【オールグラベル】Canyon 新型Grail(グレイル)を乗り回してみた感想【第2世代】
自転車, 機材紹介, バイクパッキング, グラベルライド,
CanyonのGrailと言えば2階建ハンドルが特徴的なグラベルロードバイクの代表格。
そんなGrailが第2世代になって新登場。
早速乗り回してきたので感想をつらつらと。
スペックやらなんやらはCanyonの格好良い公式サイトを見るのが一番なので割愛。
と言うのが早速200km超を走ってみたの感想だった。
自転車,
機材紹介,
バイクパッキング,
グラベルライド,
テクノロジー云々についても割愛。
いいから公式を見るんだ!
と言うわけでここでは乗ってみた感想を素直に書くことにする。
実質「太いタイヤが履けるロードレーサー」「軽快なグラベルロード」
と言うのが早速200km超を走ってみたの感想だった。
ここでロードバイクではなくあえてロードレーサーと書いているのは、新型Grailが明らかにグラベルレースを想定して作られていることが分かったからだ。
そしてそのグラベルレースとは他でもないアンバウンドグラベルのような高速グラベルレース。ロードレースの歴史がそうであったように、昨今のグラベルシーンを観察していると、グラベルレースも機材の進化とともにますます高速化していくことは容易に想像できる。
そんなグラベルレースを勝つために作られたであろうCanyon新型Grail。
正直なところ「太いタイヤが履けるロードレーサー」と書くべきか「走行性能を極限まで高めたグラベルレーサー」と書くか迷うところだった。うん、今こうして書いてて早速思い直すくらいには、後者かもしれない。
と言うのも例えばスペシャライズドのターマックSLに太いタイヤを履かせた同じようになるかと言われればNOだ。ルーベとも微妙に違う。もっと純粋にグラベルシーンを意識したバイクであることは間違いなかった。それはフレーム性能というよりはパーツアセンブルやフォークの剛性や振動吸収性、そしてジオメトリを見ても感じ取れるところだと思う。
実走で感じた舗装路適正
何故かいきなり舗装路を160kmを走ることになった。
高知駅近くのホテルをスタートして桂浜に向かい、そこから太平洋沿いを50kmほど走って須崎まで。須崎から中村駅までの70kmは輪行でワープをして、中村駅からは四国最南端の足摺岬を経由して宿毛まで110kmほどを走った。海沿いということもありアップダウンは多かったけれど景色は大変に良かった。
グラベルロードでこれを走るとなると辛いものがある。けれど新型グレイルはそんなことがなかった。箱組みをしてそのまま、40mmのSchwalbe G-One RS Evo(445g)をチューブド仕様で走ったのにも関わらず、軽快に走り抜くことができた。30Cチューブレス仕様とかで走ったらそれはもう完全に太いタイヤを履いたロードレーサーじゃないだろうか、とこの時思った。
とにかく「かかり」が良い。反応が良い。グラベルロードは少なからずもっさり感というか、ねっとり感というか加速するにしてもロードバイクと比べると若干のライムラグがあったり無くても軽快さでやや不満があったり…そういうものだと思っていたからこれは衝撃的だった。漕ぎ出しもそうだし、登りもそう。ヒルクライムが苦じゃないグラベルロードがまさか出てくるとは思わなかった。
それにポジションがやはりロードバイク寄り。それもエンデュランス系ではなく、レース系のジオメトリ。Canyonラインナップであればエンデュレースの存在を脅かしそうな気がしなくもない。アルティメットは流石に軽快さが異なるしあっちはピュアレーサーだから比較対象にならないかもしれないけれど、ホビーレーサーで速度域も25~30km/h、グラベル遊びもしたいとなれば、グレイルがかなり応えてくれると思う。
そういうわけで舗装路適正の高さに驚いた。ロードバイクに限りなく近い。それでいてタイヤが太いし、振動吸収性も高いし、ハンドルもリラックスポジションを取りやすい専用ステム一体型ハンドル。
ともすればこれはキャノンボールやブルベに持ってこいだと思った。アンバウンドグラベルもそうだけれどパリブレストパリにも間違いなくピッタリだと思う。アクセサリにエアロバーやフェンダーが用意されていることも、なんとなくウルトラディスタンス系の走りにも対応すると言うCanyonのメッセージのような気もする。
もちろんロングライドや自転車旅にも良いと思うけれど、そこは好みだろうか…
私はどんなバイクが登場しても愛車であるTADA車とのシンクロ率を超えることはまずないので、やっぱりTADA車に落ち着いてしまう。ただ、太いタイヤが欲しくなるようなシーンであれば間違いなく選択肢にグレイルは挙がってくる。東北や北海道を荒れた舗装路を走る時なんか打ってつけだと思うし、32Cくらいのチューブレスタイヤを履かせれば日本全国どこでも、安全マージンを確保しながら走ることができると思う。
それにシンプルに速い…個人的にロングライドの考え方の一つにファストライドがある。
「疲れる前に走り切れば疲れない」
あるいは
「よく走るロードレーサーこそロングライドにピッタリ」
と言うもの。エンデュランス系のロードバイクが苦手な私。レースバイクの方がロングライドが楽と感じる。たとえクルージングバイクであったとしても、ジオメトリはそれなりにレース系の方が好みな私にとっては、新型グレイルはマッチしていた。
日本的グラベル適正はグリズル系の勝ち
アメリカ的グラベル、日本的グラベルと分けて良いのかはともかくとして、ガレ場適性はやや低く感じた。それは先述したレーサーであるが故の限界だと思う。や、グラベルもガンガン攻める人にはいいと思う。残念ながら私はグラベルを速く走るのは得意じゃない。安全マージンをしっかり確保して楽しみたい派なので、もう少し安定性が欲しいし、ヘッドチューブも長い方が良いし、後ろ乗りのアップライト気味のポジションが安心する。
履いていたタイヤがSchwalbe G-One RS Evoだったから、かもしれない。センタースリックだし。グラベルキングSKをチューブレス仕様で走ればまた感想は違ってくるかもしれない。とにかくオフロードはタイヤが全てなんだ…
とは言えやはり日本にあるような平気で斜度5%を超えるようなグラベルだと、もう少しマイルドなポジションとフレーム設計のグラベルロードが合っていると思う。逆に平原を突き抜けるような丘陵地帯を駆け抜けるようなグラベルなら新型グレイルは高速でかっ飛ばせると思う。そんな場所は日本でも限られているのが惜しいところだけれど。北海道や長野に住んでるなら新型グレイルは最高では?
痒いところに手が届く専用設計
シートポスト、ステム一体型ハンドル、ダウンチューブのストレージキット、Grail専用に作られたCanyon LOAD FidLock QuickLoaderバッグ…
いずれもよく考えられてるなぁと思う。フレーム設計やジオメトリとは別のこう言うところ、各メーカーの思想や考え方が現れるポイントでもあり、実はこの辺りがユーザー側からすると最も使い勝手や快適性が左右されるポイントだったりする。メーカー側の思想や考え方に合致すれば痒い所に手が届く設計に感じると思う。逆にそこにギャップがあれば不要、邪魔と思うかもしれない。
ちなみに私はストレージキットなんかは不要で、ハンドルは良いなぁと思ったけれどステム一体型はいただけないなぁと感じている。
前者については、必要なツールはまず自分で用意したいしすでに手元に揃っている。ツールケースをサイコンのように自転車が変われば引っ越しすればいいだけだから。せっかくスペースがあるならグラベルライドならではのファーストエイドキットやポイズンリムーバーでも入れておこうか…。
後者はやはり微調整の幅の話になる。そもそもブラケットはメーカーやグレードによって形状が異なる。それなのに一定の角度でしかセッティングできないのは不便だと思っている。ステム角度とハンドル角度、ブラケット角度、これらを微調整してベストフィットに持っていきたい。シートポストやサドルはmm以下で調整ができるのに。。拘らないなら特に問題ないと思う。平均点に収まるようによく作られているなぁと感じた。シンクロ率的に100点満点は無理でも誰が乗っても8~90点になるのがステム一体型ハンドル…そんなイメージ。
ざっくりとした感想まとめ
・踏んで気持ち良い
・直進安定性高い
・前傾姿勢取りやすい。エンデュランスジオメトリ苦手だから助かる
・ハンドリングかなりクイック(過ぎるくらい)
・オンロードつよつよ
・実質「太いタイヤを履いたロードバイク」
・いやいや「軽快なグラベルロード」
・前傾前乗り気味でガレグラベルはちょっとこわい
・ハンドル優秀。ステム一体にせず微調整できたら最高
・バッグやフェンダー、マウント等Canyonで一式揃えたら幸せになれそう
大事なことを忘れていた。コンポーネントはフロントシングルよりダブルが良いと思った。それは何故かと言うとロードバイク的な使い方が出来るバイクだから。そう言う走りをするならギア選択は細かく出来る方が脚に優しいし、より楽に遠くまで行けるはず。ギア比のせいで遊びの幅を制限するのは勿体無いと感じる。
例のごとくパッケージングが魅力的なものばかり。さすがCanyon恐ろしい。
終わり。
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