん、雰囲気が南国だねぇ・・・
なんだかまったりしてる。
時間の流れがゆっくりというか、余裕があるというか。
そう感じてしまうのは普段せっかちな生活をしているせいかしら。
そうでもないのかな。
けれどやっぱり大阪とは全然違うよなぁ・・・
でもきっとこういうギャップがあるから面白いんだ。
違う環境に身を置くことで得られるものがある。
そのまま半島を一周して串本に戻る。
この時点で迷う。
このまま予定通り東に走って伊勢まで行くか、戻るか。
なぜ戻るかというと、やっぱりクリートが嵌らないまま走るのはちょっと厳しいと思ったから。
壊れた方の左足はクリートの金具が変に足裏を圧迫してちょっとばかり痛い。
右足はそれを庇う為に引き脚を使いすぎているようで、疲労度が高まってきている。
でも、まだお昼だし、こっから輪行するのもなぁ・・・ってことで戻れるところまで自走で戻って、ある程度まで行ってから輪行で帰ることに。
来た道を戻るツーリングなんて初めてだww


途中、岩代のあたり。
海岸線に出られそうな道があったから行ってみる。
細い道だ。いつか渡った島でこういうところを見たことがある。
自動車一台がやっと通れるくらいの小道で、砂と植物が混ざっていて歩きにくい。
わだちはさっきやっとできたくらいのささやかなもので、そろそろ無くなりそうなか細いものだ。
両脇には木々が並んでいて、その先を見上げるものの空は狭い。
鳥の鳴き声と、葉のすれる音と、車輪のラチェット音と、前方から聞こえる波音くらいしか聞こえない。
潮の香りと、草のにおいが鼻をくすぐる。
5分ほど歩いてすっかり汗をかいてしまった。地面が悪いせいだ。でも心地良い。
まだまだ遠いはずなのに夏を思い出してちょっと懐かしく感じた。
そしてようやく海に出る。

うーん、気持ち良い。
もう少し暖かければ、海に足をつけるくらいはできたかしら。
まだちょっと寒いね、3月だし。


K2T2ジャージ!
その後は御坊まで走ってそこをゴールとした。この地点でのサイクルコンピューターでの総走行距離は378km。
それ以上は足を痛めそうだったから。
輪行バッグに自転車を詰めて電車に乗る。

どう頑張っても倒れてきそうだったから、チューブで固定。コレ中々いいかも。
電車内で読む用の本を買っておいたのだけれど、すぐに眠ってしまって、結局まだ読めていない。
大阪に着いて、その足でスピードプレイのクリートを買いに行った。
これでしばらくは大丈夫だろうけれど、同じようなことはもう勘弁ダナ
それでもやっぱり回しやすいからやめられない
こうして、結局、20時間くらいで家に帰ってきた。
うーん、それにしても濃い20時間だった。
紀伊半島はやっぱり中々にレベルが高いコースだなと実感した。
これは一周ブルベするとすればそれなりの準備が必要だなぁ・・・
秋頃にもう一度、次はちゃんと一周してみたい!
なんといったって景色は抜群にいいところ。
大阪に住んでても何となく近くて遠い和歌山、行ってみるといいことあるかも(ステマ
総走行距離:388km
獲得標高:3510m
走行ルート